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秦流風と冷凝の息子清流は炎輝から知らせを聞き蕭白の邸へ急いだ。雪蘭とは赤子の時分より筒井筒の関わりである。稽古場でも共に学ぶ雪蘭には誰もが一目置くほど華麗で繊細な容姿とは逆に猛々しい一面もあった。冷凝の武芸場には医師である夫李漁の補佐をこなしながら風彩彩も師を務めている。精神面に於いても年齢に似合わず落ち着き払う雪蘭を見てきた。どんな事が起きてもどこか捉え所のない雰囲気で同じ子を持つ母としていつ何時でも取り澄ました雪蘭を心配もしていた。その、子供らしくない雪蘭が戦いの後父母である
『………』春花は昼間起きた事を1人ぼんやりと考えていた。邸の前に流れる小川を見つめる。川に沿って上流へ進めば自然と伝奇谷へと辿りつく。遥か未来の世界からこの世界に単身飛び込んだ春花は単に永遠の命より短くても本物の愛を知りたかった。心を開いた游絲は病弱で薄命ながら春花の望む夫からの純粋な【愛】を持っていた。もっと沢山話をして、もっと色んな事を聞きたかった。傅楼の様に真っ直ぐとただただ游絲に向けた愛情と同じものを秋月から向けられているのか分からない。秋月の言う事を素直に聞く事に僅かな不
雪蘭は蕭白の呼び出しよりも清流を心配した。邸の自室に戻るも蕭白の元へ行く気が起きない。雪蘭は炎輝と共にいる雪月に合図を送った。互いに赤子の時分に出会った。親からはぐれたのかそれとも死に別れたか何処からともなく現れて雪蘭を抱く春花の周りをついてきた。無碍に引き離す事もできず、人里離れた寂しい場所に役に立つ事もあると秋月が邸に入れる事を許可した。銀の毛に覆われた雪月は主の合図に気付くとピクリと耳を立てた。炎輝がその異変に気付く。『ん?どうした?雪月。もう帰るぞ…今日は疲れたからな!それに
春花は2人から離れると奥の部屋へと足を踏み入れた。置き去りにした2人を心配もしたが、どこか似た雰囲気の彩彩と葉顔洞主である。『ま、元は葉顔さんも正道だし、生真面目な所似てるし大丈夫よね』己に言い聞かせるように呟く。気を取り直し医聖の書棚や机の引き出しを覗いた。『おかしいわね…』『……春花さん、あの…探しているものは医聖の書き記した患者の記録でしょう?それなら八仙府に保管されていると思うわ…長生果の事について書かれていないかと一度…鳳鳴に集められてそれから医療についての書物は全て八仙府に
あの江湖の混沌時代が夢であったかのように、平穏な日々が続いていた。その日は午前から雪が降り続き夜にはすっかり白銀の世界を作り出していた。秋月は朝から春花の様子の変化にピリピリと緊張を走らせている。無駄に春花の周りをうろつく事で逆に春花が落ち着く事ができ不幸中の幸いの様だと思っていた。『…ちょっと、そんなに怖い顔しないで。大丈夫だから』『大丈夫って…明確な理由は?確実な理由もなくでまかせを言うな。そんなに辛そうにして…今葉顔を呼んだ。痛みがなくなるように気の乱れを鎮める』痛みを和らげる
伝奇谷の周辺は深い森、断崖に囲まれている。すり鉢の様な地形で外敵は森で惑わされ、この途方もない断崖で絶望する。春花の希望は【安全より平穏な日々が欲しい】であった。そのどちらも秋月は念頭に置きそれを実行している。傅楼の妻游絲が愛した花畑をこの断崖から眺めるにつけ、かつて魔教を二分した伝奇谷の谷主傅楼の気持ちが理解でき、ただただ愛する為に生きた強き者であったと改めて尊敬の念春花が子供達と歩いているのが見える。ただただ脇目も振らずまっすぐ歩く雪蘭、前後左右動き回り好き勝手に行く炎輝。
『妹よ…きちんと芽を刈り取れこの兄の前で。そなたが撒いた種をしっかりとな』ようやく秋月の異変を感じる春花。『秋月兄上?なんで怒って…』春花は秋月の怒りの理由には気付かないまま目を丸くしている。またその姿の愛らしさに何も分かっていない春花に対して秋月は苛立ちを募らせる。『春花殿…秋月様を怒らせる事を私は言ってしまったのでしょうか…やはり身分不相応で…』『翼星主さん…あの…ちょっと聞きたいんですけど…』『はい。なんでも聞いてください』『あなたの想い人って…ひょっとして』『はい』『
