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日本に帰国することを決めた俺達は住む場所を探すところから始めた貴方は俺の実家に遠慮して東京に帰ることを頑なに拒んだ弟が事業を継ぐことになってはいるがまだ、櫻井家の跡取りは俺・・・父は首を縦に振ることはなかった勘当されても良しと思ってた俺を嗜め智君が父と話し合い同居だけは認めてくれた(まさに渋々)俺の知らない取り決めが多いことは後で知った二人で暮らす家は貴方の実家に近いのどかな田園風景が広がる仏蘭西のアトリエに似た景色の場所貴方はそこに有名な建築家に依頼し
頂いた珈琲(アイス)を飲んですぐ後部座席に座った画伯の寝息が聞こえてきた「ふふ・・・寝ちゃったな」ハンドルを握る翔兄がミラー越しに画伯を確認して愛おし気な眼差しを向けた人はここまで変われるのかな?と思いながら自分の事を顧みた考えたら、俺も相当冷徹な人間だったそれを変えたのが智君だ・・・「寝顔も愛しいって事でしょ?」「当然、どんな顔も愛おしい寝顔って無防備だろ俺の隣でスヤスヤ寝てる顔見てると愛しくて愛しくて」「翔兄・・・蜂蜜よりも甘い
欧羅巴には古城や宮殿が多いためなのか不思議な伝説や幽霊話には事欠かないそう言う類のものは全くの苦手な為そこに行くことを極力避けていたのも事実まさか、こんな長閑な場所で?俄かに信じられなくてどこかにマジックの種はないかと探し回る「う~ん・・・どこも変わった所はない・・・」もしかして、起きたまま夢を見てたのか?仕事の疲れ?瞼を閉じて、その上から指先で軽く揉んだ「これは夢なのかはたまた・・・なに?」人と言うのは受け入れられない事はどうしても言葉に出て
親父と話した後、母の所に向かった母は庭先で画伯がスケッチしているのを眺めていた「母さん」後ろから声を掛けるとゆっくり振り返り優しい笑みを浮かべる少し痩せたような気がする「翔・・・お帰りなさい・・・それで・・・お話はお済になったの?」「はい・・・親父との話は済みました」済んだと言うか・・・強制的に終わったと言うか・・・まだ何も解決はしてはいない「そう・・・それで・・・もう帰るの?」少し淋しそうな表情を浮かべて視
じりじりと照り付ける太陽庭の樹々の葉の隙間から陽の光が零れ落ちて風に揺れるまるで眩く輝く光のシャワーみたいだそれに合わせて鳴きだす蝉それだけで汗が出てくる気がするこんな暑い日が続くと思いだすのは彼奴と初めて花火を見に行った日の事やたら豪華な船でクルージングしながら花火を見る当日まで秘密にしておいて驚かせるつもりだったようだけど俺が女だったとしても喜ばない(キッパリ)絶対引くだろ(あんなクソ高い船)海の上の高級ホテルって形容がピッタリだったセレブって奴はって思ったけど
紅玉からの帰り道運転席には俺が座った後部座席に並んで座る二人「翔兄・・・あの方々は一体何者?」ずっと疑問に思ってた事を口にするとこめかみ辺りを指先で触りながら苦笑いを浮かべた翔兄(ミラー越しに見える)「どう表現すればいい?」画伯さんに顔を寄せて確かめてる「そのまま言えば良いんじゃないチーフは妖精、蒼ちゃんはエルフ大ちゃんは神様」どこのおとぎの国の話?揶揄われてるような気がして大きく咳払いをする「ううん・・・おとぎ話の世界じゃ
国費で留学が出来る人は限られている何の伝手もなく、夢を諦める人の方が多い仏蘭西に渡るまでの智君の姿を見て色々と考えさせられたあの人は留学の為の費用を全て自分で用意した(渡航費だけは学校から出して頂いたが)決して、櫻井家の支援を受けようとはしなかった学校に通わせて貰っただけで十分だと首を縦に振ることはなかったあの頑なさには、父も苦笑いを浮かべてたそもそも、父が認めた才能留学費用も支援するつもりでいたようだ父へのお礼のつもりで出展した絵が最高の賞を頂きやっと恩返しがで
