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この婚約に愛はない。真澄のかつての婚約者の紫織もそうだった。単なる政略結婚の道具だった。その事に嫌気をさした紫織が自ら破談を申し出たのだと、マヤは真澄から聞かされていた。紫織の時は大都の事業拡大が目的の政略結婚だった。だが、結局は真澄の手腕で鷹宮との合併などなくても、大都の野望は果たされた。だから真澄もあっさりと紫織との破談を受け容れたのだろう。そして真澄が次に狙ったのは紅天女・・・その上演権だ。故にその上演権の継承者であるマヤとの結婚を言い出したに違いない。そうでなければ、マ
こんにちは。今日も来て頂き、ありがとうございます!凄く嬉しいです♡♡♡♡♡今年度もスパイス大使(ハウス食品様×レシピブログ様のスパイスブログ認定)として、日々スパイスにむきあってお料理を作っています今月のお題はスパイスでお料理上手❤︎🎃かんたん&楽しい♪HAPPYハロウィンレシピ🎃❤︎おすすめスパイスは❤︎GABANナツメグ〈パウダー〉❤︎GABANカルダモン〈パウダー〉❤︎GABANポピー〈ホール〉&❤︎ハウススパイスクッキング〈スモーク風チキン〉今回はこのスパ
真夜中の執務室。上期の決算状況の報告書を読み終えた俺は席を立ち、部屋の大きな窓を見上げる。ビルとビルの間の空に丸い月が浮かんでいた。「満月・・・十五夜か?」こんな時間にこんな場所で独りで月見とは、風情のかけらもない。元々俺はそんな情緒を解する心など持ち合わせてなどいないのかもしれない。己の恋ひとつ、まともに遂げられない不器用な俺には、あの光に満たされた丸い月が眩しすぎた。「今夜はもう十六夜でございますわ。昨晩が十五夜でしたから。真澄様、お疲れでしょう?もうお帰りになられてはい
◇Prologue「真澄、お前に最後のチャンスをやろう・・・。」義父の英介が真澄に突きつけてきた条件・・・それは。「北島マヤをお前に惚れさせてみろ・・・。そして、紅天女の全てをその手中にするのだ。それができたなら、鷹宮との婚約は諦めてやる。ただし、期間は三ヶ月・・・その間にお前が、北島マヤを手に入れられなければ、お前は紫織さんと婚約し、結婚をするのだ。そうなればもう、お前には選択の余地はない。その時は、儂があの子にお前の秘密を明かしてやる・・・お前が二度と過去に逃げられないように
「おい、朝倉。マヤさんは、朝から何を難しい顔しておるんだ?」朝食の後、速水家のキッチンで腕組みをして唸っているマヤを遠巻きに眺めながら、ヒソヒソ会話をする義父の英介と執事の朝倉。朝倉に至っては、今やマヤの姑のようなものだ。「・・・御前は、ハロウィンなるものをご存知でいらっしゃいますか?」「朝倉・・・老いてもこの速水英介を馬鹿にするなよ。儂とてハロウィンくらい知っておるわ。」自信満々のシニカルな笑みを湛える英介に、朝倉が『ほう?』という顔をする。「・・・アメリカのカボチャの祭だ。」
『大都グループ速水真澄引責辞任!鷹宮財閥の事業提携中止と令嬢縁談破棄!』いつだってマスメディアの見出しは、聴衆の興味を掻き立てるように、無責任かつセンセーショナルに書かれる。そんな事は百も承知・・・それでもマヤは週刊誌の表紙を忸怩たる思いで握りしめて、破り捨てた。世間は何もわかっていない。速水真澄という男の本当の姿を。わかって欲しいとは思わないが、興味本位で真澄について有る事無い事を実しやかに書くのは許せない。だが、それを言ったところで仕方がない事も、マヤはよくわかっていた。マヤ
プラタナスの並木が黄金色に輝く舗道を二人で歩く。穏やかな昼下がり。こんな風にこの人と過ごせる日が来るなんて思いもしなかった。夢に見てはいたけれど・・・「久しぶりのオフなのに散歩でいいなんて、相変わらず君は欲がないな。」「速水さんはつまらないですか?」このオフは彼にとっても久しぶりのオフ。他にしたいことがあったのかもしれない。「いや。俺は君と一緒に過ごせるだけでいいんだ・・・君がリラックス出来るところが、俺にとっても安らげる場所なんだよ。」この人はいつもサラッと、凄い台詞を口にす