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読むのにおっそろしく時間がかかってしまった。上巻に1ヶ月である。およそ400ページの、ちょっと厚めとはいえ普通の文庫本だ。それがとにかくしんどいのである。誘拐犯上〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}誘拐犯下〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}出てくる人物が全員「うまくない」のだ。要領の
父親たちにまつわる疑問(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}〈アルバート・サムソン〉シリーズ9作目。待望の新作という事で、読んでしまうのが勿体なかったです。実際、昨年刊行されてから読むまで随分と寝かせてしまいました(笑)。さて、今回は中編4作による連作集という形。サムスンの元に奇妙な依頼人が。その青年は、自分は宇宙人とのハーフであると明かします。そして依頼は無くなった石を探して欲しいというもので、その
先月、大塚国際美術館の『ダ・ヴィンチ・コード』刊行20年記念イベント「翻訳者・越前敏弥が語るラングドン・シリーズ5作」に行ってきました。先生のお話も面白いし、「ラングドン・シリーズ」に登場する作品が数多く鑑賞できる美術館も見事でした。『オリジン』のテーマである、ポール・ゴーギャンの「われわれは何処から来たのか?われわれは何者であるのか?われわれは何処へ行かんとしているのか?」の実物大陶板画も展示してあり、その大きさは圧巻です。間近で見ることができるし、触ることもできます。越前敏弥
グレイラットの殺人(ハヤカワ・ミステリ文庫HMク23-4)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}首脳会議の開催が迫る中、要人を送迎するヘリコプター会社の経営者が殺される。MI5の要請により、国家犯罪対策庁重大犯罪分析課のワシントン・ポーは相棒のティリーと共にその捜査を主導する事に。〈ワシントン・ポー〉シリーズ4作目。抜群のページタナーぶりはこれまで同様で、とにかく読ませる読ませる…!短い章立てで、更にその最後に新たな謎を提示す
薬屋の秘密(ハーパーBOOKS)Amazon(アマゾン)夫の不義を知ったキャロラインは、予定していた結婚記念日の旅行を、一人でロンドンを訪れる。テムズ河畔でたまたま参加した、泥ひばりと呼ばれる泥に埋もれたものを探すツアーにて、古い瓶を見つける。結婚前、大学で歴史学を学びオックスフォードに進学したいと願っていた事を思い出したキャロラインはその古びた瓶について調べ始めると、18世紀に謎の薬屋の毒物による連続殺人事件が起きていた事を知る…。女性を守るためにだけに、殺したい男
デンマークに死す(ハーパーBOOKS)Amazon(アマゾン)元警官で私立探偵のゲーブリエル・ブレストは、弁護士でありかつての恋人で今も忘れられない女性から、冤罪疑惑のある殺人事件の再調査を依頼される。ゲーブリエルは調査を進めるうちに、デンマークの過去の暗部を掘り起こしていく事に…。コペンハーゲンの私立探偵ゲーブリエル・ブレスト。持ち前の正義感ゆえに退職に追い込まれた元警官で、ジャズやブルースのギタリスト。お洒落には気を遣い、自宅の改修に勤しみ、料理や酒にも拘りを見
ナイフをひねれば(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ4作目。いよいよホーソーンと決別しようと決意したホロヴィッツですが、自身が書いた舞台の脚本を容赦無くこき下ろした劇評家ハリエット・クロスビーが殺され、その容疑者となった事からホーソーンに泣きつく事に。この設定だけでもう面白い(笑)。そして面白さを増幅させるのがホロヴィッツの嘆き節。ホーソーンに対する不平不満を抱えながらも、ホーソー
もうすぐ年に一度の人間ドック。なのにその前に「秋吉」で一杯ってどうなのよさて、10月に読んだ本ですが、それほど多くは読めなかったものの、読んだ本もまたどれも面白く、実り多き月となりました。秋も深まる11月も、沢山読めますように10月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:3164ナイス数:230この密やかな森の奥で(ザ・ミステリ・コレクション)の感想人里離れた森で父娘二人で暮らす情景も美しく目に浮かぶよう。しかしながらクーパーが犯した罪。
