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31優衣は「そろそろ時間かも」そう言った。二宮はその言葉の意味を理解出来ずにしばらく優衣を見つめていた。「カズちゃん、私ねカズちゃんが普通に街を歩けるようにいつも魔法をかけてた。」優衣は「そろそろ時間かも」の意味を二宮に伝えることなくそう言った。「魔法?」二宮はますます理解に苦しんだ。「そう…魔法。カズちゃんが私といる時に誰にも気づかれなかったのは、そのせいなの。でもね、これはかなり体力がいるの。だから疲れちゃって。今日レストランで倒れたのはそのせいなの。ごめんね。」「そうだった
30優衣は泣いていた。確かに俺の前にいる。「優衣?」俺はベッドで布団を被って泣いている優衣に声をかけた。「カズちゃん…」布団の中からかすれた優衣の声が聞こえた。「優衣、もういいから出ておいで。」優衣はそっと布団から顔を覗かせた。「優衣?泣かないで。」俺はそっと優衣の頬に流れる涙を拭った。「カズちゃん、私ね。帰らないといけない。」優衣はベッドから起き上がると俺の首に手を回して抱きついてきた。俺もしっかりと優衣の腰に手を回した。「帰るって?」「私がこの世からいなくなって
29二宮はベッドで横になる優衣に「俺のせいで…君は…」そう言って泣いた。「カズちゃん、違う…違うよ。」「違う…カズちゃんは悪くない。」そう言って優衣はベッドから体を起こした。「でも、優衣はあの箱を取りに行ったんだろ?」「箱は…そうだけど…だけど、違う。」「何がどう違うんだよっっ!」「…カズちゃん、あのプレゼントね、すごく嬉しかったの。タクシーの中で開けて…すごく嬉しかった。カード…入ってたでしょ?」「カード…?」「あれに書いてあったの。カズちゃんが絶対に言ってくれなかった言
28それから部屋に戻りゲームをして、母親に『ご飯だよ』と呼ばれると下へに行きご飯を食べ、お風呂に入っていつものように眠った。きっと、夢だよ。きっと…朝になっても夢から醒めることはなかった。だけど、相変わらず涙は出ない。悲しくてもお腹も空くし喉も乾く。いつも通りの生活。優衣がいないだけでいつもと変わらない。だけど俺は優衣がこの世からいなくなったのは自分のせいだと考えるようになった。お葬式に向かう途中で話し声が聞こえた。『優衣、彼からのプレゼントの箱を取りに戻って、乗るはずだっ
27優衣が行ってしまってからしばらく、いつもの河原のベンチに座って空を見ていた。すっかり日も暮れて空は夕陽でオレンジ色に染まっていた。明日からまたひとりか…夏の終わりのせいか夕方になると涼しいと言うより少し寒く日の暮れるのも早かった。俺は自宅に帰りリビングのテレビを何げなく付けた。ボーっと見ていたテレビの中からニュース速報を知らせる音が鳴った。航空機墜落…そういえば優衣も飛行機に乗って帰ったんだったな。俺はそう思って一瞬凍りついた。まさか…優衣の乗った飛行機じゃないはず。
26時間なんてあっという間だった。優衣がアメリカに帰る日がやって来た。『優衣。』『カズちゃんっ!』『ごめん、空港でって思ったんだけど…』俺は優衣の家の前で荷物をタクシーに運ぶ優衣に声をかけた。『嬉しい。空港だと友達もいるしカズちゃんとは話せないと思ってたの。』『良かった。時間ある?』『少しなら…』俺は優衣を家から少し離れた場所まで手を引っ張って連れて行った。『カズちゃん、どこ行くの?』俺は適当な場所まで来ると優衣の手を離して立ち止まった。『あのさ、向こうに帰っても元気で
25俺は、倒れた優衣を連れタクシーで家まで帰る途中ふと思い出した事があった。『カズちゃん、私明後日にはアメリカに帰る事になった。』いつものように河原のベンチで話していると優衣が突然アメリカに帰ると言い出した。『えっ?明後日?!』『うん…急にね、お父さんの仕事の都合で帰らなきゃならなくなったの。』『明後日って…来週には優衣の誕生日を一緒に祝おうって…』『ごめん…』『でも、まぁ仕方ないか…お父さんの仕事の都合なら…』『カズちゃん?寂しい?』『………』俺は答えなかった。寂しい
24それから二宮は、何かを思いだす事もなく、優衣も何かを二宮に伝える事なく、淡々と日々は過ぎて行き夏も終わろうとしていた。ある時、起きると優衣はキッチンで朝食の用意をしていた。「あっ、カズちゃんおはよ。」「おはよ。」二人は見つめ合って微笑んだ。「カズちゃん、今日、夕飯は外で食べない?」「外で?」「話したい事もあるし、待ち合わせしよ?」「いいけど…8時過ぎちゃうかもしれない」「大丈夫。じゃあこの間のレストランで。」「分かった。」二宮は外で彼女と待ち合わせが出来るのが嬉しかっ
