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最近、中国語のネット上で上海開放大学の教授である鮑鵬山氏の講演が話題となっている。鮑氏は、中国共産党による12年間の国語教育が生徒に何も教えていないとして、「金を巻き上げ、命をも危険にさらす」と強く批判している。具体的な時期は明らかにされていないが、鮑教授は講演中に自分の息子の教科書と自分の父親が使っていた教科書の比較をした。現在の小学校の教科書には、小さな雄鶏や白い兎、大きなスイカ、小さなゴマなどの動物や植物の話ばかりで、これでは文化を学ぶことにはならないと直言している。
古典の本文を黒板に写す。昔から継がれてきた授業の方法だ。でも、今は、プロジェクターという文明の利器がある。教科書の指導書に、原文がデータ化されたCD-Rが付属しているので、それをPowerPointに貼り付ける。これを黒板に映し出せば良い。この方法なら、電子黒板やスクリーン、ホワイトボードがない教室でも、移動式プロジェクターさえあれば大丈夫だ。既存のソフトよりも、PowerPointなら自分の好きなように字の大きさを変えられるし、適宜画像も取り組めるし、カスタマイズし
大学入学共通テストから記述式が消えた。つまり、全問マーク式になる。それが、従来のセンター試験と同じ問題に戻る、という意味ではないと思う。記述式を撤回しただけで、出題内容を撤回したわけではない。河合塾のこちらのサイトを参考されたい。↓「大学入学共通テスト」とは?(河合塾Kei-Net)昨日のブログでも少し触れた、内容一致問題は「必ず」「常に」などの100%断言の選択肢は消す、といったチープなテクニックは通用しない。国語のみならず、どの教科においても文章量が多く、読ん
思考力・判断力・表現力。新しい学力観として求められる力。だけど、その前に当然知識が必要である。そのことは、新学習指導要領にも書かれている。知識偏重を見直すといっても、知識を軽視するわけではない。知識もないのに、思考力・判断力・表現力などあり得ない。思考力・判断力・表現力を発揮しようと思えば、まずは言葉を知らなければいけない。語彙力が不足していると、考えることができないし、考えたことを表現することができない。それから、表現するためには、文章の「型」というものを知っておかねばならな
フォロワーの方からコメントをいただきまして、「国語で苦労している子供達は多いですよね。本当に驚くほど多いです。他の科目に対して教え方が確立されてないのだと思います。。。『深く読め』と言われても紙の厚さは0.1mmもありませんし『行間を読め』と言われても行と行の間には空白しかないわけです。実際に正しく国語を教えられる指導者も非常に少ないように感じています。物語、説明文、随筆、詩の読み方を小学校でも教えてあげられるようになると良いなと思っています。先生、宜しくね(öᴗ<
三省堂『現代の国語』中学1年生(平成28年度版)に、大隅清治『クジラの飲み水』という説明的文章の教材がある。これは、説明文・評論文の典型的な段落構成になっている。私が授業で着目している点をまとめる。【第1段落序論】冒頭が「海には水が不足している。」と逆説的なひと言から始まる。クジラは哺乳類なので海水が飲めない。クジラにとって、海は飲み水が砂漠レベルの乏しい環境である。こういった意外性から切り込むのは、説明文・評論文のあるあるだ。そして、段落の最後に「いったいクジラはどのようにし
今日から、ひらがな練習のプリントを配布します※はじめに・できれば、濃い鉛筆(2B以上推薦)とソフト下敷きをお使いください。より詳しい説明はこちら・教科書の書体に近い子ども向けと、大人向けの書体の2種類を作っています。大人の方は、お好きな方をお使いください。・下に動画を載せています。見ながら取り組んでください。では、子ども向けから↓pdfはこちらすいプリNo.6「はる、さくら、のやま、つばめ」の書き方すいプリNo.7「はる、さくら、のやま、つばめ」の練習(A4
