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な、なんで、ひ、ひつじが?「どうしてだろうねぇ、」だけど、俺の独り言に返事をしながら耳を甘噛みするのは、まぎれもなく俺の知ってるひつじの唇。「やっ・・あ・・ん・・」そこ、ダメだから、感じる・・声が漏れる・・「ダメじゃないよね。夕べのこと覚えてないんだ。」「ゆう・・べ」びくっと体が固まる。俺は・・ベッドで服を脱がされて・・首筋を・・舌で・・からだを唇が・・気持ちよくって・・もうこのままでいいって・・されるま
切れなくて長いです。ようやく・・あ、ああ・・思い出した。濃いイケメンの彼女でもいいかなぁとは思ったけど、いきなりこんなことされるのは心外だって抵抗したんだ。でも、ひつじはもう、俺とは会ってくれないんだって思ったら悲しくてあの時、俺にいった言葉は嘘だったんだって。ううん、最初から俺とは縁のない人だったんだってそしたらさ、すべてが嫌になって・・この人に抱かれたら忘れられるんじゃないかって。この人のものになろうって思い始めたんだ。「ご、ごめん
9暗い部屋、大きなベッドの上・・首筋をゆっくりと這うように温かなものが蠢く。耳朶にたどり着くと、さらにゆっくりと味わうような動きに変わる。「はぁ・・ン・・」両側から引き下ろされたシャツが腕を拘束するように絡んでいるから、身動きできない。執拗に耳を攻められて、我慢できずに声が漏れる。カチャカチャと、音がしてズボンのベルトが外されると、するっと下着ごと下ろされた。あぁ・・・きっと息子がむくむくしてる
「大野、大野、おおの!」「わっ、びっくりした・・なんだよ、心臓が止まるだろ。その前に電話が壊れるって。」俺は落とした受話器を拾いながら、岡田を睨む。「大野が悪いんだぜ。俺が呼んでるのに受話器を持って寝てるから。」寝てないわ。ショックで固まってただけだ。しかし、そんな俺の言葉を無視した岡田は、ニヤニヤしながら、ドアを指さした。そこには、相変らずの濃い顔のイケメンがポーズを決めて立っている。「松本君?」「久しぶりです、大野さ
2行く先など全く考えていなかった。ただ、やみくもに夜の街へ車を走らせていた。高速道路に乗ったのは、ほんの気まぐれだった。途中のサービスエリアで休憩を取っている時に誰かの視線を感じたが、イライラしていた俺は、それに気が付かず、そのまま車に乗り込んだ。煽られている?気付いたのは、走り始めて5分も経たないうちだった。ピッタリと張り付くように追従する黒いワゴン車。車線を変更しても離れない。スピードを落とせば、同じように落とす。不味い・・前に入られたら
智迎えに行くと翔が言ってくれたから僕は、最寄り駅に来てとお願いした。そこは、大きなターミナル駅じゃない。私鉄だけの小さな駅。夕方のラッシュはピークを越えたとは思うけど、大きな駅じゃ僕はきっと翔を見つけられないって思ったから。でも、翔の車を見た途端、これならどこだってわかると思った。それくらい見かけない車だった。翔がお金持ちなんだって、またおもい知って悲しくなる。きっと有名店でご飯食べようっていうだろうから、先にハンバーガー
歌い終わると、5人並んだその真ん中で貴方が大きな声で挨拶をした。皆が一斉に頭を下げるのを映しながら、カメラが引いていく。「終了です」ADさんの合図でふぅ~っと緊張が解けて。5人で顔を見合わせて、小さく頷くと、今度は来た通路をバタバタとせわしなく走って戻る。「応援、ありがとう。気を付けて帰って。俺たちはまだまだ、頑張るから。一緒に楽しんでいこう。」カメラは止まったけど、ファンがいるからさ。俺は大きく手を振りながら、一番最後にステージを
