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「何を読んでるの?」シンが暖炉の前の心地よい場所で本を読んでいると、後ろから妻の細い腕がにゅっと伸びてきた。頬にチェギョンの柔らかな唇を感じた。「暇つぶしの小説さ」「そう。どんなストーリー?」横からちょこんと顔を出した彼女の髪が、カーテンのようにさらりと落ちていく。ほっそりとした腕に、絵の具が幾筋もついていた。半年一緒に暮らしてみて、妻の趣味を知った。彼女はドールハウスづくりが好きなのだ。それもアンティークなモノだけでなく、モダンな近現代のドールハウスを嬉々として作っている。「自分
「自分のベッドが良かったかな」ドレッサーの前で髪をとかしているチェギョンの肩に、シンの大きな手が乗った。「私のベッドでは、二人でゆっくり眠れません」子どもの時から使っていたチェギョンの私室のベッドは、夫婦二人で眠るには少し窮屈だ。そう、チェギョンとシンには。だから、二人は一番広いゲストルームのひとつを使っている。ベッドで夫がどんなに淫らな愛撫を与えてくれ、それに応じる自分はとても“行儀のよい妻”ではないことを思い出し、チェギョンは頬を染めた。そんな彼女の様子に彼が気づいた。目を細め
ウォンウォンウォン生垣で出来た迷路の奥から仔犬が飛び出してきた。勢いよく飛びつかれ、シンは数歩後ろに下がった。幸いにもまだ仔犬のおかげで、倒れることは免れた。しゃがんで背中を撫でてやると、嬉しそうに黒い尾を振っている。「その勢いでチェギョンに飛びつくのは禁止だ」大型犬のバーニーは、仔犬とはいえかなり大きく力もある。華奢な妻がこの犬に飛びつかれたら、勢いで倒れてしまうだろう。シンが注意を促しているというのに、バーニーはますます喜び、ひっくり返って腹を見せていた。「聞いているのか?」シ
「お父様は、お母様にいつご自分の想いを伝えたのですか」チェギョンの言葉に、父のアルベルトが動揺したのが分かった。「なんだって?」いつだって冷静沈着な父が口に含んだ紅茶を吹き出しそうになり、慌ててハンカチで口元を押さえたから。「結婚なさる前に伝えのですか?それとも結婚してから、なのかしら」「チェギョン、何を言ってるんだ?」「言葉の通りです。教えてほしいの」父の額に汗がにじみ出た。厳格な父がうろたえる姿は、ちょっとした見ものだ。ここに兄や弟がいたら、さぞ面白がったことだろう。「―
StageName:Chaekyung(채경)BirthName:YoonChae-kyung(윤채경)Position:VocalistBirthday:July7,1996ZodiacSign:CancerHeight:161cm(5’3″)Weight:45kg(99lbs)BloodType:ABInstagram:@yunvely_08242016年11月レイチェルと同時加入元PURETTY、theKARAProje
静かな脇道を早足で歩く。チェギョンが早足で歩きたいわけではなく、“結果”そうなったまでだ。ルーシーに肘を掴まれ、彼女に引っ張られるように歩いているから。そして、ルーシーの脚が止まった。目の前には小ぢんまりとして、小麦のいい香りを漂わせた素朴なベーカリーショップがあった。鋳物で造られた看板には、小麦の模様。「ここ?」チェギョンが聞くと、ルーシーが「え?あ、ええ、そうよ」慌てたように返事をした。―――珍しいことね。チェギョンは思った。自分の知っているルーシー・リーディングはい
「チェギョンはどこだ?」仕事を早めに切り上げて宮殿へ戻って来たシンは、ジャケットを脱ぎネクタイを緩めた。腕のカフスを外すと、袖を折って一息つく。「妃殿下ならお庭です」侍従がシンの脱いだジャケットを片付けながら答えた。シンは窓の外を見た。今日は晴天で気持ちのいい風が吹いている。夏の風が開け放った窓から爽やかに部屋の中を通り過ぎて行った。彼は侍従の言葉に頷き、用意されていた服に着替えることもなく―――ラフな服に着替えるよりも、妻の顔が見たくなったから―――部屋を出て行った。そんな彼の姿をこ
