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向かいに腰を下ろしたチェ・ヨンが酒瓶を掲げ、私は酒杯を両手で持ち上げる事で、早く注いでくれと催促する。何をしようとしているのか。何を求められているのか。言葉にしなくても、感じ取れる瞬間がある。また少しこの人との心の距離が近付いた気がして、胸の奥がくすぐったい。「先程のマンボ姐の言葉は、あながち外れてもなさそうですね」「何が?」「貴女の事を酒仙だと」「ふふっ。いいわね、酒仙!かんぱ〜い!」チェ・ヨンの口調は呆れたようなものだったけれど、こちらを見る目付きは終始優しいままで。少し
「それで様子がおかしかったのね。リュ・シフ侍医の件は、本当にごめんなさい。私が軽はずみな行動を取ったせいだわ」落とした声音で詫びながら、イムジャは俺の腕の中に、神妙な様子で収まっている。まるでその時の俺を宥めようとでもするかのように、背に回した薄い手の平をゆったりと上下させながら。ふとしたはずみで顔を覗かせる、獰猛で御し難い心火は、この方への思いが募るほどに勢いを増し、手が付けられなくなっていく。結果俺はそれを恐れるあまり、イムジャと距離を置かずにはいられなかった。(四年前、あれだけイ
【少し直接的な表現があります】【原作の雰囲気を大切にされる方にはお勧めできません】三日ぶりに皇宮へと帰還した俺は、現地を見取った結果を王様へと報告した後、息つく間も無くその足で上役との軍議に臨もうとしていた。「なあ、チェ・ヨン。開京にある大司憲(テサホン)の屋敷なんだがな…」共に宣仁殿を後にしたアン・ジェが、歩みを止めぬまま思案顔で口を開く。どうやら禁軍の中でも、キム・ヒョクと元国の繋がりに関する様々な噂話が、実しやかに囁かれているらしい。真偽の定かでないものから、以前に報告が上
トクマンとテマンを帰し部屋に入るなりヨンは泣き腫らして真っ赤になった目をしたウンスをギュッと抱きしめた「イムジャ…貴女を傷つけましたすみません」強く抱きしめられたウンスはそっとヨンの背中に腕を回してトントンと叩いた「何故貴方をそうさせたのか分からなくて…戸惑ったわ話してくれる?」ヨンはウンスを離すと手を引いて寝台に腰掛けたそっとウンスの髪に指を絡ませた指の間を通って落ちていく感触がくすぐったい「寝言を言っていましたあいつの名を…」その言葉を聞いてウンスは驚き目を見開
痛いくらいの動悸をどうにか深呼吸で治めつつ、私は格子窓を開けて、夕暮れ時の冷えた空気を部屋へ取り込んだ。まだ熱を持っているような唇を、そっと指先でなぞってみれば、先程までの様子が鮮明に蘇ってくる。かつて与えられてきたものとは全く違う、熱く苦しいだけの乱暴な口付けだった。それでも今までで一番、剥き出しのチェ・ヨン自身に触れる事が出来たような気がする。(私は結局、あの人なら何でもいいんだわ…)いっそ清々しいほどの諦めの気持ちになって、私は気を取り直し、手早く荷物をまとめ始めた。『三日の間
あの日なにがおきていたのか。当日にさかのぼってみる。動画が再生されていく。チェ・ヒョンミンが金の入った袋を手渡している。その相手はト・ジンという男だった。その横にが赤い服を着た女と白い服を着た男が立っている。護衛だ。「警戒しなくとも・・隣にいる人物はぐっすり寝ているよ」「だといいが」半信半疑だった。男の恋人と約束しているとは信じられないという。「これで・・取引は終わりだ」そこに長くはとどまらないようにすぐに部屋を出ていった。チェ・ヒョンミンはシンが睡眠薬で寝ていると信じ
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前夜すっかりヨンに悪戯されたっぷりヨンに愛されて周りの生活音をものともせずにウンスは熟睡していた昼前になりごそごそ何かが胸を這うような違和感で目が覚めた「起こしてしまいましたか?」ちっとも悪びれず満面の笑顔のヨンあ〜ダメだってその甘々の笑顔可愛すぎる〜蕩けそうなんでも許してしまいそう私だけが知ってる私だけに見せる顔もうたまらん今朝もひとしきり脳内で身悶えるちらっと胸元を見下ろすとヨンが聴診器を当ててウンスの心音を聞いている「ねぇチェ
雀の軽やかな囀りで、俺はふと目を覚ました。薄墨色の帷(とばり)の中、真っ先に感じたのは、胸元の柔らかな温もりだ。真冬の明け方だというのに、夜具の中は過ぎるほどの熱を保っている。(この方自体、体温が高いのだろうな…)腕の中で無防備に眠るイムジャの姿に、自然と頬が緩んでしまう。すうすうと小さく聞こえてくる呼吸音の健やかさが、心弛びをじわじわと生じさせる。しかし同時に、この共寝という状況に鑑みて、放蕩を貪った後ろめたさが拭えない。端無く得た三日間の暇(いとま)に『食し、抱き、寝る』の繰り
「ねぇ。ねぇってば。チェ・ヨンさん」「何です」「どうしたの。何だかぼんやりしてる?」「いいえ」取り付く島もない態度のチェ・ヨンに向かって、私が一方的に話し掛けているような状態が、ずっと続いている。大きな荷物と小さな荷物、そして私達二人を乗せた黒鹿毛の馬は、ゆっくりゆっくりと薄暗い道を進んで行く。どこに行くの?何をするの?そんな他愛もない事を話し合いたいのに、この人は無表情で押し黙ったまま、前に座った私を胸に囲い込むようにして、器用に手綱を捌いている。「待たせちゃったから、怒ってる
三日間という思わぬ不在を上申すべく、ドチ内官に王様への拝謁を願い出たが、折り悪しく先客があったようだ。「後ほど」と言い、引き返そうとした俺を呼び止める声に振り返れば、先客というのは他ならぬユ・インウ殿、その人だった。またもや人の悪そうな顔で追い払われ、それを「伝えておくから早く行け」の意だと解釈した俺は、素直に頭を下げて引き下がった。事宜を計るのも天賦の才…そんな畏怖の念と共に。となれば為すべき用件は後一つだと、俺は急く気持ちを顔に出さぬよう苦心しながら、日が沈みゆく中、坤成殿を訪れた。
「美味しい。ファジャさんは、お茶を淹れるのが上手なのね」茶碗を両手で包み込むと、じんわり熱が広がって、知らないうちに凝り固まっていた心と身体が、少しだけ解れるような気がした。向かいに座ったチェ・ヨンは一口喉を潤して、ふっと小さく笑う。「俺が客を連れてくると聞いて、よほど嬉しかったのでしょう。茶葉も奮発したようです」美味い、と小さく呟いて、この人はもう一度茶碗を傾けた。「随分と大きなお屋敷だけど、お二人だけで管理をしているの?」「俺と叔母さんもここに住んではいないので、維持管理だけなら
澄んだ空気にくっきりとした満月が出ていた秋夕の月に願うと叶うウンスが言い出し三人は月を見上げていた月を見上げながら目を閉じ祈っているウンスの横顔があまりにも美しく儚く消え入りそうで不安になったヨンは思わずウンスの手を握った***夕餉を前にしてウンスは言った「実は私クリスチャンなの普賢寺に一年いたけど仏教徒でも儒教徒でもないのよだからあまり伝統行事に詳しくなくっ
朝からテマンがやってきた迂達赤の衣を持ってきたのだしぶしぶ迂達赤の衣に着替え髪もまとめたウンスヨンはすでに着替えて少ない荷物をまとめていたが迂達赤二等兵ユ・ウンスの姿を見てにこっと笑い頭をぽんぽんとした何処となく朝から不機嫌そうなヨンだったのでその笑顔に安心しきゅんとしながらももしかして昨日寝ちゃったから拗ねてるのまさかね〜でも今日から兵舎でしばらくできないし…ってやだこんなこと考えちゃうなんて私の方が欲
「それで…私は、どうだった?」羞恥心の強いこの方が、同じ問いを返してきた事に、俺は酷く驚いた。しかしここで狼狽えてしまっては、イムジャに恥をかかせる事になるだろう。何でもないように笑いかけながら、艶やかな髪を撫でて…俺は辛うじて平静を装った。「とても良かったです」すると何を思ったか、この方はじっと俺の瞳を見つめた後、途端に難しい顔をする。「ちゃんと教えて。本当はどうだった?」見透かされている…俺は更なる驚きを覚えて、言葉に詰まった。胸の内を匂わせたつもりなど、微塵も無かったという
