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SONNETのあとがき物語は全て終わりました。如何でしたでしょうか。スッキリしていただけたでしょうか一番思い入れのある8章。5月の誕生石エメラルドの緑とキャンディの瞳の色との符合は、おそらく偶然ではないのでしょう。原作者の名木田先生、神です!!そして宝石言葉が「幸せ」と知った時にはもう鳥肌が立ちました。物語の中でキーワード的に何度も登場する言葉。これも瞳の色と掛けていたのだとしたら・・、ホント神業ですね。「エピローグ」の最後の数行は、FINALSTORYからの抜粋です。原
★★★1-8その夜、キャンディは淡いピンク色の便箋と封筒を取り出した。返事を書くのは至極当然なのに、アルバートから言われるまですっかり忘れていた。机の前に座ってはみたものの、文章が何も思い浮かばない。ペンを持つ手が石膏のようにかたまり、眼だけが便箋の線とひたすらにらめっこしている。「あ~、もう!おしゃべりと手紙は得意なはずなのにっ・・!」キャンディは無意識にとめていた息を一気に吐き出すと、ベッドに身を投げた。「ダメダメっ!とにかく手紙が無事届いたことだけでも知らせなきゃ、きっと待っ
※2024年5月7日内容を更新しました。小説キャンディキャンディFINALSTORY復刊を目指しています活動をご存知ない方はこちらを『ファイナル・ストーリーを復刻させよう!』諦めていませんか・・・?3万円出せないと。。。。何がってこれです!!諦めるのはまだ早~い!!※つい昨日まで諦めていたのは誰?こちらのブログ…ameblo.jpフリマで超~高額で取引されてるこの本遥か昔の記憶がかろうじて残っているそこのあなた
★★★8-3「・・・このポスターを貼った頃、俺には描いていた未来があった」テリィは壁に貼られたままのロミオとジュリエットのポスターを遠い目で見つめた。「君がこの小さなキッチンで朝食を作ってくれて、『いってらっしゃい』って送り出してくれる。疲れて稽古から戻ると『お帰りなさい』って迎えてくれて、その日あった他愛もない出来事を報告し合い、あの小さなベッドで君を抱きしめながら眠りにつく。そしてまた次の朝を迎える・・。ポスターに落書きを残して君が去った後も、その幻影はなかなか消えてはくれなかった・
『あのひと』とは関係がない、ファイナルと漫画の相違点をご紹介します次はテリィ以外の項目をチェック。誕生日はアンソニーが決めてない?©水木杏子・いがらしゆみこ画像お借りしましたキャンディの誕生日は、アンソニーがばらをプレゼンとした日だと思っていませんか?データによるとキャンディの誕生日は5月7日。コアなファンなら誰もが知っています。漫画やアニメでは、アンソニーは本当の誕生日を知らないキャンディに「次に僕と会った時が君の誕生日だ」と言って別れ、新種のばらが
★★★8-4「愛の言葉をねだられることも、俺を試すような会話も幾度となく繰り返されたが、俺は応えた。言葉やキスでスザナの気持ちが落ち着くなら、こんなたやすいことはな・・・――キャンディ・・?」・・・ダーリン、まだお休みにならないの・・?マイアミのホテルで聞いたスザナの声がふと蘇り、キャンディは殆ど無意識に、ギュッと目を閉じ、固く結んだ手を胸にあてていた。覚悟していたとはいえ、テリィの口から他の女性との生活が・・――スザナとの生活が語られると、まるで一枚ずつ写真を見せられているよう
7章の中書き7章、お読みいただきありがとうございました。🙇♀️レ・ミゼラブルを出したのは、あのひとの本棚にフランスの文学書があったからです。ブロードウェーミュージカルでロングラン公演になるのは、ず~と後世ですが、その前身になる舞台で、エレノア・ベーカーも関わってるといいな、というブログ主の願いも込めて。ポニーの家の子がよそへ引き取られる際に、新しいパジャマを持たせるというエピソードは、アニメオリジナルのものです。巣立つ子供への先生たちの愛情がよく表現され、じ~んと
