7月の終わりに簡単な手術を受けた。左足の甲に腫瘍ができたのは3年程前のことである。仕事と家族・親族のことにかまけて放って置いたところ次第に大きくなり、とうとう靴紐を外さないと外出できない有様となった。止む無く手術の日は休みを貰ったが、翌日はどうしても休む訳にはいかなかった。26センチサイズの足は、手術と翌日の無理で30センチのサンダルがやっと入るまでに腫れ上がった。同僚が乗り換え駅まで車を出してくれ、自宅の最寄り駅からはタクシーを使い、マンションの渡り廊下は膝で這って帰宅した—誰にも会わなかった