宿に着いた時にはもう日は暮れていたウンスが〝ばっぐ〟と呼んだ天界の荷が気になりテマンは話を聞きたくて残っていた湯上りのウンスを見られたくなくてヨンは警護をテマン頼み先に風呂に向かったヨンが部屋を出るとテマンは早速天界の荷について尋ねたウンスは嬉しそうにバッグを卓にのせて効果音を口にした「じゃじゃ〜ん!いいテマン君天界にはカメラといって今目に見えている景色をそのまま絵に残せるカラクリがあるのほらこれ私の顔が写ってるでしょ」そう言
少し飲み直したいとイムジャが言い出し、共に店の裏にある厨(くりや)へと足を運んだ。「マンボ姐さーん。ごちそうさまでした!食器、ここの盥の水に漬けても良いですか?」「わざわざ悪いね。助かるよ」夕刻店へ着いた時に聞こえていた喧騒は、客足が下火になった事で途絶え、店内はいつもの平穏さを取り戻していた。代わりに厨の中は、使い終わった食器や食材の残りなどが乱雑に取り散らかされ、まるで物取りに荒らされた後のような有り様になっている。「手伝いの奴らは居ないのか」「つい今しがた、風呂の湯を沸かしに行
「ウンスヤ…おいで」隣に腰掛けていたチェ・ヨンに腕を引っ張り寄せられ、向き合うように腰を跨いで太腿の上に座らされる。少しだけ低い位置にあるこの人の姿が珍しくて、私は目の前の黒髪にそっと触れた。「髪…まだ少し湿ってる」しっとりと柔らかな感触が指に心地いい。するとチェ・ヨンは私の髪をひと房手に取って口付けた後、くるりと巻き取り指先で摘むと、手触りを確かめるように、するすると毛先までスライドさせた。「貴女の方は完全に乾いたようですね」そのままじっと至近距離で見つめられると、自分の鼓動の激
格子窓からこぼれた薄陽が、目の前に横たわる真白な小山を柔らかく照らしている。「イムジャ」「なに…」「こっちを向いて下さい」「…いや」新しい敷布に整え直された寝台で、イムジャは肩まで布団にくるまったまま、にべも無くそっぽを向いていた。しかし、か細い声で言葉少なに拒絶する後ろ姿は、怒りや不機嫌などではなく羞恥心を受け止め切れないだけなのだと、朱を注ぐ耳たぶが律儀に主張してくる。(少々やり過ぎたか。仕方ない…)高ぶった気持ちが落ち着くまで待つしかないと、俺は添い寝するように寝台に横にな
少し乾燥した手の平から頬へ、じんわりと熱が伝わってきて、何とも言えず心地いい。そんな私の視線を逃さず絡め取った後、チェ・ヨンはとんでもない台詞をまるで何でもない事のように、さらりと口にした。「それならば。余計な事を考える余裕すら無ければ、何も問題はありません」そして強引にも聞こえる言葉とは裏腹な優しさで、この人は私の眉間に口付けた。反射的に瞑った目蓋にも。目尻、目頭、鼻筋から鼻先…ゆっくりと何度も、温かく乾いた感触が落ちていく。唇を避けて顎先まで降りた後、頬に触れていた手と共にチェ・
激しく熱い一晩だった。はぁはぁと息を乱してウンスはその場に倒れていく。抱き寄せるとヨンは腕の中にウンスを入れた。「ねぇ・・手はふるえてない?」「イムジャはそればかりだな」手を見せてくる。ぎゅと指と指をからませる。「震えていません」「よかったわ」しかし・・一度でもこうして触れてしまえば手を離せなくなるのに。イムジャはこの先・・どうするつもりなのか。そこを聞いてみたい。一つも解決などしてはいないのだ。「天界に・・会いたい人がおられましょう」「そうね・・」むき出しの背中にヨン
(ナジョンモ/サジミ/ダチェチュ)(ちぐむのえげろかるれFANCY,TWICE!)ちぐむはぬるくるむせぐんTropicalyeah(yeah!)지금하늘구름색은Tropicalyeahちょてやんっぱるがんびっにとぅぼるがた저태양빨간빛네두볼같아OhtellmeI'mtheonlyonebabyIfancyyou(fancyyou)IfancyyoufancyyouTWICE!It'sdang
「本当に宜しかったのですか」リュ・シフ侍医に気遣わしげな声音で尋ねられ、私は目を通していた診療録から顔を上げた。話し合いの結果、ソアさんは典医寺に残る事になり、更には私の無月経の治療を全面的に請け負うとまで約束してくれた。それらを昨日の内に、リュ・シフ侍医には伝えたはずなのに、一晩経って再び蒸し返してくる理由が分からなくて。私は憂いを帯びた美しい顔立ちをじっと見つめたまま、次の言葉を待った。「見ず知らずの地で記憶を失ってしまった医仙様にとって、大護軍の存在は普通の想い人とは重みが全く違