D・D・ウォレンは女性だ。ボストンの市警の殺人課刑事である。タフで有能な仕事人間だ。周りにもタフで有能な女性が集まる。読者にもタフさを求められる。痛い!つらい!うらやましい!痛い!それにしても痛い!しかし面白い!シリーズは1冊ごとに話が完結しているので、お好みのものからどうぞなのだが、『棺の女』から読み始めるのをおすすめする。重要な人物フローラが登場するからだ。「誘拐されましたが、主人公の働きで、解放されました。めでたしめでたし」たいていの話はそ
イングリッシュマン復讐のロシア(ハヤカワ文庫NVNVキ14-1)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}銀行員のカーターが何者かに襲われ、攫われる。MI6よってロンドンに呼び出された元フランス外人部隊出身のダン・ラグランは、旧友であるカーターを救うべく動き始める…。イングリッシュマンと呼ばれる元フランス外人部隊(レジオン)出身のダン・ラグランの活躍を描いたサスペンス・アクション。銀行員のカーターは何故、襲われ攫われたのか。この辺り
殺人は太陽の下でフロリダ・シニア探偵クラブ(二見文庫ブ14-1)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}読み初めてすぐに面白かったなぁ。フロリダのシニア向け分譲地で起きた殺人事件。被害者を発見した元ロンドン市警特捜部の潜入捜査官モイラは、同じ住人の英国人夫婦で元主任刑事のフィリップと元CSIのリジー、それに元DEA捜査官のリックと共に調査する事に。しかしながら、モイラはパニック障害を負い警察を退職せざるを得なくなった過去を隠したいが
なんか読んじゃう。面白い。ウィリアム・ウォーウィック・シリーズ順番はこちら。『レンブラントをとり返せ』(レビュー)レンブラントをとり返せ-ロンドン警視庁美術骨董捜査班-(新潮文庫)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}Amazon(アマゾン)で詳細を見る${EVENT_LABEL_02_TEXT}楽天市場で詳細を見る『まだ見ぬ敵はそこにいる』(レビュー・上に同じ)まだ見ぬ敵はそこにいるロンドン警視庁麻薬取締独立捜
タイトルがよくない。『花殺し月の殺人』だなんて、耽美系の絵空事のようではないか。ヴィジュアル系の長髪のお兄さんが、悪魔に生け贄を捧げるような、そんなファンタジーだと思っていた。いや、違う。ノンフィクションである。花殺し月の殺人インディアン連続怪死事件とFBIの誕生(早川書房)Amazon(アマゾン)ノンフィクション、ルポルタージュ・・・・・・いろんな言い方があるが、つまり、実話なのだ。禁酒時代、1920年代のアメリカ、オクラホマ州である。その頃、インデ
最近購入した越前敏弥さんの『名作ミステリで学ぶ英文法』を読んで、私の中に衝撃が走りました。小学生の頃に図書室の本を読みあさっていたことを、はっきりと思い出したのです(書籍翻訳をしてから、ぼんやりとは考えていました)。中でも一番印象に残っているのが、『エジプト十字架の秘密』。このタイトルだけは、なぜかずっと覚えていました。そこでアマゾンで検索してみたところ、出てきました。中古で30080円そうこれこれ!私が小学生の時に読んだのは。表紙の絵を見たら記憶がよみがえりました。
ホステージ人質(小学館文庫マ6-2)Amazon(アマゾン)ロンドンからシドニーへの初の直行便という歴史的フライトに搭乗した客室乗務員のミナは、娘ソフィアの身の安全を脅かされ、ハイジャック犯に協力する事に。一方、地上では、ミナの夫アダムもソフィアと共に危機に陥っていた…。客室乗務員のミナが他の客室乗務員と変わってまでこのフライトに乗りたかった理由、それにかつてはパイロットを目指していたけど断念した過去。ミナの夫であるアダムがミナに対してひた隠ししているもの。そして
