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先日とあるオケのパンフレットに解説記事を書きましたのでここに再掲します。全交響曲はもちろん宗教曲や管弦楽曲のいくつかまでスコアを調べて書きました。文字数制限があったのでちょっといくぶん端折った表現ですみません。もっと書きたいこといっぱいあったのですが、それはまた何かの機会に・・・ドヴォルザーク交響曲7番、いい曲ですね。聴いて良し、弾いたらもっと楽しい曲でした!『ドヴォルザークは、第7番の出版の報酬として3000マルクというジムロックからの提案をきっぱり断った。それだけこの交響曲に自信があっ
普段、曲目解説は放置プレイの私ですが、聖ヨハネ賛歌について書いてしまったので、ついでに。きりくの夏ライヴの予定曲目にある、謎の曲。「セイキロスの墓碑銘」これは、古代トルコ遺跡から発掘された石柱型の墓碑に刻まれていたもので、紀元前1世紀頃のものであり、記録史上、完全な形で残っている楽譜としては、世界最古の曲と言われています。墓碑には、ギリシャの言葉と音符…音の高低抑揚を指示する記号、いわば楽譜にあたるものが刻まれていました。セイキロスからエウテルペへおそらくは妻に遺したものと思
昔は写譜の職人さんが、作曲家の手書きの楽譜を清書していたから、時々、写し間違いというものも生じました。というわけで、作曲家の自筆稿を見直すことから始まる、オペラの基本的な検証作業というものが一冊にまとまったのが「批判校訂版クリティカル・エディション」という楽譜です。オペラの現場から言うと、この批判校訂版とは、研究者たちの労力の結晶であり、あれば必ず参照しないといけないものなのです。一方、そうした労力の結晶であるからこそ、クリティカル・エディションの楽譜を実演で使うとなると、出版社側のスコ