23ベッドからカズちゃんがそっと出て行くのがわかった。いつかは話さなければ…そう思ってはいても、なかなか言い出せない。本当の事を言えばカズちゃんが悲しむから…でも、それはカズちゃんのせいじゃない。私がいけないんだと言う事をカズちゃんに伝えに来た。あと少しでそれを思い出してしまう。私から話さなければ。約束を果たしに来たって、カズちゃんには言ったけれど本当は違う。カズちゃんが本当の事を思いだす時が来る…必ず、だから…その時、カズちゃんが寝室に戻って来た。私の横にそっと入る。
22俺は優衣を抱きしめたままうっすらとした記憶を辿った。そうだった。俺は優衣を大好きで二人は夏にはいつも会っていた。でも、いつから会わなくなったんだろう…俺は優衣と別れたのだろうか…?疑問はますます増すばかりだった。「優衣?」俺は自分の胸の中にいる優衣に話しかけた。「ん?」「俺、思い出したよ。いつも夏には会ってたんだね。」「うん…思い出したんだ。」優衣は俺から体を離すと俺を見てニコッと笑った。それからこんな事を俺に言った。「カズちゃん、その先は?思い出したの?」「えっ
20それから優衣がアメリカに帰るまで、時々夜もこうして会っていた。橋の手すりに寄りかかり星を眺めていた。『星が綺麗。』『ホントだ。』『カズちゃん、私がいなくなったら探してくれる?』『え~?優衣、病気は良くなったんでしょ?急に何言ってんの?』『まだね、時々調子悪くて…』優衣が急に目を伏せる。『えっ?だってアメリカで手術はうまくいったんだよね!?』『うん…』『だったら…!』俺は真剣な眼差しで優衣の肩を掴んだ時、優衣が急に笑い出した。『ふふふ。』『人が真剣になってる時に!』
19『いつまでいるの?』『なぁに?早く帰って欲しいの?せっかく一時帰国してるのに。』優衣と俺は橋の上にいた。辺りはすっかり暗くなっていて橋にはライトが光っていた。『そんな事はないけど…』『夏の間はいるよ。』『じゃあまだ、一緒にいれるね。』俺はいつになく嬉しかった。夏の間は優衣と過ごせる。その時、空に光り輝く花が散った。光りは優衣の横顔を照らした。この街で一番早い花火大会だった。『綺麗~。今日は花火大会だったね。まだ7月なのに。』優衣が空を見上げて嬉しそうに微笑む。『楽しそ
18タクシーがマンションの前に着くと二宮は優衣を起こした。「着いたよ。優衣?」「んっ?あっ、ごめん、寝ちゃってた…」優衣は目を擦りながら窓の外を見た。「大丈夫?」「ん?何が?」優衣は不思議そうに二宮を見た。自分が泣いていた、と言う事は覚えていないようだった。無意識の涙だったのか…。俺はタクシーから優衣が降りると自分も降りてトランクから荷物を取り出した。「行こっか。」いつものようにエレベーターに乗り部屋へと行くと俺は優衣をソファーへ座らせた。さっきの涙の訳を聞きたかった。
17二宮は優衣と手を繋いだまま黙って歩き続けた。「カズちゃん?」「………」「カズちゃんっ!」優衣の呼び掛けにやっと我に返った。「あっ、ごめん。何?」「カズちゃん、どこまでいくつもり?駅通り過ぎてる。」「えっ?」辺りを見渡すと駅をかなり通り過ぎていた。「大丈夫?」優衣が心配して二宮の顔を覗き込んだ。「ごめん…なんか疲れてるかな。」「いいよ。」「優衣?」「何?」「こっちにいる間は俺の家にいたら?」「えっ?」「一時帰国なんでしょ?いつまで?」「夏の間はいるよ…」「じ
16観覧車が下まで来てドアが開いた。二宮は優衣が降りやすいように手を差し伸べた。二人は観覧車を降りるとそのまましっかりと手を繋ぎ遊園地の出口に向かって歩き出した。「カズちゃん。お腹空いた…」優衣ははにかみながら二宮にそう言った。「アハ、俺も」二宮も優衣を見て微笑んだ。「じゃあ、食べに行く?」「うん。」二人は遊園地から出ると電車に乗りレストランへと向かった。「この駅を降りると美味しいお店があるんだ。」二宮は優衣に説明しながら駅からレストランへと向かった。「楽しみ。」優衣は二
15優衣と二宮はそれに乗るために乗り場まで歩いた。大きな丸い箱がゆっくりと動いている。それは遊園地の中でも一番目立っていた。「あんまり並ばなくても乗れそうだよ。」優衣が乗り場を指さした。「じゃあ、すぐに乗れるかな。」「そうだね。」二人は一番最後尾に並んだ。「これ、てっぺんに来たら絶対綺麗だよ。」優衣は観覧車を見上げた。「そうだな。」二人は並んでる間、たわいもない話しをしながら自分達の順番の来るのを待った。「そろそろかな。」優衣はソワソワしながら前の方を見た。「どうした?
