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御車入るべき門は鎖したりければ、人して惟光召させて、待たせたまひけるほど、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】御車入るべき門は鎖したりければ、訳)お車が入るはずの門は施錠してあったので、人して惟光召させて、訳)従者に惟光を呼ばせて、待たせたまひけるほど、訳)お待ちなさる時、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、訳)むさ苦しい大通りの様子を見渡していらっしゃると、
御車もいたくやつしたまへり、前駆も追はせたまはず、誰れとか知らむとうちとけたまひて、すこしさし覗きたまへれば、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】御車もいたくやつしたまへり、訳)お車もひどく目立たないようになさっており、前駆も追はせたまはず、訳)先駆けの者にも追い払わせなさらず、誰とか知らむとうちとけたまひて、訳)誰と分かるだろうか、分からないだろうと気を許しなさって、すこしさし覗きたまへれば、訳)少し覗きなさっていると
立ちさまよふらむ下つ方思ひやるに、あながちに丈高き心地ぞする。いかなる者の集へるならむと、やうかはりて思さる。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】立ちさまよふらむ下つ方思ひやるに、訳)うろつき回っているような下半身の方を想像すると、あながちに丈高き心地ぞする。訳)むやみに背丈の高い感じがする。いかなる者の集へるならむと、訳)どのような者が集まっているのであろうかと、やうかはりて思さる。訳)一風変わってお感じにならずにはいら
「遠方人にもの申す」と独りごちたまふを、御随身ついゐて、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「遠方人にもの申す」訳)「遠くにいる人に申し上げる(白い花は何か)」と独りごちたまふを、訳)と独り言をつぶやきなさるので、御随身ついゐて、訳)御従者がかしこまって座って、【古文】「遠方人にもの申す」と独りごちたまふを、御随身ついゐて、【訳】「遠くにいる人に申し上げる(白い花は何か)」と独り言をつぶやきなさるので、御従者がかし
この家のかたはらに、桧垣といふもの新しうして、上は半蔀四五間ばかり上げわたして、簾などもいと白う涼しげなるに、をかしき額つきの透影、あまた見えて覗く。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】この家のかたはらに、檜垣といふもの新しうして、訳)この家の隣に、檜垣という檜で作った垣根を新しく作って、上は半蔀四五間ばかり上げわたして、訳)上の方は半蔀を四、五間(けん)ほどずらりと吊り上げて、簾などもいと白う涼しげなるに、訳)簾などもとても白く涼しそ
げにいと小家がちに、むつかしげなるわたりの、このもかのも、あやしくうちよろぼひて、むねむねしからぬ軒のつまなどに這ひまつはれたるを、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】げにいと小家がちに、訳)なるほどとても小さい家ばかりで、むつかしげなるわたりの、訳)むさ苦しそうな辺りの、このもかのも、あやしくうちよろぼひて訳)あちらこちら、見苦しくちょっと崩れかかって、むねむねしからぬ軒のつまなどに這ひまつはれたるを、訳)堂々としていない
「…かかるとみの事には、誦経などをこそはすなれとて、その事どももせさせむ。願なども立てさせむとて、阿闍梨ものせよ、と言ひつるは」とのたまふに、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「…かかるとみの事には、誦経などをこそはすなれとて、訳)「…このような危急のことには、僧に経を読ませることなどなんかするそうだということで、その事どももせさせむ。訳)その諸々の手配もさせよう。願なども立てさせむとて、阿闍梨ものせよ、と言ひつるは」とのたまふに、訳
