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病院にジェジュンを連れて行き、手当てを受けさせる。ガラスで切った足には、包帯が巻かれているが、大事には至らなかった。ジェジュンは安心したのか眠ってしまい、頬に付いた青あざを見て、再びユノの怒りに火がともる。チャンミンが来て、ジェジュンの痛々しい様子に眉をひそめた。「ユノ兄、ジェジュンは?」「大丈夫だ。目が覚めたら家に連れ帰ってくれ」「行くんですか?」「あぁ。二度とこんな事させない」「分かっているでしょうが…一応あの人は、あなたの母親だという事を忘れないで」「うるせぇ」
ムンスミンは、報告書をギリギリと握りしめ、秘書に向かって投げつけた。「ユノがオメガを旅行に連れて行って、家に住まわせてるですって?!まさか、もう番にしたんじゃないでしょうねっ!」「いえ、それはありません」「でも本気って事よね。まったく勝手な事を!あなた達、今まで何をしてたの!」「申し訳ありません。思いのほか情報が漏れてこず…」「シムチャンミンの仕業ね。まったく忌々しい…シム家の長男が!」「あと…申し上げにくいのですが、青瓦台の方からの派遣も続いておりまして、最近は帰さず、応対して
むかしむかしのその昔。人々は火をおこし、土地を切り開き、家を建て、小さな部族を作った。馬を操り、種をまき、神を信じて生きていた。部族はより多くの地を求め争い、血が流れた。まだ国もなかった小さな世界は、300年もの間争いを続け、その後やっと平穏を迎えた。それはある一人の英雄が表れ、世界を統治し、平和を導いたから。その英雄の名は「アスラン」獅子を意味する彼の名を、人々は敬意を込めて「アルスラーン」と呼び、世界統一と和合の神として称え崇た。アスラン死した後も
シャッと勢いよくカーテンが開けられ、まぶしい朝日が眠っているジェジュンの白い肌を照らした。「起きろ、ジェジュン。いい天気だぞ」「んん…」身じろいだジェジュンが、もぞもぞとベッドの中で眠そうに動く。ユノは上からジェジュンの頬にキスを落とし、ちゅっ…ちゅっと首筋にもキスを落とす。「ん~ユノや…」「ジェジュン…」ユノの手がシャツをまくり上げた所で、ジェジュンの大きな目がユノを睨んでいた。「ユノ…お前、朝から俺を殺す気か。昨日もさんざんシタだろっ」「じぇじゅ~ん♡」
「社長、チョンユンホ様がお越しです」「通せ。しばらくは誰も入れるな」「かしこまりました」スーツを着込んだヒチョルが、入って来たユノを軽くハグし、ソファにネクタイを緩めながら座った。「久しぶりだなユノ。何年ぶりだ」「ヒョンが卒業して以来だから、4年ぶりっすね」「もうそんなになるか。あぁ司法試験受かったってな。お疲れさん」「軽く言いますね。在学中に受かるのは全体の1%なんだけどなぁ」「分かってる。お前がこんなに優秀だとは知らなかった。よく頑張ったな」ヒチョルの父が1年前
トイレを済ませ、手を拭きながら出るとなんだか空港内が騒がしい。なんだ?なんだ?とジェジュンは、声のする方へ向かって歩いた。すると、誰かが叫んでいる。ん?もしかして、韓国語か?え……こ、この声って、まさか…。ジェジュンは走り出し人込みをかき分けると、誰かが叫びながら、屈強な空港警備員に取り押さえられそうになっていた。「ジェジュン!ジェジュン!どこだ!どこにいるんだよぉぉっ!!」ゆ、ゆの…?なんで、ここに?ジェジュンは考えるより先に動き、取り押さえようとした警
チョンユンホは子供のころから体も大きく、武道に長けた子供だった。親は左議政(チャイジョン:副総理)であり、両班の中でも最高級に位の高い家柄であったから不自由はなかったが、父親からは厳しく育てられた。父が王様の右腕だったので子供のころから王様にお目通りが叶い、王様にも可愛がられ、同じ年であるジェジュンと学友として育ち、父と同じように将来ジェジュンの右腕になる様にと期待された。父の期待は大きく、勉学にも武道にも励むよう言われたし、ユノ自体もそれに迷いも疑いも持たなかった。心からジェジュン