14最初は周りを気にしていた二宮だったが優衣と一緒にいる内に周りは気にならなくなっていた。「じゃあ、次これ乗ろ!」「ちょ、ちょっと待ってっ」二宮は息を切らせながら優衣を追いかけた。「もう、体力ないなぁ。」優衣は腕組みをして後ろから走って来た二宮を見た。「もう、勘弁して…」二宮は汗をかきながら近くにあったベンチにドサッと座った。「はいっ!カズちゃん」優衣は二宮に売店で買ったジュースを渡して自分もベンチに座った。二宮はそれを受け取りながら「優衣、もう帰ろ。」と言った。「もう、
13優衣は支度が整うと「行こうか」と二宮に声をかけた。ソファーで携帯をいじっていた二宮が「うん、じゃあ今車出してくるから」と立ち上がると優衣は首を横に振った。「ん?優衣、何?」「車では行かないよ、電車。」「はっ?」「大丈夫だから。それで遊園地に行く前に着替えたいの。洋服…買っていいかな?」「あっ、うん…」優衣は昨日泊まってそのままだったんだ。二宮は優衣が自分の家に泊まったという事実を改めて思って急に恥ずかしいような照れ臭い気持ちになった。「どうしたの?」優衣が二宮の顔を覗き
10しばらくすると二宮のマンションの前に着いた。マネージャーにお礼を言って降りると二人は二宮の部屋へと向かった。エレベーターに乗り部屋がある階に降りると二宮はポケットから鍵を出してドアを開けた。「どうぞ。」二宮は優衣を部屋の中へ誘導した。「お邪魔しまーす」優衣はソッと部屋へと入った。「そんな恐る恐る入らなくても何もいないよ(笑)」二宮は優衣の姿を見てちょっと笑った。「あはは(笑)初めて入るしなんか緊張しちゃって。」優衣は微笑んだ。二宮は部屋の明かりをつけると優衣にソファーに座
9二宮は店員を呼んで会計を済ませると個室から出て直接地下駐車場へ出れる出口から駐車場に出た。少し待つとマネージャーが来た。「乗って。」二宮は優衣を先に乗せると自分も乗り込んだ。マネージャーは「どこに向かいます?家はどちらかな?」と優衣を見て聞いてきた。「えっと…」優衣は答えに戸惑っているようにも見えた。「そう言えば、家どこだっけ?」二宮は優衣を見た。「今はホテルに泊まってるの。○○ホテル」「そっか…一時帰国だもんな。」「うん…」二人は何となく黙ったままだった。俺は窓の外を見
8あの電話から1週間。俺たちは個室のある料理屋で食事をする事にした。いつも行く和食の料理屋に予約をしておいた。「個室にしなくても良かったのに。」優衣は個室に入ってくるなり俺にそう言った。「ん…でもそう言うわけにはいかないでしょ?」優衣は俺の前に座りながら「ファミレスでも良かったんだよ?」と言った。「あはは、まさか(笑)ファミレスになんてしたら大変な事になっちゃうよ。」「大丈夫だよ、私と一緒なら大丈夫。」優衣は何だか自信ありげにそう言って座り心地が悪いのか座布団を直しながら
7二人で会う約束をしたのはいいけれど、いろいろ面倒だな…。どこで会おうか?下手に出歩くといろいろ厄介だ。優衣は俺がどういう存在か分かっているんだろうか。アメリカに行っていたんだし知らないって事だろうか?いや、でも同級生なら知っているはずだ。二宮は電話を切ってからも窓の外を眺めていた。オレンジ色に染まった空は徐々に暗くなっていく。少しずつ暗く黒くなって気付けば闇に包まれて外灯の明かりが綺麗に光っていた。もうすっかり夜になった空を二宮はベランダから見ていた。まだ初夏と言う事もあって
