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本論文は、閉経時期の予測に関するレビューです。FertilSteril2024;121:737(オランダ)doi:10.1016/j.fertnstert.2024.02.029要約:閉経および早発卵巣不全(POI)の時期の予測には、これらのに寄与する要因を解明する必要があります。閉経は通常は51歳前後に起こりますが、POIは40歳未満での卵巣機能の喪失を指します。どちらも原始卵胞プールがほぼ完全に枯渇することによるものです。年齢、AMH、インヒビン、FSH、胞状卵胞数(AFC
Q現在凍結卵(3日初期胚)が1つあります。移植に向けて、ERPeak検査を病院から進められています。あと1回採卵をしたいのですが、移植周期のようなお薬を使うと卵胞が減ってしまうとドクターから言われました。ERPeak検査も同じ状態になるのでしょうか。採卵の前の周期にERPeak検査をする事は可能なのでしょうか。都合により採卵の前の周期にERPeak検査をしたいと考えています。妊娠経験は3度あり、すべて流産しています。宜しくお願い致します。A長期間ピルなどの女性ホルモン剤を服用すると、一
Q採卵前後の体調不良は普通なのでしょうか。皆さん、こんなにも辛い思いをして乗り越えてるのでしょうか。地方近郊に住んでおり、なんとかリプロには通院圏内ですが、そんなに易々と受診できず、体調不良で困ることが多々あります。地元の病院に受診しても急性期症状で救急外来にまわされ、不妊治療中と言うと困り顔されます。39歳、AMH1.4、チョコレート嚢腫、橋本病、シェーグレン症候群、セントロメア抗体陽性黄体フィードバック法+クロミッド+フェリング300単位+プレドニン15mg、顕微授精+polsc
少しセンセーショナルなお題ですが、今日は「E2値がおかしい」についてお話したいと思います。何度も書いておりますが、ホルモン値の解釈において基本中の基本は、「ホルモン値は、点で見るものではなく、線(流れ)で見るものであり、あるいは必要とあらば他のホルモン値やエコー所見、直前に使っていた薬剤等の影響と合わせて解釈するべきである」ということです。月経周期が順調であり、特に薬も何も使わない真っ新な状態の月経中のホルモン基礎値や、排卵後のE2・Pの採血など、本当にベーシックな状態についてはワン
2023.1.7「Q&A3534家庭菜園を楽しみにしていたらFSHが下がりました」、2023.2.4「Q&A35623534の続き」、2023.6.10「Q&A3688家庭菜園に熱中してたらFSHが低下し自然排卵」、2023.11.7「Q&A3838移植に備えて」、2023.1.16「Q&A3908AA胚盤胞ができました!」、2024.2.18「Q&A3941妊娠中のサプリは?」でお世話になりました。こんばんは!お久しぶりです、先生ーあれからお腹の赤ちゃんは順調に育ってます。
ブログを始めて11年8ヶ月(4291日)になりました。のべ8523回の情報提供を致しました。このうち質問コーナー(Q&A)は4028回を占めます。最新の論文を紹介していますので、通常のクリニックではまだ取入れられていないことも多くあります。なお、論文に記載された内容以上のデータはありませんので、ご了承ください(詳しく教えてくださいなどの質問が時にありますが、直接著者へお問い合わせください)。また、論文の内容を可能な限り忠実に日本語で紹介しており、基本的に私の考えは入っておりません(「私
Q低AMH(37歳時:0.44)不妊治療クリニックに通っているのですが、月経時ホルモン検査で何度かプロラクチン高値が出ています。100を超えた時は脳のMRIを撮りましたが異常なしでした。胃薬や精神薬も飲んでいません。甲状腺も少しTSHが高い気もしますが(20.1~2.3程度)投薬の必要はないとのことです。自分で高プロラクチンに思い当たる要因としては、妊活や彼との関係や仕事での大きなストレス、酷い不眠に心当たりがあります。不眠は12時前にはベッドに入るも寝つきが悪かったり、夜中にトイレで中
Q2020.11.12「☆採卵周期前のピル(カウフマン)の効果は?」の記事で、採卵前周期前のピル(カウフマン)について、知識を得ることができました。一方で、凍結胚移植前周期のピルの効果やメリットデメリットはどのようなところにあるのか、よろしければご教示いただけないでしょうか。移植前周期にピルで排卵を抑制する方針のクリニックもあるようですが、私の通っているクリニックでは排卵はさせて、排卵翌日(スプレー翌日)から12日間ピル(プラノバール)を服用するように指示を受けます。判定日での評価はHCGが