「チェギョン」チェギョンが振り返ると、ルーシーが立っていた。「ルーシー」ここは新が週の半分、勤務する大学付属病院。医師であるルーシーがいてもおかしくはないが、彼女はチェギョンやシンたちの母校である大学のもうひとつの附属病院に勤務している。「相変わらず可愛いわね。人妻に見えないわ」「あ、ありがとう」そう言うルーシーの方は医師に見えない。柔らかなベージュのドレスシャツに真っ赤なタイトスカート。スリットも深く歩くたびに男性の視線を独り占めしそうだ。チェギョンは急に自分が幼く見えて恥ず
どこからか鳥の鳴き声が聞こえる。チェギョンはゆっくりと覚醒していく自分を感じた。瞼はまだ閉じているけれど、明るい朝の日差しを感じるし、すこし湿った風が肩を撫でていく。ふいに肌寒さを感じ、チェギョンは身震いをした。「寒いかな…」低い囁き声が聞こえ、大きな手が肩を覆ってくれた。その温かさに彼女は満足げなため息を一つついた。白いユリを図案にしたらしいキルトをふわりと肩から首まで覆ってくれた。彼女は重みで凹んだマットレスに引き寄せられる振りをして、隣に横たわる大きな体にすり寄ることにした。体を動か
―――シンくん彼女の可愛い口から自分の名前が飛び出したとき、シンは一瞬思考が停止してしまった。長い廊下は従者は付いて来ていない。新婚初夜を迎える王子夫婦に配慮しているのだ。普段ならそういった家臣たちの目があり、それが自制心を呼び起こす。けれども、今、この瞬間、静まり返ったこの廊下には、シンを抑える監視の目がない。頭より体が先に反応した。グイっとチェギョンの小さな手を掴み、ずんずんと大股で歩いた。紳士らしく妻の歩幅に合わせて歩くマナーさえ吹っ飛んでいた。身体中がわけのわからない欲望の渦で
いつものようにシン・ジェラードは赤いスポーツカーを走らせ、自宅へ帰ってきた。途中で妻のチェギョンが好きなケーキを買ってきた。チェギョンはフランス風のケーキに最近凝っていて、街へ出かけると必ずシンとケーキを食べるのだ。今日は彼女の好きなイチゴのミルフィーユをチョイス。黒と濃いピンクで統一されたペーパーバッグを持って、彼は自宅の玄関を開けた。「チェギョン?」いつもなら、彼が帰って来た時には玄関のライトが付いている時間だ。チェギョンは怖がりで、まだ明るい時間から家のライトをつけたがる。それだ
―――何を考えているの?チェギョンは“夫”の端正な横顔を長い睫毛の下から盗み見た。相変らず彼は隙の無いハンサムで、冷たい印象を人に与えた。それは“妻”となった彼女に対しても同じ。伝統にのっとって行われた挙式でも、彼はピクリとも表情を変えなかった。そう、妻との初めてのキスも。その時のことを思い出し、チェギョンはひとり頬を染めた。今までも遠巻きにシン―――彼女の夫―――のことを見たことはあった。何年も前に隣国同士の王であったチェギョンの父とシンの父は同盟を結ぶ証に、娘のチェギョン王女とシン王
「雨…」チェギョンは鉛色の空を見上げた。この調子だと、しばらく止みそうもない。小雨ならばいいけれど、生憎土砂降り。病院の門を出て、200メートルほど進めば地下鉄の入口があるけれど、そこまでたどり着く前に濡れ鼠になるのは確実だろう。彼女は黒いカーディガンを羽織っている腕を無意識撫でた。夏とはいえ、こんな天気だと肌寒かった。「しかたないかなぁ…」くるりと向きを変え、チェギョンは病院のロビーへ入った。そしてフロアの隅にある階段を上りはじめる。8階にある夫の部屋まで一段一段上りながら、途中の階
APRILチェギョン、レイチェル、ジンソルの3人による保護犬の幸せ探し前回はワンちゃんのご飯を手作りした3人食材は人間も食べれるものだったので。。。3人のつまみ食いが目に付いた回でしたね(;^ω^)前回のブログ>>https://ameblo.jp/h-kkd/entry-12580949110.html200316[第8回]テンテン様!私が言ってみます!今回は、ワンちゃんたちと一緒に食べれるレストランかな?なんだか楽しそうなAPRIL見ると、こ
3月24日APRILのMV公開の文字が!!エイプリルの「나랑사랑해!」(LoveWithMe)4月1日(水)に、KB国民カードのMVがリリースされます。予告動画のキャプチャ>>国民カードという金融カードのキャンペーンか何か?ですかねこちらの予告動画の2番目がAPRIL>>動画の説明(web訳)[KB国民カードNewCampaign]KBDigitalCompilationEasySoundOfficialTeaser5組のア
