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ウルトラマラソンから一夜明けて、本日8/12。驚いたことに、筋肉痛は全く無し。その理由として考えられるのは、クールダウンをしっかりしたことか。8/11の深夜1時過ぎにフィニッシュ。その後、1時間ほどの休憩をはさんで、箱根から小田原駅まで歩いて帰宅しました。距離6km、時間にして1時間半弱。このウォーキングがほどよいクールダウンになって、疲労物質が排出されたのだと思います。そんな訳で、今朝も早朝ランができました。ただ、筋肉痛は無いにしても、内蔵を中心に疲労は残っているでしょ
記録会の日の夜理佐は1人で、梨加とよく行くバーを訪れていた。理佐は酒を飲みながら、談笑したりする人をボーッと眺める。なんとなく、欅ハウスには帰りずらかった。皆が本気になり始め、自分だけイマイチその雰囲気に乗れないでいることに疎外感を感じてしまう。理佐はため息をつき、グラスに入ったチューハイを一気に飲み干した。疲れているのか、アルコールが体に染み込んでいく感覚が分かる程に回っていく。それでもまた注文し、グラスの酒を飲み干していった。--------------「お客様、閉店のお時間
12月21日(木)の夜は、箱根ホテル小涌園へ。こちらは、1959年開業、2018年1月10日に営業終了を予定をしているホテル。毎年、箱根駅伝の中継に出てくる、老舗ホテルです。この日は向かいにあるユネッサンで11人で遊んだ後、こちらのホテルにあるブッフェグランヴェールにて夕食。ディナーブッフェ(5,659円)にアルコール飲み放題も付けていただきます。アサヒビールのトルネード・ディスペンサーでビールを注いでいただきます。カップの底から渦を巻き、ビールが湧き上がってくる
あの後、皆で楽しく夕飯を食べた。誰も、森田に関のことを聞いてくる人はいなかった。でも森田は決心した。皆にあのことを打ち明けようと。過去と向き合うためにも……。夕食の片付けが終わり、束の間の休息タイムの時に森田は声を出した。「皆さんに聞いて欲しいことがあります。」森田がそう告げると、全員が森田の方を向き、耳を傾けた。「さっきトレーニング室で話しかけてきた子、高校の同級生なんです。」森田は恐る恐る話を続ける。皆は真剣に聞いてくれていた。「関有美子っていうんですけど…かつては親友
9月夏の合宿が終わると、秋は徐々にスピード重視の練習へと移行した。適度な休息で夏の疲れを取りつつ、より密度の濃い練習をこなしていく。より一層団結力の高まった欅大一同は、順調に記録を伸ばしていく。しかし、唯一田村だけが、良い結果を出せなくなっていた。夏合宿が終わった頃から右脚の脛が痛み、思うように走れない日々が続いていたのだ。それが記録という形で突き付けられた途端、田村の心に一気に不安と焦りが押し寄せてくる。予選会まではあと1ヶ月なのに、こんな状態では足を引っ張ってしまう。どうしよ
午前7時45分復路のスタートが目前に迫っていた。6区を走る守屋は、黙々とウォーミングアップをする。そこへ付き添いの理佐がスマホを差し出した。「友香さんから電話です。」差し出されたスマホを受け取り、電話に出る。「もしもし」「茜?調子はどう?」「まぁまぁかな。友香の方こそどうなのよ。」「私もまぁまぁだな。」「2人してまぁまぁって…」守屋は思わず笑ってしまう。長かった陸上人生の集大成なのに、こんなに緩くて大丈夫なのだろうか。まぁ、これくらいの方が肩の力が抜けていいのかもしれな
5月下旬欅学園大学の一行にとって、初めての記録会の日が訪れた。小さな記録会ではあるが、いくつかの大学が集う公式の大会だ。箱根駅伝の予選会への出場条件は、公式の大会で"5000m17分以内"を出すこと。そのためには、初夏に盛んに行われる様々な公式の大会へ出場する必要があった。それに、2ヶ月の練習の成果をはかること、さらには自分の実力がどの程度なのかを知るためにも必要な過程だった。5000mのレースは数組に分けられ、行われた。森田、守屋は1組目1組目は参加各校のエースが集った激戦区だ
