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青い空に風に揺られる桜ひとひらの花びらがふわふわと空に舞う愛らしい妖精4人が大ちゃんめがけて飛んでくる既に飛んでいることに何の違和感を持たない翔旦那若主人と暮らすうちに不思議な事も受け入れるだけの度量を身につけたようです「おおちゃ~ん!」4人の妖精を満面の笑みで出迎える大ちゃんその横で翔先生も優しい笑みを浮かべている「五つの班を無事に送り出した?」大ちゃんを囲むように並ぶ四人が誇らしげな顔をして大きく頷いて「ちゃんとおさそいちてお
満開の花の様に満面の笑みを浮かべた四人その笑顔を見てほっと安堵した社長と副社長「智大殿、素晴らしい茶席をご用意くださり感謝申し上げます」翔旦那が社長に「さとし殿、二人を連れて来てくれて本当にありがとうこのような花見なら何度でもと思ってしまいます」若主人がさとちに感謝を伝える「たのちかった?」「ええ、最高に楽しかったです」「今日の日は私たちの一生の宝となりました」二人が笑みを浮かべて頷き合う「よかっちゃ!おいらもなのだいじなだ
新幹線の中で食べるお弁当まで用意してくれたマスターその気持ちが嬉しいけどあれもこれもと言い始め笑いが起きるくらいの荷物になった旅行とは得てして帰りの方が荷物が増えるそれは常だけれども・・・限度があるまだ土産を買っていない「マスター・・・全部は無理!」嬉しい悲鳴を上げると俺の言葉など意にも介さない顏で「帰りは一人多いから荷物が増えても大丈夫だろそれに、持ってきた荷物は全部送ってるはず」ニヤリと笑って綾野君の顔を見る旅行鞄が一つずつそれもあま
社長たちの後をついて行く二人映画でしか見た事が無いお江戸の町興味深そうに視線を動かすお兄ちゃん通りを行く振り売りや大八車駕籠かきの姿も見える「広い道ですねぇ・・・」「ここは大店が立ち並ぶ所謂目抜き通り人通りも相当なもの裏路地に入ると時代劇とかでよく見る長屋がある」「あの一際大きなお店が上毛屋さんでそこから少し向こうに青物問屋の若智屋があります」二人が見える範囲で説明をしてくれる上毛屋の看板が見えよくよく店の大きさを見て唖然とし
着替えを済ませて玄関に行くと画伯がTシャツに丈の短いパンツ足は靴ではなくビーサン姿で立って真っ青な空を眺めて「今日も暑い一日になりそうだ」そう言って帽子をかぶった翔兄よりも年上だと聞いてるけどどこからどう見ても俺より年下に見える今から都内に向かうのにそのスタイル?いくらなんでもラフ過ぎないか「あの・・・その姿で紅玉という店に行くんですか?」「そうだけど何か拙い?」言ってる意味が分からないって顔をする「お願いに伺うので・・・普通はちゃん
シルバーの小物入れを紙袋に入れてそれぞれに渡してくれるさとち君俺と貴方で折半して3個分の代金を払った「チビ、何て言うの?」「おかいあげありがとうごじゃいまちた」「良く出来ました」お店のお手伝いをするこれも教育の一環なのか「大事に使わせて頂きます」貴方が笑顔でお礼を述べると健太君もそれに続く「さとしくんありがと」俺もお礼を伝えないと「選んでくれて、ありがとう」3人からお礼を言われてはにかんだような笑みを浮かべて蒼さんの腰に手を
工房で仕事をしてると師匠が入ってきた「健太が言ってたけど新しいジュエリーのデザインが出来たの?」「ええ、春のジュリーにどうかなって思って試作品を銀粘土で作ってる所なんです」「すごく綺麗な桜だって言うから見せて貰おうって思って」机の上に置いたデザイン画を覗き込む「桜モチーフのリングとペンダントそれから・・・ブレスレットか・・・」一枚ずつ手に取ってじっくり眺める「花びらを模った型抜き・・・ハートの形にしてない所が良い」「ハー