採卵を終えて一定数凍結できた場合、あるいは移植したが陰性だった場合、いずれの場合にも考えることになる命題が「次は採卵か移植か」ということです。何事もそうですが、こういったことは複数の条件を複合的に考慮して考える必要があります。1)現在治療中の生殖医療は保険か自費か2)今回が1人目不妊か2人目不妊か(あるいは3人目不妊か)願わくばお子さんをあと何人欲しいか3)あと複数人欲しい場合、実家や保育園(特に病児保育)等の状況4)現在凍結保管中の胚(初期胚か胚盤胞か、あるいはそのグレ
Q二人目、凍結胚移植を検討しています。高齢であることからリスクを考え不安も大きく、知識をご拝借できればと思いコメントに至りました。38歳PGT-A済、正常胚を2個凍結しています。どちらもグレードはよくありません(5日目3BC、5日目3AC)39歳3BC胚を自然周期で移植→女児出産に至りました。移植前に簡単な不育検査(血液)と子宮内フローラの検査をしています(どの項目も問題なしでした)。現在41歳二人目を考えるなら早く動かなくてはならない年齢なのは分かっていますが、妊娠時の酷い悪
・・・こんな題名の記事を書くくらいだから、2倍にはならないんでしょうけど、じゃあどうなんでしょうか。ということで、今日は、2個移植について、数学的見地から解説していきたいと思います。もちろん、人間の体はそんなに計算通りにはなりません。理論値と実測値は常に異なります。とは言え、理論値上はどうなるのかということを知っていることは大切なことです。女性年齢28歳で良好な胚盤胞(4AA)が2つあったとしましょう。移植は今回で初めてだとします。初回の移植で1個移植を行って妊娠する可能性を仮に60
Q39歳PGT-Aにて得た3BCの正常胚を移植し無事陽性判定をいただいたのですが、hCGが高すぎて喜べず不安な日々を過ごしています。BT14βhcg6832(胎嚢5.9mm)BT16胎嚢7.8mm、卵黄嚢確認までできているため、子宮外妊娠は否定できそうです。胞状奇胎の所見は見られていませんが、一卵性双生児の可能性と共にまだ経過観察中です。血中hCGは個人差が大きく、双子や絨毛疾患を除外できれば、高いのは良い事と聞きますが、ネットで自分で探せる範囲ではあまり見かけない高値なの
みゅぅです判定日ブログには沢山のいいねとお祝いコメント頂きましてありがとうございました😭✨✨✨✨✨ここからは胎嚢確認、心拍確認が大きな壁です‼️頑張って行きます‼️さて本日はBT165w0dでリプロ通院日です。1週間長かったですー💦💦💦緊張の胎嚢確認…最近の症状はこんな感じ。⚫︎鼠蹊部辺りを引っ張られるような感じ(片方ずつ)⚫︎胸の張り、乳首のスレ(日による)⚫︎トイレが近いで、本日5週に入ったからか水下痢の腹痛と呼吸が浅い、軽い吐き気、軽いクラクラ。これってつわりなの?
本論文は、日本の多施設共同研究によりPGTの臨床成績を検討したものです。ReprodMedBiol2023;22:e12518(日本)DOI:10.1002/rmb2.12518要約:日本の200施設において、2回以上の反復着床不全(RIF)、2回以上の流産(RPL)、あるいは染色体構造異常のある28~50歳の女性10,602採卵周期、合計42,529個の胚盤胞のPGTを実施しました(NGS法による)。正常胚25.5%、モザイク胚11.7%、異常胚61.7%が確認でき、採卵周
Q下記過程を経て第一子を出産し、第二子のための移植を考えております。PGT実施の正常胚が2つあり、両方とも6日目の完全脱出胚盤胞(6BBと6BC)です。黄体ホルモン開始5日目5日目4BC(2つ移植、PGT未実施)→胎嚢(1つ)確認後の流産、流産後の染色体検査は未実施5日目4AB(1つ移植PGT未実施)→胎嚢確認後の流産、流産後の染色体検査で正常と出ましたがXXだった為真偽のほどは分かりません黄体ホルモン開始6日目移植(ERA検査の結果に基づいて)5日目5BC(正常胚)→出産ERAの
皆さまの卵子・受精卵(胚)を培養する培養液(メディウム)は、結構デリケートにできていて、表面が触れている空気の二酸化炭素濃度濃度によってpH(酸性・アルカリ性)が変わります。さて、そこで問題です。大気中の二酸化炭素濃度は何%でしょうか。多い方から順に、窒素(78%)、酸素(21%)、アルゴン(0.9%)、そして二酸化炭素は0.03~0.04%です。だいぶ昔に理科で習ったはずですが、ほとんどの方は忘れてしまっていたことでしょう。これが、培養器の二酸化炭素濃度は6%もあるのです(培養環境により
今日は、生殖医療解説シリーズを。いくつか温めている大きなテーマがあって、精子提供、卵子提供、代理母、養子縁組、ただ、テーマが大きい上にセンシティブな内容なので、なかなかパーっと書いてはいアップとはいきません。同じように大きなテーマとして、今日はPGT-Aの基本的な内容について解説していきたいと思います。日本産科婦人科学会での発表にもあったように、PGT-Aは今春から始まった保険適応から除外されたばかりか、先進医療Aでの申請も却下となり、先進医療Bでの認定を目指すことになりました。しかも
