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★★★4-15一緒に住んで分かったことがある。テリィはかなりの読書家だ。帰宅が早い日は、夕食が済むなりカウチで読書に耽っている。「ふぁぁぁ~、・・おやすみなさい。先に休むわね」「あ、ごめん、もうこんな時間か。直ぐ行くよ、部屋で待ってろ」仕事と家事で疲労困憊のキャンディは、『直ぐ』を一秒も待てない方が多かった。雨の休演日は、ひねもす書斎に籠っていることもあるテリィ。先週は古語辞典を片手に難読そうな古書と格闘していたが、青天の今日はそんなことは無さそうだ。「テリィー!テリィー
★★★4-20「シカゴのアードレー家と言えば、アメリカでも屈指の大富豪。国王と同じ出入り口を使うなんて普通じゃないと思って警備関係者に確認したら、どうやら正真正銘アードレー一族の総長のようだ」アメリカの事情には明るいミセス・ターナーの説明に、劇団員は固唾を飲んで耳を傾ける。「それが今あそこでダンスをしている人物なんですね?」「ほら、出入口付近にアタッシュケースを持った黒服の男がいるだろ?あれは凄腕のSPか秘書だね」ミセス・ターナーが指をさす方向に一同は一斉に刮目する。パーティ
★★2-9どこか気が抜けた様子のステラおばさんが、「・・あなたの気持ち、わかるわキャンディ。恋って苦しいわよね」とクッキーも喉に通らないといった様子でお茶ばかりすすっている。その横でアンはクッキーを頬張りながら、いつにも増して騒がしい。「顔と声だけで食っていけそうな人っ!!超絶なのっ!あんな美形は全米中探してもいないわ!!」「アンってば、しゃべるか食べるかどちらかにしてちょうだいっ。困った時の救世主は、五割増しで見えるみたいね。ホント、親切な人が通り掛ってくれてよかったわ。マーチン先