夕食は、貸し切りのコテージでのバーベキューだった。だがそれはジェジュンの想像を超えた、高級バーベキューだった。肉を焼くだけでなく、そこにはシェフがいて、前菜やスープ、凝った料理などが次々と運ばれてくる。当然デザートはパティシエが作っており、見た事もないような洒落たデザートだった。「わぁ美味しい!こんなの初めて~♡」「ジェジュンはこういう所の方が開放的でいいだろうと思ったんだ。気に入ったか?」「はい!ユノさん最高です!」「僕もホテルのコース料理よりこっちの方が好き~♡マナーもうる
「ユノ、忘れ物ない?充電器持った?」「おっと、やべぇ」「もーしっかりしてよね。週末帰るんだよね?ご飯作って待ってるから」「マジ?楽しみだ♪」二人は付き合うようになり、すぐに同棲を始めた。海外遠征や合宿が多いユノと時間を作るには、同棲が手っ取り早かったから。次のオリンピックも目指すユノは、トップアスリートだから、厳しい食事管理が必要だ。だが、基本「自分の事は自分で」が二人のルール。寄り添い・助け合うが、依存しない・甘え過ぎない。ジェジュンもますます仕事が楽しくなり、バリバ
先日お送りした「時を超えて」これは、zunko様の妄想をワタシが文章にしたものでした。そしてこのキョウルver.は、ワタシが妄想したバージョンをお送りします。ダラダラ長くなっております。4~5話ぐらい行きそうな予感(汗不定期アップになります。どうぞご査収いただければと存じます♡今日は、去年主演した映画の授賞式。一緒に頑張った仲間たちや監督や、その他大勢のスタッフたちとあの時の労をねぎらい合い、栄誉を称え合う。笑顔で固い握手を交わし、ハグをし
―――出会った時から惹かれ合い、決して誰にも引きはがせない。どうしようもなく求め合い、本能のままに抱き合う魂の片割れ。人はそれを「運命の番」と呼ぶ――――うららかな春の日差しの中、真新しい制服に身を包んだ学生たちが、楽しそうに歩いている。少し大きめの制服、後ろには嬉しそうな母親たち。親と歩くのが少し恥ずかしい年頃で、少し離れて歩きながらも、何かと世話を焼かれている。今日、キムジェジュンは中学生になった。スラリと背が伸びたが、細身の体はそのままで、遠くから見ると女の子
やってきたジュンスは、ソファに眠るジェジュンを見て、部屋に充満する香りに気づき驚いた。「え?もしかして…これってジェジュンのフェロモン?」「そうだ。ヤバイんだ」「まさか…ユノ…!」「安心しろ。項も噛んでないし、そもそも最後までヤってない。こいつにはまだ早いだろ。危険だ」ホッとしたジュンスは、ユノの様子がいつもと違う事に気づいた。どうやら、ユノは心からジェジュンを心配しているらしい。ジュンスはオメガであるため、オメガのフェロモンにあてられる事はないが、このフェロモンは強烈
やっと起きたジェジュンは、目をこすりながらボーっとしていた。ジュンスに新しい抑制剤を貰うと、やっと頭がはっきりした。「ユチョンが特別に調合して作らせたんだ。香りも消えたね。どう?身体軽くなった?」「うん。すごく楽になった!ありがとう」「良かった。それでユノ兄がね、話があるって…」「え?ユノさん?お、お風呂に入らなきゃ!何着たらいいかな!あぁ顔むくんでる!どうしよう!」バタバタと部屋を歩き回るジェジュンに、ジュンスはクスッと笑った。まるでいつかの自分を見ているよう…僕もユチョ
やっと落ち着いたチャンミンに、ユノがコーヒーを淹れた。ユノからチャンミンにコーヒーを淹れるのは、珍しい事だ。「落ち着いたか?」「はぁ…。ちょっと理性を持って行かれそうでした。ものすごいフェロモンだ。あのバニラちゃんが、あんなフェロモンだったなんて…」「俺も驚いた。だが…俺は確信している」「何をです?ちゃんと説明してください」ユノは、ざっとチャンミンに説明をした。「番に…ですか?」「あぁ、そう考えている。俺たちは運命の番だ」「しかし…」「お前の言いたいことは分かる。
やべぇ…顔シャされた……。俺、顔に出されるの、嫌いなんだけどー……(怒「ご、ごめんね!ジェジュン兄っ!」半泣きのユノが濡れたタオルをよこし、素っ裸のまま正座している。ジェジュンは顔を拭き、体も拭きながら、自分の体中についたキスマークや、腕についた後を手で摩る。…ったく……キスマークは厳禁、体に跡をつけるなんて、もってのほかなんだけどー(怒さっきまで熊だったユノがチワワになり、ブルブル震えながら上目遣いでジェジュンを見ている。まったく…ルールもへったくれもないじゃ
