「ガシャンッ」「ギギーッ」僕の目の前に立ちはだかっていた重く暗いドアが開いた。今は太陽の高度が一番高い時間帯だ。一気に光が差し込む。「まっ、まぶしい……」僕は思わず目を閉じた。「N501。君の無罪が証明された。こんな所に閉じ込めて申し訳なかった。さぁ、たった今から君は自由だ。」「N501」僕はこの暗く湿った空間ではそう呼ばれていた。システマチックに囚人を管理するためだ。僕はここに居る間、名前を奪われこの番号で呼ばれ続け、名前を呼ばれる事はなかった。僕はツッコミたくなった。ある日突然身に覚えのない