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日の落ちた東宮殿は女官や内官が慌ただしく行き交う。『いたか?』厳しい口調で女官の一人を呼び止め、女官は思わず肩を竦めた。『いえ…殿下申し訳ありません…』女官は深々と頭を下げる。『……』自室を右往左往し、更に思いついた様に突然チェギョンの部屋へ向かうシン。大きな音を立て扉を開く『…何処に行った!』シンは立ち止まるとチェギョンのベッドへ腰を下ろす。天井、カーテン、部屋の様子を見渡すと溜息を漏らした。彼女が帰還した途端に色彩を取り戻した妃宮の部屋に改めて妻の存在感を知る。『…チ
6月10日は【天官賜福】花城の誕生日ということでめちゃおおざっぱですがイラストを描いてみました(^o^)死霊蝶🦋も殿下の頭を飾って花城を喜ばせるのに一役買ってます料理が殺人級に下手くそな殿下が三郎(サンラン)のために一生懸命dàngāo(ダンガオ)蛋糕(ケーキ)を作っています!でも三郎にとってはどんなまずいものでも殿下が自分のために作ってくれることが嬉しいさらに期待している言葉
むせるような花の香りと水気を帯びた熱い空気が辺りを包んでいた。観衆の見守る中、専用機のタラップを静かに下りる。近付いてきた一人の少女が小さな花の束を差し出す。受け取ると感謝の挨拶をする。少女ははにかみながら笑顔で手を振った。いつか見た光景と重なる。眩しく輝く太陽の下、シンは目を細めた。『殿下、この後歓迎の儀が行われ、パレード、それからホテルへと参ります』コン内官は簡単なスケジュールを伝えた。『あぁ、分かった・・』人々は大きく手を振りシンを歓迎していた。かつては皇太子としてこの国
こちらは本篇のあらすじと、一部日本語訳をいれています。(訳は基本なんちゃってでお考え下さいね)海仓灵でのラブラブな時を過ごした二人は、結局二人で太晨宫へと帰ってくる。帝君はやはり、帝君。仕事が早いわ~用意周到に大婚衣装を用意して、九ちゃんに見せる。この間に叶将軍の復活・仙人修行開始で、彼への借財を払い終えて、二人の関係は更に深まり、帝君は九ちゃんに「これからは永遠に一緒だ。私達はこれから離れる事はない。」と宣言。帝君元々、あまり笑顔を見せない人だったんだけど、本
それからまた暫く私はこの水に身を沈めた。考えてみれば自らあの天池より逃げてきた私に帰るべき処は無く、兄弟達の行方も判らない。私に此処より他に頼るべき湖池は無いのだ。ただ、この湖池の精霊達は故池(故郷)よりもずっと朗らかで規則(しきたり)に囚われず自由で、新参者の私を楽し気に揶揄(からか)った。「何て変わった魚(こ)。天宮の魚精はみんなそんな奇妙な色をしているの?」「そんな事はないわよ!良く見なさい。何て痩せ細った身体。どんな料理にもならなさそうよ。苛められっ子ね、まともに食べ物なんてあり