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当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、繰り返す差し歯の脱離(外れること)のついて書きます。本当は、差し歯という言い方は正確ではありません。(ここでは、便宜的に差し歯と表現いたします)差し歯とは、本来、クラウン(冠)とコア(土台)を一体にしたもので、昔、歯冠継続歯と呼ばれていたものを指します。最近のセメントや接着剤は、かなり物性が良くなり、歯にかなりよく合着・接着します。このような物性の向上にも関わらず、差し歯がすぐ外れるのはいくつかの原因があります。●コア(土台)が
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、MTAセメントによる根管充填(こんかんじゅうてん)について書きます。根管充填とは、神経の入っていた根管に、最終的な薬を詰めることを言います。根管治療の際の根管の消毒には、水酸化カルシウムやFC(ホルマリンクレゾール)、FG(ホルマリングアヤコール)、ペリオドン(パラホルムアルデヒド)、ヨード製剤、3Mixなどが一時的に貼薬されます。これに対し根管充填は、空洞になった根管の中を、緊密に封鎖するための薬です。基本的は、この根管充填剤は
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、臼歯(奥歯)のレジン充填について書きます。臼歯は、食べ物をすり減らす役割があり、この上下の歯が噛み合う面を咬合面(こうごうめん)と言います。この咬合面は深い溝があり、磨き残しが出来やすく、虫歯の好発部位の一つです。この咬合面の虫歯をレジンで安易に治療すると、すぐにすり減ってくぼんでしまい、噛み合わせが悪くなってしまいます。臼歯咬合面のレジン充填。色が白いので、金属に比べ審美的だが、磨耗しやすく窪んでしまうので、噛み合わせが悪く
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯のマイクロクラック(ひび割れ)の治療について書きます。マイクロクラックも、その程度により治療法はいくつかあります。●経過観察●ダイレクト・ボンディング(コンポジット・レジンによる修復)●ラミネートべニア(つけ爪のようなもの)●セラミック・クラウン等で被せる前歯で審美的に問題のないものは、経過観察でも良いでしょう。審美的に問題のあるもの(気になる場合)は、修復の対象になります。コンポジットレジンによる修復は、簡便にきれいに
おはようございますビューティースタイリストの奥田千鶴です。先日9月5日に無事、主人のクリニック「東生駒TOSHIODENTAL」移転オープニングレセプションを無事に終えることができました暫く、来てくださった方へのご挨拶や、お祝いへのお礼などでバタバタしており投稿が大変遅くなりました今回のレセプション。。お越しいただけるとお聞きしてた方の中で前日の台風21号で被害に遭われた方が20名もその大変な中、皆さん丁寧に連絡をくださり
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、根尖病巣に伴う歯茎の腫れについて書きます。根管治療は、歯科治療の中でも非常に繊細で緻密な治療であることを、是非多くの方にご理解いただきたいと思います。大きな虫歯が原因で歯に痛みが出た場合、ほとんどのケースで歯の神経を取る根管治療を行うことになります。根管治療を行って歯の神経を取ると、確かに強烈な痛みは無くなります。痛みが無くなったからといって、そのまましばらく通院せずに放置してしまうと、根管の中にバクテリアが侵入し、根管の内部は虫
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、抜歯による歯茎の萎縮(いしゅく;ボリュームが無くなること)について書きます。歯根(歯の根っこ)を支えているのは、歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる顎の骨の一部です。この歯槽骨は、歯根を支えるために発達した骨で、仮に歯が無くなると萎縮してボリュームが無くなってしまいます。特に、歯を抜くような場合では、歯周病や歯根破折など、すでに骨の破壊(炎症により、骨が溶けていること)が進行していることが多いと思われます。したがって、抜歯が必要なケー
