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続いて、また別の視点からの考察になります。長い物語が必要なのは誰?「あのひとが誰かをきちんと描くには、長い物語が必要なのです」下巻336と名木田先生は言っています。長い物語は20年分、単に恋愛の成就だけではありません。どうでしょうか?検証してみます。アルバート編①恋愛期間②(結婚)③アードレー家、危機?エイボン川の町に引っ越し④第二次世界大戦勃発・アメリカへ帰国?既に漫画や旧小説において確固たる関係を築いているアルバートなら、恋の成就はあっさり成し遂げ
★★★1-3テリィの演じるハムレットは瞬く間に評判になり、劇団創立以来の大ヒットを記録した。秋の公演に続き冬の公演、春の公演と延長が決まり、役者として順調にステータスを築き上げていく様が、手に取る様に分かった。大人びた顔つきや一回り大きくなった体格からは自信も垣間見えた。テリィのお芝居を観ることが決して叶わない夢だと分かっていても、自分が応援団長にでもなったかのようにテリィの活躍が嬉しくて、記事を目にする度心が躍った。ハムレットの初演から一年あまりが過ぎた頃、世界を巻き込んだ戦争が
SONNET1章の中書き1章をお読みいただきありがとうございます♡少し話がのろのろしていますが、物語を思い出すための準備運動だと思っていただけたら。1章の中盤まではキャンディの心の動きを延々と書きました。「あのひと」と再会するまでの空白の10年間のキャンディ側の心情です。もちろん二次小説なのでブログ主の主観も入っていますが、ファイナルの文章を吟味した上で導いたものなので、妄想が暴走しているわけではありません。ただし皆さんとは(特にAファンには)受け取り方に相違があるかもし
あのひとはどっちか?『あのひと考察』の本丸です♪ファイナルを未読の人でも分かるように書きました。一緒に考えましょう物語を自分の想像力で楽しみたい人は、読むのをお控えください🙇♀️※公平を期すため、アルバートさんの敬称を省略させて頂きます。二人が別れてからの10年間まず、ファイナルに書かれている流れを確認します。テリィ側ハムレット役で返り咲き、スザナと婚約したらしいが、結婚しないままスザナが亡くなった。「ぼくは何も変わっていない」とキャンディに手紙を書いた。こ
キャンディ雑談マシューさん郵便配達員のマシューさんは、アニメオリジナルのキャラです。太っていて、髭があって、郵便局員の制服を着て、大きなバッグを斜めにかけて。いかにも漫画に登場していそうですが、いませんでしたマシューという名前は「赤毛のアン」に登場するマシュー・カスバートから拝借したのかな?キャンディ♡キャンディは、アンの要素がたっぷり入っていますよね。緑の瞳、そばかす、学院生活の黒板エピソード・・・ポニーの家の屋根ポニーの家の屋根が緑色なのは、グリ
続いてその他の本文から、探っていきます二次小説を書いたからこそ気づいてしまった、原作者のテクニックです。あのひとはテリィだと言っちゃってる「あのひと」とは、言わずと知れたキャンディの愛する人の代名詞。ファイナルの帯にも書いてあります。言い換えれば、「あのひと」という名前の登場人物です。アメリカに旅立つテリィを、キャンディが馬車で追っていくシーンにこのようなセリフが登場します。「どうか、どうか、間に合いますように…。テリィに会えますように…。わたしは、まだ
★★★2-10©水木杏子・いがらしゆみこ画像お借りしました夜通し走る寝台車つき特急列車。交通手段が電車に移りつつあるこの頃でも、長距離を結ぶ路線は相変わらず蒸気機関が主流だ。シカゴを中継しこの列車の先頭車両に乗り込んだキャンディは、ホッと息をついた。「ニューヨークへの直行便・・。あとは朝が来るのを待つだけね」もうすぐ会えると思うと、キャンディの顔は溶けかけたアイスクリームのようにしまりが無くなり、垂れてくる目じりを何度もキュッと持ち上げる。そんなキャンディの様子を、向かいの席
考察前のつぶやき「あのひとのことは、はじめから曖昧にしようと決めていました」下巻336これはファイナルのあとがきに書かれている、原作者名木田先生の言葉です。これを『どちらともとれるように書いた』と解釈する人がいるようです。そう思いますか?この言葉だけ見ると、そうかもしれません。なので「文脈」を見てみます。後に続く言葉を紹介します「あのひとが誰かをきちんと描くには、長い物語が必要なのです。あのひとを明かしてしまうと、長年の読者たちの夢を奪うことになるか
