ブログ記事975件
以前ラヴェル「水の戯れ」のアナリーゼを冒頭だけやりましたが、せっかくなのでもう少し続きを書かせて頂きたいと思います。もう1度冒頭から仕切り直してみました。電子書籍ですが、水の戯れの完全アナリーゼ本を書かせて頂きました。ご購入はこちら。ラヴェルやドビュッシー、リリ・ブーランジェなどの近代フランスものは難しい曲も多いので、何処までの理解度を前提としてブログを書かせて頂けばいいのか迷いましたが、水の戯れのアナリーゼの挑戦しようとなさる方であれば、和声法に対する理解度はかなり高いと思
フーガは対位法と和声法の両方の技術を必要とする音楽の中で比較的難しい曲であり、一般には難しく捉えられがちですが、個人的にはちゃんと勉強していけばそうでもないと感じています。今回は全曲を完全にアナリーゼする、というよりは独学で勉強なさっている方のためにフーガのアナリーゼのやり方や作るためのヒントをご紹介してみたいと思います。■□■□■□■□■□■□このシリーズのインデックスその①この記事ですその②主題と対旋律の作られ方その③和声還元その④音型の考察その⑤フレーズアナリー
前回の続きです。④音型の考察主題と対旋律のa,b,c,d,eの短い動機がほぼ全体を支配しています。小さな動機が発展して大きなフレーズを作っていく技法はバッハに非常によく見られる手法です。平均律のみならずインベンションとシンフォニアもそうですし、ほかの曲でも大いに散見される技法ですが、主題と対旋律の中に含まれる上の譜例のa、b、c、d、eと名付けた部分動機が間奏や間句(短い間奏をそう読んでいます)を構成する材料となり、時には主題と対旋律の2声部にもう1声部加わるときの構成材料
前回の続きです。②主題と対旋律の作られ方の研究大雑把な和声分析ができたら次は主題と対旋律というフーガにおける最も重要な声部を分析します。上の楽譜では黄色が主題、水色が対旋律です。紙の楽譜の時は蛍光ペンなんかで薄く色を付けると分かりやすいです。分析で楽譜が汚れるのが嫌ならデータとして行うか紙の楽譜のコピーを用意するしかありません。上の楽譜にはDuxやComesと書き込んでありますが、フーガに関する様々な用語は一定しておらず国内で販売されている本やインターネット上の情
とうとう東京も緊急事態宣言が解除されました自粛期間中は子どもも休校でずっと家にいたし、普段の家事に加えてオンラインレッスンもあったりしたので、そこまで暇ではなかったけど、何かこの機会に挑戦してみたい!と思って、以前から時間があったらやってみたかったこちらをやりましたコンコーネ50番全曲アナリーゼ(楽曲分析)オタクです〜〜理論のレッスンの際、時々コンコーネから分析の宿題を出していたのですが、とても使いやすいのです。『コンコーネ』というのは、イタリアの作曲家コンコーネさんが作
マミー&ミーピアノのホームページにご訪問ありがとうございます本日は、秋山徹也先生のコンペ課題曲アナリーゼ講座がありました秋山先生のアナリーゼは明快でわかりやすくかつ、今回はA1(小1.2)~C級(小5.6)の楽曲だったのでさほど入り組むこともなく、わたしも頭の中が整理されてすっきりしました近現代の曲を和声分析しているといくつもの選択肢ができてしまい悩んで手が止まることもありますが解釈を導く考え方のヒントもいただき、貴重な
前回の続きです。まず楽譜に書いてある音からコードネームを取れることが最低限の条件です。後期ロマン派や近代フランスや国民楽派などの発展的な音楽は常にドミソ=Cのようにわかりやすい和音ばかりではなく、疑義が生じる場合も多々ありますが、この部分が最低限の土台です。難しいケースがあるのはポピュラーのボーカル曲やBGMでも同じですが、この部分は特別なテクニックがあるわけではなく、その人の基礎能力・音楽への理解度の深さによって様々です。ブルックナー交響曲第8番第3主題