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気高く、神聖、純潔であり賢者といった意味を持つ、百合の花。さて、この百合の花粉には、香りに誘われてやってきた昆虫に花粉を付けて受粉しやすくするために、粘着力があります。主成分は油脂なので、水で洗っても落ちません。この花粉は布についてしまうと厄介なのです。まず手で払い落としてはダメ!できるだけ触らないこと。触ってしまうことで、より拡散してしまうからです。払ったり擦ったりすると、繊維の中に入り込んでしまって取れにくくなります。着物に百合の花粉が着いた場合には、ガ
日本には世界でも類をみない高度な技術によってつくられている華麗な絞りの産地があります。有松です。絞り染めは、布の一部を糸で括る、縫い締める、折りたたむ、などをして圧力をかけた状態で布を染めることで、布の一部分に圧力をかけて染料が染み込まないように防染し文様表現をしたもの。世界各国で古くから自然発生的に行なわれている技法ですが、日本のように多種な絞りの技法がある国は他にはなく、そしてこの技法の言語表現が日本以外ではみられないことから、国際的に「shibori」と表記されています。
東京オリンピックまで、あと11ヶ月ちょい。東京2020で彩られた日本橋へ♪知念幸徳の琉球壁上布に栗山工房のスポーツ2020の夏大島地の京紅型帯をコーディネート。日傘は有松絞りの木目絞り。「TOKYO2020」エンブレムの組市松紋のデザインは野老朝雄(ところあさお)さん。このエンブレムの市松模様には、市松の四角をあえて三種類の四角形を組み合わせることで、国、文化、思想の違いを表しつつ、その違いがあっても繫がっているということで多様性と調和というメッセージが込められています
時代には染織の技法と共に色ありけり。江戸は「青」、明治は「赤」。それを実感できる浮世絵展が、國學院大学博物館にて開催中です。1882年(明治15年)に創設された皇典講究所および皇典講究所内に設置された神職養成教学機関である國學院が國學院大学の起源。その大学に併設されている博物館を侮るなかれ…。地中から掘り出されたモノから衣食住を支えてきた知恵や神仏への祈りのかたちを辿る考古学、日本各地の多様な神社祭礼を紹介する神道、そして皇典講究所の初代総裁であられた、有栖川宮熾仁
お盆が過ぎて少しだけ秋の気配…。糸菊模様の絹紅梅が身体にも心にもしっくりきます。竺仙の糸菊模様の絹紅梅に西村織物の紗献上の帯花びらが管状になって糸のように広がっている菊を糸菊といいます。放射状に開いた花は、名残りの花火のよう。簾戸の夏座敷には絹紅梅が似合う。障子から簾戸、襖から御簾、絨毯から籐筵への夏の室礼。着物業界だけでなく、建築業界でも昔ながらの大工や建具は後継者不在が危ぶまれ、季節に応じた室礼の模様替えは、この先難しいのかもしれませんが、残して
盂蘭盆会の後、父の遺言により建立したお墓へ納骨いたしました。酷暑の中ではありましたが、父が愛した庭がみえる自宅の夏座敷で法要を行ない、盂蘭盆会のお花がいっぱいの時季の墓苑へ納骨ができたことは良かったように思います。喪の第一礼装の装い絽の黒五つ紋付に川島織物の菊文様の黒喪帯第一礼装は気持ちが引き締まります。嫁入り道具として揃えた黒五つ紋付に喪帯の装いをする人は年々少なくなっているそうです。装いで気持ちを整えることの美点が行動で示すことで伝わりますように…。
団扇文様の有松絞りの浴衣近藤鈴枝、原田洋介の巻き上げ絞り蓼藍染色は服部謙志藍は徳島の佐藤昭人蓼藍染色の服部さんは有松絞りの井桁屋のご主人。レポの前に仕立て上がってきた♪
父が亡くなってからはじめての盂蘭盆会。医師であった父は「死は特別なことではない」という考えでした。「何事もわかりやすくシンプルに」と言残しておりますが、その意向は、ただ簡略にせよという意味ではなく、飾り立てず目的を見据え無駄なく的確にせよ、という意味であると解釈しております。わかりやすくシンプルであれば、間違いは最小限に抑えられると言っておりましたが、それは誤魔化さない生き方だと知る。深い。新盆の来客もあり、準礼装の略喪の装い。小宮康孝の立涌に松葉の両面染めの絽
