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当院の美容治療の中で最も多いのが、いわゆるレーザーによるシミ取りです。そして、みなさん気になさるのが、レーザー照射後の状態です。当院では、レーザー照射を行った後の処置について、次の3パターンをご提案し、患者さんの希望に合わせて選んで頂いています。①テープなし②茶テープを貼る③ビジダームを貼る順番にご紹介します。①テープ無しの場合テープなしで過ごす場合、下の写真のような経過をたどります。この方法だと、かさぶたがしっかりした後(翌日~翌々日)、コン
たるみ治療のアプローチについて、先日から書いてきました。繰り返しになりますが、たるみに対しては総合的なアプローチが必要だと考えています。具体的には、溶ける糸(受け入れ可能なら溶けない糸)、ヒアルロン酸注入、ボトックス、HIFUやRFなどの機械系治療を必要に応じて組み合わせることが必要です。そこで、今日は、溶ける糸によるたるみ治療についてご紹介します。この施術は、東京のセミナーに参加して(その時の記事はコチラ)学んだことを実践したものです。行った施術は、溶ける糸4本を使用
数か月前の話になりますが、3ヵ月の赤ちゃんがベビーベッドから転落し、眉の上を4cmほど切って形成外科を受診されました。傷は筋肉に達するほど深かったので、すぐさま縫合処置の準備に入りました。こういう時こそ、形成外科医の本領発揮の場面です。拡大鏡を装着しての縫合を行いました。お母さんは痛々しいほどにオロオロされていたので、処置室から出てお待ち頂きましたが、すぐ真横で縫合処置をかぶりつきでご覧になっていたお父さんが、縫合の一針目から、「うわー、綺麗!」と感心してくださいました。縫合が終わりに
今回は、体の傷跡のアフターケアの実践編です。以前の記事にも書きましたが、私は自分の傷跡のアフターケアにも、『メピフォーム』という製品を使用しています。メピフォームのお値段は以下のようになっています。サイズ標準販売価格標準販売価格5×7.5cm¥2,000/1枚¥10,000/箱(5枚)4×30cm¥5,600/1枚¥28,000/箱(5枚)10×18cm¥7,000/1枚¥35,000
体に傷を負ってしまう原因はさまざまありますが、傷跡が残ってしまった時、多くの方が少しでも傷跡を綺麗にしたいと思うものだと思います。下の写真は、ストーブで火傷を受傷し、肥厚性瘢痕になってしまった3歳の女の子の治療前後の写真です。私が医師4年目、形成外科医となってから2年目の時にさせていただいた瘢痕形成の手術です。手術を行った後、アフターケアをしっかり行い、ここまでになりました。治療によってかなり綺麗になりましたが、傷が完全に消えたわけではありません。残念ながら、完全には傷跡を消す
今回は、下腹部の瘢痕の治療についてご紹介します。下腹部、特に恥骨のあたりは、肥厚性瘢痕やケロイドの好発部位です。帝王切開や婦人科での開腹手術後に、手術の傷が肥厚性瘢痕やケロイドの状態になり、形成外科を受診される患者さんは少なくありません。短い治療期間で、かゆみなどの症状をとるだけでなく、見た目も改善させたい場合には、『瘢痕形成術』または『瘢痕形成術+電子線照射』がお勧めです。しかし、「もう一度、切るのは絶対にイヤ!」と言われることも少なくありません。その場合の治療は、保存
前回の続きで、傷跡のアフターケア実践編「体の場合」です。今回も、私が実際の診療で好んで使っている製品をご紹介します。その①メピフォーム表面の素材はシリコンで粘着性があり、繰り返し使えます。柔らかいので圧迫の効果は少ないですが、ケロイド体質の無い方や、形成外科医が縫合した場合など、標準的な経過をたどると予想される場合には、非常に使いやすい製品です。実は、私自身も帝王切開後の傷跡に使用しており、その使用感の良さから、最近、乳房再建後の患者さんにもこのメピフォームをお勧めしています
前回の続きで、シミ取りレーザー照射後の処置についてのお話です。今日は、レーザー照射後の処置について3つある選択肢のうちの二つめの、②『茶テープを貼る方法』についてご紹介します。この方法は、実は当院の患者さんが選択される方法の中では一番多い方法です。下の写真がその茶色のテープを貼った状態です。この茶テープを貼った場合、新しい皮膚が再生されるまで(約7~10日)、テープを剥がさないのが理想です。テープの粘着力が強いので、新しい皮膚が再生されていない時期に無理に剥がし
木沢記念病院で行った『局所皮弁とタトゥーによる乳頭乳輪再建』を行った方の写真がそろいましたので、患者さんの了承を得てご紹介したいと思います。東京医科大学病院形成外科の小宮貴子先生の方法(くわしくはコチラ)で先にタトゥーを行い、局所皮弁はStarflapを挙上し、自家組織再建の際に保存していた肋軟骨を芯に用いました。(それぞれの方法については過去のブログ記事をご参照ください。)経過写真です。まだ、術後3ヵ月の状態ですが、乳頭の高さも十分です。今後、長期的
(つづき)「分割切除」とは、一度で切除するには大きすぎる皮膚腫瘍や瘢痕を、2回または3回に分けて切除する方法です。1回目と2回目または2回目と3回目の手術の間は、4~6か月の間を開けます。その間に皮膚に余裕が生まれ、次の切除と縫縮が可能になります。手術の回数は増えてしまうというデメリットがある一方、最終的な傷の長さを短くすることが可能になるというメリットがあります。師匠である市田正成先生の御著書『スキル外来手術アトラス』より、図をお借りします。上の図でご覧頂いたように、1回で切
先月の『傷跡の治療アフターケアの重要性~傷跡は育てるもの~』の記事で、傷跡にハイドロコロイドを貼付していたら、傷跡が綺麗になった事例をご紹介しました(記事はコチラ)。これはハイドロコロイドを貼ることによって、圧迫の効果と湿潤環境がもたらされた結果だと考えられます。アフターケアの目的で傷跡に何かを貼る目的として、圧迫と湿潤環境を保つ以外に、『減張』という目的があります。傷跡を綺麗にするためには、この『減張』ということがもうひとつの重要な要素になります。もう少し詳しく説明します。傷跡
それでは、傷跡のアフターケア実践編です。今回は、「顔の傷跡のアフターケア」に、私が実際の治療で愛用している商品を2つご紹介します。その①ピタシートピタシートホームページはコチラ傷跡に直接触れる部分の素材は、前回ご紹介したスライドと同じく、ハイドロコロイドです。そのハイドロコロイドの上にフィルムが貼り付けてあり、厚みと硬さがありますので、傷を圧迫して平らにする効果と、傷を安静に保つ効果が期待できます。何年か前の形成外科の総会で、形成外科学会の重鎮であられる京都市の
苺状血管腫という生まれつきのアザをご存知でしょうか?「赤アザ」と呼ばれることの多いアザの一種ですが、成長と共に消退することが知られているため、様子をみることが多い疾患でした。現在では、生後早期からレーザー治療をすると最終的な整容性が優れるという見解もあり、レーザー治療の対象となることも多い疾患です。しかし、早期にレーザー治療を行っても、全く跡が残らないわけではありません。特に顔面にあった場合、赤みの消退後に残った瘢痕を改善したいというご相談を受けることがあります。患者さんのご両親の了
傷跡の治療について、前回の続きで「アフターケアの重要性」について説明したいと思います。傷跡を綺麗にしたいという患者さんに、前回の「傷跡の経過」のスライドと一緒に必ずお見せするもう1枚のスライドがこちらです。お腹の真ん中に縦に手術の傷跡があります。上下の傷跡はまだ赤いのに、青い点線で囲まれた部分の傷跡だけが白く綺麗になっているのがお分かり頂けるでしょうか。青い点線の範囲には、人工肛門を取り付けるための被覆材(皮膚保護材)が貼ってあったのです。左の方は四角いタイプ、
(つづき)幅のある瘢痕組織や皮膚腫瘍を切除するときに無視ができないのが、『ドッグイアー』いう皮膚の状態です(下の模式図に「イアー」と書いてあるので、「イヤー」ではなく「イアー」と表記します)。直訳すると「犬の耳」ということになりますが、ここでの意味は、「皮膚を切除して1本の傷に縫い合わせたときに、傷の両端に生じる膨らみのこと」を言います。私がこのドッグイアーを患者さんに説明するときにお見せしている模型です。右端の赤い→の部分の膨らみの部分がドッグイアーです。左の
今日は、スマイルボトックスのご紹介です。これは、口角下制筋へボトックス注射を行うことで、口角が上がりやすくなる施術です。特に、笑った時に口角が上がりやすくなり、チャーミングに見えるようになります。そのため、『スマイルボトックス』と呼ばれています。口角下制筋とはどこにある筋肉でしょうか?愛用している『グラフィックス・フェイス・臨床解剖図譜』より画像をお借りします。拡大すると↓この筋肉です。口角下制筋が収縮すると、口角を下に引き下げて、『への字顔』
岐阜市の朝日大学歯学部附属村上記念病院の先生から、ある患者さんの治療の依頼を受けました。診察すると、乳頭の先端に腫瘍ができています。患者さんのお話によると、20代前半頃からできていたそうで、早く治療を行いたかったものの、その頃受診していた病院で、授乳が終わってからの方がよいと勧められ、これまで20年近くずっと治療せずにきたそうです。初診時の状態です。乳腺外科の先生から、おそらく良性の腫瘍だろうと聞いていましたが、まずは腫瘍の一部を採取し、病理検査に提出しました。結果は『