仏蘭西に渡る時も、日本に帰国した時も結構高いハードルを飛び越えた向こうに行くときはまだ恋人と呼べる存在ではなかった書生の肩書が取れるまでは関係を深める気持ちにはなれなかったからだ美術学校に在学中、留学試験に挑むため書生を辞して先生の家に間借りした先生の助手とカフェのアルバイトで向こうでの生活費を貯め先生の推薦もあり仏蘭西に留学をさせて貰えることになったそれを機に翔君も以前立ち上げていた事業を再開したいと親を説き伏せ仏蘭西に渡った向こうでの生活は決して楽ではなっかたけ
着替えを済ませて玄関に行くと画伯がTシャツに丈の短いパンツ足は靴ではなくビーサン姿で立って真っ青な空を眺めて「今日も暑い一日になりそうだ」そう言って帽子をかぶった翔兄よりも年上だと聞いてるけどどこからどう見ても俺より年下に見える今から都内に向かうのにそのスタイル?いくらなんでもラフ過ぎないか「あの・・・その姿で紅玉という店に行くんですか?」「そうだけど何か拙い?」言ってる意味が分からないって顔をする「お願いに伺うので・・・普通はちゃん
『華やかな場所は苦手』と社交的な場に出る事も殆どなく誕生日もまともに祝わせてくれなかったここに来て、思いっきりお祝いできるって事でしょ?それに準備はして頂ける一石二鳥の申し出だからこの際、来る人達がどこの誰かは問題なさそうだ何か有った時は、松岡財閥に言えばいいだけの話きっと、それが一番彼等には困るだろうさて、誕生日の贈り物を何にするかだ・・・それが一番の難題欧州では婚姻の際、互いに指輪を交換する事が慣習化されている日本でも結婚指輪を交わす夫婦もあることはあ
翔兄に案内されたアンティークショップ明治時代に建てられた洋館らしい外観から見て骨董店だとは気が付かないしかしお洒落な洋館だと思う入り口の扉の横に真新しいプレートらしきものが掛けてある『(有)智翔旅行社分室』その下にチラシサイズのポスター?が三種類並んで貼ってある「骨董店なのに旅行社?」どうやったら繋がるのかが理解できないまあ、花火を見る為となれば旅行社も必要なの?「つべこべ言わずに入るの」翔兄に背中を押され扉を開けようとしたら中から開いた
海岸線を縫うように走る道路沿いにお洒落な洋館そこが気紛れなパン屋さんらしい中に入ると焼き立てのパンの匂いだけど・・・誰もいない(普通誰かいるでしょ)「おはよう!取りに来たよ」厨房に向かって叫ぶ画伯「おそようございますの間違いじゃねえの(笑)」くすくす笑いながら、全く急ぐ様子もない頭に手拭いを撒いた店員が出てきた「仕方ないよ、サクちゃんがお寝坊さんだったんだから」俺が原因?「サクちゃんって、その身なりの良い人?」「そう夏なのにビシ
庭から広間に戻ってお茶を淹れた時テラスの外に人が立ってたここが日本だと忘れてしまいそうなほど美しい金色の髪と蒼い目の美青年俺よりもかなり若い気がするどこから入り込んできたんだろう?視線を合わせているのに動じる事もなく人懐っこい笑みを浮かべて中に入っても良い?って顔をする普通、自分の家の庭に見知らぬ人が立って居たら警戒するし慌てるはずなのだが(翔なら箒とか持ち出して構えそう)全くの違和感を感じないのだまるで彼こそが、この庭の真の主みたいな錯覚を起こすゆっくり立
健太君を寝かし付けてるうちに僕もそのまま寝てしまった翔さんが部屋に入って来たのは微かに記憶に有る『お休みのkissね、おやすみなさい』って言ったような気がした(寝惚けてたのかな)健太君が僕の横でクスクス笑ってる声で目を覚ました「どうかしたの?」「ふふ、しょうおにいちゃんぐっすりさん」僕の耳元で小さな声で教えてくれるどうやら、ほっぺを触ってたらしい全然起きないからそれが可笑しかったのかな「遅くまで飲んでたのかもね」「きっと、とうちゃんとだね」
『翔くんの、良い話って……?』結局軽い感じのカフェバーに落ち着いた。「うん、俺たちソロのコンサートをやらないか?って言われたんだよ。」『えっ!ソロの❓』智君は、びっくりしてちょっと嬉しそうな表情になった。『本当に❓誰に言われたの?』思わず前のめりになって、テーブルの俺の手を掴んだ。智君の顔を見ていたら……さっきのこと、思い出した。・゜゜○o。.。・゜゜駐車場で智君が珍しくキスを求めてきた。勿論応じるさ。だけど……『ごめん…嘘…』って言われて「どうしたの?」
