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今日も戻りが遅くなってしまった……俺は、既に薄灯りの寝所へ音も無く入ると、ぐっすり寝入っているイムジャの…額にかかる絹のような髪を、そっと撫でつけた。そしてすぐ側の、べびーべっとで静かに寝息を立てている息子の傍に立ち、その微かに聞こえる呼吸の、心地よい反復音に耳を澄ます。……何とも愛らしいことだ。我が子とは、このように愛おしいものか。聞いていた話ではあったが、まさかこれほどとは——己れの子というだけでなく、最愛の女人(ひと)との間に授かった子だ。タムは俺とイムジャの……違う刻を生き
こんばんは(*´∇`*)やっと週末ですね!「愛する人」時は現在に戻り、糖分高めでお送りします。(文字数が…やけに長くなりました)ではでは、いよいよ最終話!ということで、恒例の秘儀!コメ返しも致します(*^ω^*)ぜひ奮ってコメントプリーズ。笑その前に一つご連絡です。アメンバー申請くださった方、届いた申請は全て承認させていただいております。なぜか申請が届いてない方が数名いらっしゃるようで。゚(゚´ω`゚)゚。不具合なのかわかりませんが、もし申請したのに承認されていない
こんばんは!ハッピーメリークリスマス(。>ω<。)ノ「雪の降る夜」いよいよ最終話になります。また後日談などは書きたいなと思っておりますが、一旦これにて!これまでのあらすじ「チェヨンの幻聴だと思っていたらまさかの本物」ではでは、どうぞ〜(*´艸`)♪14(最終話)「なぜ…とは?」「え?だって…あなた…え?本物?」「今まで何と話しておるつもりだったのですか」ずっとこちらを向かぬまま話すウンスにもどかしく思い、今にも駆
真珠の微熱84口を塞がれたウンスが悲鳴をあげる前に聞き慣れた声が耳に届いた。「しっ!静かにせんか。」ーー叔母様?!驚くウンスを引きずるようにチェ・ヨンの部屋から遠ざけると小声で状況を説明する。「お前達の部屋の中にキ・チョルの手の者が忍び込みユ医師を狙ってる。トクは捨て駒だ、二重の罠を仕掛けておった。」驚くウンスを諭し、中にいる者を捕まえる算段を付ける。程なくしてウンスが部屋の扉を開けると変わりに公安が部屋の中へ飛び込んだ。ドアの陰に一人、クローゼットの中にもう
木々の緑も鮮やかな、新芽の芽吹く季節になった。タムがこの世に少しだけ慣れて、私もオンマ業に少〜し慣れた頃。夜中に泣いて起きる事が、ほぼ無くなったタム。おかげで私も、朝までしっかり眠れるようになっていた。(有り難いわ〜)そこで、タムのベッドを子ども部屋から夫婦の寝室へ移し、夜も親子3人で過ごすようになってしばらく。…ふ、と目を覚ますと、じっ…と、タムのベッドを覗き込んでいる人が——「お帰りなさい、ヨンァ。いつ戻ったの?」私は寝ぼけ眼を擦りながら、帰宅した夫の側へ寄った。「少し前
「チュホ〜ンただいま〜元気だった〜?」ウンスは懐かしいヨンの相棒の鼻面を撫でたチュホンは初対面からウンスを気に入っていたが何度も鼻でウンスの胸をつつき覚えていることをアピールした「どこに向かっているの?」「着けばわかります」腕の中にウンスを囲い髪から漂う香りにヨンは口角をあげたチュホンの背に揺られ半刻見覚えのある岩場の景色「ここはまさか妙香山なの?!じゃあ普賢寺に向かってるのね!」
こんばんは(。>ω<。)ノ真夜中更新です♪昨日は初詣に行ってまいりました。やはり初詣に行くとお正月だなと実感します。最近はいろんなおみくじがあって、どれにするか悩みますね。「武将おみくじ」なんてのもあって、これは引かねば!笑ちなみに「黒田官兵衛」でした!大河懐かしいなぁ。さて、本題。本日は「天女の羽衣後編」になりますヾ(●′ω`)ノ本題とは関係ないですが、羽衣伝説は日本だけでなく、中国・韓国・東南アジアと広い地域に残されているんだそうですよ。日本では羽衣を