春学期開講の「現代日本語文法A」は、200名を超える過去最高の履修登録がありました。学生の期待に応えられるように張り切って毎週準備をして臨んでいます。この授業では教科書を指定しませんでした。文法というのは一つの事柄にも何通りのもの考え方があり得るものです。教科書を指定してしまうと、どうしてもその内容が「正しい文法」となり、学生たちはそれを覚えようとしてしまいます。私は学生たちに「覚える文法」ではなく、「考える文法」を学ぶ愉しみを知ってほしいと思い、教科書無しで、各テーマごとに文法学者の思考
こんにちは!うがいまさみです。11月から、本格的に日本語教師をしています。実際に教えてみて、思っていたこととだいぶ違うなーと思うことがたくさんありました。でも、実際にやれたことの意味は本当に大きくて。悩んているぐらいなら、やっちゃったほうがいいって、本当でした。そうは言いつつ、実はずっと日本語ネタを避けていたのですが(そんなこと書けるほど、全然実力無いしーって、ネガティブ思考でいました。。)さっき、子どもを寝かしつけながら、思い浮かんだことがあったので、書き留めておき
今日は久々に最近体験した面白い、不思議なお話をしますね。蟻に占拠された家今年に入ってからずっとあることに悩まされていました。台所やダイニングテーブルに蟻が出没すること。私はダイニングテーブルで仕事をしているのですが、パソコンで作業しているとキーボードの中を蟻が出たり入ったりしてる。何気なく後ろを振り返った時は必ず壁を蟻が歩いている。台所の食器棚にも毎日いる。最初は一匹ずつ逃がしていたのですが、だんだん数が増えていき、追い付かなくなりました。
創価大学文学部の専門科目「現代日本語文法A」に関連する話題の第2回です。前回は日本語母語話者が現代日本語文法を学習する意義について書きました。日本人にとって日本語の文法知識は必要か?本科目の受講者から日本語母語話者向けの現代日本語文法書を紹介してほしいとのリクエストがありました。本科目では教科書を指定していないため、自学自習に適した文法書を紹介してほしいとの趣旨です。以下に独断と偏見で何冊かを紹介します。少し年代的に古いものも含まれています。それらは最新の現代語の実態を反映して
Twitter上で公開されたものです。尾崎馨太郎「算数科における道徳指導」『小二教育技術』第5巻第4号(六、七月号の間の臨時増刊号、1952年6月10日発行)、70-8ページ。よく見つけたものだと思います。1952年に発表されたものですがその内容に驚きました。石原千秋さんは「秘伝中学入試国語読解法(新潮選書)」で「国語教育は道徳教育で」あると主張しました。わたしは「道徳教育」ではなく国語教育の目的は「日本語を使って子どもを日本人にする」ことだと考えています。という
筑摩書房の現代文Bの教科書所収、森岡正博『「自然を守る」ということ』。2700字余りの評論。これを2コマで終わらせた。1コマ目。副教材の問題集で、評論文の話題とキーワード、対立関係にあるものにマークする練習をした。それを踏まえて、『「自然を守る」ということ』にも同様のマーキングをするように指示。ストップウォッチでタイムを計りながら速読。単に早く読むだけでなく、鉛筆片手にマークをつける。マークをつけながら早く読む訓練。早く読み終わった生徒は、プリントの課題に取りかかる。何も
高校生から質問された。「『かかり』って、なんで「ラ変」なんですか?」ノートを見せてもらったら、品詞分解が書かれていて、「かかり」の右横に「連語・ラ変」の文字が。どうやら、板書で教員がそう書いたものの、説明がなかったらしい。その生徒には、中3のときに、私が、ラ変は「あり・をり・侍り・いまそかり」とくり返し唱えて覚えさせたから、「かかり」がラ変と言われてもピンとこなかったようだ。「指示語になる副詞『かく』にラ変の『あり』がくっついた『かくあり』が、縮まって『かかり』になったの