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匠を紹介するサイトで知った宮川刷毛ブラシ製作所は、大正10年の創業で、90年余りの歴史があります。同店に別注したのは、10年以上前になるでしょうか。最初に仕様を説明した際、毛の種類と長さについて、ご主人に念押しされた事を思い出します。結局、大判形で、長さ135mm、幅55mmの朴の木の木地に、毛丈40mmの白馬毛を植えてもらいました。(毛丈40mmの白馬毛です。)(毛の密度は、こんな具合です。)綺麗に面取りされた白木仕上げの共蓋には、上部に「手造り」の赤い印が押印されています。木地
今春、何とか全日制高校に入学できたチビ。ゴールデンウィーク明け辺りから体調も気力も揺蕩っていて…。でも、怪しくなって来た雲行きを、少しは楽しめるようになっている今日この頃です。ところで、彼が生まれて間もない頃。という事は、14・5年前になるでしょうか。田中ブラシ製作所や宮川刷毛ブラシ製作所とともに、同じ白馬毛を使った手植えブラシを別注したのが、浅草の藤本虎。(左から「手植え靴ブラシ②~藤本虎~」、「手植え靴ブラシ③~宮川刷毛ブラシ製作所~」及
(今回の主役は、真ん中に鎮座するかなや刷子です。)大正3年創業のかなや刷子。こちらは、浅草の出店で小売りをされています。本店に直接、依頼して作ってもらったのが、一回り大きめの長さ137mm、幅61mmの大判型。朴の木の木地に、毛丈もちょっぴり長めの42mmの白馬毛を植えてもらって…。軽く面取りされた白木仕上げの共蓋は、削り出しそのままのプレーンな状態。側面もフラットで、削りは入っていません。特徴的な釘打ちは、通常とは反対方向の木地の縁、例えると書類のマージンとか、紳士靴のコバのよう
三条大橋の西詰に、古民家の落ち着いた佇まいの店があります。看板を掲げていないのですが、店先に並んだ束子や箒で、棕櫚(シュロ)の専門店である事を窺い知ることができます。文政元年(1818年)創業ですから、もうすぐ2世紀になる老舗です。(真ん中の店が今回紹介する桔梗利内藤商店です。三条大橋に向かって撮って見ました。)(通りの向かい側から撮って見ました。)棕櫚とは、ヤシ科常緑高木で、丈夫な樹皮は、縄や敷物、束子や箒に加工され、図案化された意匠は、家紋
これまで、今年で創業300年を迎えた江戸屋に始まって…。江戸屋のブログは、こちらで…「手植え靴ブラシ~江戸屋~」。江戸屋②のブログは、こちらで…「手植え靴ブラシ⑬~江戸屋②~」。藤本虎、宮川刷毛ブラシ製作所、田中ブラシ製作所…。藤本虎のブログは、こちらで…「手植え靴ブラシ②~藤本虎~」。藤本虎②のブログは、こちらで…「手植え靴ブラシ㉔~藤本虎②~」。宮川刷毛ブラシ製作所のブログは、こちらで…「手植え靴ブラシ③~宮川刷毛ブラシ製作所~」。
ある地域ブランドの紹介サイトで知ったのが、宇野刷毛ブラシ製作所。創業は、大正6年。と言う事は、来年には100周年の節目を迎えます。こちらで手に入れたのが、少し長めの155mm、幅55mmの角丸長方形の朴ノ木の木地に、毛丈35mmの白馬毛を植えたもの。オーソドックスな7行植えで、17列あるので119の穴が空けられています。木地の側面に削りが入らないタイプで、丸頭の真鍮釘を左右対称に4本ずつの釘打ち。(少し大きめの角丸長方形の木地です。)(毛丈は35mmですが、木地の厚みで、高さは大判
申年最後の更新となりました。よろしくお付き合いください。毛の質に拘りのあるこの工房では、精毛(馬毛の原毛を洗浄し、ボイルして余分な脂を抜き、まっすぐ形を整える作業)をしてから手植えしています。これは、洋服ブラシの工程なのですが…。そこで、お願いして、同じ手間を掛けて、靴ブラシを作ってもらいました。かなり大きな長さ180mm、幅60mmの大判型の檜の木地に、毛丈40mmの白馬毛を…。洋服ブラシと同じ仕様なので、9行植えしてもらいました。緩やかにアー
もう10年になるでしょうか。桜の季節には、幾分早い弥生の中頃に、実物が見たくて、出店していた堺の高島屋に出向いたのが、洋服ブラシのイシカワ。同店の長さ150mm、幅50mmの長方形の黒馬毛は、毛丈が27mmの尾脇毛、いわゆる尾の根元に生える羽毛のような毛を使ったタイプ。火のしで、高温プレスして整えられた尾脇毛は、小筆と同じ品質で、滑らかで柔らかいのに腰があるとのこと。「このブラシは、小筆が木地の穴の数だが並んでいると考えればいい。」ご主人の物づくりに対する熱意が伝わってくる、そんな説明