『翼星主!随分と任務に時間がかかったな?八仙にて薬の調合を頼まれておった筈だが…山賊にでも会うたか?』『葉顔洞主!!い、いえ…』『大方遠回りして帰還したのであろう?』『申し訳ありません…』『で?秋月様や春花様は変わりないか?』『はい……あ…』『良い。分かっておる……』葉顔も蝶瑶と同じく江湖武林の統一後、力を失った秋月の隠棲の際、関わりを断つと言う秋月の命令を聞かずこっそりと遠くから見守っていたかつての己を思い出した。『……しかし…命に背き…』『真っ直ぐ帰れとは命じておらぬし、ま
伝奇谷への抜け道は獣道のように鬱蒼としながら狭くなり奥へ行くほど道とは呼べないものになっていた。『誰だ!』千月洞の元・現洞主、鳳鳴山荘元・現盟主その配下の者達一同が集結しているにも拘らず歩を止めず近付く者がいる。近付いてくる者の正体が現れるのを皆は見守った。草むらを無理やりかき分け現れたのは『・・・・』『・・・・顔・・様』『お、お前は!!』明らかに千月洞の者だった。『葉顔、どこの星僕だ?』『は、はい・・翼星主の配下の者です』『翼星主?』『おい、お前・・何があった?怪我をし
私の可愛い可愛い春花が…趙露思(チャオルースー)ちゃん。アンチに嫌がらせされたみたい。もーやめてよ。確かにね他の女優さんに比べたら絶世の美女ではないかもしれませんが彼女は素晴らしい才能があります。あの演技力の高さったら引き込まれますからね。で、人気女優ランキングにも上位だし…なんつうか…あの性格。撮影動画見ててもめちゃくちゃ明るくて賑やかで誰からも可愛がられて…やっかむよね。他俳優さんのファンとかさそれぞれ推しがいるとさ。わかるよ。でも嫌がらせはいかん。妄語というのを作品中で使ってい
秋月と春花の日々は穏やかで、それまでの激動が嘘の様に緩やかに時は流れていた。魔教と正道の争いは人々の記憶から遠ざかるほど平和な日々が続いている。その間に2人の間に生まれた雪蘭、その3年後のうだるような暑い夏に生まれた炎輝と秦流風冷凝夫婦の息子清流、李漁と風彩彩の娘明明は幼馴染として育った。子の戯れる声の愛らしさを噛み締めるように見つめる姿は、あの泣く子も黙る魔教の頂、千月洞の長だったとは到底思えない変貌である。しかして平穏な日々ばかりではなかった。大なり小なりの起伏があるのが世の常であ
春花は天高く舞い上がる間地上で見送る彩彩に手を振る。彩彩も又傾いた西日とは言え眩さに目を細めながらこちらに向かって深く頭を下げた『葉顔さん…彩彩さんに厳しすぎるわ』『……』『私はあざとい心根を許す事ができません』『……同じよ私だってかなりあざといわ。それにしても、葉顔さんはもう千月洞の洞主なのに、私や兄上に時間を割いたりして良いの?』葉顔は春花の黒目がちの瞳を見つめた。『私も……見てみたい気がして…』『見てみたい?』『はい。お二人の幸せを…そうすればこの心にある靄が晴れる気がする
春花の命が尽きかけたあの瞬間、秋月は迷いなく我が命よりも春花を優先した。秋月の持つ三陰の気全てを使って、例え無力になった己が誰に命を奪われても、そんな事はどうでも良かった。江湖武林の統一の夢が潰えても、それすら目の前の武芸もできぬ家柄や後ろ盾も今や全てを失った春花の命の方が遥かに秋月の中で大切な事であった。春花に全ての力を注ぎ、無力になった秋月を現れた葉顔に救われた。葉顔は秋月を氷谷へ送り、這々の体で横たわる秋月も又春花と同じく深い眠りについたまま目覚める事はなかった。春花が目覚めるよ
『では冷凝に怒られるので先に戻る…李漁どのはゆっくり話をしてくれ…』そう言って流風は席を外した。『あ、とりあえずこの薬草と…後は…あ、まだ冬が続きますので薬湯がよく出るんです。煎じ薬を調薬せねばならないので…コレも良いですか?』『何でも持っていけば良い』『はぁ……あの。私は秋月殿について理解出来ぬことがあるんですが…聞いても?』『つまらぬ事なら答えぬが』『いえ…彩彩より聞いたのですが春花殿は何度も秋月殿に連れ去られたのにいつも無傷で帰ってきたと…何故連れ去りながら帰したのか理解できな