今日、ひさびさに早川書房の前を通ったので、ついでに東京創元社も見ておく気になった。言うまでもなく、両社は日本の翻訳ミステリ出版の雄。私も中坊の頃から世話になっている。まずは、神田多町にある早川書房本社。以外に小さい感じだが、出版でもっとも場所を取るのは倉庫だから、それを切り離してしまえばたいした広さはいらない。1階はカフェになっていて「サロンクリスティ」という店名だ。流石は、クリスティのほぼ全作を出版している会社だ。近接するビルのショーウィンドウにはこんなものが。ハヤカワのロゴ入り
【秋の夜長に読書をば♡】止まらない一気読みミステリー😱「誘拐犯」(上)創元推理文庫シャルロッテ・リンク浅井晶子訳題名は物騒ですが…中身も物騒です💦しかし、予想に反して怖くはなくて、でも緊迫しています。舞台はイギリス、スカボロー。美しい海辺の町。哀愁のある歌でも知られていますね。いくつかの行方不明事件が絡まり合って、ミスリードされているな…と気づきつつも犯人当てには至ら
極めてイギリス的な話だった。今時のイギリスだ。グレイラットの殺人ワシントン・ポー(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon(アマゾン)『ショーン・コネリー』いきなりだ。話が始まって一行目、最初の言葉がこれである。そして、次に、『ダニエル・クレイグ』さらに、『ジョージ・レーゼンビー』『ティモシー・ダルトン』『ピアース・ブロスナン』『ロジャー・ムーア』もう決まりだ。歴代の007が揃い踏みである。彼らが何をしているかは読んでのお楽しみだが、この豪華
『ストーンサークルの殺人』(レビュー)ストーンサークルの殺人(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon(アマゾン)1,168円Amazon(アマゾン)で詳細を見る${EVENT_LABEL}楽天市場で詳細を見る${EVENT_LABEL}『ブラックサマーの殺人』ブラックサマーの殺人ワシントン・ポー(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon(アマゾン)Amazon(アマゾン)で詳細を見る${EVENT_LABEL}楽天市場で詳細を見る${EVENT_LAB
幸運には逆らうな〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)〈ワニ町〉シリーズ6作目。なんかずっと笑って読んでいたような気がしますw前作の暴走ぶりも可笑しかったですが、今回も負けず劣らずで、とにかく全編に渡って楽しく、楽しすぎて読み終えるのが勿体ないぐらいでした。スワンプ・チーム・スリーの活躍は見ものですが、何より楽しそうにワニボートに乗っているガーティの様子が目に浮かぶよう。って、言うか、表紙のイラストがまさに!(笑)表紙だけでも楽
豹の呼ぶ声(ハヤカワ・ミステリ文庫リ2-11)Amazon(アマゾン)〈私立探偵アルバート・サムスン〉シリーズ7作目。再読ですが、やはりなんと言ってもこのラストですよね~。読み終えて呆然というか、この先はどうなるのだろうと初めて読んだ時はショックというか、放心した覚えがあります。さて、今回サムスンは、インディアナポリス市内で起きている爆弾事件に巻き込まれる事になります。ただし、爆弾事件とはいっても、どれも犯行グループ〈アウトロウ戦線〉によって爆弾が置かれている場
いるいる、こういう人!なのか、おるおる、こういうヤツ!なのかどちらなのかはともかく、このシリーズには、あなたの周りの人、あるいはあなた自身を思い起こさせる人が多い。幸運には逆らうな〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)ワニ町シリーズ第6巻である。あちこちで話題になったり、思いがけない所で読書会が開かれたりする、間違いなく大人気のシリーズなのだが、その魅力を伝えるのは、実はちょっと難しい。「楽しいのよ。面白いのよ。例えば
ALEXByPierreLemaitre英国推理作家協会賞受賞「ミステリが読みたい!」1位「INPOCKET文庫翻訳ミステリー」1位「週刊文春2014年ミステリーベスト10」1位「このミステリーがすごい!2015」海外編1位リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞ミステリ部門気になっていた話題の作品この度、遂に英訳版を読了!ある日突然誘拐された女アレックス。立つこともできない狭い檻に閉じ込められた彼女は自力で脱出を試みるが、、。第1部、第2部、第3部、と読めば読むほど誘拐犯との
