ブログ記事74件
「日本刀は曲がりやすい。畳表巻き一本斬るだけでも刃筋が通っていなければ曲がる」こんな風に聞いた事があります。試斬をする武道家が書いていたと思います。これは事実なのだと思います。ただ、それは研ぎ減りや金属疲労で曲がりやすくなっていたからなのではないかと思われてならないのです。新作の刀とか、曲がった後に熱処理をして補強した刀であればそんなに簡単には曲がらないのでは?と思ったので、ちょっと書いてみようと思います。・・・・・日本刀で試斬をする時に、新作刀を使用する事は稀だと思いま
私は刀が好きなのですが一つわからない事があります。そもそも日本刀て何?どういう条件を満たせば日本刀なのでしょう?「玉鋼が原料で、それを折り返し鍛錬して作った刀」という認識が一般には多いのではないかなと思います。しかし、玉鋼と同種の鋼は新刀期より以前には存在しません。玉鋼という名称にいたっては近代以降のものにすぎません。玉鋼じゃなくても、たたら製鉄で作られた和鉄なら良いのか?しかし古くから「南蛮鉄で鍛えた」と銘にある刀も多いし、中国大陸の鉄材を使用したような古刀も少なからず存在すると思
前に、古代の直刀ってどうやって作っていたんだろう?焼入れで反るはずなのになぜ真っ直ぐなんだろう?という内容の記事を書いた時に、助光刀匠から以下のようなコメントを頂きました↓刀の焼き入れは、今の玉鋼でも同じ様に焼き入れして、反る時、反らない時、逆に内反りになる時がランダムであります。上古刀時代は、研師が言うには、かなり柔らかいそうなので、反っても簡単にふさると思います。なので、内反りは困るので、反らせる気持ちで焼き入れして、叩いて伏せるのが効率的です。それより、火造りで,
日本刀の最も簡単な鑑定方法刀(日本刀)を鑑定する場合、最も大切なことは刀が造られた時代区分をはっきり知ることです。刀が造られた時代を知る事ができれば時代背景もよく分かり、日本刀の見方も変わってきます。そんなことから日本刀の最も簡単な鑑定方法を考えてみました。刀の製作された時代区分を大ざっぱに分けてみると次のようになります。慶長時代(桃山時代)以前の刀を古刀、慶長から幕末頃までが新刀、幕末から明治初期頃までを
本日二つ目の記事ですが、、、前回の記事で紹介した石井昌国氏の名著を読んで思い出した事があります。古刀は芯鉄を入れない無垢鍛え・丸鍛えという方法で作られていたという俗説があって、結構信じている人がいるようです。これは完全にデマ、というか誤解です。無垢鍛え・丸鍛えの刀は古刀にも新刀にも現代刀にも一定の割合で存在しますがいつの時代においても常に少数割合です。今回はこれについて書いていこうと思います。・・・・・蕨手刀日本刀の始源に関する一考察/石井昌国著/雄山閣/