葉顔は軽々と春花を天空へと連れ去った。久しぶりの空の旅である。葉顔の表情を探る『どうしました?』『あ、いえ…久しぶりに飛んでるなって…』『飛べなくなった秋月様は物足りませんか?』『え?』『春花様は…』『風で…声が…何?葉顔さん』『いえ何もありません…さぁ、もう着きますよ』『……空の旅は…案外あっという間よね』『………』2人は八仙府の入り口に到着する。町は医療の街だけに薬や漢方の店が立ち並ぶ『あ、ありがとう…葉顔さん。貴方は何の用事があるの?』『はい。私は先頃鳳鳴山荘と
雪蘭の頑なな姿勢に成す術もない春花は秋月を見つめた『兄上…どうにかして。こんな事で娘と離れるなんて…数日なら我慢できても…結婚?こんなに早くに別れるのは淋しすぎる』秋月は深い溜息を吐く『妹よ…娘はお前に似て決めたら頑固だ。結局いつも私が折れたであろう?忘れたか?』『……でも』『困った時だけ兄上と呼び翻弄する…娘の突拍子もない発言に動揺する暇もない。だが雪蘭、結婚については私も許可は出来ぬ。お前はまだ16だ。成人するまでは婚姻は認められぬ。』『成人って?父上が言う成人はいくつです?』
『…父上…あの…』清流との婚姻の後、突然里帰りをした雪蘭は父秋月に声をかけた。『雪蘭か…どうした?里帰りの理由をそろそろ言うつもりになったとか?』『それは…まだ…それよりも…ちょっと言いにくい事で…』『なんだ?言いにくいとは』『……あの…清流のお父様とお母様が話していたんだけど…その…母上って』『?春花が何か?』『ううん。良いのやっぱり…あの、それで炎輝は母上に似てるの?』『?まあ、そうだな…屈託のない感じも、思った瞬間に動く様子も…あとよく食べよく寝る所もそっくりだな…』『…
『流風!又伝奇谷に行くのか?』冷凝は大きな目で夫秦流風を睨みつけた。『あ、ああ…実は…盟主から頼まれて…』冷凝は生まれたばかりの清流を抱いている。『白盟主が何の用だ。』『心配なんであろう…春花殿が』『心配…とは…それは…白盟主はまだ春花殿を…』『それはそうであろう?初めて心を動かされた女子なのだ…世の男にとってそれは永遠に忘れられぬ幻だ。』『ふん…そなたはどうだ?誰が忘れられぬのか?しかし、本当に秋月は大丈夫か?』『なっ、我妻は何と言う分かりきった質問を夫にするのだ?私の永遠の
『李漁よ…必要なものを持っていけ。奥には薬草があるから勝手に持ち出せばよい』李漁は書斎らしき部屋の奥に更に小さな扉がある事に気付いた『ああ、この奥が洞になっていて氷室の役目をしているんですね。毒を保存する為です?』『毒も使いようで薬になる事も知らぬ医者か…弟子のデキの悪さに医聖も嘆くだろうな』『……』『李漁どの、必要なものを分けてもらうのだ、失礼は控えよ』流風は深く考えずに思った事を口にする李漁に苦言を述べる。『…はい』『気にせずとも良い。妻に触らせぬと言う夫に自尊心を傷つけられ
1ヶ月後、千月洞元洞主上官秋月の娘と鳳鳴山荘の荘主の婚約が各掌門、江湖の里と言う里、町という町に知らされた。千月洞現洞主の葉顔は謀反を企てる星主、星僕、千月洞の月僕を付き止め壊滅させた。あの夜の言葉通りに清流は蕭白に雪蘭の護衛の職を申し出た。志願にあたり秦流風、冷凝は猛反対であった。『お前はまだ子供だ。鍛錬が必要な未だ未熟な分際で未来の盟主夫人を護衛するのは無理だ』冷凝は言い聞かせた。しかし未熟さ故のその熱意を荘主である白が汲み護衛の職を与えた。力の制御が課題の雪蘭と共に武芸に励むよう
炎輝は雪月を連れ暗くなった森を抜ける。『本当は飛んで帰りたいけど。お前…高い所無理だからな。。にしても、姉上…大丈夫かな』張り出した木の根を飛び越えながらまるで昼間に野原を走るが如く闇に浸かった森を走り抜けた。『おかえり炎輝』満面の笑みで出迎える母春花に、流風の父、前秦掌門に言われた妄語を伝える事が出来なかった。『ああ。ただいま…父上は?』『今日は千月洞に薬を取りに』『なんだ、結局洞主じゃなくても千月洞の秋月じゃないか』『え…どうしたの炎輝』『…疲れたからもう今日は寝る』『?
