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菜緒side楽しくも無かった高校生活が後1年で終わろうとしていた…ピピッピピッ…朝ご飯を食べて、いつもの時間に家を出て学校に向かう「おはよー菜緒」「…はよ、」「今日クラス発表だけど今年も菜緒と一緒だったらいいねぇ~」「…やな」学校に着くと、玄関先にクラス表が貼られていた。群がっていてよく見えなかった「私見てくるよ…ここで待ってて」「…コクッ」人混みが苦手な私は、残酷な時間だ……スクールカーストで表すと私は底辺な陰キャと言える「…クラス、離れちゃった」「…!」「菜緒は
もう、夕日は沈みかけていた。景色を囲う山々の輪郭は夕日で燃え上がり、橋の下を流れる川は、空の紺色と朱色のグラデーションを映し出している。長く伸びる自分の影を追いながら、私、金村美玖は必死で走っていた。友人の富田鈴花との約束の時間から、もう10分は過ぎているからだ。閑散とした駅前の広場、ちらほらと見える人々は疲れ切った顔をしていて、今から家に帰って疲れを癒すのだろうなと思う。そうして辺りを見渡し、鈴花の姿を見つけ駆けつけた。「鈴花ごめん!部活が長引いちゃって!」「もぉ、これじゃギリギリに