『あのひと』とは関係がない、ファイナルと漫画の相違点をご紹介しますまずはテリィ編キャンディをかばう為に礼拝へきたテリィ?イライザの策略で合同礼拝に灰色の制服で来てしまったキャンディ。礼拝が始まった直後、テリィが乱入してきた時の描写です。あまりに印象的ですね。いよっ、石原裕次郎!!テリィの型破りぶりを印象付ける為のエピソードなのかと思っていました。「え、そうでしょ?」と思ったあなた。甘いっ!次の文をお読みください。「テリュースは脱いでいた灰色の上着をわざとらし
★★3-3どうやら伯爵は籠城作戦をとるらしい。「朝は食欲がなくてね、レディ一人でどうぞ。朝一番なら数量限定の特製クロワッサンが有るってさ」そう言って、伯爵は未だに寝ている。一人でレストランホールに行く分には、確かに何も起こらない。平和な朝だ。きちんとした身なりの上級乗客に交じるのは、普段着の自分には少々場違いな気もするが、朝食は一日の原動力。そんな理由で抜くことはできない。「おはよう!クッキー」ホールにクッキーの姿を見つけた。限られた人員。乗務員は一人何役もの業務をこなすようだ。
★★★4-16公演最終日の昼過ぎ、キャンディの待ちかねた人物が屋敷にやってきた。「お母様!!」キャンディは嬉しさのあまり、跳ぶ様に抱きついた。「キャンディ、おめでとう。『ママ』で構わないわ。あの時みたいに」全米で名を馳せている女優エレノア・ベーカーのオーラは隠しきれていないが、その整った顔立ちから漂う表情は普通の母親そのものだった。「テリュースはどう?優しくしてくれる?」早速母の気苦労が顔を出す。「はい、私にはもったいないくらい素敵な人です。さあ、どうぞ中へ」照れながら答え、招
★★★1-3テリィの演じるハムレットは瞬く間に評判になり、劇団創立以来の大ヒットを記録した。秋の公演に続き冬の公演、春の公演と延長が決まり、役者として順調にステータスを築き上げていく様が、手に取る様に分かった。大人びた顔つきや一回り大きくなった体格からは自信も垣間見えた。テリィのお芝居を観ることが決して叶わない夢だと分かっていても、自分が応援団長にでもなったかのようにテリィの活躍が嬉しくて、記事を目にする度心が躍った。ハムレットの初演から一年あまりが過ぎた頃、世界を巻き込んだ戦争が
★★★1-11草木も眠る真夜中、けだるいエンジン音がこの家の門前で止まった。暗闇で目の自由がきかない。冷たいポストに手を伸ばす。小ぶりだが厚めの封筒が一通だけ入っている感触に突き当たる。無理して帰ってきた甲斐があったと思ったのはその時だ。そこからは、先ほどと同一人物とは思えないほど俊敏な行動を見せた。勢いよくエンジンを再点火させると、深くクラッチとアクセルを踏み込んで敷地内に侵入し、急いで部屋の灯りをつける。差出人の名を確認するとようやく夢ではないことを実感し、笑みがこぼれた。
★★★2-14「さぁ、最後の患者を診るとしよう」「今の人で最後のはずでは?」キャンディが不思議そうに尋ねると、先生はキャンディの肘をゆっくり持ち上げ、二の腕を指した。「・・あっ、忘れてました。傷口は直ぐに水で洗いましたから平気です」「いやいや、破傷風は怖いからの。わしのバッグの中に薬が―」「私は実験台ですか?全て認可前のですよね・・?」できれば遠慮したいと引きつり笑いをするキャンディに、先生はバッグの中をあさりながら「いや、特効薬がな・・おっ、これこれ、就寝前の一杯」先生は携帯用
★★★8-17「どうされましたか?ウィリアム様」運転席のジョルジュは、笑いをこらえているようなアルバートの声に気付き、後部座席にちらっと目を向けた。「いやぁ~、この設定はすごいよ。キャンディは住み込みの看護婦で、テリィがマーロウ家に入り浸っていたのはそのせいだって。ゴシップのプロの発想はすごいな。そんな筋書き、僕には思いつかない」ニューヨークで調達した新聞を見て、アルバートはしきりに感心していた。「グランチェスター様はインタビューに応じたようですね。その記事、どうなさるおつもりです?」