鼻の下や横を押すと痛みや違和感がある場合、疑われるのは上顎前歯の根尖病巣(こんせんびょうそう)です。根尖病巣は、重度の虫歯や外傷などで歯髄が壊死した時、あるいは虫歯治療による根管治療が不適切な場合に生じます。上顎前歯部の根尖(歯根の先端)は、鼻の下~鼻翼mの付け根付近にあり、根尖病巣を生じるとこのあたりに痛みや違和感を生じます。特に洗顔時やメイクの時に、皮膚の上から指で強めに押したときに、痛みや違和感を感じることが多いようです。初診時レントゲン。鼻翼の横を指で押したと
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯磨きで落ちない汚れについて書きます。歯磨きで落ちる汚れは、歯とのくっ付きが弱いプラーク(歯垢;しこう)だけです。歯にこびりついたステイン(着色汚れ)や歯石は、ブラッシングで落とすことはできません。眼に見えないバイオフィルム(薬剤耐性をもつ細菌の塊)も、やはりブラシングでは落とすことが出来ません。これらをきれいにするのには、歯科医院での機械的清掃が必要です。治療前。特に痛いところもなく、長年、歯科を受診しなかった。上顎前歯の
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。上下の歯の正中(せいちゅう;真ん中)のずれと、顔の歪みについて書きます。上下の正中はぴったり合うのが理想ですが、現実的には、そのような方はごく少数派で、ほとんどのヒトは多少のずれがあります。歯列矯正では、この正中のずれを極力改善するよう治療を行っていきます。(個人の歯の状態にもよるので、必ずしも正中が一致するわけではありません)正中のずれは、顔の歪みを反映していることがほとんどです。TVで活躍する芸能人やキャスターの人達の顔を見てみると
最近、話題になっている舌回し体操。SNSでも拡散されているのですでにご存じの方も多いかもしれません。舌回し体操とはその名のとおり、円を描くように舌を動かすだけの体操なのです。口内環境が改善されるだけでなく、美容効果も期待できるため、女性の間で話題となっています。特別な器具は一切不要!今すぐできる簡単エクササイズにチャレンジしてみませんか?<<舌回し体操とは?>>「舌回し体操」とは、日本歯科大学の小出馨先生によって開発されたエクササイズです。「ベロ回し運動」や「ベロ回しエクササイズ」
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯周病治療後の歯肉退縮について書きます。歯周病は、歯根を支える歯槽骨が溶けて、歯が抜ける病気です。歯周病は、初期段階ではほとんど何も症状がありませんが、病状が進んでくると、歯茎からの出血や知覚過敏、さらには歯茎の腫れや歯の動揺、歯列不正(歯並びが悪くなる)などを生じるようになります。この辺まで進んでくると、病態は重症と呼んでいいでしょう。歯槽骨が溶けて歯周ポケットが深くなり、歯周病が重症になった場合には、FOP(フラップ・オペレー
開咬(オープンバイト)は、歯列不正の中でも問題が多い歯列不正です。奥歯でしっかり噛んでも、前歯が全然噛み合わないため、全ての咬合力が奥歯に集中します。前歯が噛み合わせに参加しないと、奥歯が絶えず横揺れの力を受け、噛み合わせが原因の歯周病(咬合性外傷)になったり、過大な噛み合わせの力によって歯に亀裂(クラック)が入り虫歯の原因ともなります。前歯が噛み合わない開咬(オープンバイト)。審美障害、発音障害、噛み合わせ不良など、問題点が非常に多い。開咬は、嚥下時に口腔内を陰圧にするために舌を突出
歯の治療で鬱になっているヒトは、珍しくありません。歯の治療のことばかり考え、食事ものどを通らず、夜も眠れないといった方もいるでしょう。どのようなことで悩んでいるのでしょうか?●歯の神経を取ったこと●差し歯にしたこと●歯列矯正やインプラント治療がうまくいっていない(失敗した)●美容・審美目的で歯を削って差し歯にしたこと●痛くもない歯を抜歯して痛くなった●歯周病や歯根破折などで抜歯を宣告された●歯を治療しても、再三腫れたり痛んだりする●噛み合わせが異常に気になる治療による不具合
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、不正咬合の分類について書きます。不正咬合を分類するために、専門的にはアングル(Angle)の分類というものが使われます。これは、上顎の第一大臼歯(6歳臼歯)に対して、下顎の第一大臼歯の位置関係が前後的に正常かどうかを見るものです。大きく分けると次の3つのパターンがあります。●上下の前後的位置関係が正しい場合⇒Ⅰ級●上顎に対して下顎が後方にある場合(出っ歯傾向)⇒Ⅱ級●上顎に対して下顎が前方にある場合(受け口傾向)⇒Ⅲ級しかし
