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『結婚しないか』ある日の午後、無人の教室の片隅で彼女に告げた。ヒョリンは瞳を丸くして、それでも冷静に答えた。『私達はまだ学生よ?』確かに彼女の言う通り、現実的に無理がある。皇族の結婚は早く黙っていれば勝手に妃を決められる。宮家の言いなりになり知らない女と結婚するのは癪に触る。皇太子という特殊な立場故に一般的な常識が皆無かまたは欠如した思考に陥りやすかった。『結婚』の発言自体、皇太子として生きてきたシンにして余りに突発的である。ヒョリンからすれば驚いて当然の申し出だった。厳しいしきた
ドラマのその後物語を書く時は大体検証もやるんですが、今回の宮Loveinpalaceその後の場合は、物語と検証込みでやってます。例えば、ユルの本音やあの時にシンの行動をユルや私たち(視聴者)からどんなふうに見えていたか、その行動はなぜ起こしたのか。などを語らせてます。14話の終わりにシンは自分の中でチェギョンとヒョリンの違いや恋や愛についての疑問が生まれました。15話ではその答えを検証しながら描いています。宮の面白さは2周目からです。まず1周目から本質が見抜ける人はかなりclever
久々の東宮殿はあの頃より増して開放感のある明るい佇まいを見せた。この空間との別れを、チェギョンは惜しむ間も与えられないまま取り急ぎ宮を去った。騒動の渦中に泡沫のように消える事を余儀なくされた。思い出の残るこの場所に再び舞い戻った。緊張した面持ちで、チェギョンはかって知ったる石畳を歩いた。『足元、気をつけろ』『分かってる!』過干渉な夫に辟易しながら辺りを見渡した。いつ何時、主である妃宮が戻ってきても良いようにと女官達が甲斐甲斐しく毎日の手入れに気遣っていた証拠が其処彼処に伺える。『妃
『シン!チェギョンっ!』女皇帝陛下になった筈のへミョンは二人に駆け寄った。つい二、三日前に公務に赴く前の挨拶をかわした無表情な弟よりも、久方の義妹、チェギョンに飛び付いた。『女皇帝陛下!陛下がそんな事でどうしますかっ?』柱の影から皇太后が顔を出す。『わ、母上じゃなくて皇太后陛下いいじゃない姉妹の久々の再会よ?ここは家族の部屋なんだから!さぁ、入ってシンも母上とあれ?父上は?妃宮知ってる?』『あ、、はい。あれ?先程までこちらまでご一緒して・・』妃宮はいつの間にか消えてしまった舅を
へミョン女皇帝や太皇太后の住む景福宮は朝から慌ただしかった。それは昨夜のコン内官からの報告が発端で、太皇太后、へミョン女皇帝は元より、宮殿内は大騒ぎしていた。『お、お祖母様!!太皇太后陛下!シンとチェギョンに…赤ちゃんが!』朝一番に祖母に挨拶にきた孫娘であり女皇帝でもあるシンの姉へミョンは祖母に駆け寄る。『慌てるでないへミョン…いえ、女皇帝陛下。まずは二人をすぐに呼び戻すのだ……首を長くして待っておったがやはりマカオでのあれは懐妊の兆しだったのだな』太皇太后はチェギョンの異変に心当た
温洋御用邸は昨夜からの強風から開放され穏やかな朝を迎えていた。庭の柳はしなやかに名残の風に揺れている。滴る雫が朝日に輝いていた。『ミン…ミンはいるか…あ、いや皇太后?』『どうされましたか?陛下…今朝は随分とお早いですね』虫の知らせか、邸内の空気の異変を察知した前皇帝陛下は妻を呼んだ。寝所の戸が僅かに開くと、夫を招き入れた。『あ、いや…今日はやけに外が騒がしく感じて…そう思いませんか?』『……そうでしょうか…私には何も。ただ、久方に妃宮の夢を見ました…』『妃宮の?一体どんな夢か聞か
『ウッティレート医師、チェギョンが妊娠とは確かなんですか?確かだとしても何か他に病気があるわけではないのですか?頻繁に倒れるのは何か』『いえ、妊娠初期は様々な症状がでます。妃宮様の場合は典型的と言えば典型的ですが数値も著しく悪い訳ではありません、、食事が摂取出来ない事が何より心配ですがでは、殿下見てみますか?』『見てって…見れるのか?だったら是非』『妃宮様先程は見られるのはお嫌だと言われましたがどうされますか?』『だって恥ずかしいし』『何が恥ずかしいんだ!』『だって』『先生お願いし
