ブログ記事182件
《新古今和歌集・巻第八・哀傷歌》802返し前大僧正慈円思ひ出(い)づる折(を)り焚(た)く柴(しば)と聞くからにたぐひ知られぬ夕煙(ゆふけぶり)かな☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆返し前大僧正慈円亡き人を思い出された折に、折って焚かれた柴だとうかがいますので、その夕煙は、ほかに類が知られない夕煙だと思うことでございます。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《新古今和歌集・巻第八・哀傷歌》803雨中無常(うちゆうのむじやう)といふことを太上天皇なき人の形見(かたみ)の雲やしをるらん夕(ゆふ)べの雨に色は見えねど☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆「雨中の無常」という題を太上天皇亡き人の形見の雲がしっとりと沈んでいることであろうか。夕暮の雨で色は見えないけれど。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《新古今和歌集・巻第八・哀傷歌》808恒徳公(こうとくこう)かくれて後、女のもとに、月あかき夜(よ)、忍びてまかりて、よみ侍りける藤原道信朝臣干(ほ)しもあへぬ衣(ころも)の闇(やみ)にくらされて月ともいはずまどひぬるかな☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆恒徳公が亡くなってのち、女のもとに、月の明るい夜、ひそかに訪れて行って、詠みました歌藤原道信朝臣悲しみの涙を干すこと
*:..。o○○o。..:*リーディング短歌書き下ろしLINE公式アカウント(旧LINE@)もおみくじ、占い感覚でどうぞ・*:.。執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。→★(執筆関係)→★(講義関係)*:..。o○○o。..:*見えつるかみぬ夜の月のほのめきてつれなかるべき面影ぞそふ式子内親王式子内親王集77【口語訳】恋焦がれる私の姿があの人に見えたのだろうか。あの人の夢に、それともふと垣間見たあの場面で。それで警戒されてしまったのか、私
《新古今和歌集・巻第八・哀傷歌》809入道摂政のために、万灯会(まんどうゑ)おこなはれ侍りけるに東三条院水底(みなそこ)に千々(ちぢ)の光は映(うつ)れども昔の影は見えずぞありける☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆入道摂政のために、万灯会が行われましたときに東三条院池水の底に、灯明の数知れない光は映っているけれど、亡き父の昔の姿は見えないことだ。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《新古今和歌集・巻第八・哀傷歌》807返し女御徽子(きし)女王いにしへのなきにながるる水茎(みづぐき)は跡こそ袖のうらに寄りけれ☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆返し女御徽子女王昔の帝はもういらっしゃらないので、伝わり残っているご筆跡には泣きに泣かれて、その涙の跡は、ご筆跡とともに、わたしの袖の中に残ることです。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
47八重(やへ)むぐら茂れる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり恵慶(えぎょう)法師【出典】『拾遺集』巻三・秋・140「河原院にて荒れたる宿に秋来るといふ心を人々によみ侍けるに」++【口語訳】(『最新全訳古語辞典』・東京書籍より)++多くのむぐらが生い茂り、もの寂しくなってしまったこの家には、人は誰ひとりとして訪れて来ないが、秋だけはいつもと変わらずにやって来たことだよ。++++++++++++++++++++++++++++□
*:..。o○○o。..:*梶間和歌プロフィール小説『短歌往来』2020年4月号に評論を執筆しました。「梶間和歌の評論の載っている4月号を」と言い添えてご注文くださいませ。ご購入はこちらから第零歌集『生殖の海』の予約販売を開始しました。ご予約はこちらから*:..。o○○o。..:*摂政太政大臣家に、五首歌よみ侍りけるにまたや見む交野(かたの)のみ野のさくらがり花の雪散る春のあけぼの藤原俊成新古今和歌集春下114【現代語訳】再
『新古今和歌集』の512番から514番まで歌の中に「鶉(うづら)」が詠み込まれていました。「鶉(うづら)」を古語辞典で調べると…うづら:鶉。鳥の名。草原で見られることが多く和歌では秋の風物詩として詠まれる。…という、「そのまんま」の意味だけが出ています。しかし、いつも申し上げているとおり古典和歌は【暗号】ですので❗️「うづら」という文字の並びをよ〜く観察してみると…(・Д・)「う」+「つら」👉「憂
*:..。o○○o。..:*梶間和歌プロフィール小説梶間和歌YouTubeチャンネル歌集『生殖の海』のご購入はこちら歌をやり取りするfacebookグループ*:..。o○○o。..:*一条院御時、皇后宮かくれたまひてのち、帳の帷(かたびら)の紐に結びつけられたる文を見つけたりければ、内にもご覧ぜさせよとおぼし顔に、歌三つ書き付けられたりける中に夜もすがら契りしことを忘れずは恋ひむ涙の色ぞゆかしき藤原定子後拾遺和歌集哀傷536【現代語
