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匠を紹介するサイトで知った宮川刷毛ブラシ製作所は、大正10年の創業で、90年余りの歴史があります。同店に別注したのは、10年以上前になるでしょうか。最初に仕様を説明した際、毛の種類と長さについて、ご主人に念押しされた事を思い出します。結局、大判形で、長さ135mm、幅55mmの朴の木の木地に、毛丈40mmの白馬毛を植えてもらいました。(毛丈40mmの白馬毛です。)(毛の密度は、こんな具合です。)綺麗に面取りされた白木仕上げの共蓋には、上部に「手造り」の赤い印が押印されています。木地
日本でブラシの製造が始まった時期と時を同じくして創業したのが田中ブラシ製作所。江戸から東京へ改称して間もない明治7年の事です。3代目のご主人に、色々教えていただきながら発注したのが理想のサイズ(長さ135mm、幅55mm)の大判型。材としては、柔らかく、でも、粘りのある朴の木の木地に、毛丈40mmの白馬毛を植えてもらって…。(理想の大判型です。)(毛丈40mmです。)(こんな密度で植えられています。)(川沿いのベンチに置いてみました。)綺麗に面取りされた白木仕上げの共蓋には、下部
(今回の主役は、真ん中に鎮座するかなや刷子です。)大正3年創業のかなや刷子。こちらは、浅草の出店で小売りをされています。本店に直接、依頼して作ってもらったのが、一回り大きめの長さ137mm、幅61mmの大判型。朴の木の木地に、毛丈もちょっぴり長めの42mmの白馬毛を植えてもらって…。軽く面取りされた白木仕上げの共蓋は、削り出しそのままのプレーンな状態。側面もフラットで、削りは入っていません。特徴的な釘打ちは、通常とは反対方向の木地の縁、例えると書類のマージンとか、紳士靴のコバのよう
このブログで、初めて、手植え靴ブラシを紹介したのが、もう5年以上前の事に…。江戸屋の花馬毛のブラシ(こちらは「手植え靴ブラシ~江戸屋~」で)が始まりでした。回を重ねていくうちに、良い意味での拘りのある方とも巡り合って…。あらためて、靴メンテナンスの奥深さを感じています。さて、本題に。数年前から百貨店の催事に出店されていて、かなり注目していたのですが…。中々、アポイントメントを取る事が出来なかったのが、今回、紹介する「桜ブラシ
もう10年になるでしょうか。桜の季節には、幾分早い弥生の中頃に、実物が見たくて、出店していた堺の高島屋に出向いたのが、洋服ブラシのイシカワ。同店の長さ150mm、幅50mmの長方形の黒馬毛は、毛丈が27mmの尾脇毛、いわゆる尾の根元に生える羽毛のような毛を使ったタイプ。火のしで、高温プレスして整えられた尾脇毛は、小筆と同じ品質で、滑らかで柔らかいのに腰があるとのこと。「このブラシは、小筆が木地の穴の数だが並んでいると考えればいい。」ご主人の物づくりに対する熱意が伝わってくる、そんな説明
江戸屋は、その名のとおり、江戸時代の中期、享保3年(1718年)に開業した老舗中の老舗。こちらの黒毛の3本は、同店の花馬毛、いわゆる馬の鬣(たてがみ)を使ったタイプ。(花馬毛の大判形と長方形です。)(角度を変えて見ました。)大判形のものは、長さ135mm、幅55mmのブナの木地に、毛丈40mmの黒の花馬毛を植えていて…。(毛丈40mmの花馬毛で、サイドに削りが入ります。)(こんな密度で植えられています。)綺麗に面取りされた共蓋(ともぶた)には、上部に「極上」の文字、下部に「○」に「
前々回に続いて、機械植えの靴ブラシの話を…。ドイツの靴に対する考え方は、整形外科的な健康と繋がっていて、足裏にフィットする特注のインソールの製作など、目から鱗のアプローチでした。15年くらい前、京都高島屋の1階に入っていたのがアルカ。ひと通りのレクチャーを受けた後、若干オーバーサイズのトリッカーズのカントリーとアンクルブーツ用にインソールを作ってもらいました。何故か、裏側の色が違うのが不思議ですが…。可塑性のある素材に足を入れて型を取って成形してもらい、数週間後完成する、と言った手順だ
ご自身が実演販売されるとの連絡をいただき、ひと月待って伺ったのが梅田阪急。馬の尻尾に生える産毛を使った白毛のブラシの現物を見せていただくためでした。同店では、この短い毛を熊毛と説明され、靴ブラシには根本の部分を、洋服ブラシには毛先の部分を使っているようです。以前、紹介したのは、尻尾の長い毛、いわゆる本毛を使ったものでしたが…。(「手植え靴ブラシ⑨~宇野刷毛ブラシ製作所~」で紹介した本毛の靴ブラシ。)今回、紹介するのは、熊毛を使ったこちら。
ある地域ブランドの紹介サイトで知ったのが、宇野刷毛ブラシ製作所。創業は、大正6年。と言う事は、来年には100周年の節目を迎えます。こちらで手に入れたのが、少し長めの155mm、幅55mmの角丸長方形の朴ノ木の木地に、毛丈35mmの白馬毛を植えたもの。オーソドックスな7行植えで、17列あるので119の穴が空けられています。木地の側面に削りが入らないタイプで、丸頭の真鍮釘を左右対称に4本ずつの釘打ち。(少し大きめの角丸長方形の木地です。)(毛丈は35mmですが、木地の厚みで、高さは大判
神田神保町の山田塗具ハケ製作所は、大正2年の創業で、1世紀を超える歴史があります。ハケとブラシの専門店として、テレビでも取り上げられたことがある名店です。同店5代目のご主人に、かなり無理を言って、お願いしたのがこちら。大判形で、長さ135mm、若干細身の幅53mmの朴の木の木地に、毛丈40mmの白馬毛を植えてもらって…。この馬毛は、白さが際立っていて、真っ白に見えます。法則どおり、柔らかさも抜群です。(朴ノ木の大判型です。)(毛丈40mmのホントに白い馬毛です。)(自然光だと良く
またもや、メガホースブラシの話を…。こちらは、トレーディング・ポストの別注品で、ECCで教えを受けた先生が米国に移住する際にも、プレゼントで使いました。しっかりと面取りされ、側面に削りがない長さ210mm、幅60mmのクリア仕上げの白木の木地に、毛丈40mmの栗毛を植えたもの。今考えると、荷物になって迷惑だったかもしれませんが…。(しっかり面取りされ、側面もフラットです。)(クリア仕上げの木地です。)(毛丈40mmは、手植えブラシの別注品と同じ長さです。)(黒毛に見えますが栗毛です
久々の更新です。本日の陽気は、正に春のそれでした。とても気分が良かったので、すぐに本題へ、と行きたいところですが…。少し寄り道をして、先日、見聞きしたお話を。歳を重ねるとカタカナ語や英字3文字の略語に、とても弱くなります。困ったものですが、実感です。とある窓口での出来事。高齢の男性が身分証明書の提出を求められていました。そんな女性スタッフの質問に、「運転免許証は、返した。」「それで、あの~何て言ったかな?」