診察の時間外、静かな待合でヒョリンの落ち着いたトーンの声が響いた。『…順を追って説明するわね。シン、いまの貴方は呆れるくらいに理性的ではないわ。。チェギョンの事だから仕方ないのかもしれないけれど』一瞬見せた寂し気な表情を今度は深呼吸とともに切り替え、凛とした目を向けた。『まず、今日の正午頃、私はインを迎えに行った空港で、すれ違い様に倒れた人がいて助けたの…それがチェギョンだった…』『倒れた?』なんの報告もなかったと無言で鋭い視線を尚宮へ投げるシン『…えぇ』『…尚宮、お前の仕事は何だ
「どこまで行くつもり?」シンがずんずんと自分を抱えたまま歩いている。絶対彼と口を利くものか、と黙っていたチェギョンだったけれども、いつまでも立ち止まらない彼にとうとう口を開いてしまった。そんな彼女に彼は面白そうに目を光らせると、「やっと口を利いてくれた」嬉しそうに言った。「ひ、必要なことを述べただけよ。不必要な会話を続けるつもりはないから」チェギョンはツンと顎を上げた。シンは肩を少しすぼめるとそれ以上は何もいなかった。そう、チェギョンが不安になるほど、何も。シンは怒っているのだろ
シンの滞在するホテルの一室。一際重厚な扉の前には物々しい雰囲気で護衛官・イギサが立つ。チェギョンにも本国では三名の女性イギサが付く。タイへの公務中のシンを訪ねたユルはかつて皇太子だった。僅か5歳の頃まで皇太子として景福宮で暮らした。父・孝烈皇太子が急逝したため第二皇位継承権の叔父が帝位に就くと皇太子の位は従兄弟であるシンへと移行した。そして、母ファヨンと共に宮廷を追われた。それさえ無ければチェギョンの許嫁は本来、義誠君と呼ばれたユルであった。そんな昔に思いを馳せながらシンは口を開いた
「これ、一体どういう事?!」「チェギョン?」「シンなんて、シンなんて…大嫌いっ」「チェギョン、待つんだ」シンのオフィスのデスクの上に、ゴシップ記事をわざわざ拡大コピーした記事が―――チェギョンが置いていった―――グチャグチャに丸められ、しわしわになった状態で置いてある。まるで彼女の気持ちを表しているかのようだ。シンは大きなため息をつき、黒髪をグチャグチャに乱した。本当にこれは“くだらないゴシップ記事”なのだ。まるで『ゴシップ記事とは書くあるべき』の見本のような、信憑性ゼロ、事実の裏付
『尚宮お姉さん…どうしよう…』肩にかかる髪が風に揺れる。俯き、拗ねたように唇を尖らせた。『どうなさいましたか?妃宮様…』従うべき主の気持ちの浮沈を敏感に感じとるのも皇太子妃に仕える尚宮の仕事。本音を隠した主人の心の機微を察知するのは至難の技である。特にイ・シンに於いてはコン内官にしか見せない心の内がある。内官の宮での信頼感はそこからも伺い知れる。しかし、チェ尚宮は平然を取り繕う。チェギョンの感情の起伏を平坦にすべく考案したのはチェギョンの悩みについて感情を入れないこ
チェギョンはご機嫌斜めだった。そんな娘のようすに、ソファで向かい合わせに座るシェフィールド夫人はクスリと忍び笑いをした。「ママ、笑ったわね」チェギョンはぶすっとした顔で夫人を睨んだ。「だって笑わずにいられないわ、チェギョンの顔ったら」膝に乗せていた愛犬のコーギーの背を撫でながら、今度は高らかな笑い声を立てる。「ママっ。ひどい、笑うなんて」チェギョンは母親をひと睨みして、それから「こっちは泣きたい気分なのに」しょんぼりと肩を落とした。そんな彼女の様子を夫人は柔らかな表情で見つめ、
夜風がタイの街を駆ける。街路には国花でもあるゴールデンシャワーがひしめき咲いている。透けそうな白い茉莉花は風に揺れ夜露が香りを幾分薄め鼻腔を擽る。辺りは水気を帯びた土の香りを漂わせ、一層不可解な夜を創造する。タイ訪問の公務の最中、シンは母国を追われた従兄、ユルと再会を果たした。ホテルの一室、広いリビングに置かれた長いソファに腰かけ、窓辺に立つ従兄を静かに見つめた。『皇太后様が体調を崩されたとは…容態は大丈夫なのか?』本気で心配しているユルをシンは不思議に思う。何故、彼が叔父や叔母で
いつも~興味ある素敵なこと読ませてもらって~ます今夜は~このお話リブログします関係ないけど~Kポップで~思いだす昨年の流星祭KポップDANCEサークルCRASHのみんなのこと思いだすわあ~金沢星稜大学の女子たちで~おやすみなさい