厚手のブランケットを肩にかけてベランダに出て空を見上げる「今日は雲一つない空だ都会にしては星が見える方だ」智君の実家の屋根裏部屋から見る夜空には敵わないけど地上の星が邪魔していない分まずまずの夜空だと思う「お月様も綺麗です」ベランダの手すりに頬杖をつく貴方月を見上げる瞳が輝いてて正直、月より綺麗で見惚れてしまう「スノームーンって言うんだ」「スノームーン?」耳慣れない言葉なのか俺の方を向いて鸚鵡返しで訊ねる「2月の満月はスノームーン
お江戸のお二人が用意してくれた花見弁当さとち達は食べられる物をほんの少しだけお菓子だけは特別です桜の菓子と三食団子を頂きましたお腹もいっぱいになったので4人揃って満開の桜の精霊さんにご挨拶お兄ちゃんがお目付け役ひと通り挨拶を済ませた4人の妖精君たち若主人と翔旦那が用意したおもちゃに興味津々貝独楽・糸つり独楽・泥面子・ビードロ(笛)・手毬どれも遊び方が分からない4人それでも相談しながら遊び方を工夫して楽しんでいます少し離れたところで眺めているお兄ちゃん「お兄ちゃんは
大きな窓から光が射しこみアーチ形の天井からシャンデリア・・・かなり古いお城の中・・・ここって・・・『幸運の城』って呼ばれた・・・(名前が思い出せない)一度訪れたいと思ってた場所『翔さま・・・翔さま・・・』この声は・・・貴方だ(俺が貴方の声を間違えるはずはない)声のする方を見ると窓際に佇み外を眺めてるバトラー(執事)姿厚手のウールの膝下ズボン白アイボリーのストッキング青地に赤の細縞上着とベスト(小さいポケット付き)胸当てにジャンボタイ(フ
最高でも三日・・・それ以上は無理なのに・・・今の現状はと言えば・・・目の前にニヤニヤ笑う編集がいる「編集くん、どうして日参するの?締め切りは守っただろ」次の締め切りまで猶予があるそれに結構進んでいるから次の原稿も落とさずに渡せる「ええ、それは分かってますが僕は櫻井さんの担当編集ですから」そんなこと聞かなくても分かってる毎日毎日顔を見せなくても連載当初は締め切り間際まで来なかった「最初の頃は来なかっただろ?」「そうですが・・・今
他愛のない話をして気が付いたら30分が過ぎてた楽しい時間は倍速で過ぎていく「翔さん、画像送りますね」『もう切りますね』が言えなくて遠回しに言ってみる「春のジュエリーの画像・・・待ってる見たらすぐに感想を送るから」「ええ、アドバイスがあったら教えてください」「俺が?」「翔さん以外誰が居るんですか?」「俺だけだ(笑)分かった、もしあったら書くね」「はい、じゃあ送ります翔さん、おやすみなさい」「そうだね・・・おやすみなさい
一度は会ってるのにそこまで緊張しなくてもと思うほど顔が強張ってる俺も明日は此奴みたいにカチカチになるのかも?何とか表情を和らげて部屋に戻った「画伯が気を使ってくれたのかもう、帰られた後だった」「あ~・・・おかえりになられたのか・・・それは申し訳ない事をした」父ちゃんが申し訳なさそうな顔で頭を搔いた「お礼も言わないまま・・・ご無礼な事をしてしまったわ」母ちゃんも凄く申し訳なさそうな顔をする「後日、二人でお礼に伺うことにしよう」
箱の中を覗き込むと5種類のケーキがお行儀よく納められてた選んだのは翔さんなのかな?色彩豊かなケーキが並ぶ「一番有名なのはモンブランです『モンブランの帝王』って呼ばれるくらいですから」翔さんが一個ずつケーキの説明をしてくれるチョコレートのケーキ、フランボワーズのケーキいちごのムースケーキ、ピスタチオのケーキどれも形がお洒落ピスタチオのケーキは表面が真っ白中のスポンジがピスタチオで真ん中にジュレが入ってるらしい「どれも美味しそう・・・」モンブランも食
恋の経験が全くない訳ではない恋人と呼べるかどうかは微妙だけどお付き合いをした相手もいた幼い恋は燃え上がるのは早いけど長続きはしない毎日会いたかった想いが少しずつ冷め、疎遠になっていつの間にか終わっている相手にとって僕はとても退屈な存在だったのかもしれない会わなくなっても、そこまで落ち込まなくて追いかける事もなかった翔さんの言う『恋愛擬き』なんだと思う出逢って少しずつ変わっていく自分人を好きになることの愛おしさと切なさ戸惑いと葛藤・・・喜びと淋しさ・・・