【少し直接的な表現があります】【原作の雰囲気を大切にされる方にはお勧めできません】「きゃぁっ!ま、待って…!」チェ・ヨンの力強い手に半ば抱え上げられながら、自分の部屋へと引き摺り込まれた。いつもだったら、私が転んだりしない程度の足の運びを意識してくれるのに、今は驚くほどに乱暴な扱いをされている。大きな音を立てて扉は閉められ、足元にはがしゃりと鬼剣が放り投げられた。「…痛っ!」勢いのままに、突き当たりの壁に押し付けられた肩が痛む。チェ・ヨンはまるで逃がさないとでも言うように、私
奥様のご出産が近い。毎日、今日ではないか、今日こそは、と思って過ごしている。私だけではない、旦那様も奥様も、ウォンスク様…チェ尚宮様も。チェ家に仕える者、関わる者、皆がそう思って——その日の夜半、旦那様から奥様が痛みを訴えられている、と、お知らせをいただいた。非礼をことわり、ソニと共にご寝所へ入らせていただくと、陣痛が始まったようだ、と、ご自分で脈を診ながら奥様がおっしゃる。その奥様を後ろからお支えしながらも、落ち着きのない旦那様……いざその時が近づいてきた、と、さすがの旦那様も狼狽え
ウンスの休日新緑が心地よい風を連れてくる季節昼餉を食べ終わったウンスは屋敷の縁側に出てお茶を飲みながら緑濃くなってきた庭の木々を眺めてる。「・・ふぁ・・あふぅ・・・」緑の葉の間から木漏れ日が滑らかな頬を滑り、白く輝く光の煌めきが赤い髪の上を遊ぶように走る。長いまつ毛が本人の意思とは関係なく伏していく。今日は久しぶりのウンスの休日昨夜は今日の休日を知っていたヨンに明け方まで求められかなりの寝不足。起きたのも遅かったが満腹になれば疲労と寝不足でうたた寝してしまう。
滋養「・・んっ、ねぇ・・ダメ・・」「・・・・・」「ちょっと・・待って・・・」「・・待てません。」休日の朝ちょっとだけ早起きして漬けてある梅の様子を見に行くべくウンスが布団を抜け出そうとそうっと身体を起こす。すると太い腕が妻の腰に手を回しぐいっと引き寄せる。素早く夜着を捲り寝ている筈の夫の唇が腰と背中の境い目に唇を這わす。真っ白な肌に吸い付いては赤い花弁を散らしていく。「もお・・ダメだったら・・まだ、休んでて・・」こそばゆい感覚に身体を捩る。ーー休日の攻防
体温はあ・・重い溜息が綺麗な唇から溢れる。屋敷の庭の桜の蕾が綻ぶ様子を眺めながら息を吐きまだ冷たい春の風から身を守るように自分で自分を抱く。ーー冬が終わる頃には帰ります。そう告げ夫は戦へと赴いた。・・新妻を残して。「雪も溶けたし桜も咲いたわ。まだ・・帰ってこない気?これ以上待たせたら出て行っちゃうから。」強がる口ぶりとは裏腹にウンスの顔は泣きそうだ。澄んだ青空に桜の花が揺れる。青とピンクのコントラストが涙が出るくらい綺麗。見上げるウンスの瞳からつーっと雫がひ
——なるべく人目につかないように、医仙だと知られないようにお連れしろ。テマンくんにそう言い含めて、ヨンは流し目と微笑みを残して行ってしまった。髪を結いあげ傘を深く被され、顔を隠すようにして連れて来られた一軒の宿。安州の軍営地はここからすぐです。大護軍はじめ、役のついた者はここで寝泊まりしてます。他の者達は野営して……私に説明してくれるテマンくんも出世したのだろう……すれ違う兵士達が立ち止まっては頭を下げている。そして、連れ立っている私に、ちら、と送られる視線が痛かった。「ここが、大護
一つの嘘に二つの愛を添えて③「触んないでよ!」ウンスの苛立った声が聞こえてくる。トルベと回廊を歩いていると庭園の樹々の間から赤い衣と黄土色の衣が見え隠れしている。「だから言っておるだろう。今までの事は水に流して仲良くしようではないか。其方も私に、もう少し敬意を払えさすれば悪い様にはせぬ。」にやにやと厭らしい笑いをウンスに向け顔を近づける。「これ以上どう悪くされるのよ!アンタは政治的に私が必要なだけでしょ、だったらほっといて!私に構わないでちょうだい!」
王様から暇(いとま)をいただいてから10日程。俺は運気調息を終えた後も、すぐに皇宮へは戻らず市井で過ごしていた。手裏房の面々と、手筈を整えたいことがまだまだある。そこへ、天門に張り付いていたはずのシウルとジホが戻ってきた。「交代に他の子を行かせたんだよ。こいつらも、こっちでいろいろ仕事があるからさ」何事かあったか、と立ち上がった俺に、マンボ姐が、心配しなさんな、と、2人に飯を出してやりながら言った。「天門はあのままだ。ウンともスンとも言わねぇ」ジホが、出されたクッパを熱っ、と言い