昨日はニューイヤー駅伝🎽GMOの大迫傑目当て🤭今日は箱根駅伝🎽青学応援👀夫も居ないし、喪中で年始客も来ない‥‥じっくり、ゆっくり、見れました。青学と駒澤大のタイム差は2分38秒明日の復路はどうなるのか?楽しみです😊青学頑張れーー⤴️因みに夫は元日でもゴルフに行っていた人です。誰と行っていたかは不明ですが‥‥これは悪口じゃないですよ💦事実です
まただ。また誰かを傷つけて、何かが壊れていく音がする。森田は立ち尽くしていた。目の前で横たわる菅井と、救急車の音、駆け寄る救急隊員、慌てふためく皆の映像が、スロー映像のように目の前でゆっくり展開されていく。森田の頭の中で、色んな映像がフラッシュバックする。騒然とする現場、倒れる監督、頬を抑えてこちらを睨みつける親友の姿_____気付けばまた酸素が上手く取り込めなくなり、森田は座り込む。涙が止まらなくて、余計に苦しかった。「ひかる!?大丈夫!?」森田の異変に気付いた小林が、森田の体を
1月3日早朝守屋は泊まっているホテルのロビーを出て、思いっきり背伸びをした。まだ薄暗い空を見上げる。空気は冷たくて、吐く息は白い。昨日は無かったはずの雪も積もっていた。守屋は緊張していた。夜もあまり眠れなかったし、注目度の高さに尻込みしている自分に嫌気がさした。ネットニュースや新聞には、理佐の活躍と共に弱小チームの欅大が取り沙汰されていた。"たった10人で箱根に挑戦""新・山の女神誕生""復路にエース登場。注目集まる"といった見出しと共に、理佐のゴール写真が大きく掲載されていた
3週間続く合宿は、終盤を迎えていた。「友香さん、合宿来てから走りすぎじゃないですか?」菅井の異変に気付いた理佐が、守屋に話す。本練習は終わっているのに、菅井は1人宿舎に戻らず走り続けていた。合宿中、ずっとこうだ。だが異変に気付いていたのは理佐だけではなく、守屋もだった。「うん…。膝のこともあるし、止めなきゃってことも分かってるんだけど…。」守屋は複雑だった。菅井のことを良く知っているからこそ、菅井が焦る気持ちも十分分かるから…。6年半前菅井と守屋は同じ高校の陸上部だった。入学当
菅井と理佐、2人の勝負の日が訪れた。他のメンバーは一足早く練習を終え、2人の勝負の行方を静かに見守っていた。黙々とアップをする菅井の表情からは、覚悟が読み取れる。しかし、守屋は心配でしょうがなかった。「友香、ほんとに大丈夫なの?負けたら箱根を諦めるって、そこまでしなくても…。」「大丈夫。ここで負けるくらいなら、箱根なんてそもそも無理なんだよ。」柔らかな表情で言う菅井。守屋には、菅井が表情を無理矢理作っているようにしか見えなかった。「理佐が本気で走れば15分台もあると思う。そうなれば
「そう!この10人で、箱根を目指そう!」菅井が笑顔で言ったその言葉は、その場に混乱をもたらした。「いやいや、冗談でしょ?無理に決まってる。」「箱根駅伝なんて、正月に雑煮を食べながらテレビで観るのが一番良いでしょ。」「家賃が激安だったのは、こんな裏があったからなんだ…」など、各々が、口々に文句を言った。そのなかで、森田は口をつぐんだままだった。森田は誰よりもストイックに走りを追求してきた。だからこそ分かる。走る者達にとって、箱根駅伝は夢の舞台だ。そんな舞台に、素人が集まっただけのこの
ラスト1kmのキツイ上り坂が、満身創痍の土生に襲いかかる。フラフラと蛇行しながらもまだ尚走り続ける土生に、沿道は大声援を送った。しかし、声援は土生の耳には届かなかった。とにかく前へ。前へ。遠のく意識の中で、その言葉が呪文のように木霊する。絶対に立ち止まるわけにはいかない。絶対に走り抜く。タスキを繋ぐ。靄のかかった脳内で、その強い想いだけが鮮明に浮かび、消えることはなかった。やがて、ぼんやりと理佐が見えた。両手を挙げて思いっきり笑って、私のことを待ってくれている。…ごめんね理佐。順位
往路のゴール地点の芦ノ湖では、特設モニターでレースの動向をうかがっていた観客達が、理佐に期待を寄せ始めていた。生駒か、理佐か。どちらが5区の頂点に君臨するのか、予想合戦が繰り広げられた。「欅大の渡邉は区間新行けるんじゃないか。」「俺も渡邉に期待するよ。」「いやぁ、なんだかんだ生駒は強いだろう。」「生駒は後半落ちちゃったから区間新は厳しいんじゃないか。」そう言って、観客はモニターを指差す。苦悶の表情を浮かべる生駒が、ラスト1キロを疾走していた。「乃木大生駒は昨年自身が出した区間新