画伯のポーカーフェイスは完璧で全く尻尾が掴めないあの人が握ってる秘密は何なんだろう?ずっとその疑問が頭の中をぐるぐるしてる折角の休日なのに・・・愛しい人が傍に居るのに・・・「まだ考えてるの?」そんな俺の心を見透かすように心配そうな顔で俺の様子を窺う「ゴメン・・・駄目だな・・・俺は画伯みたいに胆が据わってない」「あの人は特別な気がする・・・翔兄もそうだけど・・・あの二人はどん底を経験してるから・・・」「どん底?」「翔兄の事
目の前に広がる蒼の世界蒼い色でキャンバスが塗りつぶされていた何かを描いてる訳ではない一面蒼なんだ・・・その絵につかまる僕少し離れた場所に長椅子が置いて有るそこに座って、ただ眺め続ける母ちゃんが隣に座って俺の背に手を当てた「今日はこの絵を独り占めしなさい帰りたくなったら電話してすぐに迎えに来るから」「うん」僕は一言だけ呟いた母ちゃんはゆっくりと立ち上がって部屋を出て行った木立の中に立つ小さな私設美術館それでも特別展示室は人が多いここは常
〈S〉次の日から、学校帰り俺の家か智君の家で、2人で勉強会を始めるとりあえず、その日出た宿題をやっつけた後智君が苦手とする数学を重点的にやっていく…始めは少し戸惑った…テーブルに隣同士で座ってると、肩が触れたり少し横を向くと智君と目が合って…ついキスしてしまったり…ダメだダメだ!って頭を切り替えて、また暫く集中してやるんだけど、また智君に気を取られるんだ…キスは勉強が終わってからって自分に言い聞かせる…そうだよ…智君との2人の時間の為に勉強
欧羅巴には古城や宮殿が多いためなのか不思議な伝説や幽霊話には事欠かないそう言う類のものは全くの苦手な為そこに行くことを極力避けていたのも事実まさか、こんな長閑な場所で?俄かに信じられなくてどこかにマジックの種はないかと探し回る「う~ん・・・どこも変わった所はない・・・」もしかして、起きたまま夢を見てたのか?仕事の疲れ?瞼を閉じて、その上から指先で軽く揉んだ「これは夢なのかはたまた・・・なに?」人と言うのは受け入れられない事はどうしても言葉に出て
休憩中のプレートをドアに掛けて侑李のパン屋さんに向かう今日のお昼は総菜パン「いらっしゃいませ」パンを補充してたのか店先に出ていた侑李が元気な声で出迎えてくれた「こんにちは」「大ちゃん!」侑李は商店街の仲間の中で一番年下僕にとっては弟みたいな存在「今日はある?」「丁度補充したところだよ」「よかった(笑)」花のパンが有名だけど総菜パンで人気ナンバーワンは半熟卵のサンドイッチ直ぐに売り切れてしまうからタイミングが合わないとお目にか
翔さんが浴室に入って行ったその後姿を見て、急に恥ずかしくなってきたこのまま入って良いのか迷った挙句バスタオルの横に置いて有ったフェイスタオルを腰に巻いたこれならちょっと安心(翔さんも分も持ってくことにした)手渡した後で気が付く(片手では腰に巻けない)視線はずっと上半身・・・僕だって・・・それを見ちゃったら気持は分かるから・・・同じようになる可能性もあるでも・・・ずっと考えてたんだけど・・・僕はどっちの立ち位置なんだろう?どっちにしても・・・同性の行為に
船頭さんが漕いで行く舟には初めて乗る3人お兄ちゃんはおっかなびっくり状態副社長は怪我でもしたら一大事と結構気が張ってる一番楽しんでいるのはさとち舟から見える人や樹々を眩しそうに眺める「おにいちゃんおとがしゅる!」舟を漕ぐ音と一緒に前に進みゆらゆらと水面を揺らしながら進むのが楽しくて仕方がないようすだ「水しぶきに気を付けてね」お兄ちゃんの忠告も好奇心旺盛のさとちには聴こえていない様子大事な重箱を抱えていなければ立ち上がっていたかも知れない「おじし