「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ咲きはべりける」と申す。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。訳)「あの白く咲いている花を、夕顔と申します。花の名は人めきて、訳)花の名は人のようであって、かうあやしき垣根になむ咲きはべりける」と申す。訳)このようにみすぼらしい垣根に咲くのでございますなあ」と申し上げる。【古文】「かの白く咲けるをなむ、
門は蔀のやうなる、押し上げたる、見入れのほどなく、ものはかなき住まひを、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】門は蔀のやうなる、押し上げたる、訳)門は蔀のようなのが、押し上げてある、見入れのほどなく、訳)のぞき込んで見た様子は奥行きもなく、ものはかなき住まひを、訳)ささやかな住まいを、【古文】門は蔀のやうなる、押し上げたる、見入れのほどなく、ものはかなき住まひを、【訳】門は蔀のようなのが、押し上げてある、のぞき込んで見
【夕顔との出逢い】六条わたりの御忍び歩きのころ、内裏よりまかでたまふ中宿に、大弐の乳母のいたくわづらひて尼になりにける、とぶらはむとて、五条なる家尋ねておはしたり。御車入るべき門は鎖したりければ、人して惟光召させて、待たせたまひけるほど、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、この家のかたはらに、桧垣といふもの新しうして、上は半蔀四五間ばかり上げわたして、簾などもいと白う涼しげなるに、をかしき額つきの透影、あまた見えて覗く。立ちさまよふらむ下つ方思ひやるに、あながちに丈高き
◆源氏物語~目次~◆『源氏物語』の登場人物一覧『源氏物語』の和歌一覧第1帖「桐壺」の巻■「桐壺」の巻~第1章~父帝と母桐壺更衣の悲恋と母の死■「桐壺」の巻~第2章~父帝の悲しみと靫負命婦の実家弔問■「桐壺」の巻~第3章~藤壺宮の入内と若宮の参内■「桐壺」の巻~第4章~光源氏の元服左大臣の娘との結婚第2帖「帚木」の巻■「帚木」の巻~第1章~雨夜の品定め光源氏と頭中将■「帚木」の巻~第2章~雨夜の品定め左馬頭の女性論■「
切懸だつ物に、いと青やかなる葛の心地よげに這ひかかれるに、白き花ぞ、おのれひとり笑みの眉開けたる。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】切懸だつ物に、訳)切懸の板塀めいた物に、いと青やかなる葛の心地よげに這ひかかれるに、訳)とても青々としたつる草が気持ちよさそうに這って覆いかぶさっている所に、白き花ぞ、おのれひとり笑みの眉開けたる。訳)白い花が、自分ひとり花のつぼみが開いている。【古文】切懸だつ物に、いと青やかなる葛の心地よげ
若紫①【北山へ加持祈祷】*これより以前の「夕顔」第9章はこちら*はじめから読む場合はこちら・・・・・・・・・・・・・・・瘧病にわづらひたまひて、よろづにまじなひ加持など参らせたまへど、しるしなくて、あまたたびおこりたまひければ、ある人、「北山になむ、なにがし寺といふ所に、かしこき行ひ人はべる。去年の夏も世におこりて、人びとまじなひわづらひしを、やがてとどむるたぐひ、あまたはべりき。ししこらかしつる時はうたてはべるを、とくこそ試みさせたまはめ」など聞こゆれば、召しに遣はしたるに、「老いか
あはれに、「何処かさして」と思ほしなせば、玉の台も同じことなり。ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】あはれに、訳)しみじみと、「何処かさして」と思ほしなせば、訳)「どこをさして(これこそ我が宿といえるだろう)か」とお考えになると、玉の台も同じことなり。訳)立派な御殿も同じことである。【古文】あはれに、「何処かさして」と思ほしなせば、玉の台も同じことなり。【訳】しみじみと、「どこをさして(これこそ我が宿といえるだろう)か」
