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【鉱物言葉集】宮沢賢治『マグノリアの木』より石に関する言葉霧が融けたのでした。太陽は磨きたての藍銅鉱のそらに液体のようにゆらめいてかかり融けのこりの霧はまぶしく蠟のように谷のあちこちに澱みます。宮沢賢治『マグノリアの木』(青空文庫)諒安(りょうあん)は、霧に包まれた険しい山と谷を、ひとり黙々と歩き続けていた。疲れきり、霧の中でまどろんでいるとこんな声が聞こえてくる。(これがお前の世界なのだよ。お前にちょうどあたり前の世界なのだよ。それよりもっと、ほんとうはこ
【鉱物言葉集】小池真理子『肉体のファンタジア』より石に関する言葉堆積された色とりどりの雲母は、その人個人の墓石のようなものである。人によって大きな墓石、情けない墓石、傾きかけた墓石、様々な形があろうが、ともあれ、墓石が完成された時、静かに幕がおろされる。小池真理子『肉体のファンタジア』(集英社、p.51)『肉体のファンタジア』は、人間の身体のパーツをモチーフにしたエッセイ集。この引用の一節のテーマは「顔」である。「自分の顔」に不思議さを感じた子どもの頃の記憶から始まり