9月も終わりが近い、土曜の午後。俺はキャリーバッグをドンとホームにおろした。新幹線から乗り継いだ普通列車は、冷房が効いていたから降りた途端に汗が噴き出た。「あち~。はぁ~。いくら夏だっていっても、もう9月も終わりだろう。」まぁ、内陸で盆地だから、暑いとは思っていたけど、東京よりもかなり蒸し暑い。俺は、悪態をついてから、改札のすぐ横にキャリーバッグを置いて、スマートフォンに、住所を入力する。「ヤバ・・」目的の場所は、歩
智18まさか、翔が見え透いた嘘を口にするとは思わなかった。僕は、もうあきらめていたんだ。だから、あの日のことはいい思い出だよっていわれればそれで納得?ううん、納得はしなくても、付きまとったりしないのに。翔は僕から離れさせようとした。僕に愛想をつかされるような酷いことしたって嘘をついてまで・・そんなに僕はしつこい人間に思われていたんだろうか?男に好かれたことがそんなにも嫌悪することだったんだ。まぁ普通なんだろうけど・・・恋人もいるんだし・
この話は記者会見後から設定です。「翔くん、電話、ありがと。」「うん?ああ、気にしないで。当然なことだからさ。大野さん」活動休止発表後、初めての生放送の日久しぶりに俺が一番乗りした楽屋に、貴方が入って来た。俺を見るなり、頭を下げる。「あの記者会見の日の電話。俺が必ずフォローするからって、翔くんだから言える言葉・・凄く心強かったよ。インタビューも見てた。俺のことあんな風に思っていてくれたんだ。嬉しかった・・」「いや、俺の本心だから
すっと右腕が伸びてきて、俺の左腕を掴んで、部屋に引きこむ。後ろの戸が、静かに閉められて、ガチャと、鍵の係る音。「あれっ・・・」振り返る俺の視界が、90度横になる。と、ひつじにお姫様ダッコされていた。ずんずんと、奥に進んでいくひつじ。ガサッと布団がまくられると、フワリと俺はそこに寝かされていた。「ひ、ひつ・・」「黙って」ひつじが、俺の頭の両脇に手をついて、じっとみつけている。その目は真剣で、俺は恥ずかしくて、目が泳ぐ。何か言ってよ、ひつじ・
12紅嵐先生はずっと弟子は取っていなかったらしい。でも、昨年から智の助言で受け入れることにしたって智がおしえてくれた。「僕が、ここにいて手伝えばよかったんだけど・・母さん一人で大変だったから。だから父さんに弟子を取りなよって・・。」風呂上がり、缶ビールを片手に俺は、智と一緒に客間でくつろいでいた。「お母さんは何をしていたの?」「ここの経営、一切だよ。もちろん、主婦の仕事もね」「そりゃ、大変だね。素人じゃできないだろう」巨匠といわれる先生だ
10紅嵐先生は、俺でも名前を知っているくらい有名な陶芸家だ。先日、都内で個展を開き大盛況だった。だから、たしか、これから全国各地を回って開催する計画だって聞いたような・・・しかし、先生に息子がいて、おまけに俺と同世代だとは、知らなかった。智は、小柄で華奢で、先生とは全然似ていなかった。だが、先生と同じで温和で優しかった。何処の馬の骨かもわからない俺に同情してくれると、記憶が戻るまで遠慮なくここにいて構わないからと、ニッコリと笑った。「ありが
ベッドまで行くと、端に座った。ひつじは黙ってついてきて、にやりと笑う。「ここで・・」「ここで?」「横になって・・・」「なって?」いちいち確認してくるひつじ。俺を見る目がきらりと光ったような気がした。む~・・仕方なくベッドの左端に寝てみる。この位置がどうかはよくわからないけど。寝ていたことはたしか・・「黙っていたらわからないし。その先は?早く。」仰向けで、固まっていたら早くとせかされた。さ、再現ってこの先も・・・するの?