当ブログには、アメンバー限定記事がございます。アメンバーの申請には、前提条件としてアメーバー会員登録が必要です。ブログを始めるつもりがない方でも、登録できます。※無料ですAmebaヘルプ|*****はじめての方へのガイドhelps.ameba.jp※言葉が似ていてややこしいのですがアメーバ―会員(アメブロの会員)アメンバー(限定記事の読者)は違いますのでご注意くださいアメンバーを希望される方へコメント欄に当ブログの感想を添えてご希望の
SONNETのあとがき物語は全て終わりました。如何でしたでしょうか。スッキリしていただけたでしょうか一番思い入れのある8章。5月の誕生石エメラルドの緑とキャンディの瞳の色との符合は、おそらく偶然ではないのでしょう。原作者の名木田先生、神です!!そして宝石言葉が「幸せ」と知った時にはもう鳥肌が立ちました。物語の中でキーワード的に何度も登場する言葉。これも瞳の色と掛けていたのだとしたら・・、ホント神業ですね。「エピローグ」の最後の数行は、FINALSTORYからの抜粋です。原
7章の中書き7章、お読みいただきありがとうございました。🙇♀️レ・ミゼラブルを出したのは、あのひとの本棚にフランスの文学書があったからです。ブロードウェーミュージカルでロングラン公演になるのは、ず~と後世ですが、その前身になる舞台で、エレノア・ベーカーも関わってるといいな、というブログ主の願いも込めて。ポニーの家の子がよそへ引き取られる際に、新しいパジャマを持たせるというエピソードは、アニメオリジナルのものです。巣立つ子供への先生たちの愛情がよく表現され、じ~んと
手紙に前文がある?この手紙は一部に過ぎない、という見方もあるようです。通常、手紙は『キャンディへ』であり、一行あけて「変わりはないか」の本文に入ります。しかしテリィの手紙は「キャンディ」「変わりはないか?」の二文が連続し、まるで全体の一部を抜粋したかのような入り方になっています。向って左がテリィからの手紙・右がアルバートさんからの手紙ファイナルに登場する手紙は「一行空ける形式」を守っているので、このテリィの手紙は例外です。・・・という事は、ここにも原作者の意図があるので
★★★1-2翌日は朝から空が重く、午後になるとぽつぽつと降りだした雨が地面をぬらし始めた。「はあ~・・、降ってきたの」「・・ぬかるんだ地面に足をとられない様に・・気を付けて行って来てください・・」マーチン先生は、覇気がないキャンディの様子が気になっていた。今日のキャンディは包帯を巻く部位を間違えたり、診療代をもらい忘れたりと、集中力に欠けていた。(・・地に足がついていないのは、キャンディじゃろ)マーチン先生は一抹の不安を覚えつつも、往診に行く準備を終えた。「新患が来たら待たせてお
ソネット連載中に用意していた考察系(?)原稿が発掘されました。お時間のある時にどうぞ※過去の日付で投稿していますが、実際の投稿日は6月14日です男性キャラを勝手に語るアンソニーアンソニーはあまりに早く死んでしまいます。文庫本では1巻です。アニメでは話を延ばすためかアンソニーは活発に動き、ロデオやら牛乳配達やら色々やらされていますが、漫画ではそう多くのエピソードはありません。連載が長期化すると分かっていれば、アンソニーはもっと色々やれたのに―・・アンソニーの魅力
★★★7-13「フンギャー・・フグッ・・オンギャー」どこかで泣き声がする。車内を見渡すと、いつの間にか混雑し始めていた。都市が近いからなのか、夕刻の一時的な混雑なのかは分からない。通路にも人が立ち始め、押し出されるように赤ん坊を抱いた若い夫婦がキャンディの直ぐ横に立った。「あの、この席をどうぞ」即座に立ちあがったキャンディは、テリィに肘で合図を送り通路へ出た。「え・・いいんですか?」「赤ちゃん、お腹が空いているのかしら?・・立ったままじゃ無理でしょ?どうぞ」奥に座った若い母親
時系列のヒントハムレット役に抜擢されたのはいつ?ロックスタウンでの幻の再会はキャンディが16才の早春。ハムレットの初演は「秋の公演」です。この「秋」が何年後なのかは書かれていませんが、春に劇団に戻りその半年後に主役ゲットではあまりに許されるのが早すぎます。「ロミオとジュリエット」を打ち切りにさせるほどまずい演技をし、その後失踪してしまった身勝手な行動は、社会人としてあまりに無責任だからです。最短ミラクルで1年半後でしょう。公演が始まる頃、エレノア・ベーカーから招待券
キャンディの「今」をろくに調べもせずに出したようなテリィの手紙の文面。短いながらもテリィらしさ全開の文面は、突っ込みどころ満載です。再現度100%の全文に登場してもらいましょう。キャンディ変わりはないか?……あれから一年たった。一年たったら君に連絡しようと心に決めていたが、迷いながら、さらに半年がすぎてしまった。思い切って投函する。――ぼくは何も変わっていない。この手紙が届くかどうかわからないが、どうしてもそれだけは伝えておきたかった。T・G書いたのはいつ?