考察の目次はこちら考察のはじめにまずはじめに、この考察を書いたのはテリィファンですしかもファイナルストーリー(以下ファイナル)の続編を勝手に意識した長編二次小説を書きました。その小説の中には、ファイナルのエピソードや小道具は全て投入されています。原文と滾々と向き合った月日が長いので、既に悟りの境地に至っていますそんな奴が書いた考察なので、この考察を読み終えた頃には、テリィファンならあのひとがテリィだと確信すると思います逆にアルバートさんだと確信している人にとっ
★★★1-5「ただいま・・・」「キャンディ、まあ!びっしょりじゃない。レインコートはどうしたのっ!」「ちょっと頭が痛いの…、みんなに移しちゃうと大変だから、先に休んでいい?ご飯はいらないわ」相変わらず様子がおかしいキャンディをレイン先生は気に掛けてはいたが、思春期の子供を持つ多くの母親がそうするように、本人から何か言ってくるまでは干渉しないでおこうと決めていた。「ちゃんと体を拭いて、温かくして寝るのよ」「おやすみなさい・・・」部屋に入ると机に置かれたままの白い封筒が、これは現実なの
★★★3-10何か所かロンドンの名所を案内してくれたテリィは、大きな寺院の前に車を停めた。「ここで待ってて」と言い残し、何やら受付窓口の人と話をしている。戻ってくると「中を見学できるよ」とキャンディに声を掛け、車から二つのトランクケースを下ろした。「君はこっちを持ってくれる?」テリィからシルバーのトランクケースを渡され、「なんで持ち歩く必要があるのよっ」と、不可解だったので訊いてみたが、「大切な衣装だから」と言われれば反論の余地はない。車上あらしにでも遭えば、最悪の場合公演延期にもな
漫画の後半を読むと、確かにアルバートさんはキャンディに恋心のようなものが芽生えているようです。しかし残念なことに、旧小説やファイナルではそのくだりはバッサリと欠落し、揺れ動く微妙な男心と、プロポーズかと思わせるセリフは全てカットされています。本筋と関係ないから切り捨てることができる、という解釈もできますが、少なくとも旧小説まではページの都合上だと個人的には思います。そこでまずは漫画に登場する、アルバートさんの感情を軸に時系列にしてみました。記事内では、老眼の負担軽減の為(笑)アルバ
★★★7-8何がそんなに難しかったのかと思うほど鍵はいとも簡単に開き、水色のリボンで固く結ばれた束を手に取ったキャンディは、懐かしそうにそれを見詰めると、そっと胸に抱いた。「象嵌細工の宝石箱にしまおうかな」「・・これを?」黄ばんだ記事の切り抜きと封筒。ハガキも混じっている。ふさわしい収納場所とは思えない。「だって、テリィの手紙だもの・・。宝石箱は私の好きに使っていいんでしょ?持ち歩いていたデビュー当時の切り抜きが、既に王様のように収まっているのよ?これも仲間に入れてあげないと不公平だわ
手紙に前文がある?この手紙は一部に過ぎない、という見方もあるようです。通常、手紙は『キャンディへ』であり、一行あけて「変わりはないか」の本文に入ります。しかしテリィの手紙は「キャンディ」「変わりはないか?」の二文が連続し、まるで全体の一部を抜粋したかのような入り方になっています。向って左がテリィからの手紙・右がアルバートさんからの手紙ファイナルに登場する手紙は「一行空ける形式」を守っているので、このテリィの手紙は例外です。・・・という事は、ここにも原作者の意図があるので
💛前回までのあらすじイギリスの劇団からハムレットの代役の依頼を受けたテリィは、急遽渡英することが決まった。紆余曲折の上やっとキャンディと再会したテリィは、イギリスへ一緒に来て欲しいと迫る。故郷の人を残してはいけないと一度は断ったキャンディだったが、アルバートの手紙に後押しされ決意する。スザナの墓前で過去について語り出したテリィ。スザナに対して特別な感情はなく、自立を支援していたと説明したが、多くの事は今は話したくないと、マーロウ家での生活や婚約の真相については明言を避けた。旅立ちの朝、港にテリ
★★★2-13テリュースはやり遂げた満足感でいっぱいだった。観客の中にキャンディがいなかったのは残念ではあったが、それよりも今は無事が確認できただけで十分だった。最低限の安堵感を得た事で、演技に集中する事が出来たのだ。しかし、舞台を降りた瞬間から、脇に寄せていた焦燥感が津波の様にどっと押し寄せてきた。(ケガは大丈夫だろうか・・・あの町に留まっているだろうか)町に向かう途中に再び立ち寄った事故現場では、夜通し作業が行われていた。作業にあたる関係者から、患者が搬送された複数の病院の住所と