ピーカンの夏空だと思えば、突然の土砂降り…。そして、お天気雨。そういえば、お天気雨のことを「狐の嫁入り」といいますね。バケツをひっくり返したような雨まるで滝のよう…。土砂降りが嘘のような青空は、狐に化かされたようでもある。先日の有松の旅で購入した、有松絞りの手綱柳絞りに鹿の子の日傘。有松は、布フェチで日傘フェチのワタクシにはたまらないところでした♡普通の路面店の有松絞り屋さんがお安くて親切♪
日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した「盂蘭盆会(うらぼんえ)」は日本人にとって習慣化した宗教行事。盂蘭盆会に欠かせないのが、大麻草の茎を乾燥させた苧殻(おがら)です。大麻というとギョッとされてしまう昨今ですが、大麻は日本人にとってお米と同様に身近であった農作物なのです。古来から日本で栽培されてきた大麻草は麻薬成分をほとんど含まず、戦前までは、漁網や釣り糸、自家用の衣類や縄などにもつくられつかわれていました。日本人にとっての大麻は、古の時代から神仏事に欠かせないものであり、布といえば麻であった
「涼しい着つけ」シリーズ着物を涼しく着るための工夫その5◇身につけるものは最小限に◇◇涼しい帯枕をつかう◇女性の着物は首周り、袖の振り、身八つ口と風が抜けるところがあります。なので、着て暑くなるところは身体を締め付けている帯周りです。ゆえに、できるだけ帯周りを軽くすることが、楽で涼しい着つけとなるのです。●帯板はつかわない●帯板はつかわず、帯〆の結び目のところだけに名刺サイズの紙か絵葉書を入れ込んでおきます。帯芯が入っていない帯のときはメッシュの帯板をつかう。
今日は「山の日」浅間山は警戒レベル3、草津白根山は警戒レベル2日本列島は生きているんだな…と。湯釜の幻想的な美しい色は硫黄と鉄が溶け込み特定の波長の光をだすことから生まれます。※草津白根山の湯釜付近は現在は立ち入ることができません。写真は2017年の夏に撮影着物でクライミングはできませんが、遊歩道があるところくらいでしたら問題なく歩けます。。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆Facebookページに「いいね!」
只今の京都の気温は39℃だそうΣ( ̄□ ̄lll)美術展レポ、有松レポも溜っておりますが、まずは暑さ対策を。着物を涼しく着るための工夫その4◇保冷剤をつかう◇着物を着ることのハードルが高くなる要因のひとつにヘアスタイルがあると思います。ワタクシは着物が日常ですので超簡単に済ませるために、リボン付ヘアバレッタをつかっていますが、これには簡単であるということだけでない、もうひとつの秘密があるのです。実は、バレッタにつけている網の中にはあるものが入っています。保冷
奈良の夏の風物詩「なら燈花会」へ♪灯心の燃えさしの先端にできる黒い塊は、形が丁字の実に似ているところから丁字頭といわれます。これを油の中に入れると貨財を得るといわれ吉兆瑞祥としたのだそう。仏教ではこの塊のことを燈花といい縁起が良いものとされています。なら燈花絵は、1999年からはじまりました。8月上旬の10日間、古都奈良が蝋燭の灯りで照らされます。●浮見堂●池にはボートに乗って楽しむ方々の提灯灯り鷺池にゆらゆらと揺れる灯りの幻想的なこと…檜皮葺きの六角形の
大荷物なのは、旅から帰ってきたから…ではなくて、早朝から某メディアの撮影だったのです💦グローブトロッターの中身は秋冬の装いがギッチリ入っています。有松、奈良の酷暑も大変でしたが…最高気温36℃の真夏の東京で、秋冬の装いで、外ロケに耐えたワタクシ…。しかもおそらく洋装でも真夏は勘弁してほしい…というようなことをしている。着物生活なので、えっ、着物でそんなことも…!ということができるのは当たり前のことなんですけれどね^^;告知がでたらお知らせします。ワタクシも楽