春の花探しに忙しい分室チーフさとち平日は助手のお兄ちゃんが仕事の為紅玉さんの見習い店員(邪魔してるだけ)をしている朝から蒼い空が広がってお外に行きたくてうずうずしてるさとち入り口のドアを開けて何度も顔を出す「どうしました?」落ち着きのない様子のさとちに声を掛ける和也「おおちゃん・・・まだかなぁ・・・」「大ちゃんが来るの?」そんな話は聞いていないと首を傾げる「うん・・・たぶん・・・」お店の外の街路樹の辛夷ちゃんに用件を伝えて
僕のドラマが終わる頃、智君の公開舞台稽古があった。思ったとおりだった。もう、俺に甘える彼はどこにもいない。全く知らない表情の彼がいたすごく近くて遠い人大野智は、簡単に変身を遂げる。彼の眼には俺は映らない寂しい……智君が遠くに行っちゃったみたい。更に俺を悩ましたのは、この妖艶なポスターだ。この舞台が始まる前には、すでに彼の色気は評判になった。このポスターは、会場に使うだけで販売はなくなった。智君の舞台は成功してほしいだけど…舞台の座長をやるたびに、彼との距離を感じて、心が
センゴクプーは、ついに当日券も長蛇の列になり、抽選になったらしい。東京の人だけではない、新幹線を乗り継いだり、出演してない劇団の人すら並ばされているという。そんなある夜智君から電話が入った「もし、もし。」あれ?智君の声じゃない「櫻井さんの携帯ですか?私は発砲B-zinの●藤です。突然すみません」「あ、はい。(なぜ智君の携帯を?)」「実は、大野くんと我々が飲んでいたのですが、彼が酔いつぶれてしまって、櫻井さんを呼んで欲しいと言ってるんです」「さ、智君がっ?わかりました。場所はどこで
山査子の可愛らしい白い花が風に揺れるのが見えた芍薬の花も咲き始め階段の窓から見える庭は一番華やかな季節を迎えている「おはよう」階段の途中で座り込んでる俺のとなりに座ったお前がにっこり笑う「おはよう」「昨日遅くまで描いてたの?本を読んで待ってたらいつの間にか寝てて・・・』ごめんねって顔をする「なかなか思い通りの色が出なくてちょっと遅くなった部屋に戻ったら顔の上に本が乗ってたよ(笑)」「やっぱり(笑)・・・睡魔には勝てなか
異世界と遠い過去に跳ぶ班を無事送り出しほっと肩の荷を下ろす副チーフ広間の扉をいったん閉めて休憩に入る「チーフ、まーくん、かずくん、じゅんくん疲れてない?」朝から一番頑張ってるのはチーフと妖精3人本来、ミステリーツアーなる物は列車やバスの旅が普通ただ扉をくぐり抜ける旅行など行った人はいない広間に集まった参加者は扉を見て少々不安に思うのは当然の事その不安を和らげてるのが妖精4人の愛らしさ「ちょっとつかれちゃかも」ずっと気が張ってるチーフ眉が下がり気味
風見鶏の二人を見送ったチーフちょっと淋しそうな表情をみせた「もちかちて、かんてらしゃんも、てんとうむちしゃんも?」一緒に花火を見て線香花火をしようと思ってたからがっかり感は半端ない「さとしくん、向こうでも沢山の人が待ってるよそれに線香花火はいつでもできるよ今度お店に行っても良い?」「うん、いいにきまっちぇる!」「その時は健太君も連れて行くね」「今回は烏帽子さん達にゆっくりして欲しいから画伯の提案で、ミステリーツアーに参加することになったんだ
扉を抜けて花火会場に向かう人達を見送りながら扉の向こうに広がる世界に想いを馳せるチーフ『だいじょうぶなの、ようしぇいしゃんがついてるからきっときれいなはなびみれるね』副チーフの袖を掴んだままニッコリ笑う「そうだね、チーフがお話した妖精さんがいるからね」2人で見習いに行った時はまだ、たどたどしかった点呼も今は立派に熟してる大ちゃんや蒼ちゃん、みんながこの子を育ててるんだと実感する蒼い瞳の心優しい妖精は純真無垢のまま成長していく「次はラナンキュラスの妖