翌日朝練を終えた森田は、欅ハウスのメンバーに見守られながら、意を決して関の元へ向かった。何を言われても受け止める。そんな覚悟を持って。「ゆみちゃん…ちょっとだけ話したい。」チームメイトと談笑する関を呼び出す。人気のない場所に移動し、2人は向かい合った。「何の用?練習あるんやけど。」関は冷たく突き放すような声で問う。「…去年のことを謝りたいと思って。…本当にごめんなさい。ゆみちゃんを殴ってしまったことも、全部壊してしまったことも、その後逃げてしまったことも……ごめんなさい。」森田は
12月いよいよ箱根駅伝本番まで1ヶ月を切った頃…菅井は悩み抜いて、誰がどの区間を走るのかの決意をようやくかためた。夕食後、一同は集まった。「今日は、区間発表をしたいと思う。」緊張の面持ちで、菅井が切り出す。森田はゴクッと音が鳴るほど、固唾をのんだ。発表は淡々と行われた。箱根往路(1日目)1区渡辺梨加2区小林由依3区小池美波4区土生瑞穂5区渡邉理佐箱根復路(2日目)6区守屋茜7区齋藤冬優花8区田村保乃9区森田ひかる10区菅井友香「1区がぺ
レースはスタート直後から速いペースで展開した。森田、菅井、守屋の3人は40人程で形成された第一集団のなかにいた。トップを行くのは、留学生ランナー2人だ。その2人は早々に第一集団を引き離した。それにつられるように、第一集団もかなりのハイペースで1kmを通過。ついていけないものが続出し、集団はみるみるうちに縦に長く伸びていった。菅井は後ろを確認する。欅大の他のメンバーは、第三集団のなかで固まって走っていた。菅井は、あらかじめ決めていたサインで、「10kmまではそのペースで」と、「その後は自
菅井はウォーミングアップを終え、携帯テレビの画面に見入っていた。テレビの中継映像が、力走を続ける森田から、9区を走り終えようとする平手に切り替わる。「10年間更新されなかった9区の区間新記録が、今まさに更新されようとしています!3年ぶりの総合優勝へ、その想いのこもったタスキは今、アンカーの長濱へ託されました!!そして、平手は区間新記録を更新です!」鶴見中継所は、平手の記録更新に湧き返った。菅井はすぐに矢崎に電話をし、平手のタイムを森田に伝えるように言う。そして菅井が顔を上げると、中継
10人しかいない弱小チームが箱根駅伝へ出場する。その事実が世間の注目を浴びるのは容易に想像出来たが、それでも想像以上だった。連日、新聞社や雑誌からの取材依頼が舞い込んだ。その影響もあってか、友人からの連絡が絶えない者もいた。そして、懐かしい友人と久しぶりに顔を合わせる者も…小林は待ち合わせ場所のカフェのドアを開ける。カランカラン、と音が鳴ると、待ち合わせをしていた人物が顔を上げた。「ゆいぽん、久しぶり。」「うん、久しぶり…」小林は目の前の席で座る旧友に対して、気まずそうに挨拶し
「茜さん速すぎない?」テレビ中継を見ながら、7区を走る予定の斎藤が呟く。守屋は随分と楽しそうに、猛スピードで6区を走っていた。現在欅大は12位。この様子なら、きっと順位も上げてくるだろう。シード権に入る可能性も出てきた。ああ、私は凄い舞台に自分は立とうとしているんだな。齋藤は思わず身震いした。1年間死に物狂いで練習してきたけど、この舞台はそんな生易しいものではない。何年もの間努力した人だって、立てないこともある。そんな舞台に、走り始めて1年にも満たない自分が立つなんて。一体ど
蝉が鳴き続ける。太陽は容赦なく照りつける。遠くの地面は暑さでゆらゆら揺れていた。「避暑地なのに、この暑さは何!?」暑さで半ギレ状態の小林が誰に言うでもなく訴えかけた。「温暖化だね〜」土生が穏やかに返事をした。8月下旬大学の前期試験を終えた欅ハウスの一行は、様々な大学が夏の合宿を行う白樺湖に来ていた。夏の時期はどの大学も徹底的に走り込み、箱根に向けて基礎体力をつける。欅学園大学も例外ではない。「荷物まとめたら、練習着に着替えて集合ね!シャキッとねー!」暑さなんてこれっぽっちも感