1月18日チェギョンがスペシャルステージに参加したようです!200118チェギョンインスタグラム(web訳)音楽の中心スペシャルステージ❤️、子年時代🐭3時30分本邦死守してください「今朝早くから来てくれたパイナップルありがとう」#音楽中心#ネズミ年時代200118APRIL公式2020.01.18MBCショー!音楽中心ネズミの年を迎え、Geeを見せてくれたチェギョン✨🐭2020年度チェギョンが、幸せな一年になりますようにチェギョンのインス
『ちょっと!大丈夫ですか?』『…様っ?』暗がりに甲高い声が耳に飛び込んで来る。どうやら自分を呼ぶ声のようでチェギョンは薄っすらと瞳を開いた。誰かに抱き留められているようで、肩を強く揺さぶられる。『妃宮様っ、大丈夫ですかっっ?』チェ尚宮の声にもう一人が強く反応する。『え。。チェ、チェギョン?』『大変申し訳ございません、あまり動かす事も危険ですのでこのまま…護衛のものが参りますので…』『あら?貴女…チェ尚宮さん?』『あ、あなたは…』『…ん…』妃宮を支える通りすがりの人物に尚宮
「よく眠れましたか?」朝食の席で、チェギョンの父シェフィールド氏がシンに声を掛けている。薄くカリカリに焼かれたトーストにお気に入りのブラックベリーのジャムを載せながら、チェギョンは耳をそばだてた。一口齧ったけれども、今朝はまるっきり味がしない。それはそうだろう。なにしろ気になって仕方のない相手が、あろうことか自分の父と顔をそろえて、朝食の席についてるのだ。結局、昨晩はチェギョンは自室で夕食をとり―――病人だということになっていた以上、それは当然だろう―――、シンは両親たちとの夕食を断っ
むせるような花の香りと水気を帯びた熱い空気が辺りを包んでいた。観衆の見守る中、専用機のタラップを静かに下りる。近付いてきた一人の少女が小さな花の束を差し出す。受け取ると感謝の挨拶をする。少女ははにかみながら笑顔で手を振った。いつか見た光景と重なる。眩しく輝く太陽の下、シンは目を細めた。『殿下、この後歓迎の儀が行われ、パレード、それからホテルへと参ります』コン内官は簡単なスケジュールを伝えた。『あぁ、分かった・・』人々は大きく手を振りシンを歓迎していた。かつては皇太子としてこの国
『明日ね…』『あぁ、明日…』シンとの電話を切った直後からチェギョンは言い知れぬ不安に襲われていた。『妃宮様?』無言のまま携帯を耳に付け静止した妃宮にチェ尚宮は声をかけた。『妃宮様、どうかなさいましたか?何か心配事でも…』尚宮の声に気付く気配もなくゆるやかに長い髪を不安に揺らしながら主は携帯を見つめる。それから気を取り直したように顔を上げると再び携帯を耳に当てた。『あ…もしもし…お久しぶりです・・コン内官?チェギョンです…。はい。私も尚宮も元気ですよ。え?シン君が画像を?・・ありが
「会いたかった」と言ってくれたチェギョンが、シンの腰に腕を回してしなやかな体を預けてくる。彼女のシトラス系の爽やかな香りが二人を包んでいた。その香りを感じながら、シンは決心していた。“意地を張るのはやめよう”と。チェギョンと二人でいることがあまりに自然で、そして心地よいと気づいたから。いや、気づいていたのにそれを知らぬ顔をしてきたのは自分だ。シンは華奢な体を抱きしめた。「僕もだ…」身をかがめ、彼女の耳元で囁いた。「シン…」応えてくれた彼女の声が震えているようだった。何の警戒心
公務を終え帰路に着いたシンは静かな筈の東宮の奥から聞こえる不自然な音に不審を感じながら更に歩みを進めた。この広い宮殿の中でも二人の新居となった東宮は珍しく洋風に造られている。周辺は父が帝位についたと同時に入宮し、幼き頃より慣れ親しんだ景色。当然ながら建造物はどれも歴史的な価値がある。丹青の彩と白い砂、赤松、柳、ハンノキ…深き緑に普段なら癒される。妃宮との安らぎの場所でもある。中央のパティオから左右に夫妻のそれぞれの部屋がある。一先ずは原因を突き止めようと妻の部屋に向かう。『!!』入り
更新中の「jewel」の二人の1話完結の短編をどうぞ。「チェギョン?いるのか?」「いないわ」シン・バセットは微笑んだ。そして細く開けていたドアを押し開き、部屋の中へ足を踏みいれた。窓際のソファーに膝を抱えてそっぽを向く、彼の愛しい新妻がいた。赤いニットに紺色のフレアースカート。ポンと脱いだであろうエナメルの紺のパンプスが、左右離れてラグの上に転がっている。シンは大股で近づいた。チェギョンはピクリともしない。相当機嫌が悪そうだ。「チェギョン」「返事するつもり、なし」ふくれっ
