ブログ記事32件
Part.2第1章再会(2)シャオシャオに別れを告げ、モーションは初夏の街並みを歩いている。頭の中では今なおシャオシャオの言葉がこだまする。「彼はあれからずっと一人よ……ホー・イーメイ?彼女は妹なんじゃない?」なんと彼らは一緒になっていない。じゃあ私はあの年、いったい何のために離れ去ったの?そして、彼はいったい何のためにあんなことを言ったの?手を広げれば掌には、「ユエン・シアン・ホー法律事務所」の住所が書かれた紙がしっかり載っている。シャオシャオが言う。「もしかしたら必要にな
「マイ・サンシャイン~何以笙簫默~」26集まで視聴しました。言葉少ないけど、こんなに守ってくれて愛してくれるイーチェン(鍾漢良ウォレス・チョン)、こんな主人公ホント好きですモーション(唐嫣ティファニー・タン)の雑誌社のインタビューを受けるイン・フィ(譚凱タン・カイ)、撮影はモーションでないとダメだといい、改めて再会するイン・フィとモーションです。大切なものを取り戻すために帰国したと言うイン・フィ、モーションは学生時代の恋人の話だと思っているけど、モーションのことだよね。イン・フィはあの
Part.3第2章転身(1)夕日が西に沈み、夕焼け雲が空を覆う。ホー・イーチェンは10階にあるオフィスのフランス窓の前に立っている。夕日を鑑賞する心境に至った自分が我ながら不思議だった。もしかしたら、彼女が戻って来たせいかもしれない。メイティンが扉を押し開けると、こちらに背を向け窓の前に立つホー弁護士が目に入る。指に煙草を挟み、全身から醸し出される寂しげな様子……寂しげ?メイティンは思わず我が目を疑った。この言葉をどんな時も落ち着きと自信にあふれるホー先生に対して使っていいものかしら
Part.4第2章転身(2)「お、お見合い?」モーションは声を大にして叫ぶ。「ちょっと声を抑えて!」ルンルンは彼女の口をしっかりふさぐ。モーションはアーアウーウと声音を漏らし、ルンルンが釘を刺す。「わめき声を上げちゃダメ。いい?」モーションは素早くうなずき、自由になると同時に質問する。「シャオホン、お見合いに行く気?」「私じゃなくて、私たち」「私も?な、何でよ?」モーションはキョトンとする。「社内の彼氏いない女子の中では私たちが最年長なんだよ。訪れたチャンスはしっかりつ
Part.9第5章回想その後、数日続けてモーションは屋外ロケに出かけたため、取材の件にはノータッチだったし、すでにゴジイさんと配置換えの話を済ませていたから、もう関わりないものと認識していた。この日、比較的順調に撮影が終了し、モーションは早々に雑誌社に帰って来た。トイレで手を洗っていると、アーメイと女性同僚たちのゴシップに引きずり込まれた。「モーション、あのエリートさんの特集はお蔵入りになるかも」「どうして?」「タオ・イージンったら、本人との面会すら叶わずに、ことごとく拒否されてる
Part.10第6章離合(2)結婚3日目の晩、モーションはイーチェン宅の居間で、自宅から運びこんできた山のような荷物を前に頭を抱えていた。こっちのものはキッチンに置いて、こっちは書斎に置くとして、まだこの撮影機材があるから、暗室が一間必要だわね……私の洋服はどこに置けばいい?主寝室?電話をかけて彼に訊こうかしら?彼女は電話を凝視する。メロディックなベル音が鳴り響いた。もし似たり寄ったりのベル音であったら、反射的に思わず電話を取ったことだろう。ドアを開けて、モーションはぎょっとした。
Part.11第7章不即(1)《秀色》の新刊が発行された。表紙でわが意を得たりと得意満面な笑顔の青年は新進気鋭の建築家だ。この2年間で、彼は国際デザイン展で多くの賞を受賞しており、評判が急上昇中である。「惜しいかな、あんまりイケメンじゃないのよね」シャオホンがかなり残念そうにコメントする。「ホー弁護士は男前なのに、残念ながら誰かさんはインタビューにこぎ着けなかったもんね」アーメイが大声で言う。「アーメイ、そんな言い方ないでしょ」シャオホンは彼女の険のある物言いに我慢できなかった
Part.8第4章運命(2)市内に戻る頃には、もう日が暮れていた。モーションは携帯電話で時間をちらりと見る。どうやら明日帰るしかなさそうだ。市街地まで出向いていくつかのホテルを聞いて回るが、どこもすでに満室との返答だった。最後にようやく都心に割高なホテルが見つかり、チェックインする。シャワーを浴びて、洋服を干してしまうと、寝るにはまだ早すぎるので、起き上がって階下へ行く。ホテルの目の前はY市で最も賑やかなジェングアン通りだ。Y市は風光明媚な街であり、多少なりとも名の知れた観光都市でもある
Part.1第1章再会(1)再び彼を目にしたのは、7年後、週末の買い物客でごった返す超満員のスーパーマーケットだった。チャオ・モーションは1人ショッピングカートを押し、人波を縫って進むのに苦労していた。外国から帰って来たばかりの彼女は、まだこんな人混みに免疫がついていない。しかし、こういう活気に満ちて慣れ親しんだ場面は自然と彼女を笑顔にさせ、このかしましい故郷の言葉を耳にすると心を強く動かされる。他の人たちも自分と同じように帰国したばかりなのかどうかは知らないが、心の中の興奮と喜びは抑え