Q28歳で結婚、現在35歳、妊娠治療歴約3年、PCOS2019年1月採卵、56個卵回収、成熟卵41個、32個顕微授精、初期胚凍結12個、24個継続培養→胚盤胞15個凍結。移植①(4AA)→陰性移植②(4AB)→7w流産(心拍確認前)で手術移植③(4AB)→7w流産(心拍確認前)で手術夫婦染色体異常無し2回流産のため、PGT-A5個実施し、正常胚2個移植④(5BB正常胚)→陰性移植⑤(3BC正常胚)→陰性ERA検査→着床の窓にズレあり(19:00~25:00が最適)→
たまには(?)マジメなお話を。今日は胚移植のお話です。胚移植は、今までの諸検査、卵巣刺激(排卵誘発)、採卵、授精(受精)、そして凍結融解を経て、生殖医療の集大成です。胚移植は、する側もされる側も緊張する瞬間ではないかと思います。では、胚移植は果たして難しいのでしょうか。胚移植の難易度に関連する要素としては、1)医師の技術(経験数)2)医師の技術(その医師のセンス、上手さ)3)患者さんの子宮の状態4)医師と患者さん(の子宮)の相性5)その施設が用意している胚移植のカ
Q40歳、男性不妊で顕微受精10年前に二段階胚移植で双子の女児出産(帝王切開)、5年前に男児(帝王切開)を出産しており、第4子の希望です。7週での流産が1回ありますが、その時は胎嚢も小さく心拍も最初からゆっくりで自然排出されました。染色体の検査は行っていません。妊娠できたら3回目の帝王切開となるため、中期流産を避けたくPGT-Aを行いました。正常胚が1つでき(6日目胚盤胞5BA)、ホルモン補充周期で先月移植し陽性判定でしたが、6週6日で胎芽も心拍もなく、2箇所のクリニックで枯死卵と言われてしま
Q36歳、出産2回、流産4回初回出産の後、11週で流産(流産胎児絨毛染色体:正常男児)、不育症検査でプロテインSのみ引っかかり、アスピリンを服用しながら2回目の出産。その後、アスピリンを服用しているにもかかわらず、3回連続で7週頃で初期流産(流産胎児絨毛染色体:染色体正常女児2回、1回未検査)。再度、不育症専門医のクリニックで不育症検査を行った所、以下の項目で引っかかり、次回妊娠からはアスピリンとヘパリンが必要とのことでした。プロテインS活性51%抗β2GP1抗体IgG38
本論文は、抗リン脂質症候群(APS)の新しい分類基準を示しています。ArthritisRheumatol2023;75:1687(全世界)doi:10.1002/art.42624要約:ACRとEULARは、次の4つのステップから、抗リン脂質抗体症候群の新しい分類基準を作成しました。1)文献レビュー、2)必要な基準の削減、3)重み付けと閾値決定、4)検証です。新しい基準は下記の通り(要点のみ記載)。臨床所見3点以上と検査所見3点以上を3年以内に満たした場合にAPSと診断す
連載3回目の今日は夫婦の染色体検査について書いてみたいと思います。染色体というのは、遺伝子の集合体で、1番から22番までの常染色体が2本ずつ(22×2=44本)と、XXもしくはXY(性染色体はXが2本もしくはXとYが1本ずつ)で合計46本からなります。46本の染色体は、2万数千のDNAからなり、DNAは60億個(30億対)もの塩基から成り立っています。大小関係をざっくり表現すると、染色体>DNA(遺伝子)>ゲノム(塩基)という関係です。よく染色体検査のことを遺伝子検査とおっしゃる方が
本論文は、睡眠やシフト制勤務と流産に関する前方視的検討です。HumReprod2024;39:413(米国)doi:10.1093/humrep/dead249要約:2013〜2023年に北米在住の女性9,357名とその夫2,602名を対象に、妊活開始時に登録し、睡眠と流産に関する前方視的検討を行いました。まず、睡眠時間と勤務に関するアンケートに回答していただき、妊娠された方には追跡調査アンケートを実施し流産時の妊娠週数を確認しました。結果は下記の通り(有意差のみられた項目を赤
QAMH(2021年3月時点)3.86→(2022年5月時点)2.672021年は人工授精を行っており、2022年に保険診療での採卵周期を開始妻37歳:子宮筋腫核出術を受け、残存筋腫の経過もみていただきながら、大学病院に通院中夫40代:総運動精子数が1千万前後と人工授精がギリギリできる値で、体外受精・顕微授精を勧められました夫婦ともに喫煙歴なし採卵方法は、D5(カレンダーの都合)にエコーと採血で決まりました。エコーでのAFCが左右合わせて10個はあったこと、採血でFSH5.6、LH4
Q36歳、出産2回の後、3回連続で7週程度で流産不育症専門医のクリニックで不育症検査を行った所、以下の項目で引っかかり、次回妊娠からはアスピリンヘパリンが必要とのことでした。プロテインS活性51%抗β2GP1抗体IgG38.7本日お伺いしたいのは、私のようなリン脂質抗体陽性、プロテインS低値で不育症の者の、脳梗塞などの健康リスクをどう考えれば良いか、ということです。抗リン脂質抗体陽性でweb検索すると、若年で脳梗塞を発症した事例などが出てきて、とても怖いです。自分が脳梗塞を発症