「こいつだよ。大野智。」博さんがアルバムから抜き出した1枚の写真。そこに写っていたのは俺の想像していたドジで頼りなくていつも困った顔をしている地味な男性・・・・ではなかった。博さんの横で恥ずかしそうに微笑んむ、細身で小柄な綺麗な人。なんか、儚い感じに妙にひかれる。俺は、おもわずその写真に見入っていた。「綺麗だろ。男に綺麗もないけどな。」写真を持ったまま動ない俺に、博さんが、独り言みたいにつぶやく。「翔、もうわ
「はぁ・・はぁ・はぁ・・」また、やっちゃった・・指で弄ばれただけなのに、俺、どこまで盛ってるんだ。我慢できない体が恥ずかしい・・でも、今は・・肩で大きく息をする俺を、じっと見つめるひつじ。「ご、ごめんなさい、汚しちゃって。でも、ひつじ・・がし、しょうが・・やめ・・てっていったのに・・聞いてくれない・・・から。いじわる・・だ。」俺は少しむくれた顔で抗議する。だって、俺は悪くないって最初にいったくせに、その直後にお仕置きだって・・
冠番組の冒頭に、急な報告へのお詫びと、今後の活動についての応援の依頼を皆でする。そんな日々も、もう終わり。日常?が戻ってきた。でも、違う・・・。∞から有限。やたらと、5人でいることが増えた。5人でのインタビュー、グラビア撮影、ライブ。特に記念イベントの打ち合わせが多い。5人で考えて、ファンに感謝を伝えようって、そう決めたから。今日も記念の展覧会の打ち合わせ。普段は俺と松潤が仕切る話し合いも、今日は貴方も意見が出てくる。何しろ、2回も開催し
な、なに?笑ってる?恥ずかしい・・「あ、あの、僕に何か用事ですか?」声が段々小さくなる。咬まないように・・・気をつけて・・「ああ、すみません。4月4日の表彰式ですが、事前に少し動きなどを確認しますので・・」リハーサルの連絡だった。1時間ほど前に会場入りして、どんなふうにステージに上がり、どんなふうに受け取るとかを練習するらしい。「そんな、大掛かりなんですか?」全く何も考えてなかったよ。単純にひつじに会えるって喜んでいた
「何も言うなって、さっき釘を刺したよな、泳。」「セ、先輩・・」「翔・・」ひつじが俺の後ろから、目のまえに置かれお茶を取りあげると、ごくごくと半分ほどに飲み干した。「ひつ・・しょう・・」思わぬ展開に俺は言葉が出てこない。「まったく余分なことを・・すべてお前らの推察だろう。そんなことをペラペラと」「櫻井先輩、さっき言ったとおり、知日は渡しません。俺のものだ。貴方には、大野さんがいるのだから。行こう、知日君。」桃田泳が知日の腰
「はい!カット!」「本日の撮影はこれで終了です。」「お疲れ様。」「お疲れ様です。」「お疲れさん」俺は監督や共演者らに、満面の笑顔で挨拶を返しながら、スタジオを後にした。俺の名は櫻井翔。芸名はない。本名で仕事をしている。この名前が気に入っているからな。芝居、司会、レポーター。マルチにこなす人気タレント。昨年主演したベストセラー小説が原作のミステリーコメディ「謎解きはウインクの後で」の毒舌執事役
ご注意これは、誘惑とは全く違うくくりで書いています。別なお話ですので、関連はありません。記者会見の日からしばらくは、ワイドショーで過去映像とともに取り上げられたり、雑誌にもよく載ったけれど、それもようやく静かになった。しかし、期限が切られたことにより、大規模なイベント的な仕事が入ってきていた。個々の仕事やルーチンの仕事はもちろんそのままで。普段にも増して、俺たちは忙しい。でも、相変らず貴方は個人の仕事は一切受けないから、誰よりも時間が
壊れたパソコンは直せないので、今日新しいのを買おうかと思います。(仕方ないですよね、以前のものは息子がアキバで買った中古パソコンをカスタマイズしたものだったので、今回は新品にします。)で、しばらく、スマホで書こうかと、うまく書けないので間違いがさらに多くなると思いますが、御了承願います。「やっぱり、翔さんの目は、確かだな。」濃い顔のイケメンが、鏡に写った顔をまじまじと見つめる。誰これ?いや、俺だよ。イケメン