宮未来の構図『え?まさか乗れないの?』『乗れないんじゃない。「乗らない」んだ』滞在二日目の朝…客人である二人は、庭で大声を出し騒いでいる。何事かと朝食を作る手を止め、庭先を覗き込んだ。『きゃはは、無理してる。シン君。ホントは乗れないんでしょ?馬に乗れないって、私をあんなに馬鹿にしたくせに。子供にだって乗れる「自転車」に、乗れないなんて!』そう言って指をさしてシンを笑う、チェギョンの姿が見える。…どうやらサイクリングに行くと決定した段階で、シンが「自転車に
遠くから見つめていても彼女―――ルーシー・リーディング―――が光り輝く様な魅力に溢れていることに、チェギョンは気づいた。大学病院の研究室で、一番大きく眺めの良い部屋をあてがわれているルーシーは、たくさんのスタッフと一緒に、何やら真剣な顔で話し合っている。きびきびとした仕草、自信に満ち溢れた表情。なにもかも自分にはないものだ。チェギョンはルーシーの言葉に真面目な顔で耳を傾ける多くのスタッフの様子を見ながら、考えた。『ルーシーより年下だから』という言い訳は通用しないだろう。チェギョン自身がル
宮序2封書の中には、もう一枚、小さなカードが入っていた。そこに記されていたのは、数行の英文。……。wewillgoourwaywewillleavesomedaywewillfrysohighWe'llfindourpromissedland私達の道を行こう今までの過去に別れを告げてより高く私達は飛ぼう約束の地を見つけるためにそのうち、会いに行く…「二人」で。シン……。…「二人で」だって?
宮序1この…胸を締め付け続ける「想い」が記憶の中の笑顔と共に、安らかな「思い出」と変わる日がいつか…くるのだろうか…?…窓辺に寄りかかり、外を眺める。イングリッシュガーデンの向こうに広がるのは、イギリス・ロンドン郊外、田舎町の秋の風景。緩やかな丘陵に、色彩づいた木々が映え…。蜂蜜色のライム・ストーンで造られた古い家々が、その木々の傍らにこじんまりと建ち、まるで絵本の世界に迷い込んだような、錯覚を覚える景色。…『不思議の国のアリスね。宝探しが出来そう』…
シンの後に続いてヒョリンは会場に入った。誰もが感嘆の声を上げて自分を見ている・・・。ヒョリンは誇らしげであった。顔ぶれの中にはいつものメンバーもいた。すぐそばにユルの顔を見つけたが、その横にいるチェギョンたちの姿を見ると途端にヒョリンの表情は曇った。「どうしてあの人たちが来ているの?」出迎えの人たちにあいさつが終わった後、ヒョリンはシンに尋ねた。「あの人たちって?」「シン・チェギョンさんたちよ。皇室関係者でもなく、友人関係でもないのに・・・」「おばあさまが招待したんだ。」「皇太后
シンは人ごみの中、クリーム色の妖精を探した。今日の妻は本物の“妖精”さながらだ。クリーム色の上品なワンピースは彼女の可憐な美しさを際立たせている。チェギョンは不思議な女性だった。色ぽい服を着ていなくても、男たちの目を引きつけてしまう。誰もが、彼女の一挙一動に目を奪われてしまうのだから。―――きっとチェギョンが透明だからだ。☆☆☆ここから先は、Amebaに弾かれてしまうので、こちらで続きをどうぞ~。→『そのままの君が4(シン&チェギョンversion)』ここをタップま
宮~LoveinPalaceディレクターズ・カット版DVD-BOX1<シンプルBOXシリーズ>著者:エスピーオー発売日:ブクログでレビューを見る»大好きなこの作品のことをしばらく忘れていたのですが、最近、あるきっかけで思い出しました。初めて観たのはレンタルDVDで、すぐに引き込まれ全巻試聴、その後、テレビ放送されたときに二度目に観て更にファンになり、原作漫画とノベライズされた小説も読んだたいう入れ込みようです。久しぶりにもう一度観たいとコチラを購入。シンプルボックスシリー
「シンがこんなに早く結婚するとは思わなかったな」知り合いの医師たちに声を掛けられた。祝福の言葉と共に、彼らが異口同音に口にするのは、チェギョンのことだった。「妖精みたいだ、と噂に聞いていたけれど…」「本当だな」義姉のリズと何やら話をしているチェギョンに自然と視線が集まる。「リンジー医師の一人娘だろ。彼女、一時見ないうちにサナギから蝶になったようだな」仲間の一人が感心したように言った。「チェギョンを知ってたのか」シンが尋ねると、「12歳ぐらいまでは知ってた。その時は、眼鏡をかけて