江戸屋は、その名のとおり、江戸時代の中期、享保3年(1718年)に開業した老舗中の老舗。こちらの黒毛の3本は、同店の花馬毛、いわゆる馬の鬣(たてがみ)を使ったタイプ。(花馬毛の大判形と長方形です。)(角度を変えて見ました。)大判形のものは、長さ135mm、幅55mmのブナの木地に、毛丈40mmの黒の花馬毛を植えていて…。(毛丈40mmの花馬毛で、サイドに削りが入ります。)(こんな密度で植えられています。)綺麗に面取りされた共蓋(ともぶた)には、上部に「極上」の文字、下部に「○」に「
ドレスシューズを磨き上げる仕上げの工程で使われる靴ブラシ。毛丈が25mm程度の豚毛のものが、よく使われていた、と記憶しています。その理由は…。腰が強く、長年使い続けると馴染んだ毛に染み込んだクリームの成分を適度に靴に与えながら、素早く仕上げる事ができるから…。事実、これまで手植え靴ブラシの別注をお願いして来た宮川刷毛ブラシ製作所の先代や田中ブラシ製作所のご主人さんからは、「仕上げは、豚毛ブラシで」とのアドバイスをいた
前々回に続いて、機械植えの靴ブラシの話を…。ドイツの靴に対する考え方は、整形外科的な健康と繋がっていて、足裏にフィットする特注のインソールの製作など、目から鱗のアプローチでした。15年くらい前、京都高島屋の1階に入っていたのがアルカ。ひと通りのレクチャーを受けた後、若干オーバーサイズのトリッカーズのカントリーとアンクルブーツ用にインソールを作ってもらいました。何故か、裏側の色が違うのが不思議ですが…。可塑性のある素材に足を入れて型を取って成形してもらい、数週間後完成する、と言った手順だ
いつもより、少しだけ慌ただしい朝でした。そろそろ出掛けようとしていた矢先に…。ド~ンと、家を地面から突き上げるような地鳴りに続いて、物凄い揺れを感じて…。ほんの数秒でしたが、後から考えると阪神淡路大震災より強い振動だったと思います。緊急地震速報が鳴ったのは、揺れが収まる間際で…。この時ばかりは、苦笑い。「何じゃそら」って、呟いたかもしれません。出勤途上の街中は、旧街道沿いに瓦が散乱していて…。非日常の風景は、徐々に、否、急速に変わって行き、夕暮れ時
神田神保町の山田塗具ハケ製作所は、大正2年の創業で、1世紀を超える歴史があります。ハケとブラシの専門店として、テレビでも取り上げられたことがある名店です。同店5代目のご主人に、かなり無理を言って、お願いしたのがこちら。大判形で、長さ135mm、若干細身の幅53mmの朴の木の木地に、毛丈40mmの白馬毛を植えてもらって…。この馬毛は、白さが際立っていて、真っ白に見えます。法則どおり、柔らかさも抜群です。(朴ノ木の大判型です。)(毛丈40mmのホントに白い馬毛です。)(自然光だと良く
白とくれば黒。黒とくれば白。法則のように、植えられた毛の色を選んでしまうのが、手植え靴ブラシ。(こちらは、「手植え靴ブラシ~江戸屋~」と「手植え靴ブラシ⑬~江戸屋②~」で紹介した江戸屋のブラシです。)(こちらは、「手植え靴ブラシ②~藤本虎~」と「手植え靴ブラシ㉔~藤本虎②~」で紹介した藤本虎のブラシです。)(こちらは、「手植え靴ブラシ⑧~イシカワ~」で紹介したイシカワのブラシです。)(こちらは、「手植え靴ブラシ⑯~バーゴル~」で紹介したバー
久々の更新です。本日の陽気は、正に春のそれでした。とても気分が良かったので、すぐに本題へ、と行きたいところですが…。少し寄り道をして、先日、見聞きしたお話を。歳を重ねるとカタカナ語や英字3文字の略語に、とても弱くなります。困ったものですが、実感です。とある窓口での出来事。高齢の男性が身分証明書の提出を求められていました。そんな女性スタッフの質問に、「運転免許証は、返した。」「それで、あの~何て言ったかな?」
またもや、メガホースブラシの話を…。こちらは、トレーディング・ポストの別注品で、ECCで教えを受けた先生が米国に移住する際にも、プレゼントで使いました。しっかりと面取りされ、側面に削りがない長さ210mm、幅60mmのクリア仕上げの白木の木地に、毛丈40mmの栗毛を植えたもの。今考えると、荷物になって迷惑だったかもしれませんが…。(しっかり面取りされ、側面もフラットです。)(クリア仕上げの木地です。)(毛丈40mmは、手植えブラシの別注品と同じ長さです。)(黒毛に見えますが栗毛です
トンボのマークの前原光榮商店。現在、オフィシャルサイトからリンクするオンラインショップで購入可能です。こちらは、当時、難波の高島屋に出店していた取扱店で、桜手元の交換と共にお願いした極太のマラッカ手元の16本骨。(手元はマラッカ、中棒は樫、どちらも天然木です。)(共布の袋入り。)(袋から出すと、こんな感じです。)(存在感のあるマラッカの手元には、タッセルが付いています。)(黒い石突き、樫の中棒、金属製の陣