菅井が鶴見中継所に着くと、ベンチコートを着た小林と付き添いの森田と合流した。「由依、調子はどう?」菅井が聞くと、「絶好調です。」と小林が答えた。迷いは無さそうだ。小林が走る2区は、各大学のエースが集う区間だ。西野七瀬は白石麻衣と並ぶ乃木大の二代巨頭だし、小坂菜緒は日向大を引っ張る期待の新星だ。鳥居坂大の鈴本美愉も侮れない。さらに、留学生をエントリーしている大学もいくつかある。そんな強者揃いでも、小林は怯んでなかった。それどころか、期待に満ちた目をしている。「ぺーちゃんは多分最下位で来
多くの雑誌や新聞、テレビが欅学園大学を取り上げた。おかげで大学の後援会や町の人達、周りの家族や友人はより一層応援してくれた。…ありがたいことなのだが、森田は気が気で無かった。自身が1年前に起こした暴力事件が再び表に出てしまわないか、不安で堪らなかったのだ。だからなるべく取材では目立たないようにしたし、カメラを避け続けた。それでも、エースの森田が注目されることは避けられなかった。そして、恐れていたことは起きた。いつものように近くの競技場を借りて練習をしていた日のこと。「欅大の森田ひか
1月2日「熱が下がった。もう大丈夫だ」と起きてくるなり高らかに回復宣言する父。食事のタイミングを分けた方が、と思ったけど、大丈夫かも?とも思い(甘い)、結局全員で食卓を囲む。その後、リビングでゴロ寝しながら箱根駅伝を楽しむ父。相変わらず咳が酷いので、マスクは絶対するよう言い聞かせる。母と姪っ子にも念の為にマスク装着。因みにこの4人の中で、コロナ感染経験があるのはワタクシ🐸だけ。箱根駅伝は幼い頃から現地観戦していたので思い入れがあり、これを観戦せずして正月は終われないほど我が
ラスト3kmの地獄の上り坂を、小林は無我夢中で走っていた。3校の選手の後ろにピッタリと付いていた小林だが、その中の1校、ユーラシア大の選手が坂の手前でペースをあげ、集団を引き離した。小林は、それに付いていく。苦しい。でも、離れるもんか。もはや意地だった。やがて前の方に、2校の選手を視界にとらえた。その中には、鶴見中継所の時点では3位だった英慶大のユニフォームも見えた。英慶大の2区の選手は確か、インカレでも上位の成績をおさめていた人だったはず…。調子が悪いのだろうか。いや、もうそんなの
合宿は3週間続く。"夏を制する者が箱根を制す"という言葉もあるほど、夏の練習は重要だった。欅学園大学の練習も、過酷を極めた。「ねぇ、脚の筋肉ムッキムキなんだけど。しかも靴下焼けヤバくない?スカートもサンダルも履けなくない?」筋トレをしながら齋藤が言う。「どうせ今年は履かないですよ。ジャージとランニングシューズしか履いてないですもん。」小林が反論する。「無理〜、サファリパ〜〜ク〜」「いや、それふーちゃんのネタじゃないでしょ。」ふざけ倒す齋藤に、小林のツッコミが冴え渡る。そんな一
あけましておめでとうございます♪年末年始は夫の実家で過ごさせてもらいました(^○^)今は箱根駅伝を観ています♪来年も観られるように1日1日を生きていきます。本年もどうぞお願いいたします。
1月2日箱根駅伝のスタートが、15分後に迫っていた。スタート地点の大手町では、1区を走る梨加がベンチコートを着てジョッグしていた。各大学の応援部、関係者、大勢の観客、テレビクルー……分かってはいたが、それでも想像以上に人が多い。注目されることが苦手な梨加は、走ることで緊張を紛らわせた。付き添いの菅井が、梨加の元へ近づく。「ぺーちゃん、あまり走るとレース前に疲れちゃうよ。」「んんん…でも、走ってないと不安…。」梨加はそう言って口をつぐんだ。梨加の緊張は嫌というほど菅井に伝わっていた
欅大の面々は、芝生広場の陣地に倒れ伏していた。結果発表までは、まだまだ時間がある。「友香、どうなの?」10人のタイムを眺めながら眉をひそめる菅井に、守屋は訊ねた。菅井の左膝には、アイスバッグが当てがわれていた。「微妙なラインだね。予選落ちもありえる…。」菅井の言葉に、欅大の周辺には重い空気が流れる。目を覚ました梨加はずっと泣いてるし、理佐は梨加をずっと慰めている。いつも明るい齋藤も俯いて草をむしっていた。その空気に耐えられなくなった森田は、「氷溶けてきてますね。取ってきます。」