6優衣は、コーヒーショップで机に伏せて寝ていたが周りの話し声や物音で目を覚ました。ちょうど後ろの席に女子高生が入ってきて何やら騒がしくなった。テーブルに置いてある自分の携帯電話が着信を知らせるランプが点滅していた。あっ、電話来てたんだ。ぜんぜん気付かなかった。優衣は携帯電話を開いて着信を確認した。《二宮和也》ふふ、かけてきてくれたんだ。優衣は嬉しくなって発信ボタンを押そうとしてやめた。ちょうど後ろの席には女子高生がいるしさっきより騒がしくなった店内ではゆっくり電話が出来ないと
5二宮はうっすらと目を開けた。あっ、寝ちゃってたんだ、俺。えっ?二宮は自分が泣いている事に気付き驚いた。なんで泣いてんだ?寝ながら泣くなんて…そう言えば、優衣ちゃん…あの子は優衣ちゃんだったのか。アメリカから帰国してたんだ。知らなかった。考えてみれば、同級生が優衣ちゃんの話をする事は今までなかったかもしれない。遠い記憶。きっとみんな忘れてるのかもしれない。俺だって忘れていた。だけど、あんなに遊んだりしたのに忘れてたなんてな…頭の片隅にさえ記憶がなかったなんて。二宮はソ
3やっぱりダメかぁ~。優衣は溜め息をついて頬杖をついた。コーヒーショップの窓際の席に一人座って窓から外の様子を眺めていた。まぁ、当たり前か…いきなり会って欲しいなんて虫が良すぎる。彼が「うん。いいよ!」なんて言うはずがない。優衣は分かっていた。こうなる事も予想はついた。これからどうしようか…。私の事を思い出してくれたらいいんだけど。彼の記憶からは私の事はきっと消されている。彼が思い出すのを待つしかない。名前…見たら思い出すと思ったんだけどな~。優衣はまた、溜め息をつい
2二宮は家に帰ってからふっと思った。俺の電話番号…あの女の人に分かっちゃったな。だけど俺の事分かんなかったみたいだし、大丈夫か?二宮は、気にはなったがたぶん大丈夫だろうと特に気にする事なく過ごしていた。それから何日か立って二宮が休みの日にゲームをしているとソファーの上にあった携帯が鳴り出した。誰だろ…二宮はゲームをしている手を止めて携帯電話を見た。ん?誰?優衣?えっ?こんな名前知らないし電話帳に登録した記憶がないんだけど…スタッフさんとか?とりあえず出た方がいいかな、
1いつの間にかヒラヒラと枯れ葉が舞う季節になった。枯れ葉を見ると思い出す。君の事を。今頃どうしているんだろうか?きっともう、俺の前には現れないだろう。神様がそう決めたんだ。「二宮さん、休憩終わりましたよ。」そう声が掛かって二宮は振り返った。「はい。」そう返事をするとまた撮影に戻っていった。二宮は思い出していた。まだ夏の始めの夜だった。「ごめんなさい。」二宮はコンビニから出る時に誰かとぶつかりそうになって謝った。「いえ…」ぶつかりそうになった相手はそう言って何か言いた
こんばんは春休みですね今日は至って平和しいて言うならアタシが1人で…職場でコピー用紙をばら撒き…ブルゾンちえみやってきたくらいですwithBおらんので…もちろん1人でアタフタと(笑)withBおらぁ〜んなんなら弾けるホデェでもありませんしね(笑)チビズもお外で元気に遊ぶもうほぼ春ですね平和すぎてお友達からのライン返信まで5分の間に…寝落ちたとか内緒(♡ˊ艸ˋ♡)たんまり寝て元気です(笑)なので今日はのんびり…5×10観てました南くんの余韻かな…瞳の中のGal
嵐のお気に入りシングルランキング。2004年編。3位瞳の中のGalaxy(8月18日発売両A面)・・・南くんの恋人主題歌。これはなんといっても作詞作曲が藤井フミヤさん!たぶん有名アーティストに担当してもらったのはこれがはじめての曲。ありがとうございます(誰目線や、、、Mステで披露時はにのギター弾いてたね。貴重だ☆2位Hero(8月18日発売両A面)・・・アテネ五輪中継イメージソング。応援ソング。歌詞に勇気づけられる。五輪