CYグループ理事室で、副理事長のムンスミンは、秘書からの報告書を片手に震えていた。「何ですって…?ユノがオメガを屋敷に住まわせてると…?母である私に何の報告も無しに、いつもいつもユノは勝手な事を!」濃いメイクに大きなダイヤの指輪を光らせ、忌々しい顔で長い爪をカチカチ鳴らしていた。スミンは、ユノの父チョンウンソクの妻であり、ユノの母、そしてチョングループの副理事長である。江南にある高級タワーマンションに一人で住むスミンであるが、時折ユノが住む屋敷に顔を出す。スミンも、ユノの子供に
ユノ(20)の弟のユチョン(19)遠い親戚であるチャンミン(19)は全員アルファで、アルファの中でも特に優秀だった為、幼い頃から話が合い、仲が良かった。そしてユチョンが子供の頃に出会ったジュンス(18)は、オメガ。ユチョンは、ジュンスが16歳になって「番になれる年令」になったと同時に、番になった。一般的に17歳と16歳の年で番になる事は珍しいが、ユチョンはチョン家の次男であり、ユノも認める頭の良さ、そして有り余る財力があるので問題はない。僅か17で「番」を決めたユチョンだが、それはお
ジェジュンが書き上げた小説が、大ヒットした。死のうと思い悩んだある男が、幸せの糸口を見つけて行く話で、そこには社会的不平等のジェンダー問題や、トタンスジェンダーや、貧困にあえぐ子供、風俗に身を沈めた若い女など、現代が抱える闇が詰まっていた。暗い内容にもかかわらず、どこか突き抜けた明るさ逞しさがあり、読んでいるものに救いと、力を与えてくれる、それがジェジュンの真骨頂と言えるだろう。そこにはジェジュンが初めて書いた母子のストーリーも含まれていた。だが分かりやすい言葉で、実直に書かれた言葉
朝焼けが鮮やかに空を染め、ジェジュンは澄んだ朝の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。「さ、今日もがんばろっ!」いつもと同じ穏やかな朝。あっという間に10年の月日が流れていた。今日も元気に店を開けようとしたら、店の前のピョンサンに溶けたオカマが身を寄せ合って寝ていた。何年たっても変わらないその姿に、呆れと共に笑いが込み上げる。「ったくもー!またなの?」「じぇ…じぇじゅーん…もやしスープ…ォウェッ…!」「も―ここで吐かないで!分かったから!店入って!」酒臭い3人にもや
10日にお知らせするつもりが、Twitterでフライングしてしまったので。←PC音痴こちらでもお知らせします。「キョウルの妄想小説別館」です。キョウルの妄想小説別館ユンジェ小説書いています。5人出てきます。妄想小説です^^kyouru9.blog.fc2.com詳しくはまた明日。新しいお話「星に願いを」を2話分アップしてますので。どうぞよろしくお願いします。
次の日、朝食の為レストランに降りると、ユチョンとジュンスがコーヒーを飲んでいた。昨夜は熱い夜を過ごしたのだろう、ユチョンは「やぁおはよう!」とキラキラした笑顔を見せ、隣でジュンスは気だるげに肘をついていた。「おはようございまーす♪」元気そうなジェジュンの姿を見て、ユチョンはアレレ?と思った。もしかしたら今朝は起きて来られないのでは?と思っていたから。「え?ユノ兄…?もしかして、まだ?」「うるさい!今、段階を踏んでいる所だ!」旅行に来てまでもヤらないなんて、ユノ兄はよ
長ソファで、ジェジュンの膝枕で眠るユノと、そのまま寝ちゃったジェジュン。「ふふふ。ユチョン、あれ見て」「ハハハッ。平和だなぁ」日々、スーパーαとして、チョン家当主として、CYグループのトップとして、大きな重責を負いながら働くユノを見るのが、ユチョンは辛かった。同じチョン家に生まれながら、その全てをユノが請け負い、自分はほんの少しのサポートをするだけですんでいるのは、全てユノのおかげだ。自分は決してユノの様にはなれない。だが、その事でユノから責められたことは一度としてないのだ。
