汝(なんじ)心(こゝろ)を安(やす)くして、よく留守(るす)せよ」と宣(のたま)へば、重季(しげすゑ)又禀(まうす)やう、「いにしへの人も、「事(こと)に臨(のぞみ)ては懼(おそれ)よ」といへり。されど止(とゞま)り給はじとならば、重季(しげすゑ)をも召倶(めしぐ)し給へかし。」としば<”請(こふ)て已(やま)ざりし程に、「かくまで思はゞ何(なに)か拒(こばま)ん。われとゝもに来よ」と仰(おふせ)て出給へ/ば、重季(しげすゑ)よろこびて蕉火(たいまつ)に路(みち)をてらし、主(しゆう)の倶(とも