【幽仙法師(ゆうせんほうし)】🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨古典和歌を「和歌コード」に翻訳する時、無視できない要素があります。それは…◉作者のプロフィールや人物背景◉その時代に起こった出来事◉その『和歌集』掲載の前後の歌とのつながりこれらを抜きにしては「和歌コード」に翻訳することができません。…ということで和歌作者の詳細を見ていこうと思います。🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨🌟✨『古今和歌集』393番目の歌は幽仙法師の
昨日の記事に引き続き藤原明子(文徳天皇の女御・清和天皇の母)が亡くなった時の様子が描かれた歌です🌱平安時代は、現在のように化学物質で製造された薬はありませんから植物の効能を利用して邪気を払ったり、健康長寿を祈ったりしていたのですね🌸この歌に詠まれた「きくのつゆ」は、飲むと長寿を保ち、身体をぬぐうと若返るとされた…ということです🤗
*:..。o○○o。..:*リーディング短歌書き下ろし『源氏物語』を使った心理学講座。次回講座は12月25日、弘徽殿女御の人生を題材にします。執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。→★(執筆関係)→★(講義関係)*:..。o○○o。..:*冬歌中に冬の夜の長きを送る袖ぬれぬあかつきがたの四方(よも)のあらしに後鳥羽院新古今和歌集冬614【口語訳】冬の夜は長く、それもひとり寝の夜はひとしお長く感じられるもので、我が袖は涙に濡れ果ててしま
*:..。o○○o。..:*梶間和歌プロフィール小説梶間和歌歌集『生殖の海』梶間和歌作品一覧【個人発表作】【雑誌等掲載作】動画講座「歌塾」堀河百首チャレンジ【連載中】宇治十帖本説取りチャレンジ【連載中】梶間和歌の『新古今集』秀歌選【連載中】『玉葉集』秀歌選【連載中】*:..。o○○o。..:*次回裕泉堂歌会は4月30日です裕泉堂歌会向け講義動画隠岐後鳥羽院大賞令和5年和歌部門で大賞を頂きました*:..。o○○o。..:*心のまゝに詞
48風をいたみ岩打つ波の己(おの)れのみ砕けてものを思ふころかな源重之【出典】『詞花集』巻七・恋上・211「冷泉院東宮と申しつけるとき百首の歌奉りけるによめる」++【口語訳】(『最新全訳古語辞典』・東京書籍より)++風が激しいので岩に打ちつける波が、自分だけ砕け散るように、自分ひとりだけが心も千々に砕けて、もの思いをするころだよ。++++++++++++++++++++++++++++□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□
『和歌マニア』和歌のバースデーソング特集!?之巻和紙エンターテイナー、黒子の吉三(きちさ)です吉三のおすすめ和歌ラジオの時間です和歌マニアとは…【毎週水曜ごろ配信!】ええっ!?「百人一首」に「古今和歌集」、日本人なのに日本文化の王道「和歌」を知らない!?それは人生、損してますよ!春夏秋冬の「雪月花」や「恋」の話など、「古典和歌」を爆笑エンターテイメントとしてトコトン遊び倒していくラジオ番組です。ニンマリ笑って、けっこうタメになる!平成和歌所の“和歌マニア
《新古今和歌集・巻第二・春歌下》99釋阿(しゃくあ)、和歌所にて九十賀(くじふのが)し侍りし折、屏風に、山に桜咲きたる所を太上天皇桜咲く遠山鳥(とほやまどり)のしだり尾(を)のながながし日もあかぬ色かな☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆釋阿が、和歌所で九十歳の祝いをいたしました時、屏風絵の、山に桜の咲いている所を太上天皇桜の咲いている遠山の眺めは、長い長い春の日にも、見
《新古今和歌集・巻第八・哀傷歌》806斎宮(さいぐう)女御のもとにて、先帝(せんだい)の書かせ給へりける草子(さうし)を見侍りて馬内侍(うまのないし)尋ねても跡はかくてもみづぐきのゆくへも知らぬ昔なりけり☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆斎宮女御のもとで、先帝が書き残して置かれた草子を拝見しまして馬内侍さがし申して、まあ、先帝のご筆跡は、こうして拝見もしましたが、その御代
17【本文】四、みやこへと思ふ道のはるけさ二十二日。昨夜の泊より、異泊を追ひて行く。はるかに山見ゆ。年九つばかりなる男の童、年よりは幼くぞある。この童、船を漕ぐまにまに、山も行くと見ゆるを見て、あやしきこと、歌をぞよめる。その歌、漕ぎて行く船にて見ればあしひきの山さへ行くを松は知らずやとぞいへる。幼き童の言にては、似つかはし。今日、海荒げにて、磯に雪降り、波の花咲けり。ある人のよめる、波とのみひとつに聞けど色見れば雪と花とにまがひけ
《新古今和歌集・巻第三・夏歌》196題知らず大中臣能宣(おほなかとみのよしのぶ)朝臣郭公(ほととぎす)鳴きつつ出づるあしひきのやまとなでしこ咲きにけらしも☆☆☆☆☆【新編日本古典文学全集「新古今和歌集」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(訳者・峯村文人・小学館)の訳】☆☆☆☆☆☆☆☆題知らず大中臣能宣朝臣ほととぎすが山から鳴きながら出てくるが、もう、やまとなでしこも咲いたらしいよ。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆✴︎✴︎✴
*:..。o○○o。..:*梶間和歌プロフィール小説YouTubeチャンネル『短歌往来』2020年4月号に評論を執筆しました。「梶間和歌の評論の載っている4月号を」と言い添えてご注文くださいませ。ご購入はこちらから歌集『生殖の海』のご予約はこちら*:..。o○○o。..:*題しらず惜しめども散りはてぬれば桜花いまはこずゑを眺むばかりぞ後白河院新古今和歌集春下146【現代語訳】いくら惜しんでも惜しんでもすべて散り果ててしまった以