次の日の朝、ユノとジェジュンはギリギリまでホテルを出てこなかった。空港に向かうリムジンに乗るときも、飛行機に乗るときもユノは片時もジェジュンの傍を離れず。お初エチにより腰砕けになってしまったジェジュンを気遣い、ジュンス達さえ近寄らせなかった。飛行機が飛び立てばすぐにジェジュンをベッドに寝かせ、傍でユノがマッサージしながら甘いトークを繰り広げていた。ユチョン達もさすがに呆れたが、自分たちが初めて結ばれた時もユチョンは同じような行動だったので、理解を示し、二人の邪魔はしなかった。「
物心ついた時から、僕はオメガ専門の保護施設にいた。ここには捨てられたオメガの子供達が30人ほど、国の支援金で暮らしている。アルファに無理やり襲われ出来た子供、生まれた子供がオメガだったため捨てられた子供、番解除が出来なくて処理されたオメガの子供…。オメガ保護法が出来てから、捨てられるオメガの子供は減ったが、それでも時々つれて来られる。僕がどういう経緯でここに来たのかは分からない。ただ分かっているのは、僕が「捨てられた子供」という事だ。園長は僕たちに言う。「養子に行くのが、君
皆様、明けましておめでとうございます!8日に3周年を迎えるキョウルでっす。今年も頑張って書きますので、よろしくお願いします!それでは初の時代劇で緊張しておりますが。「君がため」です。どうぞよろしくですー<(__)>ここは東宮。広い王宮内の東に位置する、世子(セジャ)の住まい。四季折々の木や花を植え、前庭から中庭に抜ける小道にも珍しい草花が揃っている。蝶や鳥が飛び交い、枝にとまった鳥たちがおしゃべりをしているように声を上げている。一年中何かの花が咲いてい
「ユチョンは、随分あの子供にご執心のようで」メガネを拭きながら、チャンミンが伺うように言った。「施設育ちの子供と交流しないようにと、あなたの母親から嫌味を言われましたよ」「何が施設育ちと交流しないように、だ。あのババぁ。マジでムカつく」「ユノ兄、口が悪くなってますよ。まぁ気持ちは分かりますが…」「ユチョンが認めた友達だ。俺たちが守ってやらなきゃいかんだろ」「どうするんです?」「俺たちも一緒に遊ぶんだ。バースを超え子供同士仲良くなった微笑ましい姿を演じればいい。演技力が必要だ
ジュンスは部屋に帰り、風呂から上がったユチョンに尋ねた。「ねぇユチョン、18でヒートが来てないってどう思う?」「は?18?そりゃ遅いだろ。なんか問題があるんじゃねーか?誰の事だ?」「ジェジュンだよ。まだ来てないんだって」「一回診てもらった方がいいかもしれねーなぁ。連れてってやれよ」「うん。一緒に行ってくれる?」「はぁ?何で俺が…」結局ジュンスに押し切られたユチョンが、オメガ専門の病院に連れて行ってくれることになった。「すみませんユチョンさん」「別に。ジュンスがうるせ
ヒチョルは一枚の紙をチャンミンの前に差し出した。「これは…」それは、ジェジュンの診察記録だった。そこには、こう書かれていた。「ホルモン異常。不妊の兆候あり」…ジェジュンが…不妊?これはユチョン達と「ヒートが来ない」とオメガ専門の病院に行った時の記録か。という事は、ユチョン達は知っていたのか?さすがのチャンミンも、一瞬狼狽えてしまったが、そこを見逃すヒチョルではなかった。「こちらといたしましても「不妊のオメガと番になる」などという最悪のケースは避けたいので。ご
このお話は未完で終わります。詳細はこちらをお読みください。皆さま、今日までありがとうございました。本日は、ご挨拶となります。♘Previousstoryof-D-U-E-T-前回までのお話-D-U-E-T-Scene30.SwelteringNight-熱帯夜#21-Yunjaelica's♕Roomユン❤︎ジェリカの部屋です。yunjaelica.blog.fc2.com-D-U-E-T-Scene30.Swelte
店は混んでいるのに静まり返り、みんな下を向いていた。ペロリとスンデを平らげたジュンスを連れ、二人はお金を払って店を出た。「美味しかった!また来てもいい?」「もちろんです。ありがとうございました」「あ、君、名前なんていうの?」「僕はキムジェジュンと言います。是非また来てくださいね^^」「うん。じゃあまたね~」二人が店を出ると、一斉にはぁ~~という声が聞こえた。まるで息を止めていたかのような、緊張が一気に解けたようなため息だった。「どうしたんですか?おじさん」「ったく