★★★7-13「フンギャー・・フグッ・・オンギャー」どこかで泣き声がする。車内を見渡すと、いつの間にか混雑し始めていた。都市が近いからなのか、夕刻の一時的な混雑なのかは分からない。通路にも人が立ち始め、押し出されるように赤ん坊を抱いた若い夫婦がキャンディの直ぐ横に立った。「あの、この席をどうぞ」即座に立ちあがったキャンディは、テリィに肘で合図を送り通路へ出た。「え・・いいんですか?」「赤ちゃん、お腹が空いているのかしら?・・立ったままじゃ無理でしょ?どうぞ」奥に座った若い母親
★★★2-3「そろそろ本宅のばらは咲き始めたかしら」同じ頃キャンディはシカゴへ向かう列車の中にいた。アルバートが出張で長期不在になると聞き、仕事帰りにそのまま列車に乗り込み、シカゴの本宅へ向かったのだ。近況報告はもちろんだが、町の病院から交代要員の看護婦を手配してくれたお礼も言いたかった。町の病院はアードレー家の資本が入っていた。これにはキャンディが看護婦であることと、アルバートの過去の経験が深く関係している。アフリカという辺境地で行った医療活動、記憶喪失という病との戦い。医療の
単刀直入に言っちゃうキャンディの王子さまはアルバートさん故に生涯キャンディの隣にいるのはアルバートさん。理由ですか?だって、そうとしか読めない。あれで「実はテリィと・・」なんて誰が想像できる?テリィとはきっちり別れ、テリィも「スザナを幸せにする!」と再確認してロックスタウンからNYに戻っている。アルバートさんもガンガンキャンディにアプローチしている。「幸せにしたい」とも言ってる。キャンディも意識し始めている(気がする)だからさ、いろいろ障害がありながら
キャンディ雑談マシューさん郵便配達員のマシューさんは、アニメオリジナルのキャラです。太っていて、髭があって、郵便局員の制服を着て、大きなバッグを斜めにかけて。いかにも漫画に登場していそうですが、いませんでしたマシューという名前は「赤毛のアン」に登場するマシュー・カスバートから拝借したのかな?キャンディ♡キャンディは、アンの要素がたっぷり入っていますよね。緑の瞳、そばかす、学院生活の黒板エピソード・・・ポニーの家の屋根ポニーの家の屋根が緑色なのは、グリ
あのひとは誰か?名木田恵子著FinalStoryを「読解」した場合、あのひとはテリィであることに向けて書かれていると思います。時系列を並び替え、追加されたエピを精査し、変更点の細部に着眼し、全体的な潮流、原作者の発言を加味すると、疑いの余地はありません。ただしこの著書は読者に結末を委ねるリドルストーリーです。曖昧な文章表現や余白から想像力を広げ、あのひとはAともTとも読むことができます。原作者もそれを望んでいます。イマジネーションの世界において、あのひとはAであ
※考察は全編にわたり、頻繁に加筆修正が行われています。考察好きの方は、定期的な再読をお勧めします考察の一覧表考察①FinalStoryって?1考察のはじめにテリィ派って?派閥争いFinalStoryって?時系列のポイントファイルの構成原作者の言葉2補足資料7つのエピソードの正確な文章テリィの手紙キャンディの出さなかった手紙名木田先生のインタビュー記事イタリア語版のまえがき考察②新旧手紙の比較1旧小説とファイナルの手紙の比較旧小説の印象
句読点から読み取る論より証拠。下巻174~175の2ページをご覧ください。これはアメリカに戻ってきたキャンディが、テリィを想って書いた手紙です。テリィに恋をしている頃ですね。「テリィ……」の表現は4回です。では、テリィと別れてから書いた『出さなかった手紙』に出てくる「テリィ……」はどうかというと、下巻274~277の4ページで4回です。テリィに対して、依然として切ない恋心を抱いたまま、と感じます。それを対比されるような使い方が「アルバートさん」です。
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