画伯が中々戻って来ないので窓からベランダに出て公園を見渡す都心の一等地に立つタワーマンション最上階からの眺めより格段に綺麗な景色緑を湛える樹々の中に赤や黄色に色付いた葉が彩を加える遠くの人工池に浮かぶスワンボートが見え隠れするまるで一枚の風景画みたいだ・・・絵と違うのは枝葉が風に身を任せてて揺れる所かな「サクちゃん、お昼だけど」画伯の声が部屋の中から聴こえる「は~い」返事だけして手はまだベランダの柵を掴んだまま「ん?・・・どこ?・・・あ
小さい子が描く絵はとてもカラフル大人だったら絶対に使わない色使いをするその配色にハッとさせられたり教えられたりする花びらを繋ぐ石は薄紅と白が良いと思ったけど空の色と薄紅色も綺麗かも知れないそんな事を考えながら健太君の絵が出来上がるのを見ていた「今度は二人の絵を描いたんだ」「そう、ぼくとさとちくん」「さとち君の宝物になるよ」「よろこんでくれるかな?」「絶対喜ぶと思うよ絵を描き終わったら翔さんに電話する?」「うん、いまかけてもだいじょうぶ
お風呂から出てリビングに戻ると翔さんの姿が見えなかった「あれ?」キョロキョロしてると父ちゃんが顎で翔さんの場所を教えてくれたあっ・・・暖炉の前に座ってるプレゼントと並んで(笑)特別な場所って分かるかな?翔さんの視線が暖炉の上を彷徨ってる暖炉の上じゃなくて長椅子の後ろの壁だけど少しだけ窪んでる・・・翔さんが僕が戻って来た事に気が付いて笑みを浮かべて手を上げた「まだ気が付いてないね」「前ばかり見てるからな(笑)それに小さい絵だ・
アトリエの前の道を駅に向かって歩いていく頬に当たる風の冷気も心地良く感じるきっと心が暖かいからだ「長、ゆっくり話せましたか?」胸元の長の証を握り締めて心の中で呟く『不思議なものだな・・・大人になった私が二人にお会いできるなど夢にも思っていなかった』「俺のイメージ通りのお二人だった聡明でいて慈悲深い帝と妃ただ、あんなにお若い方だとは思わなかった」『智が思っているよりは年を取ってるぞ(笑)』「そうなの?」『ああ・・・私が知らな
片付けをして外に出たのが5時前茜色に空が染まり始め夕暮れが近い事を告げる「だいぶ日が長くなって来たね」「ええ、まだ明るいですもんね」ほんのひと月前まで(工房に帰る頃)瑠璃の空が広がってた公園を抜けてコインパーキングに向かう翔さんが立ち止まって声を上げた「いい匂いがする」食べ物の匂いはしないけど・・・立ち止まって一回転する翔さんが可笑しそうに笑う「あ・・・こっちからするかも・・・」公園に植えられてる木・・・蝋を塗った様な鈍い艶が
父ちゃんの笑い声が聴こえる翔さんの笑い声は・・・小さい・・・それは僕のせいだよね・・・「大丈夫?」母ちゃんが僕の背中を軽く叩いた「この場所で話したい・・・呼んできて貰っても良い?」自分の家のリビングなのに入って行く勇気が出ないこの場所なら・・・ゆっくり話せる気がするから「う~ん・・・顔を出して挨拶をしてからそこは間違ったらダメよ」こういう時の母ちゃんは厳しい甘やかしてはくれない「分かった・・・」「お父さんも私もいる
早めに風呂に入り冷凍室から最高の料理を取り出し電子レンジで『チン』をして冷えたビールでディナーを頂いたどれも貴方が作った物欲を言ってはいけないが目の前に貴方がいてくれたらと思ってしまうでも、食べてる時は目の前に貴方の笑顔があるこれを作ってる貴方を見てたからすべての料理は俺の為考えたらこんな幸せな奴はいない時計が21時を回った頃には片付けも済ませ寝室に向かう寝る訳ではない音楽を聴きながら資料に目を通すいつ電話が有ってもいいように携帯は手の届くところ電池
暁の長は一代限りそれを考えると耀の一族当主が背負うものは俺よりもはるかに重いと思う一族を絶やさない為にあらゆることを想定し準備は怠ってはいないだろうだが、暁の長と恋仲になるとは想定外だったはずさて、どんな手を打ってくるかこちらは見守るしかないのだが・・・「長、おはようございます入っても宜しいでしょうか?」廊下から綾野君の声「おはよう、どうぞ」襖をゆっくりと引いて笑みを浮かべた綾野君が中に入ってくる離れでの食事は大概二人で頂くことにしてい