ブルターニュ料理は死への誘い(ザ・ミステリ・コレクション)Amazon(アマゾン)ブルターニュ地方のリゾート地、ロクマリア村の大きな屋敷に越してきたカトリーヌ。カトリーヌは村でアルザス料理を提供するレストランを開店する。色々な問題を乗り越えて開店したレストランも軌道に乗り始めたかと思われた時、村の有力者たちが店で食事中に気分が悪くなり・・・。なんとも美味しいコージーミステリです。アルザス地方出身のカトリーヌが手掛けるレストラン。そこで提供される料理の数々の美味しそ
グッゲンハイムの謎Amazon(アマゾン)『ロンドン・アイの謎』の続編。今回の舞台はロンドンから遠く離れた、ニューヨークはグッゲンハイム美術館。姉のカットたちと共に従兄のサリムの母親が勤めるグッゲンハイム美術館に見学に訪れたテッドは、そこで起きたボヤ騒動の後にある絵画が消え、叔母が犯人だとの嫌疑がかけらた事から、叔母の嫌疑を晴らすために消えた絵画の謎に挑む事になります。亡くなった『ロンドン・アイの謎』の著者シェボーン・ダウドのあとを引き継いで物語を紡いだロビン氏の語り口に違
正義の弧(上)デザート・スター(講談社文庫)Amazon(アマゾン)正義の弧(下)デザート・スター(講談社文庫)Amazon(アマゾン)〈ハリー・ボッシュ&レネイ・バラード〉の最新作。未解決事件を専門に扱う班が再設置され、その班長にレネイ・バラードが就任。バラードは彼女にとってのメンターでもある引退した元刑事のハリー・ボッシュを班に迎える事に。ボランティアとして未解決事件班に加わるボッシュは、刑事時代に手掛け未解決のままとなっている一家殺害事件を追い
ママ・シリーズにはまった人は、当然、もっと読みたくなるはずだ。「被害者は、ヌードル・スープのあとに、なにを注文したの?」「その手紙には、アンダーラインがいっぱい引いてあったでしょう?」「殺人のあった晩に《風と共に去りぬ》をやっていたところはあるかしら?」わけのわからない、あのママの質問の数々、「あたしにわからないはずがある?人間ってがどうふるまうものか、あたしにはお見とおしなんだから」あの素晴らしい謎解きに、はまらない人はいるだろうか?まだまだ読みたいと思わない人はいるだろう
『ママは何でも知っている』ママは何でも知っている(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon(アマゾン)Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で詳細を見る『ママ、手紙を書く』ママ、手紙を書く(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で詳細を見る『ママのクリスマス』ママのクリスマス(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)『ママは眠りを殺す』ママは眠りを殺す(創元推理文庫)Am
金庫破りときどきスパイ(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)第二次世界大戦下のロンドン。灯火管制の暗闇に乗じ、伯父のミックと共に空き巣に入ったエリーだが、その帰りに陸軍のラムゼイ少佐に捕えられてしまう。エリーは無罪放免と引き換えに、国家機密文書を手に入れるための金庫破りに協力する事になるのだが、向かった先の金庫の前には死体が倒れており、機密文書も消えており…。凄腕の金庫破りであるエリーと、堅物ながら有能なラムゼイ少佐とのコンビによる、ハラハラドキドキのスパイ・サスペンス
暗殺コンサル(ハーパーBOOKS)Amazon(アマゾン)〈会社〉の指示で暗殺に関するプロットを書く事を生業とする主人公。もともとはクラスでも顔と名前を覚えられていないような影の薄い人物で、楽しみはパソコン通信にて、ミステリー小説を発表する事。やがて軍隊に入り、除隊後のインターネット事情を含む環境の変化に戸惑う中で、かつて主人公が書いていたミステリーのファンだという人物が現れ、犯罪小説を書いて欲しいとの依頼が。ただ、奇妙な事に、小説の材料(被害者の設定などの資料)は依