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ここ何回か妊娠に影響する疾患について書かせていただいています。今回も外来で比較的多く見かける「子宮内膜症」と妊娠の関係について書かせていただきます。初診で超音波にて子宮内膜症を認め、その後のお話しで「子宮内膜症が疑われます」とお伝えした時に、初めて言われた患者さんでも「何となく言葉は聞いたことがある」、あるいは「どういった疾患かある程度知っている」という反応の方が多いように思います。こういった反応から考えると、子宮内膜症は最近広く知られる存在になっているのかもしれません。
挙児希望で外来を訪れる女性でしばしば子宮内膜症が見つかります。子宮内膜症の手術を行うと卵巣予備能が低下することは産婦人科医師には広く知られるようになってきました。HumReprod2213;28:2140本論文ではチョコレート嚢腫が存在するだけで、AMH(卵巣予備機能)が低下し、さらに手術後のAMH低下は、術前のAMHに比例することを報告しています。内膜症性嚢胞を持たない健康な女性である対照群のAMH値4.20ng/mLに比較し、内膜症性嚢胞がある嚢胞群のAMH値2.81ng/
チョコレート嚢腫がある場合採卵は可能でしょうか?また何か気をつける方が良いことはあるでしょうか?この様なご質問がありましたのでお答えします。卵巣嚢腫を刺す事で嚢腫が破けたり、内容物が腹腔内に漏れ出たり、嚢腫に感染したり、嚢腫から出血したりする事になるため、基本的には嚢腫は避けて採卵する事が好ましく考えられています。特に卵巣チョコレート嚢腫の場合感染をおこしやすくなります。もし感染した場合には卵巣摘出も起こり得ます。そのため卵巣嚢腫があると嚢腫の裏側の卵胞は刺す事が難しくなりま