さて、この5話〜7話が前半の肝というべき要素が詰まっています。でもそれは今は無視して秋月、蕭白、春花の中の【愛】についてのみスポット当てていきますね。もうこの検証をあらすじがてら読んで下さい。あらすじ30話も書けんわ。←離脱まずは続き。花闕のフリをした秋月。何故こうなったかと言うと…葉顔が妹である小蕾が図々しく帰宅したと思い込み、消そうとしたので仕方なく花闕をヤってしまいました。そこで、秋月は最初こそ葉顔に対して怒りましたよ、春花の兄を殺したな!ってでも、おい待てよ…どうせ春花は別人級に
雪蘭は思い詰めていた。結婚しても何かが変わったという感覚もない。いつもの延長線上の生活だった。清流は最近何も手出しをしない。あんなに猛烈に押しまくり半ば強引に蕭白盟主から横から拐うように結婚した訳である。雪蘭は己が唇に指で触れた。『…それだけって…もしかして…飽きたのかしら』『雪蘭?』春花の声に必要以上に驚く雪蘭『あ、母上…』『昼間は…ごめんなさいね…いつもはあんなんじゃないんだけど私ったら油断してしまって…まさか翼星主さんがあんな気持ちだなんて…』『え?…』至っていつも
こんばんは。ピットロード1/700Scale日本海軍艦隊防空駆逐艦「秋月」1944年(最終時)製作記その①でございます。製作自体は随分前に開始しておりましたが、何分リアル事情も相まっていつも以上に牛歩工作の為ブログの更新頻度も非常に遅くなるか、もしくは小出し投稿になるかと思いますが完成までお付き合い頂けると嬉しいです。今回、自分の中でマンネリ化しつつある海作りに風穴を開けるべく新しい素材とフルハル船体を使ったジオラマに挑戦していました。その新素材とは巷でよく
『中国ドラマ春花秋月その後番外比昨天多、比明天少1加筆済み』普段は人が訪れる事もない傅楼游絲の花畑は爽やかな風が通り抜けた。この場所がこれから先も己にとって重要な意味を持つ事になるとは蕭白に別れを告げ鳳鳴山荘を去ったば…ameblo.jp春花は何故怒ってるんでしょーか!加筆しましたー。
雪蘭は部屋で眠れぬ夜を過ごす。『娘よ…悩み事か?』『父上!?』何処からともなく現れた秋月『眠れぬ夜を過ごしておるか…』『はい…でも何故それを?』『……周囲に起きている事は全て把握するのが家族の安全を守る事だからな父は何でも知っている』『ま、まさかさっきの…あの…』父に清流との事を見られたのではないかと雪蘭は動揺した。『…父は何も見ておらぬ。婚約者がいる身でありながら別の男を愛する…良くある話だお前どうしたい?』『……わ、私は白荘主の考えを聞いて…』『己の人生を蕭白に決めて貰
炎輝が連れ帰った雪蘭に忠実な銀狼雪月も疲労と共に酷い傷が多かった。炎輝が内力を使い回復させる。『お前…姉上はどうした…何があったんだ』深手を負いながら知らせをもたらした雪月は荒い息のまま顔を上げる事もできなかった。『……炎輝っ…雪蘭は!!』駆けつけた清流に続き冷凝、風彩彩。『清流……姉上はまだ…』『…あの森のどこかに雪蘭はいる…早く探し出さねば夜になる…この冷たい雨に濡れて…身が危ぶまれる』春の雨、雨足はさほど強くはないが濡れれば体温は奪われていく事は目に見えている。『……清流
この日も部下2号にランチに誘われ快諾、いつものようにどこに食べに行こうか悩みながらオフィスを出ました。何となく白石方面へ向かいながら考えているとこのお店の存在を思い出します。気にはなっていましたがどうかな~とパスしていたのですが今回思い切って入ってみましたよ~(^。^)お食事処秋月住所:札幌市白石区平和通6丁目北4−6光コーポ札幌から向かうとJR白石駅を過ぎて踏切のある通り沿いにある食堂です。本来であれば昭和の凄く好きな店構えなのですが・・・事前の口コミなんかを見ると高
『蝶瑶さん!!』『ちょ、な、急になんだ?』『見張りのくせになんだ?お前は…敵を引き入れてんじゃねー』『は?敵?違うぞ?この人達は谷前に揃った手練達とは全く別の集団だ…どうも迷い込んだ子供を探しに来た母親達らしい…それにあの長生果競り事件の被害者でもある…』『なんだって?それは…大変失礼をした…あの競り事件のせいで我々も辛酸を舐めた。武林の統一など町人にはどうでも良い。魔教であれ正道であれ客は客なのだ…それをあの事件の後、人々は碧水を避けていく。交通の要所であった我々には人が離れる事ほどの
SUCREと主人のGWはカレンダー通りのお休みしかもっ前半のGW最終日の30日は…曇り空雨やる気なしのSUCRE主『今日のご予定は』S『いえ、何もありませんけど雨やし。見て〜この格好全くやる気なしやん』主『え〜どこも行かず家にいるのもったいないなぁ〜と思って〜。せっかくの休みが何もしないでこのまま終わっていくのってもったいなくなぁ〜い』S『うーーーーーーーん…まぁ〜』そのまま、主人はお昼寝SUCREは、のんびりでもなぁ〜もったいないと言えばもった