小説FINALSTORYに出てくる「エレノア・ベーカーへの手紙」を基にした一話完結の物語です。ファイナル、SONNET本編が未読でもご覧いただけます。※ネタバレには絡みません11年目のSONNETスピンオフハムレットの招待状★★★ごめんなさい、ミス・ベーカー。ミス・ベーカーのお気持ちは痛いほどありがたいのに。この招待券を見つめているだけで、わたしにはテリィの舞台が観え、歓声と鳴りやまぬ拍手が聞こえてくるような気がします。この招待券はわたしの宝物として大
★★★4-14劇団の裏口。その夜も多くの観客がお目当ての俳優に花束を渡そうと、出口付近に詰め寄っていた。その花道を全く関係ない人物が歩かなければならない、このまずさ。「――あの時、ながながと話し込んでいたわよね。どんな話を?」「持っている素材と才能が違いすぎると僕が言ったんです。そしたらグレアム先輩は―」さりげなく会話をしながら通り過ぎるのが常套手段なのだが、呼び止められることもしばしば。「ねえ、ちょっとそこの君たち、テリュース・グレアムはまだ中にいる?いつ出てくる?」「帰ったかど
代々伝わる宝石箱あのひとの家に代々伝わる象嵌細工の宝石箱。「代々」という表現は、他に一箇所テリィの実家に対して使われています。「グランチェスター家先祖代々の厳めしい肖像画」下巻83スコットランド移民のアードレー家より、グランチェスター公爵家の方が歴史があるものと思われますが、だからアードレー家ではない、とは言えません。装飾に使われている希少価値の高いマザーオブパールは当時の富の象徴・貴族のステータスでしたが、それをアードレー家が所持していても不自然ではありません。マ
★★★1-4思い出ごと封印したあの日からちょうど六年が経つ。引き出しの鍵はずっと閉められたままだ。あれ以来、一切の邪念を捨てるようにテリィとスザナの幸せを祈ってきた。ブロードウェーのスター、テリュース・グレアム。もう手の届かない存在。それが今のテリィ。――ぼくは何も変わっていない突然手紙の文字が頭に浮かんだ。「・・あ、そうか。手紙が来たんだったわ。昨日――」あれは夢だったかと一瞬思ったが、確かに封を切った覚えがある。朝起きた時、机の上には確かに白い封筒が置かれていた。「・・
★★★1-5「ただいま・・・」「キャンディ、まあ!びっしょりじゃない。レインコートはどうしたのっ!」「ちょっと頭が痛いの…、みんなに移しちゃうと大変だから、先に休んでいい?ご飯はいらないわ」相変わらず様子がおかしいキャンディをレイン先生は気に掛けてはいたが、思春期の子供を持つ多くの母親がそうするように、本人から何か言ってくるまでは干渉しないでおこうと決めていた。「ちゃんと体を拭いて、温かくして寝るのよ」「おやすみなさい・・・」部屋に入ると机に置かれたままの白い封筒が、これは現実なの
句読点から読み取る論より証拠。下巻174~175の2ページをご覧ください。これはアメリカに戻ってきたキャンディが、テリィを想って書いた手紙です。テリィに恋をしている頃ですね。「テリィ……」の表現は4回です。では、テリィと別れてから書いた『出さなかった手紙』に出てくる「テリィ……」はどうかというと、下巻274~277の4ページで4回です。テリィに対して、依然として切ない恋心を抱いたまま、と感じます。それを対比されるような使い方が「アルバートさん」です。