ヨンは浅い呼吸を繰り返すテギルの体を倒し込むとしゃがみこんで膝と腕とでテギルの体を支えウンスに向けて声を張り上げた「イムジャ!早く治療をするのです!貴女しかこの人を助けられませぬ!!泣くのは後です!」涙が絶え間なく溢れる視界を覆う程潤んだ瞳をウンスは手の甲で拭うと唇を噛み締めて頷いた「ヨン周りを傷付けずに真っ直ぐ慎重に矢を抜いて前やったからできるわよね?」ウンスの言葉に頷くと慎重に矢を抜き去りテギルの体を横たわらせたテマンが持ってきたポジャギの中には現代の手術道
(のむなっちゃりてトゥ.ワ.イ.ス)あるらみうるりょでRingringaling알람이울려대Ringringalingそろえぬんぎりたうるってまだ서로의눈길이닿을때마다あるみょんそぴんびんとぬんで알면서빙빙도는데ちょむじょむたががじゃなIknowit'stoolate점점다가가잖아Iknowit'stoolateまうむそぐろぬんたあるごいっちゃな마음속으로는다알고있잖아きょるぐげくん
チェ・ヨンの部屋を出てすぐ真向かいにも部屋があり、その扉の前で突如手を引かれ、私は立ち止まった。(ここは、最初に居た客間のひとつ奥の部屋になるのよね…)横に立つチェ・ヨンを見上げると、形良く浮き出た喉仏が上下に動いた。まるで緊張しているかのように。「どうしたの?」「先に言っておきます」低く硬い声で口を開きながら、何故かこの人は私の方を見ようとしない。「ここは生前母が使っていた部屋ですが、中にあった物は全て、蔵に仕舞われています」「じゃあこの部屋も、何も無い殺風景な…」「いいえ」
抱きしめられ髪を撫でられる見つめ合うとヨンの瞳の奥に情欲が灯るのを見てウンスも下腹の奥が疼いたヨンがそっと首筋に手を添えると今度こそウンスは瞳を閉じた優しくウンスと唇を合わせやがて角度を変えて何度も食むように口づけた口づけを受けながらウンスは改めてプロポーズされたのだと心の中に喜びがじわじわと広がり胸がいっぱいになっていった頬に何かが触れたヨンはそれがウンスの涙だとわかると頬や目尻にも口づけ涙を拭った額を合わせて至近距離で見つめるとウンスの目が三日月
「ですが入れるなと命令を受けています」「このっような時刻です」トルべ送って差し上げろとチュンソクがトルべに指示を出した。「私は医者よ」床にへたりこんで懇願している。「そいう立場のかたですから」人に弱っている姿を見せられない。みせてはならぬのです。それが王宮という場所です。そっといくわ。誰にもみつからないようにするわとテマンにも頼む。ウンスは中に入っていくと奥の床にだるそうに座っている隊長の姿をみつけた。「何した・・かえれ」いら立っているようだ。「テマン君に見
(sideウンス)思い出の丘へと続く道を上っていく。逸る気持ちを抑えきれず、その歩みは無意識のうちに早まっていく。途中、足がもつれ転びそうになりながらもウンスは懸命に足を動かした。少し遠くにあの大きな木が見えてきた。テマンさんの言葉によるとあの木のところにあの人がいる。本当に?あの人がいるの?もしいなかったら…?不安と、そこにいて欲しいという切実な気持ちが交錯する。徐々に大きな木に近づいていく。もしかして…そう思って木の下を見る。けれどそこに
【少し直接的な表現があります】【原作の雰囲気を大切にされる方にはお勧めできません】茶に咽せたのか、咳き込むイムジャの背をさすった瞬間、懐かしいような花の香りが匂い立って、俺はぐっと息を詰めた。恥いる理由は、想像に難くないが。この後の事を考えて、平常心でいられないのは自分だけではないのだと知れば、痺れるような甘い疼きが身の内を駆け上がる。湯殿に案内しながらも、徐々に濃くなっていくばかりの香りに、気を抜けば陶然と酔いしれてしまいそうだ。寒空の下で話し込んでしまった所為で、身体の芯から