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母は少し頷いてくれるだけ。時々痛みで顔を顰める。母が会いたかった人。母の祖母。私の、ひいおばあちゃんです。癌になった事を伝えていませんでした。【必ず良くなる】そう信じていたから‥伝えられずにここまできてしまった。【ともちゃん、おばあちゃん来たよ。】私が伝えると、母は目を開けて【おばあちゃん‥来てくれてありがとうね。】と笑った。しっかり、おばあちゃんの顔を見て。病院着を整えて話をした。(ともちゃん‥かわいそうに‥ごめんね、おばあちゃん知らなくて‥。変わってやれたら
予定時刻を大幅にこえて、銀色の小さなトレーを持って主治医は戻ってきた。『お待たせしました‥。予想をはるかに超えた状況でした。』『摘出した腫瘍などは、ご家族にきちんと見せます。こちらが卵巣です。』と主治医が言った。銀色のトレーの上には、私の掌ぐらいの大きさの卵巣‥だったものがあった。卵巣は破裂していて、直接的な死因は、ここからの出血だったらしい。破裂した卵巣の中にはBB弾のような黒い塊がいくつもあった。『この、黒いのが、癌です。』主治医はそう言った。‥こんなも
あやだけでも、戻ってこれないか?とパパに言われた。運転して、妹達を送って、パパの車を置きに行って‥今やっと帰ってきて、、また名古屋から草津を1人で運転、、。冷静に無事辿り着ける気がしなかった。私は断った。あぁ‥また後悔が一つ増えたなぁ。また後悔するんだろうなぁ‥。【じゃあ‥薬、使うな‥】とパパ。【わかったよ‥】と私。あぁ‥名古屋、帰ってこれなかった。もう、仕方ないね‥。さっきが最期のお別れか。もう話す事も。生きたまま名古屋に戻ってきて、温もりをもう一度感じる事も
19日、朝8時頃に母が居る病院へ向かった。正直、眠れたのか、眠れていないのか‥よくわからないまま朝を迎えた。病室の前には葬儀屋さんが居た。「この度は、ご愁傷様でございます。」そうか‥ともちゃんは死んだんだ‥。病室へ入って葬儀屋さんは合掌し、母の遺体をベッドからストレッチャーに乗せ白い布のようなもので全身を覆い、病室を出た。霊柩車までは、主治医も同行した。母の主治医は、本当に素晴らしい先生だった。最初はハイパーサーミアで知り合った先生。物腰は柔らかく、真面目な優しい先生
9月17日朝から病院へ行った。明らかに調子が悪そうだった。眠る‥痛がる‥眠る‥痛がる‥その繰り返しだった。草津総合病院での主治医の話を聞いて、家族でセデーションについて話し合った。セデーションは水曜に名古屋で行う。‥今日は月曜。明日火曜日に名古屋に戻って‥会いたい人に会って‥セデーションで眠らせてもらう‥。母の希望だった。主治医との話を終え、一人で母の側に行った。やせ細った手を握って眠るばかりの顔を見てたら涙が止まらなくなった。母の前では泣かないと決めたのに。母
9月18日に母は家族、友人、みんなに見守られながら旅たちました。何とか草津から名古屋に戻り、慣れ親しんだ病院で、大好きな主治医のところで。驚くぐらいの人が母の最期に会いに来てくれました。夕方に、みんなにお別れをして、ミタゾラムを使いました。母が望んでいた終末期鎮静。セデーションです。それからは、意識がない中、友達と同窓会の中に居るような賑やかな時間を過ごし、家族や、親友たちが、みんな部屋に入った数分後に、静かに息を引き取りました。この時間を待っていたかのように。ともちゃん。もう痛く
死亡確認がされて、残された家族や、友人達はみんな泣いていた。不思議と私は涙が出ませんでした。お出かけが大好きなともちゃん。食べる事が大好きなともちゃん。人と話す事が大好きなともちゃん。癌は、ともちゃんから何もかもを奪いました。大好きだったお出かけも、できなくなった。最後のお出かけは、最初に草津を受診した時。あの時、もう末期の症状が出てきていて、身体はとても辛かったんだろうと思う。でも、自分の中でこれが最後のお出かけになるかもしれない。って、わかっていたよね。だから、行
久しぶりにブログを開くと何やら仕様が色々と変わっていて、不安になりますね😅お久しぶりです。もう、更新するつもりは無かったのですが、有難い事に、心配してメッセージをくださる方、同じ境遇の方、治療や草津総合病院の質問など…たくさんの方からメッセージやコメントなどを母が亡くなった3年弱経った今でもいただいております…(本当にありがとうございます😭)私は、元気にやっています😊母が亡くなって、しばらくは落ち込んだり眠れなくなったり泣いたり…情緒不安定になって辛くなって正直死んでしまおうか。と思っ
今回紹介する映画はこちら、「グッドナイト・マミー」2016年に公開された、オーストリア映画。映画の予告編が怖すぎると話題にもなりました。映画のあらすじはといいますと、、森と畑に囲まれた田舎の一軒家で母親の帰りを待つ9歳の双子の兄弟。ところが、帰ってきた母親は顔の整形手術を受けており、頭部が包帯でぐるぐる巻きになっていた。さらに性格まで別人のように冷たくなってしまい、兄弟は本当に自分たちの母親なのか疑いを抱くように。そして正体を暴くべく彼女を試しはじめるが、その行為は次第にエスカレートして