ブログ記事327件
おはようございます。いつもありがとうございます。映画『パーフェクト・デイズ』ずーっと観てみたいな、と思っていましたが、お街の映画館、キネマミュージアムで上映されている事を知り、気持ちがそわそわしてから数日後の、昨日、思いきって行って来ました。キネマミュージアムは、安藤桃子さん(高知が気に入って在住しています)が立ち上げたお街のミニシアターです。写真、お借りしました。映画館で映画を観るなんて、どれくらいぶりなんだろうか。『ボヘミアン・ラプソディ』をイオンの東宝シネマズで観て以来の映画鑑
ひとつ前の当ブログで、『太陽がいっぱい』(1960ルネ・クレマン監督)でアラン・ドロンさんが演じたトム・リプリーはラストで犯罪が発覚しますが、パトリシア・ハイスミスさんによる原作の方はバレることなく、まんまと逃げおおせるのです。1作目の『太陽がいっぱい』(河出文庫。現在は『リプリー』のタイトル)が書かれたのは1955年。第2作の『贋作』(河出文庫)は1970年に書かれましたから、15年も経っています。ですから、当初はシリーズものにする意図はなかったのかもしれません。文庫の解説に書いてありま
ひとつ前の当ブログで、村上春樹さんの『街とその不確かな壁』(新潮社)について取り上げました。この小説の主人公は「中年の男性」という設定で、お馴染みの「パラレル・ワールド」的なふたつの世界が描かれますが、いつもより「死」に接近している感触がしました。「私はもう十七歳の少年ではない。その頃の私は世界中のあらゆる時間を手にしていた。でも今は違う。私が手にしている時間は、その使い途の可能性はかなり限られたものになっている。今の私が求めているのは……」なんてところを読むと、いつまでも若々しい村上春樹さ
ひとつ前の当ブログで、村上春樹さんの長篇『街とその不確かな壁』(新潮社)と『PERFECTDAYS』(2023ヴィム・ヴェンダース監督)はどちらも「影」が重要なモチーフになっていると書きました。そして、僕自身も振り返ってみれば、「自分」を生きてきたつもりが実は「影」だったんじゃないかというようなことを思ったりもしました。「影」なのに「自分」のように演じていたかのような。しかし、考えてみれば、そもそも「自分」っていうものがあるのか。「自分らしさ」とか「個性」っていう言葉を使うが、本当にあるの
映画『パーフェクトデイズ』が今オーストラリアで公開されているので観てきましたザ・バラックスのパレスシネマ公式サイトPERFECTDAYSofficialmoviesitePERFECTDAYSofficialmoviesite.AbeautifultalewovenbymasterGermanfilmmakerWimWendersandacclaimedJapaneseactorKojiYakusho.www.perfectd
こんにちは!日比谷シャンテで、映画「PERFECTDAYS」を観てきました。ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演。以下、感想です。長い独り言なので、ご興味ある方だけ、どうぞ♪(ネタバレあり)主人公は、公衆トイレの清掃員を仕事にしつつ、狭いアパートで1人暮らしをする平山。裕福とは言えない中年男性の淡々とした日常が描かれます。読者登録している映画好きのブロガーさん方がこぞって絶賛されていて、これは良さそうだと思い観ることにしました。平山の生活の描写がとても良かったです。朝起き
ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECTDAYS』初老を迎えた平山(役所広司)の繰り返される日々が描かれる。それは丁度、小津安二郎の映画のようだ。ヴィム・ヴェンダース自身、役所広司を笠智衆になぞらえていた。同じように繰り返されるけど、決して昨日と同じではない今日という日。平山は、毎朝、缶コーヒーのBOSSを飲み、車に乗って仕事へ行く。車の中でカセットテープで昔のロックを聴く。昼休みにサンドイッチを頬張りながら、木漏れ日の白黒写真を撮るのが趣味。銭湯で湯に浸かり、夜
12月22日に公開になりました映画「PERFECTDAYS」に、吉田葵が出演しています。映画「PERFECTDAYS」は、ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督がメガホンを執り、東京・渋谷区の公共トイレ清掃員の日々をドキュメンタリータッチに描く物語です。吉田葵は今年、NHKドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」で、ダウン症のある俳優としては、日本で初めてメインキャストを務めましたが、それより前の、2022年10月に、映画の撮影に臨んでいました。ぜひご覧くだ
ひとつ前の当ブログで、『PERFECTDAYS』(2023ヴィム・ヴェンダース監督)の中で役所広司さん演じる「平山」が終盤近くで言う台詞に、僕が好きな作家・木山捷平さんの短篇『苦いお茶』を思い出したということを書きました。劇中の「平山」は読書好きで、部屋には文庫本が並んでいます。夜、布団に入ってウィリアム・フォークナーさんの『南部の棕櫚』を読んでいるし、古本屋さん(店主は犬山イヌ子さん)で幸田文さんの『木』を買ったりしていますから、けっこうな文学好きと見えます。もう一冊、劇中に出てくるの
20世紀末最もドラマティックな街だったベルリンを舞台に80年代後半のベルリンは、当時の世界で最もドラマティックな街だった気がします。その時代時代で最も熱く語られた都市と言ったら、70年代ならサイゴンかな・・・80年代はベルリン・チェルノブイリ、90年代ならサダムシティ?そうだ、香港も。或る都市の名前を連日のように耳にする時って(オリンピックのようなビッグイベント開催地のケースは別として)たいてい暗い話題と相場が決まっている中で、ベルリンだけは異質な響きを持ってましたね。東西冷戦の象徴
「PERFECTDAYS」を観てきました。ストーリーは、東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。というお話です。東京渋谷の公衆トイレの清掃員、平山は押上の古いアパートで一人暮らしている。その日々はきわめて規則正しく、同じことの繰り返しのなかに身を置いているように見えた。ル
「ベルリン・天使の詩」の名匠ヴィム・ヴェンダースが、役所広司を主演に迎え、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した人間ドラマです。東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちていた。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみだった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるか