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【本記事は、2018年2月2日に公開しましたが、同3月1日に記事内容のアップデートを実施しました。】こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です法律というものは、一つ一つの決まりを「条」としてまとめ、第1条、第2条…というように並べることによって、色々な規定を組み合わせて作られています。ですが、中には、「条」のない法律もあります。この場合、「第1条」とは書かずに条文が始まります。先日、本ブログの読者の方から、「1条だけの法律には、どんなものがあるの?」
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当ですいつものように法律をつらつら眺めていたら、こんな言葉を見つけました。「砂糖年度」・・・?「年度」というと、「会計年度」「事業年度」といった言葉が思い浮かびますが、「砂糖年度」という言葉は初めて見ました。どんな意味なのか、探ってみましょう。◯砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律「砂糖年度」という言葉は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」という法律に登場します。この法律は、国内産糖・国内産いもでん粉が安定して供
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です先日、短い法律にはどんなものがあるか、2回にわたってご紹介しました。(「真・最も短い法律①」「真・最も短い法律②」)その中で、「元号法」をご紹介したとき、こんな条文がありました。★元号法(昭和54年法律第43号)第1項元号は、政令で定める。この「元号は、政令で定める。」という規定は、11文字です。また、「陪審法ノ停止ニ関スル法律」には、こんな条文がありました。★陪審法ノ停止ニ関スル法律(昭和18年法律第
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です最近、子供が大きくなってきて、一緒にお風呂に入ってくれなくなりました。そうすると、子供と一緒に寝ている部屋を、そろそろ子供専用の部屋として明け渡さなければいけないのかな・・・と考えたりしています。親のスペースがだんだん狭くなっていくのも、子供の成長の証ということで喜ぶべきなんでしょうね・・・。そこで、ふと、一人当たりの住まいの面積には、何か基準があるのか?という興味がわいてきました。調べてみると、「住生活基本法」とい
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です!今年は、あおり運転の問題が話題になりましたね。悪質なあおり運転をした人について、暴行罪として摘発するケースも出ているようです。暴行罪というと、人を殴ったり蹴ったりすると暴行になるだろうな、ということは想像しやすいのですが、あおり運転のような場合も暴行罪になる可能性があるわけですね。そこで今回は、過去の裁判の例をみながら、こんなケースも暴行罪になる、という事件をご紹介したいと思います。○相手の車を追いかける東京高等裁
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です日本で犯罪を行った人は、刑法によって処罰されますね。これはいまさら言わなくても当たり前のことのように思いますが、法律はそういう基本的なこともちゃんと書いています。おなじみ「刑法」は、最初に、そのような日本国内で罪を犯した人を処罰するよ、ということを宣言しています。★刑法(明治40年法律第45号)(国内犯)第1条第1項この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。それでは、海外で犯罪を行っ
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です「ことわざ」は、私たちが世間を渡る中で、どんなときにどのように振る舞うべきかを教えてくれる、教訓を伝えてくれる言葉ですね。実は法律の世界にも、「ことわざ」があります。それは「法諺」(ほうげん)と呼ばれるもので、法律を作ったり使ったりする際の基本になる考え方がそこに示されています。今回は、そんな法律の世界のことわざを、いくつかご紹介したいと思います。○「法律なければ犯罪なし」まずは、「法律なければ犯罪なし」ということわざ
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です!私の親戚の家の前に、バス停があります。その親戚は去年、家を建て替えたのですが、新しい家のリビングルームが、バスを待つ人から丸見えになってしまうのだそうです。目隠しの塀も立てたのですが、隙間から見えてしまうとのこと。そこで、バス停を少しだけ動かしてほしいと、バス会社にお願いしたのですが、かないませんでした。バス停を動かすのは、結構大変なんです。関係する規定を見てみましょう。まず、路線バスは、法律ではなんと呼ばれている
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です「六法全書」という言葉にあるように、重要な法令を「六法」と呼びます。もともと「六法」というのは、憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法という、重要な6つの法令のことを指す言葉ですが、転じて、大事な法律といった意味でも使われていて、例えば「鉄道六法」というように、それぞれの分野ごとの法令集の名前にも使われています。元々の「六法」は、いずれも明治時代に制定されたもので、当時はカタカナ文でしたが、今はほとんどがひらが
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です以前、「バカヤロー解散」、国会会議録にはどう書かれている?という記事で、国会の歴史的な場面が、会議録にどう書かれているかをご紹介しました。今回はその続編をお届けしたいと思います。◯ロッキード事件の証人、手が震えて署名ができない1979(昭和54)年、ロッキード事件に関する証人喚問が行われた際、証人が宣誓書に署名しようとして手が震え、署名するのに時間がかかったという出来事がありました。そのエピソードはご記憶の方も多い
