浅野和三郎は、多言するまでもなく、この時期の教団の実力者の一人として、宣教や教団運営に活躍していた人である。浅野の入信は一九一六(大正五)年であるが、当時から鎮魂帰神への異常な熱意を示し、彼なりの立替え立直し観を保持していた。彼の理想とする世界像は、天皇による世界の統一であった。そして、それが世界改造大正維新なのであり、鎮魂帰神はそのための強力な武器だとした。なぜならば、鎮魂法は、神人合一の理想状態にはいるための手段であり、これによって、精神的覚醒がうながされると考えていたからである。立替えを彼