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ヨンは、ウォンソンの様子見にチェ尚宮の部屋へと足を向けた。『叔母上・・・』扉の前で、ヨンが声をかけると元気なウォンソンの声が返ってくる。「ちちさま!!」その声が聞えると同時に部屋の中から、ウォンソンが飛び出してくる。『ウォンソン!飛び出してきては、危ないではないか。』ヨンは、飛び出してきたウォンソンを抱き留めると、抱きあげる。「ごめんなさい・・・ちちさま・・・でも、ちちさまに、すこしでもはやくおつたえしたくて・・・」ウォンソンは、ヨンに抱かれながら告げる。『ん?父
蒼い狼の隠れ家ファスインから受けた火傷とチョヌムジャから受けた斬り傷で、瀕死の状態でチャン侍医が蒼い狼の隠れ家に運び込まれて、数日が経っていた。「お加減は、いかがですか?」チャン侍医が療養している部屋にクァンとミョンウォルが、静かに入ってきた。「あ、これは、クァン先生に、ミョンウォルさん。今日は、ずいぶんと調子が良いようです。」寝台の横にある窓から、外の様子を眺めていたチャン侍医が、穏やかな声で、クァンとミョンウォルに答えた。「そのようですね。」クァンは、寝台の横の椅子に
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《ああ、わかった。必ず、渡す。それに、チャン侍医が助かったことも・・・》「いえ・・・それは・・・内密・・・に・・・今、私の事を知れば、医仙は、私を治療すると・・・それは・・・医仙の負担に・・・」チャン侍医は、顔を横に振りながらトギの言葉を遮った。《わかった・・・とにかく、ここは離れた方が良い。どこか・・・治療ができて・・・身を隠すことができる場所は・・・》トギは、チャン侍医を匿い、治療できる隠れ家がどこかにないかと、思いを巡らせたその時天井裏から声が聞えてきた
ソルファがその命を散らした奇皇后の謀から、一月が過ぎた頃。チェ家の屋敷に、ハン・サンソンが訪ねてきた。「非番の日に申し訳ない。上護軍殿に、ご挨拶をと思い訪ねて参った。取り次いでもらえないか?」ハン・サンソンは、門番の使用人に静かな口調で告げた。門番の使用人は、かつて、婚姻を申し入れに来た時とうって変わった様子に面を食らった様子で、ハン・サンソンの顔を見た。「す、少し・・・お待ちください。」門番の使用人は、ハン・サンソンに答えると屋敷へと向かった。その時、屋敷
国境で息絶えたソルファは、リュウが、ハン家へ送り届けた。ハン・サンソンは、無言で帰宅したソルファを言葉なく出迎えた。「ハン・サンソン殿・・・ソルファ殿は、高麗を護るため・・・いえ、ハン・サンソン殿とその息子を護るため尊いお命をかけられた・・・どうか・・・その心を・・・受け止めてあげて貰いたい・・・」リュウは、ソルファから隠れ家で託されたハン・サンソン宛の文を手渡す。「ソルファ・・・」ハン・サンソンは、ソルファからの文を受け取るとその胸に抱きしめた。「それか
ウンスは、ミョンウォルに支えられ、屋敷の前に姿を現す。そこには、ヨンとウォンソン、ユリ、テマンそして開京から共にきた使用人たちがウンスとミョンウォルを待っていた。ウンスは、馬車の前、御者の席に誰も座っていないことに気づく。「ねぇ・・・ヨン・・・?御者の人がいないわ・・・それに・・・どうして、チュホンの機嫌が悪そうよ・・・」ウンスは、ヨンに近づき耳元で聞いた。『あ、ああチュホンですか・・・大丈夫です。すぐに機嫌はなおるはずです。それよりも、開京にむけて出立する時
河原で、火を熾し、昼餉の準備に忙しく動き回るヨリの回りをウンスがちょろちょろと付きまとう。「奥様・・・危ないので、彼方でお待ちください・・・」興味深々なウンスの様子にヨリが苦笑を浮かべながら言う。「え、だって・・・高麗ではどういう風にするのか気になるんだもん・・・」「奥様・・・それでも、危ないので彼方で大人しくお待ちになってください。」ヨリは、楽しそうなウンスの様子に思わず頬を緩めてしまったが気を取り直して、少しキツ目に言った。「あ、ヨリ、怒った?わぁ~ごめんな
寝台に横たわり、ウンスは意識がなかった時に見たある事を思い出していた。フォン・・・あの時・・・あの紅巾の乱の時貴方を護ってあげられなかったのに・・・そして、今回も・・・フォンを苦しめて・・・それなのに・・・これまでも、そして、今回もフォンに助けられて・・・フォンが居なかったら、私は、こちらに戻ってくることが出来なかったかもしれないでも・・・きっと、これからはフォンを苦しめることはないわ・・・だから、安心して、ヨンと私・・・フォンの父様と母のもとに帰ってき
宿の部屋で、少しばかりの休息をとると宿の主が再び、顔を出した。「お客様。お待たせいたしました。夕餉の準備が整いました。どうぞ、宴会場へお出で下さいませ。」宿の主が、扉の前でお辞儀をしながら告げた。『手間をかけた。案内を頼む。』ヨンは、ユリを抱きあげ、颯爽と部屋を出ていく。その後ろを、ウンスとウォンソンが手を繋ぎついていく。宿の主は、パソンから、開京の両班としかきいておらず、ヨン達の素性を知らなかった。まさか、高麗軍上護軍のチェ・ヨン一家だと気づきもせず、変わった
昼前。開京へ向かう途中、峠の旅籠街に到着する。ヨンは、静かに馬車を止めると馬車の扉を開ける。『ウンス・・・昼餉に・・・あ・・・』ヨンが、扉を開けるとミョンウォルとウォンソンが人差し指を口にあて、ヨンを見ている。「ちちさま・・・ははさまが、まだねむってます。」ウォンソンが、ヨンの傍に近づき耳元で告げる。『そうか・・・まだ、眠っているのか・・・ミョンウォル・・・?』「はい、大丈夫でございます。ウンス様は、お休みになっているだけでございます。」ヨンは、ウンスの身
開京。チェ家の屋敷。秋が深まり、屋敷の中の木々も色を染め始めた頃。屋敷の中は、にわかに慌ただしくなっている。主家族が、鉄原での療養から久方ぶりに、開京の屋敷に帰ってくる。使用人たちは、その知らせを待ち焦がれていたかのように喜んだ。屋敷の中を塵一つないくらいに掃除をし、いつでも出迎える準備を整えていた。「お~い。旦那様と奥様が開京の大門を潜られたぞ。間もなく、こちらに到着されるぞ!!」主家族の食事の仕入れに市井に買い出しに行っていた1人の使用人が、大きな
開京の市井を通り抜けウンスを乗せた馬車が、屋敷の門の前に到着する。門の前には、ボヨンをはじめとする使用人たちが、ヨンとウンス達を出迎える。「旦那様、奥様。お帰りなさいませ。」ボヨンが代表してヨンとウンスに声をかけた。ヨンは、馬車から降りながらボヨンの挨拶を受ける。『ん・・・留守の間、変わったことはなかったか?』「はい、何事もなく・・・ご安心ください。」ヨンは、ボヨンの答えを背中で聞きながら、馬車の扉を開ける。扉の向こうから少し、顔色の白いウンスが顔を覗かせた