パチパチと薪がはぜる音がする。ジェラード家が持つ田舎の別荘に恋人のチェギョン・リンジーとやって来たシン・ジェラードは、父の書斎でちびりちびりとスコッチを飲みながら、資料に目を通していた。初夏とはいえ、朝晩の冷え込みが厳しい。ましてや雨の降る夜だ。照明を落として一人、暖炉の火が揺らぐ中、静かな夜を過ごす。チェギョンは今頃夢の中だろう。「ずっとシン君を独り占めできる」と心底嬉しそうな笑みを見せた彼女。あの笑顔は自分だけのものだ。シンは彼女の笑みを思い出し、ふと微笑んだ。昨日から興
妻が家の中で走り回っている。シン・ジェラードは、寝室の白い小ぶりのソファに腰掛けながら新聞を読みつつ、チェギョンがたてる音に僅かに口の端を上げ微笑んだ。「シン君、どっちのほうがいいと思う?」クローゼットから持ってきたのだろう、チェギョンが左右の手にそれぞれワンピースを掲げ、彼に判断を委ねてきた。「赤いほうがいいね」「えっ、こっち?でも、ちょっと目立ちすぎてない?」「じゃあ、ベージュだ」「でもぉ、これだと子どもぽいもん」チェギョンは眉間にしわを寄せている。そんな彼女にシンはふっと笑っ
チェギョン・リンジーは困っていた。けれども、今は仕事中だ。カメラの前に立ったら、心のうちを顔に出してはいけない。だから困惑をなんとか抑え、“可愛らしい笑顔”を見せるように努力していた。それは、概ねうまくいっているようだ。カメラマンも他のスタッフも和やかな顔をして自分を見ているのだから。ただ一人を除いて。リズの妹、ティナ・レイフォードが腕組をしてムッとした顔をしている。彼女の統括するレイフォードブランドの『ナイトドレス類』のモデルを頼まれて、今、チェギョンはこの場に立っている。ティナ
「ニック」突然、ニックが現れてチェギョンは驚いた。けれどもよく考えればおかしくもない。この店に最初に連れてきてくれたは彼なのだから。だから、にっこりとニックに笑ってみせた。「ニックも来てたのね。ニックに連れてきてもらってから、すっかりここの小籠包の虜なの」レンゲに載せたままの小籠包を小さく揺すり、彼女は笑った。そんな彼女の微笑みに、ニックが喜びと共に僅かな痛みを感じていることなど知らず。「それは、紹介したかいがあったな」ニックは笑って応えてくれたけれど、すこしだけ暗い目をしているように
「すっかり良くなったみたいだな」シンは自分の前の患者用の椅子に座るニックの顔を見た。見れば見るほど、活気にあふれた青年だ。年はチェギョンと同じ。シンは自分とニックの年齢差を考え、警戒した。自分の方が“大人の魅力”があるだろう。だがしかし、それも言い方を変えると“老けている”ということに他ならない。「はい、元気です」白い歯を見せ、爽やかに笑う彼にシンは頷いた。淡々と反応したつもりだが、不機嫌な顔を隠すのは難しい。なにしろ相手はもしかしたら妻のことを想っているかもしれない“恋敵”なのだから。
みんなの回答を見る昨夜は韓流時代劇「サイムダン師任堂~色の日記」を見ました。13巻を一挙見しました。サイムダンの次男が通う中部学堂で保護者会が行われました。サイムダンも出席したのですが、その前、息子のヒョルリョンが授業で「優」の成績を取りました。しかし、フィムダンの息子のギジュンは「良」、つまりヒョルリョンに負けたのです。そのことで悔しかったギジュンはヒョルリョンに言いがかりをつけ、二人は喧嘩になりました。その結果、ギジュンが鼻血を出してい
「今日は仕事…?」チェギョンは夫のスウェットのパンツを小さくつまんだ。「どうした?」ベッドから抜け出そうとしていた新は、彼女の顔を覗きこんだ。潤んだ大きな瞳。気だるそうな様子。「熱が出てるな」新は医師の顔で妻の喉に触れると、ベッドから降り、クローゼットの扉を開け聴診器を取り出した。疲れると熱を出すチェギョン。結婚してから新は、常に妻の体を配慮してきた。無理をさせないように見張る彼に、「大丈夫なのに」妻が少し不満げな顔をしたことがあった。けれども彼は夫の権限を最大限に行使した。