中江藤樹は、江戸初期という激動の時代に生きながら、人としてどう生きるべきかを一貫して問い続けた思想家でした。彼は学問を単なる知識の集積としてではなく、人の生き方そのものを正すための道として捉えました。その中心にあったのが「良知」という考え方です。人は誰しも、生まれながらにして善悪を見分ける心を持っている。その心の声に正直に従い、感情や欲望に振り回されずに生きることこそが、人としての道であると藤樹は説きました。「感情に支配されるな、理に従え」という言葉は、まさに藤樹の教えの核心を表しています。怒り