あの楽しい朝食から、二人きりで、どこかへ行くことがなくなってしまった。俺には「よいこの味方」っていうドラマの仕事があって、収録も終わりを迎えていたけど、それなりに忙しい日々を送っていた。嵐にも個人的な仕事も増えて、メンバーに会うこともなく、何となく忙しい日々を送っていた。ある朝のことだった、新聞の隅に「嵐・大野智グローブ座」という記事を見た。えっ?これ、どういうこと?聞いてないよ……心がざわついた。それから数日後テレビ局の楽屋で、その話題になった。智君に舞台の仕事が入ると、彼
扉の向こうが気になる妖精3人どうやったら通れるのかを相談中それを見ていた風っ子貸衣装の次男君がくすくす笑って声を掛ける「もしかして通りたいの?」「う~ん・・・もどっちぇこれるの?」難しい顔をして腕を組むかずくん「ちょっとこわいかも」ま~君が少しだけ不安げな顔をする「でも、いっちぇみたいね」じゅん君は好奇心旺盛な瞳をキラキラさせる「ふふ・・・もう少し大きくなってからかなそこの金髪のお兄さんが良いって言ったら通れると思うけど君達にはこの扉必要ない
ブルーデイジー班も江戸時代の京への旅櫻花さんが早々に広間に姿を現した「お二人で花火が見れなくて残念ですね」副チーフが申し訳なさそうな顔をする「花火大会が見れないからと言って花火が出来ない訳ではないでしょ?戻ってから二人でする線香花火も楽しいですよあの人、人混みが苦手だから(笑)」全く気にも留めていない様子で満面の笑みを浮かべてるこの二人の関係性よく分からないけどきっと、根っこの部分が繋がっているのかもしれない(蒼ちゃんと緋~ちゃんみたいに)そう
鮫ちゃんとか蒼ちゃんとか・・・言われても分からない間の抜けた顔をしてると画伯さんがクスクス笑う「鮫ちゃん、知らなかったっけ?」翔兄に向かって聞いてるのか俺に聞いてるのか分からないけどフニャフニャっとした笑みが場の空気をいっそう和らげて行くような気がした「鮫ちゃんとは?」聞いた事もない相手「鮫ちゃんは鮫島グループの会長」鮫島グループの名前は知っているが会長には逢った事もない「存じ上げないです」「そうか・・・夏フェスに出てないから知ら
車から降りて玄関に着いた頃から明らかに様子がおかしい・・・顔が強張った感じに見えたスーパーで食材を購入してる時もずっと笑顔で俺のリクエストに応える為の食材選びを喜んでしてくれてたからこっちは舞い上がるばかり緩んでた顔がいっそう緩んでたと思う何か気に障ることしたのか?車から玄関までの自分の行動を振り返る買物をした荷物は全部持ってる(これがいけないのか?)お互い笑顔で話しながら歩いてきたどう考えても思い当たる節がないのだそれでも・・・表情一つでザワザワする
電話室と書かれたプレートが下がった部屋に入るこの部屋を利用するのはほぼ一人屋敷表での名は榎本径暁の一族の長である電話室の中には寝転がれるほどのソファーそれもかなり上等なソファーが置いてある綾野君の計らいだ(大概長電話になるから)電話機はこの屋敷に見合うようにレトロな電話機が置いてあるアンティークの電話機を置いた理由がイマイチわからないがこの屋敷に相応しいかと言われれば相応しいというしかない受話器を取ってダイヤルを回していく(最近の子は使い方すら知らないはず)コー
樹々に止まった蝉が今を盛りに大合唱紅玉の回りには樹々が多いからどこよりも合唱は賑やかである住人は寝不足になりそうだが(笑)元気の良いお日様が東の空に昇るといつものように着替えを済ませて副チーフ部屋(客間)に向かうチーフ最近の流行りは副チーフが寝ているフカフカのベッドにダイブするのがお気に入り(どうやら小さい頃の事を思い出したらしい)「おにいちゃ~んおはようごじゃいます!」布団の上から乗っかってお兄ちゃんの頬をペチペチと叩く眠い所を起こされれば不機嫌になるのが常
何やらお土産を手にご満悦の表情で帰ってきたチーフ「ただいまかえりまちた!」帰宅の挨拶も元気いっぱいの明るい声その後ろからペガサスの羽を付けたお兄ちゃんが続く「ただいま帰りました」帰りを待ちわびていた和さんが明るい表情になり二人を迎え入れる「お帰りなさい」笑顔で答えたあと奥に向かって二人が戻った事を大きな声で伝えるその声を聴いて慌てて飛び出して来たのは助手2「チーフ、お帰りなさい暑かったでしょ?今、蒼ちゃんがアイスティー(お花の)を入れてくれ