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もしもこういうお題を出したら、いろんな人がいろんな答えを出してくれると思います。予想では、皆さんのその答えのほとんどに、私も同意させてもらうことでしょう。「上手い!」たった2小節の歌でも、上手い人には「上手い!」と思わず口から出てしまいます。現時点で名前がどの程度通っているかなど、芸術の未来には全く関係ないのです。また、再評価もありますから、現時点で名前が通っていて、でも将来的に名前が消えて行って、でもそのうちにまた誰かに再発見されて、そこから再び評価の兆しあり、となることだって大いに
細かい説明を省きますが、19世紀のオペラの見どころの一つです。代表的なのはやはりドニゼッティの《ランメルモールのルチア》。本当にいろんな人がやっていますね。ところで、《ランメルモールのルチア》は、ベルカント・オペラの典型例であると同時に「オカルト色のオペラ」のイタリアでの代表例でもあるのです。ドイツだとウェーバーの《魔弾の射手》やマルシュナーの《吸血鬼》などがありますが、《ルチア》も幽霊がらみのオペラです。ところで、私は《ルチア》の解説を書く回数が多かったのですが、いつも必ず言及するのが
《カルメン》のいろんな映像を見比べる講演会の席上で、「エスカミーリョ役の理想的な歌手は誰でしょうか?」というご質問が出ました。これが、実は、結構難しいのです。例えば、超有名指揮者、超人気指揮者が振っている場合、特に、彼らは実は「耳の真実」をあまり気にしていなかったりします。つまりは、発音が酷くてもそんなに気にならないようなのです。そういうのは、見た目は役に相応しそうでも、一回聴いたら心が萎えてしまうのですね。といって、花形闘牛士となると、美声でもあまりに太っていると、「次の試合でダメになる
届いたばかりの英『Opera』誌を広げてみたら、演出家ピエール・ルイージ・ピッツィの特集記事が出ていました。驚いたことに、1951年に舞台美術家としてデビュー以来、95歳でなおも現役の演出家。いまはヘンデルのオペラ2作を手掛けていて、次に演出するのはヴェルディの《スティッフェーリオ》だとか!ピッツィといえば、「色を混ぜない演出家」。スタイリッシュでしなやかで美しい舞台を作ります。グルックの《アルミ―ド》をミラノ・スカラ座で演出した際は、割れんばかりの拍手喝采が20分続き、劇場の記録を塗り替
上演中のMETライブビューイング《ラ・ボエーム》で、素晴らしい新進ソプラノに出会いました。アルメニア出身のジュリアナ・グリゴリアン。ムラのない響きで澄んだ音色ですが、中低音域に強い翳りがあり、篤い心を感じさせてくれます。こんなに若くてこんなに完成度が高いとは。ひたすら励んできたのでしょう。他人と自分を比べることもないようです。自分と自分を日々比べているのでしょう。役柄に傾注し、若い娘役を本物の若さで演じ切っていました。肉体的な若さではなく、フレッシュな精神力で。十年先、彼女はどん
授業や講演会で、部分的にですが、オペラの映像をご紹介することは日常的に行われています。そこで2点気を付けなければならないことが。一つは「同じような形状のものが大量に出てくる時、そういう画面に耐えられない(恐怖を感じる)人がいる」ということです。学生さんだと、毎年1人ぐらい、そういう人がいます。そういえば、私の亡くなった伯母も「タラコ、怖いわ」といっていた覚えがあります!なので、事前に告知をします。そしてもう一つが、「性的描写法に注意」です。10月以降の講演会で一演目、素晴らしいオペラを紹
NHK-BSでギュスターヴ・シャルパンティエの大ヒット作《ルイーズ》が放映されました。作曲者の存命中に上演千回を記念したオペラです。ほかには、チレアの《アドリアーナ・ルクヴルール》やトマの《ミニヨン》などがあります。《ルイーズ》は私が解説をしたことがあるオペラなので、観るたびに&聴くたびに本当にいろいろなことを想うのです。自然主義オペラ最大のヒット作であり、主人公のアリア〈その日から〉はコンクールやリサイタルで良く歌われる人気のメロディです。一方、このオペラの最大の美しさは、第1幕の〈夕
この前、講演会でも申し上げたことなのです。パリのオペラ座の一般的な名称はL'Opéra(ロペラ)オペラ・コミック座の一般的な名称はL'Opéracomique(ロペラコミック)です。定冠詞がついているから、フランス人は間違えにくいです。「ロペラでいまやっているオペラはね・・・」といった具合で。でも、一瞬の聞き違えを恐れて言い方を変えることが良くあります。「ロペラコミックはオペラ・コミック様式の作品を専門的に扱う歌劇場です」これを、劇場の正式名称で置き換えて、「サル・ファ