創作した物語の掲載を前に創作した物語を掲載しますと予告をしていたにも関わらず、別の記事を先に掲載しました。今現在、創作物語は絶賛修正、加筆中なのですが、ブログの自己紹介文にもありますように、ファイナルストーリーを読んでからというもの常にキャンディキャンディのことが頭の中にあります。仕事中でもテレビを観ているときも、どんなときも頭の片隅にあります。ブログを書くほど夢中になったのは、ファイナルストーリーを読んでから何度目になるでしょうか。記憶としては4回目くらいでしょうか。以前のブログはア
★★★8-4「愛の言葉をねだられることも、俺を試すような会話も幾度となく繰り返されたが、俺は応えた。言葉やキスでスザナの気持ちが落ち着くなら、こんなたやすいことはな・・・――キャンディ・・?」・・・ダーリン、まだお休みにならないの・・?マイアミのホテルで聞いたスザナの声がふと蘇り、キャンディは殆ど無意識に、ギュッと目を閉じ、固く結んだ手を胸にあてていた。覚悟していたとはいえ、テリィの口から他の女性との生活が・・――スザナとの生活が語られると、まるで一枚ずつ写真を見せられているよう
※2024年2月26日内容を更新しました。小説キャンディキャンディFINALSTORY復刊を目指しています活動をご存知ない方はこちらをお読みください『ファイナル・ストーリーを復刻させよう!』諦めていませんか・・・?3万円出せないと。。。。何がってこれです!!諦めるのはまだ早~い!!※つい昨日まで諦めていたのは誰?こちらのブログ…ameblo.jpフリマで超~高額で取引されてるこの本遥か昔の記憶が、かろうじて残っているそこのあ
★★★2-13テリュースはやり遂げた満足感でいっぱいだった。観客の中にキャンディがいなかったのは残念ではあったが、それよりも今は無事が確認できただけで十分だった。最低限の安堵感を得た事で、演技に集中する事が出来たのだ。しかし、舞台を降りた瞬間から、脇に寄せていた焦燥感が津波の様にどっと押し寄せてきた。(ケガは大丈夫だろうか・・・あの町に留まっているだろうか)町に向かう途中に再び立ち寄った事故現場では、夜通し作業が行われていた。作業にあたる関係者から、患者が搬送された複数の病院の住所と
★★★2-3「そろそろ本宅のばらは咲き始めたかしら」同じ頃キャンディはシカゴへ向かう列車の中にいた。アルバートが出張で長期不在になると聞き、仕事帰りにそのまま列車に乗り込み、シカゴの本宅へ向かったのだ。近況報告はもちろんだが、町の病院から交代要員の看護婦を手配してくれたお礼も言いたかった。町の病院はアードレー家の資本が入っていた。これにはキャンディが看護婦であることと、アルバートの過去の経験が深く関係している。アフリカという辺境地で行った医療活動、記憶喪失という病との戦い。医療の
考察の目次はこちら考察のはじめにまずはじめに、この考察を書いたのはテリィファンですしかもファイナルストーリー(以下ファイナル)の続編を勝手に意識した長編二次小説を書きました。その小説の中には、ファイナルのエピソードや小道具は全て投入されています。原文と滾々と向き合った月日が長いので、既に悟りの境地に至っていますそんな奴が書いた考察なので、この考察を読み終えた頃には、テリィファンならあのひとがテリィだと確信すると思います逆にアルバートさんだと確信している人にとっ
★★3-3どうやら伯爵は籠城作戦をとるらしい。「朝は食欲がなくてね、レディ一人でどうぞ。朝一番なら数量限定の特製クロワッサンが有るってさ」そう言って、伯爵は未だに寝ている。一人でレストランホールに行く分には、確かに何も起こらない。平和な朝だ。きちんとした身なりの上級乗客に交じるのは、普段着の自分には少々場違いな気もするが、朝食は一日の原動力。そんな理由で抜くことはできない。「おはよう!クッキー」ホールにクッキーの姿を見つけた。限られた人員。乗務員は一人何役もの業務をこなすようだ。