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯科治療費の国際比較について書きます。先進国において、日本の歯科医療の質はかなり低いといわれています。それはなぜか?ずばり、それは歯科治療費が安いからです。これは、歯医者が儲かるとか儲からないとかいう簡単な話ではありません。医療も他の産業・商業と同じように、生業として利益を上げなければ事業を存続できません。事業として存続しえないのに、それでも良質な医療を施し続けることは可能でしょうか?答えは明白です。ヒトの痛みや苦悩に寄り
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯列矯正による歯間部の隙間について書きます。歯列矯正に伴い、歯と歯の間にできた隙間が気になる方は多いと思います。歯冠部に隙間が出来やすいヒト、出来にくいヒトがいます。隙間が出来やすいヒトは●歯の形が逆三角形に近い(歯の先端の幅はあるが、歯根が細い)●歯肉が薄い●元々のクラウディング(凸凹、乱杭歯)が酷い●歯周病がある●成人矯正(年齢が高いほど、隙間は出来やすい)などが該当する方です。歯列矯正後の歯間部の隙間。この隙
保険のブリッジによる見た目の改善を希望する患者さんは少なくありません。保険のブリッジは白い部分がプラスチックでできているため、年々変色を起こしたり、艶を失ったり、摩耗していきます。また、適合精度が悪く、歯との間に段差や隙間を生じやすいため、歯茎の炎症や退縮を起こしやすいのです。そもそも、プラスチックの部分にはバクテリアが付着しやすく、被せ物の縁を歯茎の中まで入れると歯茎が炎症を起こすため、被せ物の縁は歯茎のなか深くに入れることが出来ません。このため、歯茎が少しでも退縮する
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、前歯の虫歯治療について書きます。前歯は人目に付くところなので、特に審美的な治療が要求されます。通常、極端に大きくない虫歯は、コンポジットレジン(CR)という歯の色をしたプラスチック素材で虫歯になった穴を充填(じゅうてん;詰めること)します。コンポジットレジンは、昔に比べ物性が格段に良くなっているものの、その材質的特性による吸水性、摩耗性があるため、経年的に劣化や変色を起こします。コンポジットレジンの劣化に伴う審美性の悪化と2次
歯は、萌出(生える)する時あるいは萌出直後、虫歯になりやすいです。特に、歯列の後方に生える6歳臼歯(6番)と12歳臼歯(7番)は、非常に磨きにくいため、時々虫歯になっているケースを見受けます。歯の萌出途中は、歯の咬合面(噛み合わせの面)に歯茎が被さり、その歯茎の下が虫歯になりやすいのです。萌出途中の6歳臼歯(矢印)。歯に歯茎が被さっているのが分かる。このような場合、歯茎の下が虫歯になりやすいので、歯茎の下にも歯ブラシの毛先を入れるように磨くとよい。歯は萌出直後は石灰化度が低く、柔らか
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯髄壊死(しずいえし;歯の神経が死んでしまうこと)の症状について書きます。歯髄壊死は、臨床的には歯の変色や、レントゲンで偶発的に気が付くことが多い病態です。歯の中には、歯髄(しずい)と呼ばれる歯の神経があります。この歯髄が、何らかの原因により死んでしまうことを「歯髄壊死」と呼んでいます。その原因には、つぎのようなことが考えられます。●虫歯が深くなり、歯髄にばい菌が入った●深い虫歯を治療した際の刺激により、歯髄が死んでしまった
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯茎に埋もれるような深い虫歯の治し方について書きます。虫歯が大きくなって歯冠(歯の頭)が崩壊し、歯茎の中まで虫歯なってしまうと、歯根の上に歯茎が覆いかぶさってしまうことがよくあります。この歯根の上にの被さった歯茎を「歯肉息肉:しにくそくにく」と呼びます。歯根の上に歯茎が被さってしまうと、歯がきちんと見えず、虫歯を完全に取り除くことが出来ません。また、当然ながら根管治療を行うことも出来ません。このような時、歯根に覆いかぶさった歯肉
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、ファイバーコアの築造法(ちくぞうほう)について書きます。ファイバーコアとは、神経を取った歯の、失った歯質を回復するための土台(支台、芯棒)のことです。虫歯が深くなり、歯の神経を取ると、歯質はそのほとんどが失われてしまう(矢印)。このままでは、歯を被せることが出来ないファイバーコアによる支台築造。歯根の中にファイバーコアの維持を求め、歯を被せることが出来るよう築造された支台(矢印)ファイバーコアで歯根と歯冠の部分を築造す