八日経ち、チェ・ヨンとチャン侍医とウンスは、海辺の家に居た。スリバンの宿屋に居る時に鳩が来た。メヒとベンの事が書かれていたが、不思議とそうだったのか…と思っただけだった。気になるのは、俺には、都に帰ってくるな!と言う言伝だった。侍医が用意した家には、何もなかったので、交代で、住めるようにと物を用意した。刃物は、わからない所に隠した。食事の支度をする時の包丁も都度隠した。相変わらず虚ろな目をしたウンス殿が何をするか?わからなかったからだ。明日、抜糸とやらをしたら、
認め終えた返書を携えて母屋を出ると、厩(うまや)横の植え込みに向けて、桶を傾けているハクジュの姿が目に入った。その足元に茂る冬知らずが、桶から流れ落ちる水を受けて、濃い緑の葉を踊らせている。「ハクジュ」こちらに気付く様子の無い背中に声を掛けると、珍しく慌てた表情で振り返った。「これは旦那様。ご用命でしょうか」すぐに平生と変わらぬ泰然とした様子に立ち返り、恭しく白頭を下げたハクジュの前に、俺は先ほど物したばかりの返書を差し出す。「昼までにこの書簡を、マンボの薬屋へ届けて欲しい。枢密院副
真珠の微熱60久しぶりのディナーを終えて部屋に戻りシャワーを浴びる柔らかな素材のパーカーにストンとした長めの楽なスカートに着替え洗面台で髪を乾かしていると開け放たれた扉にもたれ腕組みをするチェ・ヨンと鏡越しに瞳があった。「いつ来たの?」振り向くとドライヤーを置き大きな身体に飛びついたぱふっと受け止めると風呂上がりの火照った身体をやんわりと抱きしめる。「先程です。貴女が風呂に入っていたようなので待ってました。」「今日は早いのね。丁度いいわ、もうそろそろ抜糸を
幼子のような無防備な寝顔を見つめながら半刻前までの妖艶なウンスを思い出していた白く輝く肌はやわらかくそしてあたたかい艶やかな唇から漏れた吐息はヨンを夢中にさせ乱れた髪から広がるウンスの甘い香りにヨンは酔いしれたヨンに揺らされ熱く締めつけながら喘ぐウンスは恐ろしいほど美しくヨンを魅了した汗ばんで吸いつく肌甘く自分を呼び縋りつくウンス啼きながら肢体を絡め滑らかな曲線は弧を描いて弾んだ
——風呂。イムジャの願いを叶えるべく部屋を出るも、階下は未だ騒ついたままだった。テマンが弱り顔で頭を掻いている。そこへ俺は再び、見るな!と一喝して、イムジャの手を引いて風呂場へと向かった。階下の奥。風呂場は、小さい中庭の通路を行った先だ。人目につく場所ではないが、風呂場の中を確認してから、俺はイムジャを振り返った。「どうぞお入りください。イムジャ」「もうあんまり時間無い?」「まぁ……程々にゆっくりで大丈夫です」「わかった」イムジャが中へ入ると、俺はそのまま扉の前に立つ。と
今日、また虹を見ました🌈ひと月程経ち、ヨンとウンスは海辺の新しい屋敷での生活にも慣れて来た。使用人達は四人居た。夫婦者でスリバンだ。テピョンとアイシャギアンとテスだ。四十位に見えた。事情は、マンボに聞いていたのが、とても仲睦まじいご夫婦で、たまに、一人で縁側に座って、物憂げな感じがする奥様を直ぐに見つけると旦那様は、そっと肩を抱いて、何も言わずに寄り添っていた。美しい絵のようだった。ご夫婦は、釣りにもよく行かれた。海を見た時の奥様は、それは綺麗だったと言い。
※『とわになぐ』こちらは、拙作『菊花恵愛』『相聞歌』からの続編です。そちらを済まされてからお読みいただけると、お話が繋がります。よろしくお願いいたします♡(^人^)◆凪ぐ(和ぐなぐ)……心が静まりおさまる。穏やかになる。なぐさむ。なごむ。風がやみ海面が静かになる。風波がおさまる。[広辞苑より]............................................................朝。目覚めた時に、一番に見たい顔。一番に聞きたい声。一番に
