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あの日以来、夢に出てくるにのは、いつも切り取られた写真のように動きがなく、近づこうとするとその分だけ遠ざかる…そんな切ないことが多い。追いかけ続けて目が覚めることもしばしばだ。だから本当は夢など見ないで眠りたい。しかし、今日の夢は違っていた。にのの方から近づいてきて、更に顔を寄せてくる。戸惑っていると、ちぅとキスされた。うわっ、どうなってんだ、これ…。夢の中で「これは夢だ」と自覚する事がたまにあるが、この時がまさにそれで。驚く自分とは別に、冷静に「夢なんだから」と考える自分も存在した。
その夜もアンドロイドは、風呂上がりの雅紀を待ち構えていて、濡れた髪の毛をドライヤーで乾かしてくれた。「ありがとね」礼を言って、いつものベッドに戻ろうと廊下を歩いていくと、なぜだかアンドロイドがついてくる。そのままゲストルームにまで入ろうとするので、驚いて押し止めた。「え、どうしたの」「一緒に寝る。寝てもいい?」「…は、はあ!?なんで?」あんまり驚いて声が裏返ってしまった。アンドロイドは小首をかしげて見上げてくる。潤んだような瞳はまっすぐ雅紀を見つめていた。「まーくんはいつも、にの
6月24日大阪のかずみちゃんの体感WS・7月4日東京のひろみちゃんの体感WSに参加してきました💕😊いつもは主催者側なので、なかなか集中してワークはできないのですが、今回は参加者として参加したため、どっぷり入り込むことができ、自分のまだ知らない感情が溢れでてきました。😭かずみちゃんとひろみちゃんお二人の持ち味がそれぞれ生かされていて、更にバージョンアップもされていて、「本当にお二人にお願いしてよかったぁーーー😭」という想いがワーク中何度も込み上げてきました。😭😭😭そして、4日はなんと平本あき
ここのところ夕ごはんもいい加減で、コンビニのお弁当とかだったから、今日はさすがにごはんを炊こう。おかずは…、うーん。冷蔵庫に卵はあったよな。お惣菜屋さんでとんかつを買って、これを麺つゆで卵とじにすると簡単カツ丼の出来上がり!って、まーくんが前に作ってくれたからマネする事にした。豪華に見えるし、ボリュームもある。別にご機嫌取りってわけじゃないけど。真夜中に菅田と出かけるなんてさ(由里子ちゃんもいるけど)俺はソワソワ落ち着かなかった。なんにもやましい事しないし、なんなら菅田が由里子ちゃんと上
「じゃあよく見てて」ん?見る?鼻先が触れ合うくらい近くで囁かれた。言葉を発する前にキスされて、それがあんまり深くて流される。やっと息継ぎしたら、また顎のとこ噛まれた。「もうっ…」って頭だけ上げると、まーくんがジリジリと下がっていきながら、いたるところに口付けていくのが見えた。……え。これ?これを見てろってこと?鎖骨のあたりを過ぎ、胸の先に到達しそうなところで、両手で顔を覆った。だって何されるかわかってるもん。「あ、こら。見ててって言ったろ!」まーくんに両手とも引き剥がされる
幼稚園の頃、ピアノ教室に行かされたんだけど、その時はつまんなくて。寝てばっかだったらしいんだよね。たまに姉ちゃんのピアノをポロンポロンすると、当時のことを必ず言われるんだよな。なんか、楽器に手を出すのが申し訳ないみたいで、ギターが欲しいなんて言い出せなかった。「なんで、なんでギター?」「え、だってやってみたいとか言ってなかったっけ?」ゲーム音楽とかすごい好きだろ?そんで作ったら面白そうだなって。言ってた?あ…、うん。言ってたね。覚えてくれてたんだ。「ピアノは、なんて言うか…アレ
マスターのお店をあとにして、二人でアパートに帰る。特に言葉も交わさず、ただ手を繋いでまーくんにひっぱられながら、バス停までゆるゆる歩いた。「俺…」まーくんがゆっくり口を開いた。俺は少し早足になって、まーくんにぴっとりくっつき次の言葉を待った。「やっぱりちょっと焦ってたのかもしんない。ずっと早く大人になりたかった。大人になってかずを早くお嫁さんにしたいって思ってたから」「およめさん、ねぇ」「あ、『お嫁さん』は小さい頃!今は違うよ、昔だよ、むかし!」「えぇ、今はもう違うんだ?」俺はわ
二人でプラプラ街を歩く。キーホルダーは最初にテキトーに入ったお店で、二人お揃いの物を買った。星をあしらったごくシンプルなやつ。俺、物を選ぶ時あんまり迷わないタイプなんだよね。さっさと決めちゃう。今回、これでも悩んだほう。真新しい鍵を慎重に取り付ける。ようやく居場所が決まって、鍵もきっと喜んでるね。俺は満足して、そのキーホルダーをポケットに押し込んだ。そのあと電器屋さんでたこ足配線用のコードを購入。だって絶対コンセント足りないもん。今どき学校もパソコン必須だし、ゲーム機も繋がなきゃだし。
『アイドルは恋人を作っちゃいけない。』昔から言われてきた暗黙の了解のような決め事だが、俺らの歳でそんなルールを守れる事の方が奇跡だ。お互いに大っぴらにする事はしないが、それぞれに今彼女がいるとか、いないとかは大体雰囲気で感じ取れた。楽屋での空き時間、帰りの車、携帯を離す事は皆無だった。事務所もある程度掌握していたが、節度ある範囲である事を条件に黙認してくれているようだった。時々、個々で呼び出され釘を刺される程度に。そんな中5人で揃っている時、事務所にアイツが呼ばれた。アイツは、呼ば
この日は同級生グループとアジングへイカが釣りたいと燃えるヨスコポイントに着きキャスト3回ほどキャスト切れ。聞くと5年前のPEだった‥エギング終了。まーくんも遊びにきた!ちょっとご飯へまーくんとは解散しここからアジングへトシムリンも合流チャキもミッチーもきてみんなでキャスト渋いがチョコチョコ釣れてくれる展開サイズも悪く無い!1番遅れて合流したミッチーもゲット!しかし1人だけ釣れてないよすこ。最後まで一生懸命投げたがアジからの反応も無くなり雨、風強くなり
まーくんとライちゃんこっち↑女の子のライちゃんこっち↓男の子のまーくんちょっとバタバタしてまして、あまりアップしないうちにいつの間にかこんなに可愛くなってますサイズの予想は、まだよくわからないけど最近のうちの子達のなかではいい感じのサイズって、これで伝わるのか?
家でも誕生日祝いをしてもらった。高校生にもなって、お誕生日おめでとうのケーキとか恥ずかしくてしょうがない。けどまぁ、母さんたちの食べる口実になってるんだろうから、いいんだけどさ。翌日は梅雨らしい空模様で、自転車というわけにもいかず、バス停まで歩く。目の前には傘をさすまーくんの背中。今日は朝補習ないんだって、「サボりじゃないかんな!」と言ってた。3年生は大変だな…。昨日同い年になって追いついたけど、やっぱり俺とまーくんの差は縮まない。やっぱり一歩前を行ってるよね。何時だってそう。
「…で、雅紀の反応はどうなの?」オイル臭い工房で、なにやら怪しげな機械をいじってる智は、急ぎの仕事だとかで、まだ様子を見に行けないのだと笑った。アンドロイドの「にの」を雅紀にあわせてから三日ほど経っていた。「それがさぁ」聞かれた翔は腕を組んで困った顔をした。「なんとか掴みはOKって感じだったんだけどさ、そっからがなかなか進まないんだ」そう、「にの」に似ているアンドロイドを抱きしめて泣いていたから、雅紀も受け入れてくれたんだと、翔はホッとしたというのに。それっきり雅紀は「にの」に近づか
「智くんと潤ががんばって声も合成してくれたんだよ!膨大な量の音声データを入力して繋いで…」翔の説明も聞こえているのか、雅紀は目の前のアンドロイドに目が釘付け。しかし壁に張りつくように固まっていて、ソレに触れようとはしない。「ほら、触ってみなって」翔が雅紀の手を掴んでソレに触れさせようとすると、雅紀が飛び上がって激しく首を振った。「いやだ、嫌だ!ちが、違うコレは…」「わかってるよ、別ににのの代わりにしろって事じゃないから!」「じゃあなんで、こんなことすんの!?」「おまえだってわかって
アンドロイドは雅紀を椅子に座らせ、袋から出した餃子の材料を並べて手を洗っている。「俺もやるよ」「大丈夫です!指示してくださればわたしがやりますので」言葉は相変わらず丁寧だが、今日は少しテンション高めなのか、声が弾んでいる…ような気がする。潤がなにか手を加えたのだろうか。「白菜、買ってきてくれたんだ。俺の餃子、キャベツじゃなくて白菜使ってんの、知ってたの?」「…え?あの、ジュンさまがそうじゃないかって…言ってました」「へー?」まぁ、潤は食にうるさいからなと、雅紀は納得して、生姜を多め
工房を後にして、雅紀は翔の診療所に帰る。今度は少しばかり急ぎ足。結局、あのアンドロイドを元に戻すことは断ったのだった。にの、によく似たあの顔を見るのは複雑な気持ちになるのだが、だからといって見られなくなるのはひどく寂しいようにも思えたから。本音を言えば、もう今すぐにでも会いたい。本人ではないとわかっていても、心が急く雅紀だった。玄関のドアを開けると、振り返ったアンドロイドと目が合って、雅紀の心臓がドクンと大きな音をたてた。「おかえりなさいませ、マサキさま」にのそっくりな笑顔。だけど、
まーくん「なんでそこまで言われなあかんねん!」あき「言う権利は十分にあるはずや!」あき「これまでかて、お祖父さん亡くなってんからって思ってるからこそ、妹優先にしてるだろうと思う土日かて我慢してた!」まーくん「土日はホンマに色々あったんや!」あき「せやったら色々の内容言うてみぃや!?どうせ妹関連ばっかりやから言われへんねやろ!?」あき「だいたい、まーくんの所はお父さんお元気なんやから、葬儀や法事を取り仕切ってるのはおばあさんとお父さんちゃうのん!?
来客用ベッドでそのままふて寝を決めこむ。目を閉じていると、さっきのアンドロイドのつるりとした唇の感触が蘇ってきて、ちょっとの間ぽーっとしてしまう自分にイライラする。「うがー!」頭から布団を被り、思い出すまいと頭を振った。すると、今度は翔に笑いかけるあの子の可愛い笑顔が浮かんできた。それを見つめる翔の優しい眼差し。もしかしてあの子は翔にも抱きついたり、なんならキスしたりしてる…とか?「うががーー!」たまらず雅紀は布団をはねのけると、今度はバスルームに飛び込んだ。頭を冷やそう。俺はどう
アンドロイドなのにそんな事があるのだろうか。「耳。赤いんだけど」「あっ!これは今日設定されました。手を握られたりした時、赤くなるほうがより『人』に近いからって、ジュンさまが言ってました」そう聞いて、慌てて握っていたアンドロイドの手を離した。そんなつもりで手を握ったわけじゃないのに、下心アリと受け取られたみたいでバツが悪い。なんでだよ。普通赤くなるのはほっぺただろ。耳が赤くなるのはにのの特徴だ。翔に言われてなのか、潤が進んでやっているのかわからないが、そうやってどんどん本人に寄せてくるの
菅田はいつもの場所に座っていた。俺の顔を見るとニコッと笑って、両手でおいでおいでをする。俺は小走りで近寄りスマホを操作した。出来たてほやほやの拙い曲が二人の間に静かに流れた。菅田は何度も再生して、目を閉じて聴いてくれたあと、「いいねぇ、これ」と、俺の背中を力強くバンバンした。「いてぇ」と顔を顰めてみせたものの、うれしさは隠せなかった。「けど、まだなんか…足りなくて」「ん〜、そう?」「歌詞もさ、もうちょっと、なんていうか」それから俺たちは、あーでもないこーでもないと大盛り上がりして
追記ですコメントにてタイトルに年代もあるといいな〜といただきまして♡ありがとうございます(ㅅ´꒳`)とりあえずこの記事…目次?につけてみましたわかりやすくなったかしら。。。ご参考まで(*__))*゜✳️✳️✳️✳️✳️✳️✳️✳️つい先頃ちびにのちゃんのお話「赤い糸」を読んでコメントをくださった方がいらしてとってもうれしかった(*≧∀≦*)♡♡その時ふと思ったのですがブログのテーマ別に並んでるお話時系列的にバラバラなんですよね我ながらわかりにくい!←並べ替えたかっ
昼過ぎに帰ってきた翔は、にのが作ったアジフライに感動の声をあげた。「うめえ!なにこれ、雅紀のと同じじゃん」「ありがとうございます。まだまだですけど」「智くんと潤にも持ってってやりたいな。まだフライ残ってる?」頷くにのが台所に行きかけたところで、翔のケータイが鳴った。簡単なやり取りの後、翔はにのに声をかけた。「悪い、仕事が入った。先にこっち手伝ってもらえる?」堂々と普通の病院に駆け込めない裏社会の患者からの依頼。裏口から続く診察室に向かう翔の後ろをにのがついていく。翔が使っていた医療
結局、母さんにこれからの事を伝えられず、モヤモヤしたまま数日過ごした。虫垂炎だったえりかちゃんが無事に退院し、そのお祝いを持っていくのと、マスターにいろいろ相談したいのとで、まーくんがバイトの日に喫茶店に向かった。お祝いはぬいぐるみ。真っ白で耳が長いふわふわわんこ。なんでもこの耳で飛べるんだって。そんな象さんいたよな。ダンボだっけ。それにしてもぬいぐるみって高いんだな!びっくりした。まーくんと半分ずつ出し合ってもそこそこの大きさになっちゃった。もっとでっかいのをプレゼントしたかったなあ。
にのと雅紀。幼なじみの二人は、小さい頃からどこに行くのも一緒。片方がいないと、それだけで心配されるような二人。雅紀自身、にのを「運命の相手」だと思っているくらいだ。けれど、決してこんなキスをするような間柄ではなかった。どんなに身体が密着しても、そんなことにはならなかった。ふざけて触れた事はあったかもしれないが。それは雅紀が細心の注意を払っていたから。自分のにのに対する気持ちが、ただの幼なじみに向けるものではナイと気がついた時、雅紀は戸惑った。そんな事があるだろうか?気の迷いだとか、思春
挨拶されたおっさんは、口の中でもごもご「おはよう」と言ったようだった。遠慮なくまーくんを眺め、後ろに隠れる俺の顔をじっと見てくる。まーくんの腕が無意識に俺をかばうように動いた。「…ゴミの日」「え」「月曜と木曜が燃えるゴミの日だから」見ればおっさんの手にゴミ袋。それだけ言って階段をおりていった。「あ!ありがとうございます」まーくんの元気な声が響く。けど、もうゴミを出してる暇はなく、二人で階段を駆け下りた。大学の近くとは言っても俺の通う理工学部は少し離れてるから、急がなきゃと思うの
「どうやってって…」「だってアレ、すごく高いんでしょ!どこで買ったの?大丈夫なの、なんかヤバい事してないよね??」「別に盗んだりしてねぇーし!」雅紀の追求に智はぶんぶん首を振った。眉が八の字だ。雅紀は疑い深そうな目で、そんな智の顔を覗き込む。それを見てアジフライを食べていた潤が笑いだした。「さすがにドロボーはしないよ。買ったの、智の古い友達から格安で!翔さんがぽんってお金出してくれたんだ」「…友達じゃねぇーや」格安で?あんな高価なものを?信じられないという表情の雅紀に、智は「やれや
食べられてる…。前にお風呂場でされた時も思ったけど、まさにそれがピッタリ。なんて考えてられたのもほんのちょっとの間だけで、あっという間に「気持ちいい」だけに支配された。「ん、んん、…んー」無意識に動く腰。勝手にのけ反る背中。止められない声…。もうちょっと、というところで急に身体がふわりと持ち上げられる感じがして、慌てて閉じかけていた目を開いた。両足がまーくんの肩を跨ぐように思いっきり押し上げられていた。身を起こしていたまーくんが言う。「ここ、舐めていい?」………………………
え?その日の夜は盛り上がっただろうって?いやいや、そんな訳ない。だって病み上がりだよ、おとなしく寝ましたとも。手を繋いでくっついて寝たけどね。それだけでも、めちゃくちゃうれしくてたまんなかったな。それより、俺たちはこれからの事について真面目に話し合った。とにかく家賃はありがたく甘えさせてもらう、まーくんのバイトを減らす、俺もバイトを増やし、お互い決まった額を出し合って生活費をまかなう、等など決めていった。「もうまーくんに絶対無理はさせないから」「別にそんな、俺…」「はい?ぶっ倒れ
まーくんと大学の前まで行き、俺はそこから理系キャンパスに向かう。別れ際にまーくんが、ブブッと鳴ったケータイを見て言った。「あー、今日カテキョがお休みになったな」生徒さんが熱を出したんだって。昨日まで、ってかついさっきまでレポートにかかりきりで、ようやくパソコンで送信してから、伸びちゃったぶわぶわカップ麺を食べてたまーくん。いや、それが好きなのも知ってるけどさ。「少しゆっくりしなよって事なんじゃない?」と、言っておいた。手を振って別れたあと、ちょっとにやけてしまう。具合悪い生徒さんは可
「だって俺、ずっと待ってたんだよ?そりゃ、マスター達の三十年に比べればたいした事ないかもしれないけど。人生のほとんどを待ってたって言ってもいいくらい」それを言われると、ほんと申し訳ない。俺は、俯いているまーくんにぴとりとくっついて、肩に頭をすりすり擦りつけた。「もうまわり道はしたくないんです」まーくんは顔を上げてマスターに言った。それはそう。俺も合わせるようにコクコク頷く。マスターはそんな俺たちを見て、「そうだな。気持ちはよくわかるよ」と、言ってくれた。笑顔が優しい。大昔二人でひと