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、鼻の下や横(付け根)の違和感について書きます。この違和感は、歯科の臨床で比較的よく遭遇するものです。原因は、根尖病巣であることが多いです。この違和感が厄介なのは、根管治療をきちんと行っても、違和感が無くならないことです。もちろん、痛みや粘膜の腫れがあるものは、適切な根管治療を行えば、これらの症状は無くなります。しかし、きちんと根管治療を行い、レントゲン上で骨の吸収像(溶けている像)が無いにも関わらず、歯根(歯の根っこ)の先端付近
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯列矯正で前歯を後方移動する(内側に入れる)ためのリトラクション・アーチワイヤーをご紹介します。抜歯矯正では、抜歯スペースに前歯を動かすことで歯列を整えていきます。この時、前歯と奥歯の中間に位置する第一小臼歯を便宜的に抜歯する頻度が最も高いと思います。前歯を内側に入れるには、まず犬歯を後方移動してから、続いて4前歯を後方移動する手法や、犬歯を含む6前歯を一塊で後方移動する手法、これらの中間的な手法など、いろいろな方法があります。
歯科治療では、歯茎や顔が腫れることが起こりえます。歯の抜歯やインプラントなどの外科手術は、組織に侵襲を与えるので、当然ながら歯茎や顔が腫れることがあります。しかし、外科処置に限らず、歯科治療では歯茎や顔が腫れることもあります。歯科では、術野(処置する部分)を乾かしたり、歯を削ったりするために、圧縮空気(エアー)を使います。このエアーの圧力は意外と強く、組織が疎な部分から体内へと空気が入り込むことがあります。これを「皮下気腫:ひかきしゅ」と呼んでおり、歯科における偶発症の一つに数えられて
フィステル(廔孔:ろうこう)とは、体内と体外をつなぐ管で、炎症が起こるとこのフィステルから膿が排出されます。フィステルは、歯茎の内部にある病巣に原因があり、歯科では主に次のような場合に多くみられます。●歯周病●根尖病巣●歯根破折・クラック根尖病巣は、歯周ポケットが生じない、あるいは生じにくいという点で、ほかの疾患と鑑別できます。根尖病巣の場合、歯茎の切開や抗生物質の内服を行っても、根本的な解決にはなりません。虫歯による歯髄壊死から継発した根尖病巣。クラウンの付け根が虫歯になって
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯茎の腫れと原因歯について書きます。歯茎が腫れた場合、一般的には、腫れている部位の歯が原因になっていることが一番疑わしいと思われます。まずは、問診を行い、そして視診(見て調べること)、触診(歯や歯茎を触って調べる)、打診(歯を軽くたたいて調べる)、温度診(エアーや温熱を与えて調べる)、電気診、さらにレントゲン診査等を行ったうえで、総合的に判断して診断を行います。しかし、時には、腫れに近接した歯が、腫れの原因でない場合があります。
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯列矯正における抜歯、非抜歯の基準について書きます。抜歯、非抜歯の判定で用いられる最も一般的な方法は、歯列模型分析とセファログラム分析(側方頭部X線規格写真)から得られる計測値から算出する方法です。模型分析、セファロ分析とも、下顎前歯を頭蓋に対し適正な位置、傾斜にするために必要なスペースをいかに確保するかが、抜歯、非抜歯を決定するうえで非常に重要になります。一般の方は、上顎前歯がいかにきれいに並ぶかということをまずイメージするのでは
歯列矯正を希望される方の多くは、前歯の歯列不正が気になり来院されます。しかし、前歯はきれいに並んでいるけれど、実は奥歯の歯並びや噛み合わせに問題を抱えているケースがあります。即ち、上下の奥歯の前後的かつ左右(内外)的なずれです。臼歯の前後的なずれは、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)として前歯部にも影響が現れるので、歯列不正を認識しやすいといえます。一方で、臼歯の左右的なずれは、一般の方には認識しにくい場合が多いのです。その代表的な歯列不正が、交叉咬合(臼歯部反対咬合)と鋏状咬合(