「分からないって、何が分からないんだ?」チェギョンの不可解な行動と言葉にシンは戸惑った。女性と言うのは時に厄介だ。「チェギョン…僕に分かるように説明してくれ」「分からないの…」静かに小さな頭がゆらゆらと揺れる。―――儚げで可愛いチェギョン。何も疑うことも知らない子どものような無垢な瞳を投げかられたら、僕はどうしたらいい?このまま彼女をさらってしまいたい願望と、自分のような男は彼女に近づくべきではないという警告が、彼の胸に交差した。「チェギョン」シンはチェギョンのむき出し
チェギョン・シェフィールドは姿見で後姿をチェックした。それも念入りに。「ねぇ、ちょっと少女じみてない?」身支度を終え、ソファでくつろぐ母のシェフィールド夫人に問いかけた。夫人はゆったりと紅茶をすすりながら、娘のチェギョンが鏡の前であちこちチェックしている姿を微笑んで見つめていた。「チェギョンは、まだ子供なんだからそれぐらいでいいのよ」「まだ子供って、ひどいわ。22歳よ、立派な大人です」華やかオペラ鑑賞に、真っ赤なワンピースを母が選んだ。片方の肩に大きなリボンが結ばれただけのシンプルなデ
「ねぇ、シン?」この国にも短い春がやってきた。芝生の裏庭に面した風が当たらないバルコニーで、シンは暖かな日差しを浴びていた。目を閉じて顔を上げ、太陽の光を感じていた。「うん?どうした?」ベンチに座る彼にもたれるように、彼の妻のチェギョンが自慢のほっそりとした足を投げ出し膝を抱えて座っていた。「ほら、ブランケットを掛けないと」クスクスと彼女が笑う。「シンったら、そればっかり。今日はもう10回目。知ってた?」妻の体のことばかり考えているような愛妻家だと周りに知られたら、若手投資家として
てっきりアクセサリーやバッグなどのよくあるプレゼントだと思っていたのに、シンに連れて行かれた先は、小さな雑貨屋だった。「本当は蚤の市に連れて行きたかったんだ。でも、今日はもう終わってるだろ?」助手席のドアを開けてくれたシンが、不思議そうに周りを見渡しているチェギョンにそう言った。その時の少年のような笑顔はチェギョンの心にずっと残った。彼のことが気になっていたと、後々チェギョンは自分の気持ちをそう分析したけれども、確実に彼に恋をしたのは、この瞬間だったのかもしれない。「わぁ」白い扉を開ける
「あなたからプレゼントして頂くいわれはありません」「チェギョン!」母が慌てて小さく名を呼んだけれども、チェギョンは態度を改めるつもりはなかった。シン・バセットの落ち着いた態度が気に入らない。意表をついた訪問と言葉。小娘だとバカにしているに決まっている。「どうぞ、お帰りになってください。生憎ですけれど、私、少し頭痛がします。あなたをお見送りできないから」思い切り冷たく言い切り、立ち上がろうとしたのに、相手のシンは慌てることはおろか、困った様子も見せない。そのかわりに、薄らと微笑さえ浮かべ
12月30日2019MBCDramaAwardsAPRILのスペシャルステージがありましたAPRIL公式より待望のFeeling初公開❤️私いま天使たちの年末パーティーに来ているんでしょうか❓じゃないなら私が見た歌って踊る天使たちはなんだったの❓#APRIL#日本語訳#チェギョン#チェウォン#ナウン#イェナ#レイチェル#ジンソル#ジュダはいちごが好きで🍓#エイプリルはパイナップルが好き🍍ナウン出演ドラマ「偶然見つけた一日」が演技大賞を受賞!画像追加)
「チェギョン?聞いてるの?」母に名前を呼ばれて、チェギョンは我に返った。「ごめんなさい、聞いてなかったわ。ちょっと考え事をしてて」シェフィールド夫人の行きつけのデパートからやってきた外商担当者が、新作の商品を広げ、何とか母に買わせようとあの手この手で勧めているのをチェギョンはぼんやりと眺めた。「これはどうかしら?」ゴールドのピンヒールとベージュのそれで迷っているらしい。母が持ち上げているゴールドの靴を、チェギョンは手を伸ばして持った。そっと表面をなぞる。この靴を履いた自分の脚はさぞか