「人を待っていた。まさか貴方が来るとは思っていなかったから。焦って隠れたんだ。」ぼそぼそっとひつじらしくない言い方。別に、声くらいかけてくれても・・あっ、そうか彼女と待ち合わせしてたんだ。俺、なんて間が悪いんだろう。おまけに察しが悪すぎる・・ひつじがはきはきしないはず。あ~自分で自分が嫌になる・・最低だ・・・人の恋路を邪魔する奴は・・ってことだよ。うん?邪魔する奴は・・蟻地獄に落ちるだったけ?鬼に追われるだっけ?「馬に蹴られて死んじまえとか、犬に食われてしまえ・
翔17「わしは先に帰る。だが、この結果はかならず報告するんだ。智に何かあったら、ただではすまさんといったこと、忘れるな、櫻井翔。櫻井のやつは絶対信用しない」財前教授は、威嚇するように捨て台詞を残して店から出て行った。一人、グラスを傾けながら、不安は広がっていく。「翔・・」智の呼ぶ声が聞こえた気がした。はっと、顔上げて振り返るとドアの前に智が俺をみつめていた。俺の渡した花束が背負った鞄から覗いている。打ち上げ
智14花束を抱えて、急いで楽屋に戻ると、案の定、ニノは待っていた。「遅かったですね、トイレ。混んでましたか?」分かっているくせに嫌みを言う。でも、待っていてくれた。本当は優しいんだよね。「ごめんね。ふふ、ニノありがとう。」「あんた、何をそんなに嬉しそうなの?俺は怒ってるんだよ。まったく手がかかるんだから。さっ、早く、走るよ。」「ちょっ、ちょっと待って。ニノ~。」僕らは、鞄を掴んで楽屋を飛び
9翌日、翔君はリハビリに通っている病院で診察を受け、怪我は酷い打撲と診断された。脱臼や骨折はなかったけど、打撲の程度が酷く、内出血も広範囲にわたっていたので、しばらくは左腕を安静にと診断された。痛みもしばらくはあるからと鎮痛剤も処方された。痛み止めを飲まないと我慢できない痛みは1週間ほどで収まったようだったけど、その後も、その場所に何かが触れると翔君は顔をしかめた。それでも、タイトな期日の仕事に追われて、ゆっくりと休むこともままならない翔君は、夜遅くまで働
黙り込んだ俺から視線を反らすと、貴方は椅子から立ち上がった。「そんなの覚えてないか・・・だいいちさ、いい歳したおっさんを、智くんなんて呼べないよね。」「えっ・・・」貴方はつぶやくと、横のテーブルに置いた自分の小さな鞄を掴むと部屋を出ていった。一人会議室に残された俺は、さっきまで貴方が見ていた写真を手に取った。5人でポーズをとって、嬉しそうに笑った写真。いつものグラビア撮影の笑い顔じゃない、ほんとの笑顔。たった、5年しか経っていないけれど、
12「ン・・ぁ」いきなりの刺激に変な声が漏れる。「ねぇ、俺に会いたかった?」耳元で話されるたびに息がかかってその刺激に全身がぴくっと震える。抱かれた肩からひつじの熱が伝わりそこから体中が熱くなる。決して風呂に入っているからじゃない。だって俺は露天風呂から立ち上げっているから。あの夜のように、のぼせはしない・・と思う。だけど、問題なのは俺の息子。むくむくと存在を主張し始めている。お湯に隠れているけど、ひつじの太ももに当たりそう。「そ、
新年なので、ちょっと甘い(コメディ?)話で・・・1「はあ~。終わったぁ~。」俺は、大きく腕を伸ばし、首を曲げて肩をほぐす。12月30日21時00分大晦日まであと3時間。年明け納期の仕事がようやく終わった。「大野君、お疲れさん。悪かったな、担当の岡田君の代わりを頼んで。」所長も同じように大きく伸びをしてから、俺に頭を下げた。「あ、気にしないでください。俺は、帰省もしないし、子供もいないから。」俺の実家は同じ都内にある。帰るにしても電
最終話目が覚めたら、辺りは明るかった。昨夜僕が海をみたベランダの窓は半分カーテンが開けられていて、そこから眩しい光が差し込んでいた。とても良い天気。ベッドから起き上がろうとしたら、ズンと腰が重くて・・後ろがなんか違和感で・・あっ・僕は昨夜・・翔君と・・思い出すとずいぶん恥ずかしいことをしたような気がする。でも、嬉しくて。いますぐ翔君に抱きつきたいって思った。今までの僕では考えられない・・衝動に驚いた。翔君のものに