ヨンは……今どんな顔してる?さっきから、抱き締められたままだから……嬉しいけど、顔が見えない。見たい。出会った頃と比べると、随分表情豊かになったヨンだけど……固まって私を見つめていた顔は、嬉しいのか驚いてるのか…多分どっちもよね…まさか、嫌では無いと思うけど——「ヨン……嬉しい?喜んでくれる?」余りにも、ハグ以降の反応が無いものだから、私は心配になって口を開いた。すると、黙って私を抱き締めていたヨンの身体が、ピクリと震え…ほんの少し、一瞬だけ震えた気がして…ヨンが腕を緩めて、私の顔を
赤い月は二度泣く17汗と埃にまみれた身体を清め宿屋の湯殿を後にし、部屋へ戻ろうと階段に足をかけると二階の廊下から耳に心地よい鈴の音を転がしたりような笑い声が聞こえてくる。「・・えー、いいじゃないのちょっとだから。お願い、ねぇーー、ヨンァ。」「約束出来ますか、イムジャ?」「うん、するする!やったあ、だから好きよ旦那様。」弾んだ声に応える何時もは厳しい大護軍の声のなんと甘やかなこと。そんな二人が二階から降りてきた。「あら、ムン・チフさん、お風呂に入ってきたの?」
出産は女の大仕事。ひいては家の一大事。ヒジンさんを安静にさせるためにも、家族…特にアン・ジェさんには、理解と協力をしてもらわなくちゃね。「ヒジンさん。赤ちゃんが安定するまではダメだからね。アン・ジェさんにも言っ……えっと、ヨンから伝えてもらうから」「?何を……あ…」分かりました……頬を染めたヒジンさんが、蚊の鳴くような声で答えた。「とにかく、今は安静にする事。薬を飲んで出血が収まるまではね。さぁ、横になって」私は、すやすやと眠っているウクの隣へと、ヒジンさんを促し
真珠の微熱66はて?何故にこんな状況に陥ってるのか寝ぼけた頭を総動員して考える昨夜、何時ものようにシャワーを浴びてパジャマに着替え、ビールをちょっとだけ飲んで家庭菜園の許可を取りチェ・ヨンと狭いベットに潜り込んだ。うん、安心してぐっすり眠ったわ。それが今は下着姿で逞しい身体の上に被さるように寝ていた。下敷きになってる男は実に幸せそうにくすくすと笑っている。「言っておきますが、俺が脱がせたわけではありません。」楽しそうに笑いながらぎゅっと抱きしめてくる。「貴女
真珠の微熱新婚旅行編7キャミソール一枚しか着ていない背中に厚い胸板がぴったりと張り付く太い腕は腰を通り越し柔い腹の前に置かれ腕枕された方の腕の肘から先は華奢な身体に巻き付くように絡んでいる。「うーん・・重い・・」カーテンの隙間から白い光の筋が部屋の中に朝を連れてくる。ふと目覚めたウンスの身体には、何時もより力の入ったチェ・ヨンの腕が鎖で巻き付くようにがっちりと絡んでいた。もぞもぞと身動ぎながら逞しい腕の中でくるりと向きを変え愛しい男の懐に滑らかな頬をく
そうかい…辛かったね?ウッウッ…ほら?泣く時は、大きな声を出していいって、言ったでしょ?ヨンの胸に飛び込みワンワンと泣いた。忘れる事等、しなくていいのです。そうだよ?その首飾りがご両親だ!いつも此処に居るよ!って言ってるんだよ。は…はい…。それでだ。屋敷に物を用意してくれないか?馬車3台!わかった!わかった!叔母上には、ユ・ウンスを族譜に載せてくれ!とだけ、言ってくれ!わかったよ。こっちも説明のしようがない。使用人も用意するよ。その手じゃ、大変だよ!ああ
真珠の微熱85「それで、この馬鹿者が事件現場で、ふしだらな真似をしていたのか?」チェ室長の執務室で顔中に絆創膏を貼ったチェ・ヨンとチュンソク、トルベが事の顛末を報告している。キ・チョル一味を一網打尽にしたのが嬉しくて港で抱き合っていた二人の事をつい口が滑りチェ室長に言ってしまった部下達。「お、叔母さん!!」余計な事を言うなと口を滑らせたトルベを睨む。「ふん。本当の事を言われて怒るでない。まあ、とりあえずは無謀な計画でも生きて帰って来たことは褒めてやる。」「
ヨンが帰って来たら、十日後に婚儀だ!メヒは、今か今かと焦っていた。その頃、師叔の所に鳩が来た。婚儀は取り止めだ!子細はチュンソクに聞け!と書いてあった。その方がいいな…マンボはそう思った。ヨンが元へと王を迎えに行っていたこのひと月余り…メヒは、ベンと仲良くしているのを見ていた。ムン・チフは、忠恵王に刺されたが一命を取り留め、今は山奥で隠居していた。時々、様子を見に行ってたが、ヨンとメヒの婚儀には反対していた。メヒでは駄目だ!の一言だった。それゆえに、七年経っても二