「八」は末広がりな字形から、縁起が良いとされています。それだけではなく「8」という数字、実は着物には縁がある数字です。着物の最大の特徴は、形状が決まっていることにあります。●1反の反物を8枚に裁ち縫い合わせる●身頃×2、衽×2、袖×2、衿、共衿●袷の裏につける八掛は8ヶ所●裾の前身頃、後身頃衽の上前、下前衿先の上前、下前袖口の左右●女性と子供のきものには風が通る通気口は8ヶ所●首周り、袖口の左右、身八つ口の左右、振りの左右、裾周り着物の構成はこの展開図がわかり
「鹿だまり」に入ってみた♪日が沈むころになると、奈良国立博物館前の芝生に鹿が集まってきます。夏祭りなのかミーティングなのか。人が混じっても逃げるでもなく鹿煎餅もねだらない。一説には、この排気口からの空気が涼しくてやってくるということですが…。とくに冷気がくるというわけでもなかった…。←試してみた鹿の毛の斑点は夏の木漏れ日に似せて生まれた保護色。鹿の子模様です。夏の鹿模様はより一層可愛い♡鹿たちは、日が沈むと一斉に立ち上がり春日大社の杜へと帰っていき
名古屋へ有松絞りの張正の雪花絞りに西村織物の紗献上の帯さて、何の勉強でしょう?染めの工房は暑い💦レポは帰ってから〜(⌒-⌒;)
有松絞りがマイブームのこの頃。念願叶って、6年ぶりに有松へ向かいます。旅先のコーディネートは、有松絞りを中心にしてみました。必死で荷造りして送った…。「マリアノ・フォルチュニ織りなすデザイン展」の内覧会にて、革命といわれる絹のプリーツドレス「デルフォス」をマジマジと鑑賞したばかり。レポは来週あたり。日本の染織に多大な影響を受けているマリアノ・フォルチュニ。謎といわれる「デルフォス」にみられる絹のプリーツ加工も調べてみよう。※撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は三
着物を涼しく着るための工夫その2◇着付けにつかうのは、腰紐と伊達締めのみ◇腰紐1本で着る身につけるモノはとにかく少なく!!!シンプルであることが、身体に優しくて楽、そして涼しい。●長襦袢には腰紐を縫い付けておく右衿と左衿の下あたりに半分に切った腰紐を縫い付けておきます。着つけをするときは結ばず絡げて反対方向に入れ込むだけ。●着物を着るときにつかった伊達締めは帯を締めたら抜く着付けには腰紐と伊達締めだけをつかいます。コーリンベルトやクリップなど一
着物を涼しく着るための工夫その1●肌襦袢は着ない。●日常の着物下着は、木綿の晒し+ユニクロのメンズステテコ。上半身は補正を兼ねて晒しをグルグル巻く、下半身はステテコというスタイルに長襦袢を着ています。肩こり症の私はできるだけ、肩の辺りはスッキリさせたいので、肌襦袢は着ません。「丁か半か!」の博打打ちの姉さんスタイルといったわおわかりになるでしょうか…?菊五郎丈の奥さまである富司純子さんの当たり役「緋牡丹博徒」という任侠映画での装い。「晒し+ステテコスタイル」は姉さん
日本全国の染織の産地を巡って、空気を感じて、自分の眼でみて、直接話を聞くことをライフワークとしております。が、現地まで足を伸ばすのは中々に難しい。しかし都内に居乍らにしてコツコツとそれに近いことはできるのです。それは百貨店の催事巡り〜♪「日本の職人匠の技」展が日本橋三越にて開催中(〜8月5日まで)●久留米絣「山藍」山村省二さん●伝統工芸展で作品は拝見しているけどお話できたのははじめて♡絣の種糸づくり絵台の幅の筬羽(おさば)に糊付けした糸を張って絣柄の1単位
