ブログ記事279件
ふるさと佐渡の草木について折々に書きとどめたもののうち、昨年は『佐渡山菜風土記』(1991)として発刊いたし、今年は『佐渡花の風土記』(1992)とともに、『佐渡薬草風土記』(1992)として発刊することができた。小冊子であろうとも、その発刊はわが児誕生に似て嬉しいものである。私たちのまわりの草木たち、すなはち植物的自然は、どんな意味をもつ存在で在るのだろうか。私の心を常によぎるのは、このことである。草木たちに接しながら、私なりに得たものは、植物的自然は、生
1.磯の黒森タブの森日本の磯山を覆っていたタブの黒森。「磯山が巨木でおおわれていたことは、海に労つく人々の大きな便宜であったにちがいない。なぜなら、磯山の黒森は、”舟木伐る山”であったからである」と、柳田国男は『北小浦民俗誌』(1984)にのべている。岩の多い磯での船はタブのクリ舟であった。コウラノクロモリは、北小浦(両津市)の熊野神社のタブの森である。孝さ20㍍、胸高直径1~1.5㍍の巨木が林立する。沖合の船からも村のしるべとなる。イソネギの船の位置を確かめる
昔は子供のおやつにクログワイカヤツリグサ科ハリイ属の多年草。花穂は淡褐緑色。茎は中空で、葉身のない鞘が付く。池沼や山間の水田に生える。水田の強害雑草のひとつ。地下にタマ(塊茎)がある。タマは生食。昔の子供のおやつ。クログワイの佐渡方言は、ソロイ、ソロエ、ショロエ、イグサ。タマの方言はソロエノミ、マメ、ホジリ。君がため山田の沢に恵具(えぐ)採むと雪消えの水に裳の裾ぬれぬ万葉集に詠まれているエグは、クログワイ(カヤツリグサ科)の古名。日本の各地の沢や
球根は胃癌卓効ヒメヒオウギズイゼンアヤメ科ヒメトウジョウブ属の多年草。園芸名モントブレチア。南アフリカ原産。ヒオウギズイセンとメトウショウブの交雑種。日本には明治の中頃、佐渡には大正時代渡来。庭に植えられるが人里に野生。夏、枝先に緋赤色の小花。佐渡方言キンギョソウ。薬効胃癌に著効。一回量は球根、大1個を米粒大に切るか、すりおろして180㏄の水に入れ、弱火で沸騰したら火を止め飲む。一日3回煎服。鹿児島県川内市東向田の渡辺内科医院の老医師の渡辺国象先生。
甘い実は猛毒・死亡ドクウツギドクウツギ科ドクウツギ属の落葉低木。崩壊地に侵入するパイオニア植物。葉は濃緑で羽状複葉的。毒木夏に実が熟すがあか赤より紫黒色に変わる。赤い皮は甘い汁で満ちている。赤皮は毒がないが、赤皮の下の果実が猛毒で、激しいケイレンを起こし、呼吸が停止して死ぬ。有毒成分は全株。特に果実に多い。毒成分コリアミルチン。全口方言はイチロベゴロン、ウシコロシ、サルコロシ、ネズミコロシ、ウジコロシ。ドクウツギの赤い甘い実を食べての中毒死は、戦前か
おいしい若葉の食用注意!トウゴボウの野生はほとんど見ることが有りません。これとそっくりなものはヨウシュヤマゴボウ(アメリカヤマゴボウ)は毒草です。そっくりな毒草↓ヨウシュヤマゴボウ(アメリカヤマゴボウ)トウゴボウ和名ヤマゴボウ。別名トウゴボウ。ヤマゴウ科ヤマゴボウ属の大形の多年草。中国より薬種(利尿)として渡来。栽培種が逸出野生化するが少ない。花は小白花、花序は穂状。果歩直立、紫黒色で有毒。葉は食用。同属のマルミノヤマゴボウ(在来種)・アメリカヤマゴボウ(北