家路(12月11日)―「ふりかえるひまもなく時は流れて/帰りたい場所がまたひとつずつ消えてゆく」
「ふりかえるひまもなく時は流れて/帰りたい場所がまたひとつずつ消えてゆく」中島みゆきさんの「誕生」の一節。歳をとるたびに帰りたい場所がひとつずつ消えていく。友人の母上が認知症で施設に入っているため、先日、ご家族で40年以上過ごしたアパートを引き払った。友人は「人生の中の大きな思い出が終わりました」と言ったが、それ以上に認知症の母上を見るのが辛いと言う。▼筆者の母は今から37年前、筆者20歳の時、45歳にしてがんで逝った。今から4年前には父が逝った。ふるさとの実家に住む人はなく、数年前、更地に
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