ようやく梅雨明け宣言。曇天つづきでとっても待ち遠しかった夏なのですが、暑かったら暑かったで、早く涼しくなって欲しいと、身勝手なワタクシ。真夏に着物を着ていると「エラいね〜」「スゴイね〜」「涼やかだね〜」と言われます。洋服を着ていても暑い日は汗をかくし、肌を露出していたらチリチリ痛いしエアコンが効いてるところへいったら肌寒い。真夏は何を着ていても暑い日は暑い。快適に過ごすことは難しいのです…。ならば、見た目だけでも涼やかに、そして文様は夏らしく。それが夏の着物の良さで
田中昭夫の正藍染めの小紋の着尺の裂地をつかったオリジナルカレンブロッソが完成♡天生地は市松柄中野スズミデザインの「きものカンタービレ♪」オリジナルエンブレムの刻印は金押しじつは、天生地はブルーにしようか白にしようか迷った先坪もブルーにしようかクリーム色にしようか迷ったでも、浴衣にもあわせるなら、白台のほうがサッパリするなと。先坪は赤でなくサーモンピンクというのが、ちょっと色っぽくて洒落ているなと。で、こんなのが出来上がりました♡自分で、天生地、先坪、鼻緒裏地、
ご訪問頂き有り難うございます🍀あまりに仕事が忙しく、何だか分からないうちに7月も終わってしまう着物も着れてないうーん😔本日晴れましたので、洗濯物がんがんするうちに、ふと思いたちました。きものカンタービレの朝香さんが、竺仙の絹紅梅をご自身で洗われている🌀👕との記事があり、私もあるわー絹紅梅あ、でも、もちろん竺仙じゃなくて、リサイクルショップの仕立て上がりの新古品。お値段五万円也(結構しましたね、今思うと)着物って、金銭感覚が狂う気がする…いつも拝見している椿さんが帯揚げの縮み具合
「青のある暮らし〜着物•器•雑貨〜」が太田記念美術館にて開催中(本日が最終日です!)ラフォーレ原宿の奥にある別世界。小さいながらも14000点の浮世絵のコレクションを有する美術館です。展示室の中に入ると、左側は畳敷きとなっているので、家にいるかのようにじっくり鑑賞。中央には石庭があり腰掛けがあるので、浮世絵に囲まれてボーッとできるのです。さて「青のある暮らし」江戸時代になると庶民に安価で丈夫な木綿の織物が普及します。それと呼応するように紺屋といわれる職人が発達。
絣大好き、絵画のような友禅も大好き。要は、染織の技法を活かした着物らしい着物が好きなのです♡菊文様の絣の越後上布れえすの花の金魚の染め帯をコーディネート着物と帯は柄に柄なので、帯あげと帯〆はシンプルなものを。日傘も金魚草履の花緒は葛布です。
体調不良の時は、着心地の良いものを。やっぱり「絹」は身体に優しい。絹紅梅は夏の高級浴衣のひとつですが、白半衿付の長襦袢と白足袋を身につけることによって、軽い日常の着物として着ることができます。ワタクシ的には、都心のホテルでもランチぐらいならワンピース感覚で許容範囲だと思います。絹紅梅の「紅梅」とは、紅梅織のこと。紅梅織とは、地糸よりも太い糸、または数本の糸を、経糸か緯糸または経緯の両方に一定の間隔で織りこみ、格子状の畝を表面に浮き立たせた薄手の平織物。「勾配織」もしくは「高配織
「東京2020」まで、あと1年となりました!今の日本はあらゆるところが災害に見舞われ、いわば日本全国被災地だらけの状況です。加えてヒートアイランドの真夏の東京でのオリンピック開催は諸手をあげて賛成できるものではなかったのですが…、決まったことは全力で楽しみたい♪というわけで昨年の早春、栗山工房の西田裕子さんに、東京2020へ向けて「オリンピックにちなんだ帯」をお願いしました。ご相談してから年月は経っているのですが、今年の春にデザインが決まって、型を彫りはじめてからは、お仕事、早
花火大会の季節ですね。昨今は、浴衣を着物として着たり、ファッションとして楽しむ和洋ミックスコーデも人気♡ワタクシも和装に帽子を合わせたりすることもあります。鵺といわれた新島八重とは「着物で射撃」つながり♪花火大会の会場への移動は歩きまわることになるので、履き慣れたミュールやサンダルを会わせる方も多いと思います。それはそれで良いと思いますがやはり浴衣は「粋で鯔背」が良く似合う。素足に下駄でスッキリした着こなしはカッコイイものです。自分の足に合うように草履屋さ