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そんな七月の蝉が鳴く暑い日、照代は今まで感じた事の無い不思議な動きを腹部に感じました。もしや⁉︎と思い娼館の女将に相談しました。女将もその動きはもしかして・・・と感じて産婆さんを娼館に呼びました。産婆さんによる診察の結果は妊娠中期に入るか入らないかとの事でした。女将さんも照代も診察の結果にとても喜びました。毎日片道の燃料だけで多くの特攻兵が飛び立っています。なのに基地に住む特攻兵の人数はほぼ変わらないという状況、どれだけ未来ある若者を送り出したかもう数える気力もない2人でした。特に照代は
信二の目に浮かんだ涙を見て照代も明朝!飛び立つ!と直感が走りました!信二はいつもと違い冷静さを失い、絹!と言いながら暗い道端で照代をだきしめました。照代は何も言わずに立っていました。そして2人で照代の部屋に行きいつものように夜を過ごしました。信二が呼ぶ名が絹という以外は全く同じ夜でした。照代は絹という名を聞き男の人は本当に好きな女性を抱く時は名前を呼ぶという事を初めて知りました。そんな自分の生まれを寂しく複雑な気持ち・・・ですが冷めた感覚で受け止めていました。夜遅く信二は基地に帰って行きま
朝・・・絹は美しく装い特攻基地に向かいました。そして、特攻機に乗る前の信二に人目をはばからずに抱きつき涙ながらに一生貴方を忘れない・・・と自分が美しく装った写真を渡しました。信二もその写真を大切に受け取り胸のポケットにしまいました。そして、この写真があればぼくは必ず守られる、絹の元に必ず帰るよと優しく言い大勢のの特攻兵、見送りの兵士達、近所から毎日見送りに来る人、そして密かに見送りに来た照代の前で優しく最初で最後の口づけをしました。特攻兵が恋人や妻に最後に多くの人がいても口付けをすること