「昔の物語などにこそ、かかることは聞け」と、いとめづらかにむくつけけれど、まづ、「この人いかになりぬるぞ」と思ほす心騒ぎに、身の上も知られたまはず、添ひ臥して、ーーーーーーーーーーーーーーー【源氏物語イラスト訳】「昔の物語などにこそ、かかることは聞け」訳)「昔話などで、このようなことは聞くが…」と、いとめづらかにむくつけけれど、訳)と、たいそう珍しく気味悪いけれど、まづ、「この人いかになりぬるぞ」と思ほす心騒ぎに、訳)まず、「この女はどのようになってし
【1.桐壺】■限りとてわかるる道のかなしきにいかまほしきは命なりけり■宮城野の露吹き結ぶ風の音に小萩が本を思ひこそやれ■鈴虫の声の限りを尽くしても長き夜あかずふる涙かな■いとどしく虫の音しげき浅茅生に露をき添ふる雲の上人■荒き風ふせぎし蔭の枯しより小萩がうへぞ静心なき■尋ねゆくまぼろしもがなつてにても玉のありかをそこと知るべく■雲のうへも涙に暮るる秋の月いかで住むらむ浅茅生の宿■いときなき初元結ひに長き世を契る心は結びこめつや■結びつる心も深
夕顔⑤【もののけと夕顔の死】・・・・・・・・・・・・・・・いさよふ月に、ゆくりなくあくがれむことを、女は思ひやすらひ、とかくのたまふほど、にはかに雲隠れて、明け行く空いとをかし。はしたなきほどにならぬ先にと、例の急ぎ出でたまひて、軽らかにうち乗せたまへれば、右近ぞ乗りぬる。そのわたり近きなにがしの院におはしまし着きて、預り召し出づるほど、荒れたる門の忍ぶ草茂りて見上げられたる、たとしへなく木暗し。霧も深く、露けきに、簾をさへ上げたまへれば、御袖もいたく濡れにけり。「まだかやうなること
学べば学ぶほど奥深いのが、古文。マニュアルを覚えて終わり…ていうのは、狭い勉強法です。源氏物語イラスト解釈【これまでのあらすじ】天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。一方、中流階級の空蝉(うつせみ)と一夜限りの恋を経験し、光源氏は、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとに
源氏物語イラスト訳のあいです――――――――今回の源氏物語――――――――「遠方人にもの申す」と独りごちたまふを、御随身ついゐて、訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆夕顔9のイラスト訳はこちらでは今日も、一気に行ってみましょぉ~♪ヽ(○・▽・○)ノ゙これまでのあらすじ天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。ただ今、「4.夕顔
古文の長文読解はそこそこでいいよ。でも、傍線部が出て来たら、きちんと品詞分解しましょ。毎日少しずつ、逐語訳の練習を積み重ねるんです!源氏物語イラスト訳重要古語【古文単語の主なパターン】1.古典特有語…現代にない古語。2.古今異義語…現代と意味の異なる古語。3.死語的現代ワード…高校生がほぼ使わない死語?【今回の源氏物語】「…慣らひたまへりや」とのたまふ。女、恥ぢらひて、「山の端の心も知らで行く月はうはの空にて影や絶えなむ…」
5月30日月曜日朝は満点の晴れだったのに昼前には強風が吹き出し15時雨がぽつんぽつんと天気予報どおりにすすむのねバラを軒下やガレージに避難し畑の点検ししとうやピーマンなすびきゅうり皆順調に大きくなっている大ジジが何を思ったか40本注文したトマトトマトとまとtomato・・・の大行列夏は毎日おやつは『トマト』だぞ先日来何者かが侵入し全くとれなかった「いちご
今週末の世界の料理は、生ビーツが手に入ったのでスリランカのබීට්(ビーツ)ව්යංජන(カレー)に決まっている。二回目だが、前回のは発色が日光の手前(今市だったw)真っ赤な野菜カレーを食べるつもり。酸味をつけるタマリンドもあるので、後は赤玉ねぎを調達する位。1-2月のタイ出張時に野菜の種などを買ってきた。(その一部↓)CHOMCHAN(チョムチャン)・・なんだそれ?変な形だが、食べれそうだし興味本位で購入。調べてみたら、夕顔の蕾を食べるみたいだ。3月に種を蒔いて失敗したなと。