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当ですこのブログは法律のトリビアをご紹介するものですが、今回は、ちょっと横道に入って、法律を実施するために作られる細かい規定「政令」について見てみましょう。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓◯「法律」と「政令」「法律」は、国会の議決を経て、国民の権利や義務、様々な制度の仕組みが書かれている”決まり”です日本国憲法には、刑罰は法律で定めなければならないという規定がありま
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です寒い日が続いていますね。インフルエンザも流行しているそうなので、みなさん、健康にはお気をつけください。さて、私が通っていた中学、高校では、6月からは夏服、10月から冬服という決まりがありました。会社勤めをしていると、夏用のスーツ、冬用のスーツなどがありますが、「〇月から夏用のスーツを着なさい」とまで決められている会社はあまりないと思います。これは県庁や市役所に勤める人でも同じことだと思いますが、実は、公務員の中には、夏
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です今日11月10日は、「トイレの日」だそうです。「いいトイレ」という言葉から、11月10日を選んだのだとか。というわけで、今回はトイレのお話…!◯喫茶店のカギはトイレにあり私の趣味は、喫茶店めぐりです。チェーンの喫茶店のポイントカードをいくつか持ち歩いて、時間があればいつでも入れる態勢を整えています。喫茶店では、このブログの原稿を打っていることが多いのですが、ネタに行き詰まったときはトイレへ行きます。トイレに入ると、
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です。明治憲法の下では、天皇が発する「勅令」という命令がありました。戦後、現行憲法が施行され、「勅令」が出されることはなくなりました。当ブログでは、「日本国憲法施行の前日、何があった?」という記事で、現行憲法が施行された1947(昭和22)年5月3日の前日に、最後の勅令である「外国人登録令」(昭和22年勅令第207号)が公布されたことをご紹介しました。では、今はもう「勅令」というものは存在していないかというと、実は今も使わ
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です「同じ穴のムジナ」という言葉がありますね。一見違うように見えても、実は同じように悪いことをしている人、という意味の言葉です。「ムジナ」というのは、見た目はタヌキに似ていますが、アナグマのことを指していて、生物の分類としてはタヌキとは別物であると言われています。○「ムジナ」は「タヌキ」?さて、この「ムジナ」と「タヌキ」が同じものを指すのかどうか、裁判になったことがありました。1925(大正14)年6月9日に大審院(最高裁判所
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です前回、「法律のことわざ」という記事で、法律の世界にもことわざがあることをご紹介しました。法律のことわざは他にもありますので、もう少し見てみましょう。○悪法もまた法なりまずは、「悪法もまた法なり」ということわざです。例えば、「路上で鼻歌を歌ったら罰金1万円とする」という法律が、国会で可決され、成立したとします。その場合、私たちは「そんな法律、むちゃくちゃだ!守る必要はない!」と、これからも路上で鼻歌を歌ってもよ
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です唐突ですが、昔は「っ」は「つ」と書かれていましたよね。法律の世界でも、同じくとある時を境に小さい「っ」が使われるようになりました。どのような経緯があったのか、みてみましょう!--------------------------------------------------------------------------------------おしらせ:本ブログの書籍化決定!⇒詳細はこちらへ---------
明日から待望の10連休ですね!旅行を予定している方もいらっしゃることでしょう。中には、京都や奈良など、「古都」めぐりを計画している方もいらっしゃるかもしれません。実は、「古都」とはどの街を指すのか、法律に書かれているのです。それは、「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」という法律です。まずは条文を見てみましょう。★古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和41年法律第1号)(定義)第2条第1項この法律において「古都」とは、わが国往時の政治、文
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です!法律の条文を見ていると、「第○条削除」と書かれている規定を見かけますね。法律においてある規定が不要になった場合、改正により削除されることがありますが、その際、別の新たな条文が挿入されたり、後に続く条文が繰り上げられたりしないと、その条は「第○条削除」と改められます。そのような条文の跡を見ると、もともとそこに何が書かれていたのか、気になるのが人間のさがというものですね!というわけで、今回は、民法に出てくる「第○条削
【2018/3/1追記】読者の方からご指摘を頂戴しました。ありがとうございます。つきましては緑字部分を訂正いたしました。こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です法律の読み方は難しい!とよく言われますね。一例として、「及び」「並びに」「又は」「もしくは」はどう使い分ける?という話題が出ることがあります。法律の中で複数の物・事を列挙するときは、「◯◯及び●●」や、「◯◯又は●●」といった表現を使います。ですが、私たちはふだん、「及び」という言葉は
