37年前の放火殺人事件で死刑確定となっていた袴田巌さんの再審が、東京高検の特別抗告断念により決定した。多くの検察関係者には「組織のメンツに関わる」として、最高裁に特別抗告すべきだ、という意見が強かったらしい。部外者の視点からすれば、関与の疑わしい証拠がいくつもあり、取り調べ段階での自白強要があったことは明白なように思われるが、検察は被告に有利な証拠があっても、一旦下した結論を訂正しようとないのは、理不尽と思える。その拘りは、「メンツ」という、得体のしれないものだけに縋っているように見える。検察の