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です東京オリンピックまであと3年ですね。リオデジャネイロオリンピックの閉会式でくり広げられた、日本のカッコいいパフォーマンスを、今でも昨日のことのように思い出します。さて、100メートル走やマラソンなどで、スタートの時に「パン!」とピストルを鳴らしますね。このピストルを鳴らす人は、つまり銃を持っているわけですが、これは法律で認められているのでしょうか?答えは「銃砲刀剣類所持等取締法」という法律にあります。まずは条文を見て
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です。法律には、いろいろなことについて、禁止されていることや、反対に、義務づけられていることなどが決められています。そのような規定では、普通は「〜してはならない」とか「〜しなければならない」と書かれているのですが、以前、「必ず」しなければならないことは三つだけ?という記事で、「必ず〜しなければならない」といったように、「必ず」という言葉がつけられている条文をご紹介したことがあります。今回はその反対に、「絶対に〜してはならない
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です。まもなく年度が替わりますね。次の年度のことを、「来年度」とか「翌年度」などと言いますが、法律では、どのように呼んでいるでしょうか。○「翌年度」まず、「翌年度」と呼んでいる例はたくさんあります。例えば、「地方自治法」では、年度内に支出が終わらない経費について、翌年度に繰り越せるという規定があります。★地方自治法(昭和22年法律第67号)(繰越明許費)第213条歳出予算の経費のうちその性質上又は予算成立後
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当ですもうすぐ4月1日、エイプリルフールですね。この日だけは、嘘をついても許されると言われていますが、人の気持ちを傷つけたり、周囲に迷惑をかけたりするような嘘だといけませんね。何かするとしても、ホラ話のような、みんなで笑ってすませられるようなお話なら、楽しいかもしれません。さて、嘘というのは、ときに重大な結果を引き起こすことがあります。嘘をつく場面や内容によっては、法律により刑罰を受けてしまうことがあるからです。どんな場合な
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です私の祖父・祖母は大正生まれで、年齢を「数え年」で数えるほうが慣れているようでした。その時代は、年齢を今のような「満年齢」ではなく、「数え年」で数えていたのですね。ちょっと、「数え年」の年齢の数え方ってどんなふうにするのか、見ておきましょう。私の祖母の場合、大正12年8月1日生まれでした。そうすると、大正12年は人生で一つ目の年ということで、「1歳」となります。生まれた時に「1歳」から始まるのですね。そして、年が明けて大正
7月2日は「うどんの日」だそうです。これは、香川県の讃岐地方で、田植えが終わると、手伝ってくれた人にうどんをふるまう習慣があることにちなみ、田植えの終わる時期である「半夏生」(はんげしょう)にあたる7月2日を「うどんの日」としたそうです。さて、この「うどん」ですが、どんなものを「うどん」と言うのでしょうか。○「うどん」の定義「食品表示基準」をみると、切り口の長径の長さなどによって、めんの呼び方が異なることがわかります。★食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)別表
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です。みなさま、子どもと大人の境界線、ご存じですか?今回は、法律上ではどのように区分けされているのか探ってみたいと思います!↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓「子ども」という言葉は、何歳までの人を指すのでしょうか。法律の場合、それぞれの法律で決められている政策の内容によって、対象となる「子ども」の範囲も変わってきます。○小学校就学前の人を指している事例まず、小学校入学前の人を指している事例を見てみましょう。このように書かれている
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です私たちはみな例外なく、この世に生を受け、そしていつかその生を終えます。意識をしなくともいつも私たちに寄り添っている人の生と死について、法はどのように考えているのでしょうか。今回は、まず人の生の始まりについてみていきましょう。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓○「人」を具体的に定義した法律はない?さっそくですが、いつからヒトは「人」と認識されるようになるのでしょうか
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です大昔、お金というものが無かった時代は、例えば山で狩猟した人と、海で魚を獲った人とが、肉を魚とを交換して、色々な物を手に入れていました。今は、欲しい物があるときは、お金を出して買いますね。ですが、最近、インターネットでは物々交換のサイトも登場しています。インターネットという新しいコミュニケーションの手段を使って、昔ながらの物々交換が行われているのは、面白いですね。さて、お金を介して物が売り買いされるためには、そのルールが
こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です「刑法」には、どんな犯罪をしたらどんな刑が科されるかが定められています。例えば、物を盗むと「窃盗罪」となりますが、窃盗罪については刑法に次のような規定が置かれています。★刑法(明治40年法律第45号)(窃盗)第235条他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。一度犯罪とされた行為が、犯罪でなくなるということはあまりなさそうな気がしますが、刑法を見ていると、削除さ